JPS5923939B2 - 放電加工機の電極反転装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、放電加工機の電極反転装置に関するもので
あり、とりわけ、電極取付定盤に取付けた放電電極の位
置を、自動的に１８００反転変位させる放電加工機の電
極反転装置に関するものである。

従来、多数個取りのプラスチック金型等の放電加工にお
いては、第４図に示すように、金型１の注湯口２の両側
に成形型３ａ、３ｂをそれぞれ複数個形成するものが多
く、そのため、注湯口２の一方の側の成形型３ａを加工
したのち、放電電極を１８００反転させて、他方の側の
成形型３ｂの放電加工に適合する位置に変位させる必要
が生じる。

かように放電電極を変位させる手段として、従来は、放
電電極を２種類用意して、それを交換して用いる方法に
よるものがあり、その場合は放電電極を交換するごどに
放電電極の位置決めを行う必要があつた。他の方法とし
て、放電電極を１８００反転させて電極ホルダーに差し
込むことが行われていたが、その場合もワークに対する
放電電極の位置決めをしなければならない煩雑さがあつ
た。また、以上のような煩雑さを避けるため、放電電極
を自動的に反転させるものとして、従来、電気的な電極
位置検出装置を放電加工機に内蔵させたもの、あるいは
、検出装置の検出レバーを放電加工機の外側べ突出させ
て位置検出を行うものがあつた。

しかし、前者では、内蔵された部分の正確な割出し調整
に装置の分解、再組立の作業を要し、かつ、内蔵された
検出装置が故障した場合の点検修理においても装置の分
解、再組立を要する等の欠点があつた。また、後者にあ
つては、検出レバーを突出動作させるための大きな切欠
きを設けるため、電極取付け時および加工時に精度を低
下させるという欠点があつた。この発明は、以上の点に
着目してなされたもので、放電加工機の外側に検出レバ
ーを突出させた上記後者のものにおいて、検出レバーの
動作を許容するための切欠きの大きさを極小とし、精度
を出し易く、しかも点検、修理を容易にし、かつ、電極
交換時の位置決め作業を不要にした放電加工機の電極反
転装置を提供することを目的とするものである。

以下、この発明を第１図、第２図および第３図に示す一
実施例について説明する。

図において、放電加工機の本体１１に内蔵されたモータ
のごとき回転駆動器１２の回転軸１２ａの下端に、放電
電極（図示せず）を取付ける電極取付定盤１３が軸着固
定されている。回転軸１２ａの中間部にベアリング１４
を介して軸支された支持板１５ａに固定された検出レバ
ー１５は、本体１１に設けた切欠き１１ａから本体１１
の外側に水平に突出しており、回転軸１２ａに対して回
転自在になつている。また、本体１１には、切欠き１１
ａを挾んでリミツトスイツチのごとき１対の検出器１６
ａ，１６ｂが取付けられている。これらの検出器１６ａ
，１６ｂは、互いに同一のもので、検出レバー１５が係
接する摺動杆１７がバネ１８を介してガイド１９に収納
され、摺動杆１７の後端が接点２０に離接するように構
成されている。支持板１５ａの下面には回転軸１２ａの
軸中心に対して１８００−θ０（θは検出器１６ａ，１
６ｂをそれぞれ動作させるための検出レバー１５の回転
角度）の角度をなして１対の突子２１ａ，２１ｂが突設
されており、電極取付定盤１３の上面には突子２１ａ，
２１ｂの位置と同一半径上に１個の作動ピン２２が突設
されている。バネ１８は、摺動杆１９を接点２０の反対
方向に押しており、検出レバー１５がベアリング１４を
介して回転軸１２ａによる回転摩擦トルクで動作して摺
動杆１７に押接しても、この押接力に抗して摺動杆１９
を制止するが、作動ピン２２が突子２１ａまたは２１ｂ
を押したときの検出レバー１５の回転トルクによつては
圧縮されて摺動杆１９の変位を許すバネカを有している
。

次に動作について第３図を用いて説明する。

回転駆動器１２はモータ、油圧揺動モータ、シリンダと
ラツクあるいはピニオンなどでなるもので、電極反転指
令が出ると動作し、回転軸１２ａが回転をはじめる。そ
れに伴つて、いま、電極取付定盤１３が時計方向に回転
したとすると、ベアリング１４を介して軸支されている
検出レバー１５も摩擦トルクによつて回転し、一方の検
出器１６ａの摺動杆１７に検出レバー１５が当接する。
さらに検出レバー１５に摩擦トルクが加わつて摺動杆１
７を押しても、バネ１８のバネカにより摺動杆１７は変
位しない。電極取付定盤がさらに回転して作動ピン２２
が突子２１ｂを押すに至ると、バネ１８に抗して検出レ
バー１５が摺動杆１７を変位させ、検出器１６ａの接点
２０を閉成させ電極反転の完了信号が得られる。第３図
はこのときの状態を示している。逆方向の電極反転指令
が出ると、回転駆動器１２、回転軸１２ａ、電極取付定
盤１３が反時計回転し、上記と同様に検出レバー１５が
他方の検出器１６ｂの摺動杆１７に当接し、電極取付定
盤１３が１８０摺回転して作動ピン２２が他方の突子２
１ａを押すに至つて検出器１６ｂの接点２０が閉成され
、電極反転の完了信号を与える。

以上の動作において、検出レバー１５は扇形の切欠き１
１ａ内を左右に移動するのであるが、回転軸１２ａが切
欠き１１ａの円孤角以上に回転しても、検出レバー１５
はバネ１８の力と均合つて停止しているので、切欠き１
１ａの角度は従来の略１８００のものに対して小さくて
足り、１５の〜２００の範囲の小角の扇形でよい。以上
のように、この発明は、切欠き１１ａを小さくなしうる
ので、切欠きによる精度の低下を極小に止めることがで
きる。

また、今後、放電加工機が自動化、高精度化するに従い
、より高精度の放電電極の位置決めが必要となるのに対
応でき、その効果は大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の一部断面正面図、第２図
はその右側面図、第３図はその動作説明のための要部平
面図、第４図は加工金型の一例の平面図である。 １１・・・・・・本体、１１ａ・・・・・・切欠き、１
２・・・・・・回転駆動器、１２ａ・・・・・・回転軸
、１３・・・・・・電極取付定盤、１４・・・・・・ベ
アリング、１５・・・・・・？出レバー１５ａ・・・・
・・支持板、１６ａ，１６ｂ・・・・・・検出器、１７
・・・・・・摺動杆、１８・・・・・・バネ、１９・・
・・・・ガイド、２０・・・・・・接点、２１ａ，２１
ｂ・・・・・・突子、２２・・・・・・作動ピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 本体と、この本体に収納保持された回転駆動器と、
   この回転駆動器の回転軸の下端に軸着固定された電極取
   付定盤と、前記回転軸の中間部にベアリングを介して回
   転自在に軸着された支持板と、この支持板に一端が固定
   され他端が前記本体に形成した切欠きを通つて前記本体
   の外側に水平に突出した検出レバーと、前記切欠きを挾
   んで前記本体に取付け配置され前記検出レバーが離接す
   る摺動杆とこの摺動杆を前記検出レバー側に押圧してい
   るバネと前記摺動杆が離接する接点を備えた１対の検出
   器と、前記電極取付定盤の上面に突設された作動ピンと
   、前記支持板の下面に前記作動ピンの軌道上に突設され
   た１対の突子とを備えてなる放電加工機の電極反転装置
   。