JPS592367B2 - 変成器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は分割部を有し高圧巻線の外周に装置されるシ
ールドリングを備えた変成器の構造に関する。

一般に計器用変圧器等のように高圧側の電圧が非常に高
い変成器においては、高圧巻線の巻数は極端に大きくな
るので、低圧巻線の外周に巻回された高圧巻線は巻芯に
対して高く積層されることになる。

そして積層された最外層の巻線と口出し端子間を接続導
体で接続し、口出し端子と高電圧母線とが接続されるよ
う構成されている。また、積層された巻芯から大きく突
出した形状を有する高圧巻線において（九高圧巻線の最
外周の全周を被つたシールドリングを設けて、高圧巻線
端部の電界を緩和させ、対地間および巻線相互間の絶縁
設計を容易にするように工夫されている。特に密閉形開
閉装置に具備さ札 高気圧の絶縁ガス中で使用される変
成器では、シールドリングを有効に利用することによつ
て密閉形開閉装置の小形化を図ることが出来る。

従来の変成器は第１図に示すように、鉄心８の１脚に低
圧巻線２が、低圧巻線２の外周に高圧巻線１が巻回され
、さらに高圧巻線１の外周にシールドリング３が装着さ
れている。

シールドリング３には第２図に示すように１ターン短絡
を防止するために分割部４を有し、分割部４に絶縁板５
が挿入されている。

高圧巻線１およびシールドリング３と対向する鉄心８お
よび鉄心締付部材９の端部の電界を緩和するために平板
状の接地シールド６、７が鉄心８に面して設けられ、こ
れら変成器中身は外箱１０に収納されている。高圧巻線
１はシールドリング３を経由してシールドリング３の外
周上に取付けられた端子金１１から接続リード１３で絶
縁スペーサ１５に埋め込まれた高圧口出し端子１４に接
続されている。

接続リード１３は一般に可トウ性を有した細い導体が用
いられるため、接続リード１３の電界が高くなつて絶縁
破壊を生ずる危険があつた。円筒状シールド１２はこの
接続リード１３を保護するために設けられたものである
。このように高圧充電部側およびこれと対向する接地側
には電界を緩和させるためのシールドを効果的に使用し
て機器の小形化が達成されてきた。

しかしながらシールドリング３には上記のように１ター
ン短絡を防止するため分割部４が必らず設けられ、分割
部４の両端に固着された端板１６の端部１６ａの電界歪
みが強くなり、シールドの効果が半減する結果となる。
従つて端部１６ａの電界歪みを小さくするため、第１図
に示すように外箱１０と接地シールド７から最も遠ざか
つた位置に分割部４を位置させていた。一般にシールド
リング３の分割部４の位置を第３図に示すように円筒状
シールド１２の中心とシールドリング３の中心点とを結
ぶ位置から順次角度θだけ変化させた場合、シールドリ
ング３と同一電位を有する円筒状シールド１２および接
地電極となる外箱１０と接地シールド７とシールドリン
グ３の分割部４との位置および距離寸法の変化により端
部１６ａの電界強度も第４図の曲線Ａに示すように変化
する。すなわち端部１６ａの電界強度は端部１６ａが同
筒状シールド１２の外径内に位置する角度θ，迄の領域
が最も小さく、外箱１０と接地シールド７と最短距離に
なる角度θ２およびθ４で最大となる。シールドリング
３と接地シールド７とが最短距離にあり、しかもｉ部１
６ａ以外のシールドリング３の外周上の点４ｃの電界強
度は第４図の直線Ｂに示す値となり両者を比較すると、
端部１６ａの電界強度は角度θ１の領域においては点４
ｃの電界強度より低いがそれ以外の角度θ２，θ３，θ
４では全て高くなる。従つてシールドリング３の分割部
４を外箱１０、接地シールド７から最も遠ざかつた位置
に位置させても端部１６ａの電界はシールドリング３と
接地シールド７とが最短距離にあり、しかも端部１６ａ
以外のシールドリング３の外周上の点４ｃの電界よりも
高くなるのでシールドリングの効果を損い、端部１６ａ
よりコロナが発生したり、絶縁破損を生じたりする欠点
を有していた。

この発明は上記従来のものの欠点を解消するために成さ
れたもので、シールドリングの分割部位置を円筒状シー
ルド位置に合せることにより、分割部端部の電界強度を
低下させてシールドリング効果の優れた変成器の提供を
目的としたものである。以下、この発明における変成器
の一実施例を第５図および第６図に基づいて説明する。

第５図および第６図においてシールドリング３は分割部
４が円筒状シールド１２と同位置になるよう高圧巻線１
の外周に装着されている。

シールドリング３の分割部４の両端に端板１６，１８が
相対向して固着され、端板１８には接続リード１３を取
付けるための端子部１８ａを有している。端板１６と端
板１８との間は絶縁板５を挿入してシールドリング３の
１ターン短絡を防市している。・このようにシールドリ
ング３の分割部４を円筒状シールド１２と同位置にする
ことにより分割部４の端部１６ａはシールド１｝ング３
と同一電位である円筒状シールド１２で保護さへ第３図
，第４図に示すように端部１６ａの電界強度を最小にす
ることが出来る。又、シールドリング３の分割部４の端
部に固着された端板１８に接続リード１３を取付けるた
めの端子部１８ａを設けることによつて、従来のような
シールドリング３の外周上に固着された端子金１１およ
び端子金１１をシールドリングに固着する手間も不要に
なるので部品点数の低減、製作時間の短縮などの経済的
効果も得ることが出来る。

以上のように本発明によれば、シールドリングの分割部
位置を円筒状シールド位置に合せて分割部端部の電界を
低下させたことにより、シールドリングの効果を有効に
利用することが可能となり、ひいては小形で絶縁信頼性
の優れた変成器の提供を可能とした。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の変成器の概略構成を示す断面図、第２図
は第１図における変成器のシールドリング分割部の構成
を示す部分詳細図、第３図はシールドリング分割部の位
置を種々変化させた場合の位置関係を示す説明図、第４
図は第３図に示すそれぞれの位置に分割部を配設した場
合の分割部端部の電界強度の変化を示す曲線図、第５図
はこの発明における変成器の一実施例の構成を示す断面
図、第６図は第５図における変成器のシールドリング分
割部の構成を示す部分詳細図である。 図において、１は高圧巻線、３はシールドリング、４は
分割音Ｎｌ２は円筒状シールド、１３は接続リード、１
４は高圧口出し端子である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 分割部を有し高圧巻線の外周に装着されるシールド
   リングと、上記高圧巻線の巻線端を上記シ−ルドリング
   を介して口出し端子に導く接続リードと、上記接続リー
   ドを包覆する円筒状シールドとを備え、上記分割部の位
   置を上記円筒状シールドの位置に合せて設けたことを特
   徴とする変成器。 ２ 分割部は円筒状シールドの軸中心と一致して設けら
   れることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の変成
   器。 ３ 分割部は相対向する面にそれぞれ端板を備えている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第２項記載の変成器。 ４ 接続リードは端板を介してシールドリングに接続さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第３項記載の
   変成器。