JPS592277B2 - インピ−ダンス法における炭水化物利用試験用培地 - Google Patents

インピ−ダンス法における炭水化物利用試験用培地

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JPS592277B2
JPS592277B2 JP55028582A JP2858280A JPS592277B2 JP S592277 B2 JPS592277 B2 JP S592277B2 JP 55028582 A JP55028582 A JP 55028582A JP 2858280 A JP2858280 A JP 2858280A JP S592277 B2 JPS592277 B2 JP S592277B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、インピーダンス法における炭水化物利用試験
用の培地に関する。
近年、インピーダンス法による細菌増殖の迅速自動測定
法が報告されている。
この報告によれは、細゛閑増殖による迅速自動測定法は
、培養した細菌の代謝産物を培地全体の電気化学的変化
として捕え、この電気化学的変化で細菌増殖度を測定し
ようとするものである。
ところが、一般に細菌の代謝過程は複雑であるため、上
記測定法による場合は、インピーダンス変化曲線も複雑
な要素を含み、現在は臨床細菌学分野で充分な応用がな
されておらず、抗性物質感受性試験への応用および尿中
細菌数の迅速化測定に関してのみ利用できることがわか
っており、このインピーダンス法を利用して細菌を同定
することは示唆されているが、具体的な手法は未だなく
、生物学的性状試験のうち炭水化物利用試験等には全く
応用されていなかった。
従って、上記インピーダンス法において使用される培地
は、単に細菌を増殖するためにのみ用いられるものであ
ったから、主としてペプトンおよび脳又は心臓の浸出液
を主成分とする培地等が使用されていた。
しかし、本発明者は、細菌をある種の培地によって培養
して炭水化物利用試験を行なった際に、その代謝産物の
増加に伴なう培地全体の電気的インピーダンス変化が、
従来知られていなかった独特な変化を起こすことに着目
し、このインピーダンスの変化が微生物同定の迅速化に
充分使用可能であることを見い出した。
その方法によれは、ペプトン等の蛋白質の氷解物を基礎
培地として、これにブドウ糖等の炭水化物およびリン酸
水素2ナトリウム等の塩類を適量添加して培地として使
用した場合、インピーダンスの変化は、代謝物の増加に
伴なって、最初インピーダンスが減少するが、一定培養
時間を経過すると、インピーダンスが増加する傾向を示
す。
この特異な変化は従来においては見い出し得なかったも
のであり、この特異なインピーダンス変化のパターンに
よって菌種を同定しようとしたものである。
この方法において使用される本発明に係る培地は、蛋白
質の氷解物を主成分とする基礎培地に、少なくとも炭水
化物および特定の塩類を添加して構成したものであり、
特に基礎培地、炭水化物2、5〜10 gr/1!1塩
類1.0〜10gr/lを蒸留水に溶かし込んで構成し
た培地が望ましい。
基礎培地は、菌の増殖の為の栄養源としての作用を有し
、菌体内でアミノ酸として使用されるペプトン、トリプ
トン、肉エキス等の蛋白質かその主成分をなす。
また蛋白質の細微量の無機物等が含まれる場合がある。
炭水化物は菌増殖のための必要エネルギー源であり、単
糖類として、ブドウ糖、イノジット、キシロース、グリ
セロール、アラビノース、ガラクトース、マンノース、
ラムノース、マンニット、ソルビット、アトニット等を
、三糖類として乳糖、ショ糖、トレハロース、メリビオ
ース、セロビオース等を、多糖類としてラフィノース、
フルクトース、ズルシット、アミゲタリン、サリシン、
フルクトース等を使用することができる。
塩類は、培地中の菌の代謝産物を捕えて、特異なインピ
ーダンス変化を与えるために添加されるものであり、ナ
トリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の強
電解質の無機塩のうち一種が使用される。
また培地中には、上記成分の他ビタミン類を添加する場
合もある。
このように構成される培地は、特にインピーダンス法に
おける炭水化物利用試験において特異なインピーダンス
変化を示し、この変化が細菌の同定に利用され得るもの
である。
この培地は従来のインピーダンス測定法においそは、全
く使用されていなかったものであり、従って上記インピ
ーダンスの特異的変化も従来は見い出し得なかったもの
である。
本発明者は腸内細菌について、糖料用試験を行なった所
、以下のような知見を得た。
先ず、ブドウ糖を基礎培地(D i fco社製Bac
t。
Peptone )に一定量混入して同定用培地とした
この場合、ブドウ糖は、電気の不良導体であり、インピ
ーダンス的には基礎培地成分に比較して非常に高い為、
ブドウ糖利用による糖の減少に直接関与するインピーダ
ンスの増減は検出できず、そのため細菌増殖によるイン
ピーダンス変化には顕著な変化があられれない。
また細菌から代謝される有機酸によるインピーダンス変
化は、僅か見られるが、より顕著な確認は困難である。
ところが、上記基礎培地にリン酸水素2ナトリウム(N
a2HP04)を適宜量混入させると、培地の固有イン
ピーダンスがより小さくなり、ブドウ糖を利用して代謝
される有機酸を顕著に検出し、細菌増殖インピーダンス
変化に顕著な違いが判別できるようになる。
これは、後の実施例でも述べるように、リン酸水素2ナ
トリウム又は塩化ナトリウムの様な強電解質としての無
機塩を添加した培地で細菌を増殖させた場合に起こる現
象とみることができる。
第1図を用いて更に説明すれば、第1図は、実験におい
て使用した培養測定セル中の培地の電気的等価回路を示
し、1は基礎培地インピーダンス成分であり、塩化ナト
リウム、リン酸水素2ナトリウム等のナトリウム塩及び
カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の電解質
成分の非常に少ない培地とする。
2は炭水化物インピーダンス成分であり、ブドウ糖、マ
ンニットその他の炭水化物を含む成分である。
3は無機塩インピーダンス成分であり、塩化すt−’J
ウム、又はリン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナト
リウム等の成分である。
尚、この無機塩インピーダンス成分3と上記基礎培地イ
ンピーダンス成分1および炭水化物インピーダンス成分
2とで培地成分を構成する。
4は代謝物インピーダンス減少成分であり、培地成分の
インピーダンス値よりも、より小さなインピーダンス値
をもつ代謝成分とし、有機酸等が含まれる。
5は代謝物インピーダンス増加成分であり、培地成分の
インピーダンス値よりも、より大きなインピーダンス値
をもつ代謝成分とし、有機酸、炭酸ガス、水素ガス、水
、エタノール等が含まれる。
尚、この代謝物インピーダンス増加成分5と前記の代謝
物インピーダンス減少成分4はともに細菌増殖に伴う代
謝成分である。
上記各インピーダンス成分は、電気化学的に水溶液中に
電気伝導度による純抵抗成分と誘電率による静電容量成
分の並列接続となっている。
このような培地の電気的等価回路において、培地中に細
菌を接種して一定温度で培養すると細菌の増殖が始まり
、それに伴なって代謝産物が放出される。
この代謝産物は、夫々電気化学的な定数をもっており、
これが培地中のインピーダンス変化値になってインピー
ダンスの減少になったり、又はインピーダンスの増加に
なったりする。
即ち、培地成分の増殖開始前のインピーダンス値が低い
と、より代謝物によるインピーダンス減少成分が捕えに
くくなり、逆に代謝物によるインピーダンス増加成分が
より顕著に捕えやすくなる。
またそれとは逆に、培地成分の増殖開始前のインピーダ
ンス値が高いと、より代謝物によるインピーダンス減少
成分が捕えやすくなり、インピーダンス増加成分は捕え
にくくなる。
この点、通常の培地は、一般に細菌の増殖に伴なうイン
ピーダンスの変化は、減少の方向にのみ進むものであっ
た。
具体例として、例えは、大腸菌を好気状態で培養増殖し
た場合、ブドウ糖による代諸産物としては、酢酸、コハ
ク酸、乳酸等の有機酸と、炭酸ガスおよび水分等が考え
られるが、弱電解質としての酢酸等は電気の比較的不良
導体であり、培地成分の増殖開始前のインピータンス値
に関係するがインピータダンス値増加する働きが顕著で
ある。
また炭酸ガス、水分等も同様である。
更に、酢酸等のカルボン酸は、水溶液中でイオン化され
るが、このとき、カルボキシレートイオン(RCOO)
は、ナトリウムイオン(Na+)があれば、これを捕え
RCOO−Na+となりインピーダンスの増加をもたら
す。
このように、ブドウ糖の利用により一定時間経過後から
は逆にインピーダンスが増加する方向に進む。
このような理由により、代謝産物中の有機酸がリン酸水
素2ナトリウムのほか、ナトリウム塩、カリウム塩等の
強電解質塩の添加によりインピーダンスの増加パターン
として顕著に検出できる。
本発明者は、数種の細菌について上記と同様な実験を行
なったところ、同様の結果を得ることができた。
このことからブドウ糖を利用する他の細菌についても、
はぼ同様の結果を得ることができると推定される。
また同一実験条件においては、細菌の菌種によって、イ
ンピーダンスの減少および増加のパターンに夫々固有の
特異的変化が得られたことから、このパターンの違いか
ら細菌の同定を行うことが可能となった。
また、ブドウ糖以外の糖類も含めての炭水化物各種に対
しての利用能を、同様に特異的なインピーダンス変化と
して捕えることができるため、従来の生物学的性状試験
をインピーダンス法により実施できるようになり同定が
可能となった。
本発明は、蛋白質の氷解物を主成分とする基礎培地に、
炭水化物および特定の塩類を添加し、これをインピーダ
ンス法における炭水化物利用試験用培地として提供する
ことにより、炭水化物の利用試験を実施可能とし、イン
ピーダンス法による細菌の同定を行ない得るようにする
ことを目的としたものである。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。
(1) 接種菌液の準備 実験に使用した接種菌液は、ハートインフュージョン培
地(栄研化学株式会社製)にて18時間純培養したもの
であり、これの培養菌液10μlを接種菌液として使用
した。
2)実験に使用した炭水化物の種類 本実験には、以下に示す8種類の炭水化物を使用した。
(/r)ブドウ糖、(ロ)マンニット、(/→イノジッ
ト、に)ソルビット、(ボラムノース、(ヘショ糖、(
ト)メリビオース、(チアラビノース 3)培地の準備 使用した基礎培地は、Difco社製Bact。
Peptone (10g r/ l)である。
本実施例において使用する培地は、上記基礎培地のみの
場合、基礎培地に上述の炭水化物(1ogr/lを添加
した場合、上述の炭水化物(10g r/Aすを添加し
た基礎培地にリン酸水素2ナトリウム又は塩化ナトリウ
ムを夫々添加した場合、および基礎培地に塩化すl−I
Jウムのみを添加した場合のものであり、各2mlを採
取して使用した。
同、塩化ナトリウム塩ム加量は、Ogr/l、0.25
g r/l、 0.5 g r/111.0 g r/
l、 2.5 gr/11および5.Ogr/lの6種
類とし、リン酸水素2ナトリウムの場合は、前記の6種
類と10.Og r/lおよび20.0 g r/lを
更に加えた8種類である。
4)インピーダンス測定器および測定原理細菌増殖によ
るインピーダンス変化を測定するために使用されるイン
ピーダンス測定器は、微生物培養自動測定装置Orga
6(日本テクトロン株式会社製)である。
第2図は、Orga6のブロックダイアダラムを示した
もので交流励振回路中にサンプルセル6とリファレンス
セ/1/7を直接に接続して、ガンゾルセル6の電圧と
、リファレンスセルフの電圧を測定し、その比を算定す
る。
インピーダンス比は、ガンゾルセル6およびリファレン
スセルフzst vst の電圧比により、□=□となる。
但し、ZRt VRt ZR,VRは、夫々リファレンス七ルアのインピーダン
スおよび電圧を、zs、vsは、サンプルセル6のイン
ピーダンスおよび電圧を夫々あられす。
従って、菌接種時からt時間後のイ5oVSt ンピータンス比変化は□−□となり、 VRo VRt V S 。
ff111 定値は、ベース値□でノーマライズされV
R。
VSo VSt VS。
て(−−−’) /□となる。
この測VRo VRt VR。
定値は演算回路8において演算がなされ、インピーダン
ス変化をレコーダー9によって記録する。
尚、10は電源、11.12は増幅回路を示す。
(5)培養測定セル 本実施例において使用した細菌の培養測定セルは、第3
図に示すように、約20朋平方の台座13上に、高さ約
40mm程度の円筒体14を一体的に固定し、台座13
上に端子15、15’を有する純金製の電極16.16
’を円筒体14の内部底面に配したものである。
そしてこの電&16.16’間における培地のインピー
ダンス値を測定する。
伺、培養測定セルは硬質ガラス製であり、リューザブル
で121℃、15分間の蒸気圧滅菌が可能である。
。上記セルのインピーダンス測定条件を以下
に示す。
供給する電源周波数 1kHz インピーダンス検出感度 10%フルスケール測 定
時 間 8Hrフルスケール培 養 温
度 35℃ プリインキュー ベーション時間 30分 以上の条件を基準にして本発明を以下の通り実施した。
実施例 (1) リン酸水素2ナト’Jウムの溶存濃度に対するインピー
ダンス変化 この実施例は、基礎培地に添加するリン酸水素2ナトリ
ウムの添加量が、培地のインピーダンス変化にどのよう
に影響するかを調べたものである。
実験品目的とした細菌は、エシエリイチアコリ、クレブ
シェラ ニュウモニア、プロテウス ブルガリス、およ
びスタフィロコッカス アウレウスの4菌種であり、バ
ートインフュージョン培地で、18時間純培養した菌液
を10μ11寸ンゾルセル内に接種した。
→ナンブルセルは、テユプリケートで培地の組合せをつ
くり、1菌種に対し6種類又は8種類の培地を用意した
培地は、先ず基礎培地に10 g r/11のブドウ糖
を添加し、これにリン酸水素2す1ヘリウムを添加して
実験用培地とし、これを基準としてその濃度系列をつく
った。
この濃度系列は、クレブシェラ ニュウモニアとスタフ
ィロコッカスアウレウスの2菌種についてはOg r/
l、 0.25gr/l、0.5gr/l、1.Ogr
/l、2.5 g r/lおよび5.0 g r/lの
リン酸水素2ナトリウムを夫々実験用培地に添加して構
成した6系列とし、またエシエリイチア コリとプロテ
ウス ブルガリスの2菌種については、更に10gr/
lおよび20gr/IJのリン酸水素2ナトリウムを添
加した8系列とし、夫々のガンゾルセルに2rnl採種
した。
このような条件により、Orga 6にて培養測定し
、得られた細菌増殖インピーダンス変化をレコーダによ
り記録した。
第4図は上記レコーダによる結果を示したものである。
第4図において、横軸は培養時間を示し、縦軸はインピ
ーダンス減少率を示す。
また第4図Aはエシエリイチア コリ、・Bはクレブシ
エラニュウモニア、Cはプロテウス ブルガリス、Dは
スタフィロコッカス アウレウスについて夫々測定した
ものであり、また各図における、6本又は8本のインピ
ーダンス特性曲線は、夫々リン酸水素2すl−IJウム
の濃度系列による培地の違いによってあられれるもので
あり、符号1はOgr/11、符号2は0.25 gr
/l、符号3は0.5 g r/l、符号4は1.0g
r/l、符号5は2.5gr/l、符号6は5.0gr
/l、符号Iは10gr/l、符号8は20gr/lの
リン酸水素2ナトl)ラムを添加した培地によるもので
ある。
この実施例において、各図とも基礎培地にブドウ糖のみ
を添加した場合は、糖料用が顕著のインピーダンス変化
として現われないが、リン酸水素2すl−IJウムを添
加することによって糖料用によるインピーダンス変化が
現われ、更に濃度が高くなるに従って、インピーダンス
の増加の傾向が強く現われ、添加量5gr/l程度まで
はブドウ糖の利用の影響が顕著に見られる。
この傾向は、4菌種総てに見られる傾向である。
また第4図A、Cに示すように、リン酸水素2ナトリウ
ムの添加量を増していった場合、10gr/l程度まで
は糖料用によるインピーダンス変化がグラフ上に現われ
ているが、20gr/l程度まで増加した場合には糖料
用が顕著のインピーダンス変化としては現われない。
この結果、リン酸水素2ナトリウムの濃度閾値は下限値
が1.0gr/13、上限値が10gr/lj程度と考
えられる。
特に2.5 g r/l〜5gr/11前後が、菌種に
よるインピーダンス変化の違いが明確となっている。
同、第4図りにおける符号■。■、■、■は、インピー
ダンス変化か減少せず増加しているためグラフ上におい
て零以下に振り切れている。
実施例 (2) 塩化ナトリウムの溶存濃度に対するインピーダンス変化 この実施例は、基礎培地に添加する塩化ナト、リウムの
添加量が、培地のインピーダンス変化にどのように影響
するかを調べたものである。
実験の目的とした細菌は、実施例(1)と同様であり、
エシエリイチア コリ、クレブシエラニュウモニア、プ
ロテウス ブルガリス、スタフィロコッカス アウレウ
スの4菌種であり、その培養方法および菌液量並びに塩
化すl−IJウムの濃度系列も実施例(1)と同様の手
段で行なった。
第5図はOrga 6によって得られた細菌増殖インピ
ーダンス変化を示したものである。
第5図Aはエシエリイチア コリ、Bはクレブシエラニ
ュウモニア、Cはプロテウス ブルガリス、Dはスタフ
ィロコッカス アウレウスについて夫々測定したもので
あり、また各図における6本のインピーダンス特性曲線
は、実施例(1)と同様、塩化ナトリウムの濃度系列に
よる培地の違いによってあられれるものであり、符号1
はOgr/It、符号2は0.25 g r/11符号
3は0.5gr/11符号4は1.0gr/l、符号5
は2.5gr/11、符号6は5.Og r/Itの塩
化ナトリウムを添加した培地によるものである。
実施例(1)と同様に、この実施例においても、各図と
も基礎培地にブドウ糖のみを添加した場合は、糖分解が
顕著のインピーダンス変化として現われないが、添加す
る塩化ナトリウムの濃度が高くなるに従って、インピー
ダンスは増加の傾向が強く現われており、ブドウ糖利用
の影響が顕著に見られる。
この実施例においても塩化ナトリウムの濃度閾値は下限
値が1.0 g r/l程度である。
同、Dにおける符号■、■、■は、インピーダンス変化
が減少せず増加しているためグラフ上において零以下に
振り切れている。
以上の実施例から理解されるように、リン酸水素2ナト
リウムおよび塩化ナトリウム等の強電解質成分を一定量
以上基礎培地に添加すると、水溶液中でイオン化する細
菌の代謝産物である有機酸が、弱電解質であるため、基
礎培地に強電解質成分が入っていると、インピーダンス
を増加させる働きをする。
そのためインピーダンスが、一定時間経過後からは糖料
用が開始されるため逆に増加する傾向に進むものと考え
られる。
実施例 (3) 基礎培地に電解質成分のみを添加した場合におけるイン
ピーダンス変化 この実施例は、炭水化物を含まない培地においても細菌
の同定試験が可能か否かを調べたものである。
実験の目的とした細菌は、エシエリイチア コリ1種で
ある。
細菌の培養方法および菌液量は実施例(1)と同様の手
段で調整した。
この実施例における電解質成分として、塩化ナトリウム
を使用し、その濃度系列を実施例(2)と同様の手段で
6系列とした。
第6図はOrga 6によって得られた細菌増殖インピ
ーダンス変化を示したものである。
各特性曲線は、実施例(2)と同様に、塩化すl−IJ
ウムの濃度系列による培地の違いによってあられれるも
のであり、符号1はOgr/11、符号2は0.25
gr/11符号3は0.5gr/11.符号4は1.0
gr/l、符号5は2.5 g r/!11符号6は5
.0gr/jJの塩化ナトリウムを添加した培地による
ものである。
この実施例においては、培地1〜6の総てについて、イ
ンピーダンスの特異的変化は見られず、経過時間ととも
に減少する傾向にある。
この理由は、培地中に炭水化物を含まないために細菌は
炭水化物を利用することができず、有機酸の代謝物を放
出することが少ないためと考えられる。
同、この傾向はリン酸水素2ナトリウムに関しても同様
である。
実施例 (4) ブドウ糖の溶存濃度に対するインピーダンス変化 この実施例は、添加される炭水化物の濃度閾値を調べた
ものである。
実験の目的とした細菌は、エシエリイチア コリとプロ
テウス ブルガリスの2菌種であり、その培養方法およ
び菌液量は実施例(1)と同様である。
またブトつ糖の溶存濃度を変えた培地を用意するために
、先ずペプトン10 g r/lを含む基礎培地にリン
酸水素2すI−’Jウム5gr/lを添加して基準培地
とし、これにブドウ糖を1gr/l、2.5gr/l、
5gr/lおよび20gr/l夫々添加してサンプル用
培地とした。
このようにして夫々の菌について得られたサンプルセル
をOrga 6にて培養測定し、第7図に示すようなイ
ンピーダンスの変化を得た。
第7図Aはエシエリイチア コリ、Bはプロテウス ブ
ルガリスについて測定したものである。
また特性曲線は、ブドウ糖の添加量によるインピーダン
ス変化を表わし、符号1はOgr/l、符号2は]、g
rA符号3は2.5gr/l、符号4は5gr/l、
符号5は10 gr/l、符号6は20 gr7Jの場
合を示す。
この実施例において、ブドウ糖を添加しない場合、又は
僅かにしか添加しない場合は、インピーダンスの増加方
向への変化が顕著には現われないが2.5gr/1以上
の添加量になると、はっきりとしたインピーダンスの特
異的変化が見られる。
この実施例の結果、細菌が炭水化物を利用していく過程
において、インピーダンスが特異的変化を示す場合は2
.5 g r/1以上の添加量が必要である。
同、本実施例においてはブドウ糖のみについての結果を
示したが、この傾向は酸産生の他の炭水化物、例えば、
ブドウ糖、マンニット、イノジット、ラムノース、ショ
糖、メリビオース、アラビノース等に関しても同様であ
る。
実施例 (5) 各種の炭水化物に対する腸内細菌の利用度測定における
インピーダンス変化 この実施例は、培地中に含まれる炭水化物の種類によっ
て、細菌の炭水化物の利用度が異なり、そのため細菌に
よってインピーダンスの特性曲線が夫々異なることを調
べたものである。
実験の目的とした炭水化物は、ブドウ糖、マンニット、
イノジット、ソルビット、ラムノース、ショ糖、メリビ
オース、アラビノースの8種類であり、また実験に使用
した腸内細菌は、エシエリイチア コリ、セラチア マ
ルセセンス、クレブシェラ ニュウモニア、クレブシェ
ラ オザエナエ プロテウス ブルガリス、エンテロバ
クタ−クロアツカ、プロテウス マイラビリス、ハフニ
ア アルベイ、シトロバクタ−フロインディの9菌種で
ある。
培地の調整は、基礎培地に上記の炭水化物を1種類ずつ
10gr/l添加し、夫々に5gr/11のリン酸水素
2すI−’Jウムを添加して8種類のサンプルセル2r
rLlを用意した。
夫々のサンプルセルに接種する菌液10μlは実施例(
1)と同様の手段によって培養したものである。
第8図はOrga 6によって得られた本実施例の結果
である。
この実施例において、第8図Aはニジエリチア コリ、
Bはセラチア マルセセンス、Cはクレブシェラ ニュ
ウモニア、Dはクレブシェラ オザエナエ、Eはプロテ
ウス ブルガリス、Fはエンテロバクタ−クロアツカ、
Gはプロテウス マイラビリス、Hはハフニアアルベイ
、■はシトロバクタ−フロインディについて夫々測定し
た図であり、また、各図中符号1はブドウ糖、2はマン
ニット、3はイノジット、4はソルビット、5はラムノ
ース、6はショ糖、7はメリビオース、8はアラビノー
スにおけるインピーダンス特性曲線をあられしたもので
ある。
この実施例の結果について考察するに、各細菌における
炭水化物の利用度は、その炭水化物の種類によって異な
っていることが判明した。
これをインピーダンスの特性曲線でみた場合、インピー
ダンス値が減少し続けている炭水化物に対しては菌が利
用しておらず、インピーダンス値が途中から増加してい
る炭水化物に対しては利用していることがわかる。
また利用の程度も、インピーダンス%性的線の波形の違
いによってイつかる。
このことから、以上の結果を細菌の同定を行なうための
生物学的性状試験における総合的判断基準の一つの基準
に利用することができる。
即ち、インピーダンス値が減少し続ける炭水化物に対し
てその細菌は陰性と判定し、インピーダンス値が途中か
ら増加する炭水化物に対してその細菌は陽性と判定し、
これを8種類の炭水化物に対して調べ既知デ−タと比較
することにより細菌の同定を行なうものである。
表−1は各細菌における炭水化物の利用度をプラス(陽
性)、マイナス(陰性)の符号であられしたものであり
、この結果は、市販の腸内細菌同定キットAPI20E
(API社製)による用手法の結果と比較した場合、略
一致した相関が得られた。
同、上記実施例(1)から(5)における各図において
、インピーダンス変化の測定開始時の零点は、各寸ンブ
ルごとに少しずつ移動させて設定した。
以上の実施例から理解されるように、本発明に係るイン
ピータンス法における炭水化物利用試験用培地によれは
、蛋白質の氷解物を主成分とする基礎培地に、少なくと
も炭水化物およびすl−IJウム塩、カリウム塩、カル
シウム塩又はマグネシウム塩のうち一種を添加し、これ
をインピーダンス法における炭水化物利用試験用培地と
したから、この培地を利用して炭水化物の利用試験を行
なう場合、細菌が炭水化物を利用して有機酸を放出し、
この有機酸と特定の塩類との関係によって各種の細菌に
よるインピーダンス変化に特異的な特性曲線を与えるた
め、この特異的変化を細菌の同定等に利用することがで
きる。
特に臨床より採取した細菌の内多くの細菌は、この培地
を利用したインピーダンス法により、同定ができるよう
になり、従来のように色変化によって判断していたのに
比べて、正確、かつ、容易迅速に細菌の同定を行うこと
ができ更に臨床細菌検査に於いて、劣化力が達成でき医
療面で極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は培養測定セル中の培地の電気的等価回路図、第
2図は本発明において使用したインピーダンス測定器の
ブロックダイアグラム、第3図は培養測定セルの斜視図
、第4図はリン酸水素2ナトリウムの溶存濃度に対する
インピーダンス変化を示すグラフ、第5図は塩化ナトリ
ウムの溶存濃度に対するインピーダンス変化を示すグラ
フ、第6図は基礎培地に電解質成分のみを添加した場合
におけるインピーダンス変化を示すグラフ、第1図はブ
ドウ糖の溶存濃度に対するインピーダンス変化を示すグ
ラフ、第8図は各種の炭水化物に対する腸内細菌の利用
度測定におけるインピーダンス変化を示すグラフである

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 蛋白質の氷解物を主成分とする基礎培地に、炭水化
    物を2.5〜10gr/lおよびナトリウム塩、カリウ
    ム塩、カルシウム塩又はマグネシウム塩のうち一種を1
    .0〜10gr/l添加してなるインピーダンス法にお
    ける炭水化物利用試験用培地。
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JPS5529940A (en) * 1978-08-23 1980-03-03 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd Method and apparatus for determining activity of microorganism

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