JPS5922531B2 - ジンコウコキユウキヨウソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、人工呼吸器本体と患者側のマスクの間を連結
する人工呼吸器用装置に関する。

従来技術 人工呼吸器は、人工呼吸を必要とする患者又は水没等に
よる仮死者に対して呼吸を促進して回復を図り、又呼吸
を再開させて蘇生させたりするため、病院又は救助隊が
使用し多大な効果を上げていることは周知である。

このような、人工呼吸器（ｉ、例えば圧力空気又は酸素
等の気体を送出する吸気管と、呼気を排出すべき呼気管
とが人工呼吸用マスクに連結されて、吸気時には空圧的
に閉止され、呼気時には開放される呼気弁が呼気管に設
けられ、患者はその容態に適したタイミングに従２て無
理な（呼吸するようにされている。

人工呼吸器１０大要並びに従来の人工呼吸器用装置との
関係を第１図を用いて以下に説明する。

第１図において、１は人工呼吸器で、２は酸素供給路２
ａ、２ｂ、２ｃ 、２ｄ、通路２ｅ及び大気導入路２ｆ
を有する人工呼吸器本体、３は酸素供給路２ａと酸素ボ
ンベ（図示せず）とを連結する金具、４は酸素供給路２
ａ及び２ｂが間隔をおいて開口し、蓋体４ａによって閉
鎖された凹所、５は酸素供給路２ｂの開口端に設けられ
た弁座、６は軸７により中間を回動自在に軸止され、右
旋した時は酸素供給路２ｂの弁座５を開き、左旋したと
きは弁座５を閉じるシーソー型弁体であり、それ自体強
磁性体で作られているか、又は両端部に強磁性体が付設
されている。

８は固定支点９を支点として揺動自在な揺動板、１０は
本体２と揺動板８との間に係着された伸縮自在なベロー
ズであり、本体２と揺動板８との間に室１１を密閉形成
する。

１２は本体２と揺動板８との間に係着されて揺動板８に
左旋習性を与える圧縮型バネ、１３は揺動板８の弁座５
に対応する位置に固着された永久磁石、１４は本体２に
固着された永久磁石であり、常時は永久磁石１３が弁体
６吸引して酸素供給路２ｂの弁座５を開放しており、揺
動板８が右旋したとき磁石１３による引力が弱化し、相
対的に磁石１４の引力により弁体６が左旋して弁座５が
閉止されるように、ベローズ１０の力とバネ１２の力と
が調整されている。

２ｇは開度調整可能な弁２９を経て外部へ連通する通路
であって、室１１内へ吹送された空気を制御しながら外
部へ放出する。

１５は通路２ｅの室１１に対する開口端に設けられた逆
止弁、１６は酸素供給路２Ｃ１大気導入路２ｆに連通し
、酸素供給路２ｃよりの酸素と導入路２ｆよりの空気と
を所定量混合して送出するベンチュリで、その側面に通
路２ｅに通じる通気口１６ａを有する。

１７は導入路２ｆの開口端をカバーするフィルタである
。

１８は導管で、その両端は各々呼気弁１９及び取付金具
２０に連結されている。

２１は人工呼吸用マスク、２２はベンチュリ１６と上記
マスク２１とを連結する可撓性吸気管、２３は呼気弁１
９とマスク２１とを連結する可撓性呼気管である。

この人工呼吸器によれば、酸素供給路２ｂの弁座５が開
放されている状態では、矢印Ａ方向より酸素が供給され
ると、その酸素供給路２ａ、凹所４、酸素供給路２ｂ、
２ｃを通り、ベンチュリ１６にて空気と適宜混合されて
導管２２よりマスク２１へ送られると共に、酸素供給路
２ｄから導管１８を通って呼気弁１９に供給され、その
弁体を空圧的に閉止し、呼気の排出を阻止している。

そして、患者の肺が吸気で充満し、吸気管２２内の圧力
が上昇すると、その圧力が、矢印Ｂで示すようにベンチ
ュリ１６に設けた通気口１６ａより通路２ｅ及び逆止弁
１５を経て室１１内に送られ、バネ１２の力に抗して揺
動板８を右旋させ、室１１の容積を膨張させる。

それにより、弁体６が左旋して酸素供給路２ｂが閉鎖さ
れるので、酸素供給路２ｄ及び導管１８に酸素が供給さ
れなくなり、呼気弁１９の弁体が解放されて呼気管２３
側から送られてくる呼気が呼気弁１９から外部へ放出さ
れる。

その後、室１１に導入された気体は、通路２ｇから弁２
９によって制御されつつ外部へ放出されるので、バネ１
２の力により揺動板８が左旋し、室１１の容積が収縮（
復帰）する。

したがって磁石１３の力により弁体６が右旋復帰して酸
素供給路２ｂを開放し、前述と同様に酸素がマスク２１
に送られると共に、呼気弁１９が閉止されるようになる
。

このように、人工呼吸器本体２と人工呼吸器用装置とが
関係づけられており、従来の人工呼吸器においては、酸
素供給路２ｄと呼気弁１９とを通常の導管１８を用いて
連結しているため、吸気時に酸素が導管１８内に供給さ
れても、導管１８内の圧力が高まって呼気弁１９の弁体
に隣接した室内の圧力が上昇し、弁体を弁座に圧着させ
て呼気弁を閉止するのに時間的な遅れが生じると共に、
酸素の供給が停止された時も、導管１８内及び室１１内
の圧力が低下して弁体が解放されるまでに、同じく時間
的遅れが生じることが避けられず、人工呼吸器に要求さ
れる確実性に欠けるものであった。

また、吸気時に呼気弁１９を空圧的に閉止し且つ逆流を
防止するために、導管１８に高圧ガス（酸素等）を導入
することを要し、必然的に呼気弁１９も高圧ガスの圧力
に耐え得る強度の構造にしなげればならず、構造が複雑
で高価なものとならざるを得なかった。

さらには、導管１８内の高価な酸素が、ベンチュリ１６
等を経て無駄に外部へ放出されるばかりか、残留する酸
素が呼気時に膨張して空気との混合部分に戻り、所定値
より酸素濃度が高い空気を新たな酸素に混合してより濃
い混合気を作ってしまう欠点もあった。

目 的 本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、呼気弁の開
閉に時間的遅れを生じることな（、且つ構造上の強度を
も必要とせず、しかも酸素の無駄な放出を防ぐようにし
た人工呼吸器用装置を提供することを目的とする。

構成 そのため、本発明による人工呼吸器用装置は、人工呼吸
器本体のベンチュリとマスクとを連通ずる主吸気管に、
ベンチュリ側からマスク側に順次副吸気管及び呼気管を
分岐させてその末端部間に呼気弁を装着し、両分岐点間
の主吸気管内にマスク方向への吸気だけを通過させる逆
止弁を挿入し、副吸気管の末端部に膨張可能な帽体を密
封固定してその外径をシリンダ状部で規正し、このシリ
ンダ状部内に上記帽体に接して摺動する弁体を設けると
共に、呼気管の末端部に上記弁体が離着する弁座を形成
し、上記帽体による弁体の抑圧面積を弁座の開口面積よ
り大きく設定し、主吸気管に吸気が供給され、副吸気管
と呼気管とが同一の圧力になっても、呼気弁の弁体には
閉弁方向の差圧が作用して吸気の排出を阻止し、患者の
肺内に吸気が充満して主吸気管内の圧力が上昇すると、
吸気が停止して帽体内の圧力が呼気管内の圧力より小さ
くなり、呼気弁が開放されて呼気を容易にするようにし
たものである。

実施例 以下、主として添付図面の第２図を参照して本発明の詳
細な説明するが、第１図と同様の部分には同一の符号を
付して示す。

第１図に示す人工呼吸器本体２のベンチュリ１６とマス
ク２１との間を主吸気管２２で連結し、主吸気管２２に
、ベンチュリ側からマスク側に順次間隔をおいて副吸気
管２２ａ及び呼気管２３を分岐させ、副吸気管２２ａと
呼気管２３の間に呼気弁１９を装着し、副吸気管２２ａ
の末端部を呼気弁１９への吸気導入口２６に充当する。

主吸気管２２の副吸気管分岐点と呼気管分岐点との間に
逆止弁２４を挿入し、ベンチュリ１６からの吸気のみを
マスク２１に送り、マスク２１を通じて患者の排出する
呼気はベンチュリ１６側へ送れないようにする。

さらに、副吸気管２２ａの末端部にベローズ状金属又は
風船状ゴム等の弾性体からなる帽体２７を付設し、シリ
ンダ状部２５ａにより膨張時の帽体２７の外径を規正す
ると共に、副吸気管２２ａとの間に帽体２７の開口部を
密封挾持する。

そして、このシリンダ状部内に帽体２７に接して摺動す
る円板状の弁体２８を設けている。

一方、吸気管２３の末端部に、シリンダ状部２５ａの外
周を囲繞し端板に外部に開放する透孔２５ｂを有する弁
本体２５の先端部２５ｄを固設し、その内径部を呼気導
入口２５ｅに充当し、弁体２８に対向して開口面積が帽
体２７による弁体２８の押圧面積より小さい弁座２５ｅ
を形成している。

なお、主吸気管２２に接続される人工呼吸器本体２は、
第１図に示したものとほぼ同様であるが、酸素供給路２
ｄは必要としない。

以上のような構成からなる人工呼吸器用装置において、
ベンチュリ１６から供給される空気と酸素の混合気から
なる吸気は、吸気管２２及び逆止弁２４を通ってマスク
２１に送られる。

同時に、この吸気は副吸気管２２ａを通って呼気弁１９
の帽体２７内の室Ｍへ送られ、帽体２７を膨張させて弁
体２８を右方へ押圧すると共に、呼気管２３を通って弁
座２５ｅの内側から弁体２８を左方へも押圧するが、弁
体２８の帽体２７による押圧面積が弁座２５ｃの開口面
積より大きいので、弁体２８に作用する右進力の方が左
進力より大きくなり、弁体２８はシリンダ状部２５ａ内
を右行して弁座２５ｃに密着し、呼気弁１９を閉鎖する
。

患者の肺が吸気で充満して主吸気管２２内の圧力が上昇
すると、前述のように酸素供給路が閉鎖され、主吸気管
２２、副吸気管２２ａ及び帽体２７内の吸気圧は低下す
るが、呼気管２３内の呼気圧は逆止弁２４により高い状
態に保持されるため、弁体２８には左進力の方が強く作
用し、第２図に示すように弁座２５ｃを開放した状態と
なり、患者の呼気は弁座２５ｃと弁体２８の間隔から透
孔２５ｂを矢示Ｃ方向に蓬って外部に放出され、呼気を
容易にする。

この時、室Ｍ内の吸気圧が低下すると、帽体２７は弾性
による自己の収縮力により収縮し、その先端部が速やか
に左行するので、僅かな圧力差でも弁体２８は左行し、
抵抗力は殆んど生じない。

効果 以上述べたように、本発明によれば、呼気弁を主吸気管
から間隔をおいて分岐する副吸気管と呼気管との間に装
着し、その両分岐点間の主吸気管内に逆止弁を挿入する
と共に、副吸気管末端部に膨張可能な帽体を密封固定し
て、その先端部でシリンダ状部を摺動する弁体を押圧す
るようにし、さらに呼気管末端部に、上記帽体による弁
体の押圧面積より開口面積が小さい弁座を形成して呼気
弁を構成したので、呼気弁にかかる圧力は小さくて済み
、強度を要求されることなく、開閉時の時間的遅れも解
消され、その作動は確実である。

さらに、主吸気管、副吸気管及び呼気管内の吸気は低圧
の空気と酸素との混合気であるので、呼気弁開放時に流
出する酸素の量は僅かであり経済的であると共に、次回
の吸気時に酸素濃度の高い吸気が送られて患者に障害を
与えるおそれも皆無となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は人工呼吸器の構造概要並びに従来の人工呼吸器
用装置を示す断面図、第２図は本発明の実施例を示す人
工呼吸器用装置の断面図である。 １・・・・・・人工呼吸器、２・・・・・・人工呼吸器
本体、２ａ〜２ｄ・・・・・・酸素供給路、２ｅ・・・
・・・通路、２ｆ・・・・・・大気導入路、６・・・・
・・弁体、８・・・・・・揺動板、１０・・・・・・ベ
ローズ、１３，１４・・・・・・永久磁石、１６・・・
・・・ベンチュリ、１７・・・・・・フィルタ、１８・
・・・・・導管、１９・・・・・・呼気弁、２１・・・
・・・マスク、２２・・・・・・主吸気管、２２ａ・・
・・・・副吸気管、２３・・・・・・呼気管、２４・・
・・・・逆止弁、２５・・・・・・弁本体、２５ａ・・
・・・・シリンダ状部、２５ｂ１０１０１．透孔、２５
ｃ・・・・・・弁座、２７・・・・・・帽体、２８・・
・・・・弁体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 人工呼吸器本体のベンチュリから供給される吸気を
   患者側のマスクに導（と共に、患者の吸気を上記マスク
   を通じて外部に排出する人工呼吸器用装置であって、上
   記ベンチュリとマスクとを連通ずる主吸気管と、該主吸
   気管のベンチュリ側からマスク側に順次間隔をおいて分
   岐する副吸気管及び呼気管と、該副吸気管と呼気管との
   間に装着された呼気弁と、主吸気管の副吸気管分岐点と
   呼気管分岐点との間に挿入され、吸気をマスク方向への
   み通過させる逆止弁とを有し、上記呼気弁が、副吸気管
   の末端部に密封固定された膨張可能な帽体と、該帽体の
   外径を規正するシリンダ状部と、該シリンダ状部内を上
   記帽体に接して摺動する弁体と、呼気管の末端部に形成
   され、上記弁体が離着可能で上記帽体による弁体の抑圧
   面積より小さい開口面積を有する弁座とから構成されて
   いることを特徴とする人工呼吸器用装置。