JPS5922362B2 - コンバ−タトランス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スイッチングレギュレータ電源等において、
スイッチング素子により、一方向のみ電流が流れるよう
にスイッチングして電圧変換する回路に用いられるコン
バータトランスに関するものである。

スイッチングレギュレータ方式では、スイッチング周波
数が、数＋ＫＨ２ということから、トランス磁心にはフ
ェライトコアが用いられる。

しかし、フェライトコアの飽和磁束密度が比較的小さい
ために、磁心の形状が大きくならざるを得ない。磁心形
状が大きいと巻線の工夫を施しても一次、二次巻線の結
合度が悪く、リーケージインダクタンスが大きくなる。
このリーケージインダクタンスが大きいと、スイッチＯ
ＦＦの際、大きなスパイク電圧が現われスイッチング素
子を損傷したヤ、制御の感度が悪くなつたクする欠点が
ある。また、スパイク電圧を吸収させるために、抵抗、
ダイオード、コンデンサをトランスの一次側に接続する
方法もあるが、入力の電流が余分に増加したヤ、価格的
にも高価になる欠点があつた。本発明は、トランス磁心
の空隙部に一次側電流による直流重畳磁界を打消す方向
に、永久磁石粉と絶縁物とを混合した偏磁用磁石片を挿
入し、トランスの大きさを約半分に小型化して、一次、
二次の結合度を向上せしめ、スパイク電圧を小さくおさ
えたトランスである。

以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。

第１図は、トランジスター石、駆動のリンギングチョー
クコンバータ回路を示す。１は商用電源を整流した直流
電源、２はスイッチングトランジスタ、３は電圧変換用
のトランス、４はダイオード、５は負荷である。

スイッチングトランジスタがＯＮした状態でトランスに
電磁エネルギを蓄えＯＦＦした際に二次側回路に負荷電
流を流す方式である。トランジスタがＯＦＦした際に一
次巻線端子間６−Ｔに第２図に示すようなスパイク電圧
Ｖｓが発生する。第３図は本発明のトランスの断面図で
、８はフェライトコアのＩコア、９はＥコアである。Ｅ
コアの中央脚の長さを両側脚より短くし、そこに偏磁用
磁石１０を挿入している。１１、１２は巻線であり、巻
線方法はなるべく結合度を大きくするように巻回する。

偏磁用磁石の磁化方向は、一次コイルに流れる電流によ
る磁界と逆方向にさせてあるため、磁心の使用磁束密度
を２倍使用でき大きさを約半分に出来るものである。実
施例としては、偏磁用磁石１０の渦電流損を小さくする
ため、希土類磁石の磁粉と樹脂とを混合して硬化させた
圧粉磁石を前記磁心の空隙部に挿人した。圧粉磁石は磁
粉として第１表に示すような粒径のＳｍｃＯ５粉を用い
樹脂と９：１の重量比で混合し圧粉したものである。圧
粉磁石としての特性も第１表に示してある。これを用い
たトランスは、第２表に示すように磁心の断面積を小さ
くできるため、リーケージインダクタンスを小さくでき
、第２図に示すスパイク電圧も十分小さくできる。

本発明によれば、スパイク電圧を小さくできるので、ス
イツチング素子を損傷したり、制御の感度を悪くしたり
、また、スパイク電圧を吸収させるための回路部品が不
要になる効果がある。

また、小型化されることによシ、プリント基板に実装が
可能となる付随した効果もでてくる。

【図面の簡単な説明】

第１図はスイツチングレギユレータ方式の回路図、第２
図は第１図の回路におけるコレクタ電圧の波形図、第３
図は本発明のトランスの断面図である。 １・・・電源、２・・・スイツチングトランジスタ、３
・・・コンバータトランス、４・・・ダイオード、５・
・・負荷、６，７・・・端子、８，９・・・コア、１０
・・・偏磁用磁石、１１，１２・・・巻線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スイッチング素子により一方向のみ電流が流れるよ
   うにスイッチングして電圧変換する回路に用いられるト
   ランスにおいて、永久磁石粉と絶縁物とを混合してなる
   偏磁用磁石片を前記トランスの磁心の空隙部に挿入した
   ことを特徴とするコンバータトランス。