JPS5921374B2 - ＮＯｘ抑制焼結操業法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は下方吸引式焼結機（以下単に焼結機と記す）に
より焼結鉱を製造するに際し排ガス中に発生する窒素酸
化物（ＮＯｘ）を抑制する方法に関するものである。

焼結鉱は製練用原料として不可欠なものとなっている。

この焼結鉱は各種の粉鉱石に燃料として炭材（たとえば
コークス、以下同じ）を添加混合調湿し、焼結機で粉鉱
石類を焼き固めて製造している。

しかして粉原料焼結用燃料としては粉状炭材の使用が良
いと考えられ、一般には平均粒径０．８〜１．５ｍｍ程
度の粒度分布をもつ炭材、すなわち概ね粒径が１０ｍｍ
以下で一１ｍｍの粒度を５０％程度有する微粒状の炭材
が用いられ焼結操業が行れているのであるが、この際焼
結の排ガス中には多量のＮＯｘが排出されてくる。

たとえば炭材として粉コークス使用の場合についてみる
とコークス中には通常１係程度の窒素が含まれており、
焼結過程でコークスを燃焼させる際にコークス中のＮが
酸化してＮＯｘに転換し、いわゆるＦｕｅ ｌＮＯｘが
発生し排ガス中に排出される。

（焼結排ガス中の大部分はＮＯである）その量は転換率
で表わせば普通３０％以上となり多量なＮＯｘの発生と
なるのである。

ここでいうＮＯｘ転換率とは、［発生ＮＯｘからのＮ／
コークス中のＮ ｊ Ｘ１００である。

近年この窒素酸化物の発生は、環境保全のため抑制の必
要にせまられているのが実情である。

本発明は従来の難点を克服して焼結排ガス中へのＮＯｘ
の発生を抑制する焼結操業法に係るものであり、焼結機
により粉鉱石を焼結するに際し燃料として使用する炭材
を微粒状態で使用するのではなく、所定粒径以上の粗粒
にして使用することを特徴とするのである。

本発明者らはコークスの燃焼挙動とＮＯｘ発生挙動を調
査していたが、焼結層におけるコークス燃焼時のＮＯｘ
の発生はコークスを粗粒にすれば、大巾に抑制できるこ
とを発見した。

次に焼結鉱実験によるコークス中のＮのＮＯｘへの転換
率をコークスの粒度毎に調査した結果を第１表に、また
コークスの粒度分布と平均粒径及び焼結鍋実１験による
ＮＯｘの転換率を第２表に示した。

第１表の結果によれば、１ｍ７ＩＬ以下の微粒のコーク
スはＮＯｘ転換率が３０係以上と高く、１ｍｍ以上の粗
粒になればなる程ＮＯｘ転換率は低下し、ＮＯｘの発生
が抑制されることは明らかである。

次に第２表の結果であるが、コークスの平均粒径が大き
くなる程ＮＯｘ転換率は小さくなっている。

これはＮＯｘ転換率の高い１ｍｍ以下の微粒コークスの
量が減少し、ＮＯｘ転換率の低い１籠以上の粗粒のコー
クスが増加したためと考えられる。

しかしながら、コークスの平均粒径が１．７ｍｍ程度で
はＮＯｘの転換率が３０係程度であまり効果が期待でき
ない。

平均粒径が２．０ ｍｍになるとＮＯｘ転換率２５〜２
６係と低下し効果がでてくる。

したがって本発明の方法で使用する炭材の所定粒径は平
均粒径２． Ｏｍｍ以上の粗粒または粒径１ｍｍ以下の
微粒を分別除外した粗粒に限定するものである。

しかしながら、１７ｒＬＴＬ以下のサイズの炭材がいく
らか混在していても、この発明による効果は得られるも
のであることはいうまでもない。

しかして、場合によっては炭材を所定粒径にそろえるた
め微粒の炭材が分別されるが、その場合この微粒炭材を
疑似粒化又は塊成化し、これを焼結用燃料として使用す
るのも好ましい手段である。

その場合この疑似粒子又は塊成物を強化する目的でたと
えば、ＣａＯ１ベントナイト、亜硫酸パルプ廃液、転炉
スラッジ、などの有機質あるいは無機質のバインダー類
を添加すると運搬中に崩れが少なくなるなど効果的にな
ることはいうまでもない。

以上のように本発明は粗粒の炭材、すなわち１朋以上の
炭材、又は平均粒径２． Ｏｖａｎ以上の炭材を使用す
ることを特徴とするＮＯｘ発生抑制焼結操業法である。

本発明の具体的な実施例を示す。

第３表に焼結鉱実験の結果を示した。

ごく一般的な粉コークス平均粒径１．５３ｍｍのＮＯｘ
転換率が３１．２〜３１．８と高いのに比較して、全体
を粗粒化したコークス、又は３ｍｍ以上、２ｍｒＩＬ以
上あるいは１ｍＭ！以上のコークスはＮＯｘ転換率が大
巾に低下し、ＮＯｘ発生抑制効果が大きいことが判る。

ここで使用した原料の配合割合を第３表に示した。

また設備条件を第１図に示した。

以上の実施例からも明らかなごとく、本発明の方法によ
れば所定粒径以上の粗粒炭材を使用するという簡単な手
段で焼結過程におけるＮＯｘの発生を抑制することが可
能となり、本発明の効果は莫大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実験に使用した装置を示す。 １の点火炉で９０秒間ＣＯＧを点火燃焼し、１，０００
ｍ１Ｈ，０の負圧で下方に吸引しコークスを燃焼させ焼
結を進行させるものである。 １：点火炉、２：焼結銅、３：焼結原料層、４：ＮＯｘ
分析排ガスサンプリング検出端、５：Ｃｏ 、 ＣＯ□
分析排ガスサンプリング検出端、ならびに負圧測定用検
出端、６：排ガス温度測定検出端、７：オリフイス部温
度測定検出端、８ニオリフイス○

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下方吸引式焼結機により粉鉱石を焼結するに際し燃
   料として平均粒径２ｍｍ以上、又は粒径１ｍｍ以上の粗
   粒炭材を高温熱処理することなくそのまま使用すること
   を特徴とするＮＯｘ発生抑制焼結操業法。 ２ 燃料として使用する炭材を粒径１ｍｒｒｔ以下の微
   粒を分別除外し、粗粒部分を使用することを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の方法。 ３ 粗粒を除外して得られた微粒の炭材を疑似粒化又は
   塊成化として粗粒にし、これを燃料として使用すること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の方法。