JPS59206167A - 溶接用スプ−ルの包装方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は溶接用スプールの包装方法に関し、特に金属線
材製溶接用スプールに巻回した溶接用ワイヤの包装開封
後の発錆を最小限に抑制し得る溶接用スプールの包装方
法に関するものである。

溶接用ワイヤの巻枠として従来より一般に使用されてい
るものには、プラスチック製スプール、鉄製スプール、
木製スプール等がある。中でも最も火星に使用されてい
るのはプラスチック製スプールであるがプラスチック製
であるが為に使用済みスプールの処理即ち産業廃棄物処
理の問題があり、しかも資源の高騰によってスプール自
体の製造価格が年々高くなるという問題もある。この様
なところから最近金属線材製の軽量スプールが開発され
、」−述の問題が一切解決される様になったが、新たに
発錆という問題が生じている。これはプラスチック製ス
プールとの構造」−の違いによるものであり、次の様に
説明することができる。

第１図は汎用のプラスチック製スプールＡに溶接用ワイ
ヤＷを巻回した状態を示す見取図を示す。

プラスチック製スプールＡは、巻回された溶接用ワイヤ
Ｗの巻形状が崩れるのを防止する為に両側面をプラスチ
ック製フランジ板Ｂ、Ｂで構成し、且つ巻胴部をプラス
チック製芯筒Ｃで構成している。その為巻回層の最外周
面Ｗ以外は外気から完全に遮断された状態となり、発錆
の問題は極めて少ない。但し従来はフランジ板Ｂや芯筒
Ｃを防錆用保護材として理解する考えはなく、一方金属
線材製スプールは第２，３図に示す様に１本の金属線材
を折り曲げて構成されるユニット（スプール要素）１を
周方向に複数個隣接接合しただけのものであるから、溶
接用ワイヤのフランジ側面及び巻芯面はほとんど全面的
に露出する構成となり発錆の危険性を内蔵している。従
ってこの金属線材製スプールの出荷姿については従来の
プラスチック製スプールと同じか又はそれ以上の防錆対
策が望まれ、例えばポリエチレンフィルム等によって防
湿包装がなされた上、更に防湿性の高い段ボール箱詰め
が行なわれている。これらの金属線材製スプールは現在
主に外国の大量ユーザーのもとで使用されているが、こ
れらの国々は一般的に低湿であると共に金属線材製スプ
ールの設置箇所に箱状の保護カバーを取付ける等の防錆
対策が充分とられていることもあって溶接ヒユームや粉
塵等の悪環境から保護され、使用時における巻胴部また
は側面の発錆は極めて少なく一般的に言っ国内でこの金
属線材製スプールをそのまま使用するとなると、高温多
湿の気候による影響は通常程度の防錆対策では回避する
ことができないと共に使用先における防錆対策の良否に
も差があるので、溶接現場の悪環境によって発錆すると
いう問題が出ている。特に溶接ワイヤの使用期間が長期
にわたる場合［例えばｌコイル（２０ｋｇ程度）の消費
に１力月以−１−かかる場合］や海岸に近い溶接現場な
どで使用される場合は錆の発生が顕著であり、溶接用ワ
イヤの性能としては最も致命的な欠陥となって商品価値
の低下のみならず品質的な信用失墜にもつながるおそれ
が多分にある。

本発明渚等は」−記事情を憂慮し、低コストで且つ産業
廃棄物処理問題のない巻枠である金属線材製スプールの
汎用性を推進するにあたって、製品包装からユーザーで
の開封までの期間はもとより開封後の長期使用中におい
ても発錆の問題がない金属線材製スプール（以下単にス
プールと称す）の包装方法を提供しようと考え種々検討
の結果本発明を完成するに至った。

即ち」−記目的を達成し得た本発明方法とは、１本の金
属線材を数箇所で折り曲げて形成したスプール要素を複
数個円形状に配列し、隣接スプール要素の半径方向リム
同士を互いに接合することによって組立てられた溶接用
ワイヤ巻回用スプールに溶接用ワイヤを巻回し防錆包装
するにあたり、少なくとも溶接用スプールの両フランジ
部及びワイヤ巻胴表面を溶接用ワイヤの巻回に先立って
シール部材で被覆する点に要旨を有するものである。

以下実施例を示す図面に基づいて本発明の構成及び作用
効果を具体的に説明するが、下記実施例は一具体例にす
ぎず、もとより前・後記の趣旨に徴して種々設計を変更
することは、いずれも本発明の技術範囲に含まれる。

まずスプールの構造について第２．３図を参照しつつ更
に詳細に説明する。第２図はスプール要素の１つを実線
で示し、残り７つを鎖線で示すことによって全体の組立
形状゛を説明する見取図、第３図は該スプール要素を円
形に組付けた状態を示す側面図である。これらの図にお
いて、スプール１０は１本の金属線材を折り曲げて形成
したスプール要素ｌを複数個円形状に配列し、隣接要素
同士を々、いに接合することによって形成されるもので
ある。スプール要素ｌは巻回ワイヤを内面側から支持す
る支持部１ａ、同ワイヤを両側から保持する半径方向リ
ムｌｂ、ｌｂ、Ｉｆ、ｉｆ　、スプールの最外周線を形
成する外周側リムＩｃ、ｌｃ、支持軸２の外周面に沿っ
て当接される内周側リムｌｄ、ｌｄ、内周側リムの一端
から外周方面に折り曲げて形成した突起部１ｅ、Ｉｅか
らなり、これらは１木の金属線材を折り曲げ加工するこ
とによって得ることができる。そしてこの様に形成した
スプール要素１を第２．３図の様に複数個（図では８個
）円形に組みつけ、スポット溶接等により接合した後、
中心貫通孔に支持軸２を嵌合させて用いるものである。

第４図は他の実施例に係るスプール要素ｌＺを示す見取
図で突起部１ｅ、ｌｅの先端をスプール軸心と平行方向
に延長して連続一体化した他は第２，３図の例と同じで
ある。尚この様にスプールの形状については色々な設計
変形が可能であり、本出願人においても極めて多数の特
許出願及び実用新案登録出願を行なっているが、これら
の変形スプールについても全て本発明包装方法の対象に
含まれる。第４図中の３は係止板を示し、支持軸２との
固定はねじ込み方式、バヨネッＩ・方式、掛止めピン方
式等によって行なわれる。従ってスプール要素ＩＺの組
立てが完了すると該組立体に支持軸２を嵌合すると共に
係止板３を装着し、次いで溶接用ワイヤＷを巻回すると
第５図（軸心を含む面で切断した断面図）に示した様な
スプール１０ａが得られる。そしてスプールＩＯａを包
装するに当っては支持軸２及び係止板３は取外す。

次に本発明の包装方法を具体例に準拠しつつ明らかにし
ていく。

第６図は本発明によって得られるスプール包装体の概略
断面説明図及び第７図は同見取図を示す。なおスプール
ＩＯａのスプール要素表面には予めポリエチレンや塩化
ビニル樹脂等の合成樹脂等による防錆被覆処理を施こし
ておくことが椎奨される。スプール要素自体の防錆加工
は本発明の限定条件ではないが本発明の防錆包装による
効果をより確実なものとする」；では極めて好ましい。

予備的な手段となるこの様な被覆処理はスプールの組立
の前又は後のいずれかに行なってもよい。さてこれらの
図において特に重要なポイントの１つはスプールＩＯａ
に溶接ワイヤＷを巻回する前にスプール１０ａの両フラ
ンジ面１７．１７内側の仮想面（以下フランジ２？　、
　２？と称す）及びワイヤ巻芯部１１内側の仮想周面（
以下巻芯内面１２と称す）をシール部材で被覆する点に
ある。即ち長期使用の下での発錆が主としてこれらの面
で認められる点を考慮したものであり、その防止を本発
明の主眼点としている。その為の具体的手段としてフラ
ンジ内面２７　、２７及び巻芯内面１２には全周に亘っ
てプラスチック製のシール部材２１が嵌設されている。

該シール部材としては後述する様に色々な構造のものが
採用されるが要は、第２図における半径方向リムＩｂ　
、　Ｉｂ、　Ｉｆ　、　ｉｆ、スプール１０ａの最外周
線を形成する外周側リムＩｃ、ｌｃ及び内周側リム１ｄ
によって形成される環状の溝に沿って当設備の内面全体
を覆う様に設けられるものであって、このあとスプール
］Ｏａに巻回ごれる溶接用ワイヤ巻回層の両フランジ内
面２７，２？及び巻芯内面１２を結果的に下界から遮断
してシールをすることができるものである。即ち、所要
量巻回された溶接用ワイヤＷのフランジ面１７及び巻芯
面１１は既に大気から遮断された状態となる。これは従
来のプラスチック製スプールと実質的に同じ状態である
。そして巻回ワイヤの外周側表面（巻層の最表面）側に
ついては使用により順次嵩減りして新たな巻層が表われ
てくるので運搬貯蔵中の防錆を考慮すればよいだけであ
り永久的な防錆包装をしなくともよい。

即ち一時的な防錆対策があればよく、どの様な包装形態
にてもよい。第６図にはその一例を示しており、両フラ
ンジ面１７．１７の外周側リムｌｃ、ｌｃ間に亘ってス
プール全周に亘って帯状の合成樹脂製フィルム状シール
部材１５を巻いてその両縁を外周側リムｌｃ、１ｃＪ−
に融着又は接着している。これにより溶接用ワイヤＷの
巻胴表面２０をシール被覆しておけば運搬保管中の発錆
は完全に防止される。そして使用にあたってはシール部
材１５の一部をつかんで第７図に示す様に周方向にひき
剥がせばよく溶接用ワイヤＷの巻層表面が直ちに露出し
て使用可能となる。一方シール部材２１によって大気か
ら遮断されたフランジ面１７及び巻芯面１１のシール部
材は上記ひき剥がし操作に追随して破れることはないの
でひきつづきシール機能を発揮する。従って使用中は巻
胴表面２０のワイヤＷが露出しているだけとなるのでス
プールｌＯａをこの状態で長期間使用しても巻回された
溶接用ワイヤＷのフランジ内面２７　、２７及び巻芯内
面１２側は継続して大気から遮断される。即ちスプール
１０ａの使用条件は前記プラスチック製スプールＡの場
合とほぼ同じ条件となり、たとえ悪環境の大気中で長期
間使用されることがあっても巻回された溶接用ワイヤは
シール保持されてその発錆を可及的に抑制し得ることと
なった。即ち上記包装形態をとることによって製品包装
からユーザーでの開封までの期間はシール部材１５によ
って完全にシール被覆され、又開封にあたっては順次使
用されて防錆」−まず問題の少ないとされる巻胴表面２
０の周上のシール部材１５のみが除去される。即ち両フ
ランジ内面２７．２？及び巻芯内面１２のシール部材２
１は、該スプール１０ａの使用全期間中にわたって溶接
用ワイヤＷを大気から遮断すべく設けられて構成されて
いるからスプール開封後の長期間使用中においても溶接
用ワイヤの発錆を最小限に抑制し得ることとなった。他
方第６．７図で示したプラスチック製のシール部材２１
はその設置によって両フランジ内面２７　、２７及び巻
芯内面１２の被覆シールを完成すると共に設置後におい
てその」−へ所定量の溶接用ワイヤを整然と巻回し得る
機能を備えた構造を備える必要があるところからその形
状について種々検討したところ、第８（ａ）図及び第８
（ｂ）図の様な構造のプラスチック製シール部材が適当
であることを知った。即ち第８（ａ）図のプラスチック
成形品のシール部材２１ａは装脱着が自在である様に２
つ割り構成からなりフランジ内面を被覆するつ１ 体成形されているためスプール１０ａに嵌設するときは
２つ割りした箇所をつなぐだけで簡単に取イづけること
ができる。つなぎ方としては接着剤を用いてもよいし成
形時に両端部を嵌合可能に構成しておいて嵌設する様に
しておいてもよい。第８（ｂ）図のプラスチック成形品
のシール部材２１ｂは、前記シール部材２１ａを更につ
ば部２７ｂと胴部１２ｂに分割したもので、部品の数は
増えるがスプール］Ｏａへの取付は及び組伺けは特に不
便となることはない。尚これらの例ではプラスチック板
を用いているが強度上の要請は少ないから極めて薄いも
のであってもよく要はそれ自身の保持性さえ有しておれ
ばよい。第８（Ｃ）図のシール部材２１ｃはそれ自身保
形性を有していない更に薄い軟質の素材例えばフィルム
状のシール部材２１ｃをいわゆるハンカチ包装状に底面
から側面にかけて敷設する様に用いた例を示しておりこ
の例ではフランジ内面２７　、２７を被覆するシール部
材２１ｃは溶接ワイヤの巻回中に垂れ下ってワイヤ中に
巻き込ま　０ れるのを防止する為にフィルムの周縁を外周側リムＩｃ
、１ｃＪ１に融着又は接着させておく必要がある。この
様なシール部材としては勿論プラスチック類を使用して
もよいが、廃棄物処理の問題がからむので防湿処理を施
した紙や布類を用いるのが好ましい。勿論素材によって
は防湿処理を省略することもできる。

次に、第９〜ｌＯ図は何れも巻胴表面のシール方法を示
す他の例の概略断面説明図である。即ち、第９図はワイ
ヤ巻胴表面２ｏのワイヤ巻層表面に加熱溶融した樹脂を
噴霧して該溶接用ワイヤ巻層上に防湿吹付層２４を形成
している状態をモデル的に示した図である。２３はスプ
レー装置を示す。

吹伺層２４を形成する樹脂はワイヤＷに直接付着するの
で使用時にワイヤ上から容易に剥離可能であることが望
ましい。

第１０図はプラスチック製半月状のシール部材１６で巻
胴表面２０を被覆した例を示す。シール部材１Ｂは第８
（ｂ）図で示した２つ割りシール部材２１ｂの胴部１２
ｂの様な形状とし、更に内面側を被覆しＺ ているシール部材２１　、２１に側板１１３ｘ　、　Ｉ
Ｂｘで嵌合しておけば輸送中にはずれることもなく巻胴
表面２０のシールが可能である。

第１表は汎用されているプラスチック製スプール、本発
明方法を適用しないスプール、及び本発明実施例で包装
したものの夫々について包装開封後の日時の経過と発錆
状況を調べた結果をまとめた比較表である。

第　　　１　　　表 （注） 使用溶接ワイヤ：　ＪＩＳ　Ｚ、　３３２１　　ＹＣＷ
−１１，２φ銅めつき（０，２８％） 油脂伺着邦　１．０〜１．５ｇ／１０ｋｇ実施例で使用 したシール部材：塩ビ成型品　厚みＯ，１３ｍｍ２　ｆ
ｔ　延４ｆｔ＋　ホリエチレンフイルム厚み　６０色 評価内容： Ｏ：露出部ワイヤ表面異常なし △：ｌｌ　　　　点錆数箇所あり ×：　　／ｌ　　　発錆あり 第１表から明らかな様に本発明方法を採用した包装品は
本発明の包装方法を行なっていないスプールに比較して
発錆に至る期間が延びて従来のプラスチック製スプール
並みの防錆効果が得られている。

本発明は以」−の様に構成されているので、開封後の溶
接用ワイヤの発錆なプラスチックスプール　５ 並みに抑制することによって本スプールの広汎な実用化
を可能とした。

【図面の簡単な説明】

第１図はプラスチック製スプールに溶接用ワイヤを巻回
した状態を示す見取図、第２図はスプールの組立形状を
示す見取図、第３図は側面図、第４図は他の実施例に係
るスプール要素を示す見取図、第５図は同実施例のスプ
ール（軸心を含む断面で切断した断面図）、第６図は本
発明によって得られるスプール包装体の概略断面説明図
、第７図は同見取図、第８　（ａ）、　（ｂ）　、　（
ｃ）図はフランジ内面及び芯内面に用いるシール部材の
説明図、第９〜１０図は巻胴表面のシール方法を示す概
略説明図を示す。 １・・・スプール要素１０・・・スプール１１・・・巻
芯面　　　　　　　　１２・・・巻芯内面１５・・・シ
ール部材１６・・・シール部材１７・・・フランジ面　
　　　　　２０・・・巻胴表面２１・・・シール部材２
２・・・シール部材２３・・・スプレー装置　　　　　
２４・・・吹付層　６ ２７・・・フランジ内面 出願人　株式会社　神戸製鋼所 第ａＣ）図 １５ｃ 第９図 第１０図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）１木の金属線材を数箇所で折り曲げて形成したス
   プール要素を複数個円形状に配列し、隣接スプール要素
   の半径方向リム同士を互いに接合することによって組立
   てられた溶接用ワイヤ巻回用スプールに溶接用ワイヤを
   巻回して防錆包装するにあたり、少なくともスプールの
   両フランジ部内側の仮想面及びワイヤ巻胴芯部の仮想周
   面を溶接ワイヤの巻回に先立ってシール部材で被覆して
   おくことを特徴とする溶接用スプールの包装方法。