JPS59202Y2 - 二軸押出機の駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は合成樹脂材料等の押出成形に使用される二軸押
出機の駆動装置に関するものである。

二軸押出機は生産する材料の種類、特性及びその生産方
法によって押出機に装着される２本のスクリュの回転方
向が同方向若しくは異方向とに使い分けられている。

然るに、各々の駆動装置の構造は大巾に異っていたり、
同一の装置でも軸や歯車の数を増減させる等容易にスク
リュの回転方向を変更し得なかった。

本考案は上記の欠点を取除き駆動歯車の噛合わせを変え
ることにより、２本のスクリュの回転をいずれの方向に
も任意に選択し得るものである。

従来の異方向回転二軸押出機の駆動装置は第１図及び第
２図に示すように、駆動源（図示せず）の動力を駆動装
置本体３０の入力側に回転自在に軸承された入力駆動軸
１に固着された歯車１′と２個の被駆動歯車３及び５と
をそれぞれ噛合わせることにより、被駆動歯車３，５を
それぞれ固着した２本の被駆動軸２，４を回転させて動
力の分割を図っている。

被駆動歯車３は、第２図のＡ点で駆動軸１の駆動歯車１
′と噛合い、動力を被駆動軸２に直接結合された出力軸
７から更に継手１１を介して結合され、かつ駆動装置本
体３０の出力側に接続される二軸押出機本体のシリンダ
内に回転自在に装着されるスクリュ１３に伝達している
。

一方被駆動歯車５は、第２図のＢ点で駆動歯車１′と噛
合い、動力を被駆動軸４に直接結合された伝動軸８の歯
車８′と出力軸１０の歯車１０′との噛合わせにより出
力軸１０から更にスクリュ１３と同様に継手１１を介し
て結合され押出機シリンダ内のスクノユ１２に伝達して
いる。

この場合はスクリュ１３とスクリュ１２とは異方向回転
となる。

従来、この形式の駆動装置を用いて押出機の２本のスク
リュの回転方向を同方向回転にする為には、第３図に示
すように伝動軸８の歯車８′と出力軸１０の歯車１０′
とを直接には噛合わせず、新たに歯車８′と歯車１０′
とに噛合う位置に歯車１４′を有する中間軸１４を設け
ていた。

しかし、この方法では限られた空間内で中間軸１４を１
本増加させる為に各構成部材の強度の低下が避けられな
かったり、強度を充分考慮すれば装置全体を大きくしな
ければならず、各回転方向の変更を装置の中心部近傍で
行なう為構成部材の組立変更に長時間を要する等の問題
点を生じた。

本考案は上記のような諸欠点を取除き、同一装置で歯車
及び軸の数を増減することなく２本のスクリュの回転方
向を任意に選択し得る駆動装置の提供を目的とする。

本考案の実施例を第４図〜第９図で説明する。

第４図及び第５図に示すように駆動装置本体３１の入力
側に回転自在に軸承された入力駆動軸１と２本の被駆動
軸２及び４のそれぞれの軸心が入力駆動軸１の軸心を頂
点とする二等辺三角形に配設される場合は駆動歯車１５
を有する駆動軸１と２個の歯数の等しい被駆動歯車１６
．１７との噛合いを第４図、第５図に示すように配置し
て行う。

即ち図示されていない駆動源より駆動される入力駆動軸
の駆動歯車１５と噛合って駆動される被駆動歯車１６は
被駆動歯車１７とも並列して噛合う歯巾を有して、被駆
動軸２に固着されており、駆動軸１の歯車１５と、第５
図に示すＥ点で噛合い、出力軸７と継手１１を介して動
力を駆動装置本体３１の出力側に接続される二軸押出機
本体シリンダ内に回転自在に装置されるスクリュ１９に
伝達している。

一方被駆動軸４に固着された被駆動歯車１７は駆動軸１
の歯車１５とは噛合っておらず、第５図に示すＦ点で、
被駆動軸２に固着された歯巾の広い被駆動歯車１６と噛
合い、動力を順次伝達軸８、出力軸１０及びそれぞれの
軸に固着された一対の同一噛合歯車８’、 １Ｇ’及び
継手１１を介してスクリュ１９と同様に押出機本体シリ
ンダ内のスクリュ１Ｂに伝達している。

この場合スクリュ１９とスクリュ１８とは同方向回転と
なる。

スクリュ１９とスクリュ１８とを異方向回転とする場合
には、第６図に示すように駆動軸１の歯車１５を広い歯
巾の歯車１５′と交換すると共に被駆動軸２の広巾歯車
１６を歯車１７と同一歯巾を有する狭い歯車１６′と交
換してそれぞれ別個に入替えすることにより軸方向に距
離を置いて並列して噛合う二対の噛合歯車の噛合点はＥ
、 ＦからＥ、 Ｇへと切替わり、被駆動軸４の回転
方向は第５図の点線矢印で示すように軸２と同方向の回
転となり従ってスクリュ１８．１９は異方向回転となる
。

２本のスクリュ１８．１９のねじの捩れ方向は回転方向
に応じて相互に噛合うものに組替え変更することは言う
までもない。

又第８図、第９図に示すように駆動軸１と被駆動軸２゜
４のそれぞれの軸心が正三角形となるように配設した場
合は第７図、第８図に示すように駆動軸１に駆動歯車２
１を固着し、かつ、駆動歯車２１と被駆動軸２，４にそ
れぞれ固着された被駆動歯車２２．２３の３枚の歯車は
何れも歯数及びピッチ円をすべて同一にし、かつ、駆動
軸１及び被駆動軸２゜４の軸径、キー巾も総て等しく定
めておき、第７図で示すように被駆動歯車２２に駆動歯
車２１と被駆動歯車２３とを並列して噛合わせる歯巾を
持たせる。

この場合は２本のスクリュの回転方向を変更するために
新たに歯車を用意することなく、第７図、第８図に示す
ように、駆動軸１に駆動歯車２１、被駆動軸２に被駆動
歯車２２を固着すれば、第８図に示す噛合点Ｈ，Ｉが得
られ、前述した動力の伝達により２本のスクリュの回転
方向は同方向回転となる。

又第９図に示すよう駆動歯車２１を被駆動軸２に、被駆
動歯車２２を駆動軸１に相互に入替えれば噛合点Ｊ、
Ｋが得られ、前述したように動力の伝達により２本のス
クリュ回転方向は異方向回転となる。

本考案はこのように構成されているので駆動装置の入力
端に配設された駆動軸の歯車と被駆動軸の歯車とを相互
に又はそれぞれ別個の歯巾を有する歯車と交換すること
により、スクリュの回転方向を駆動装置内部に装着され
た軸及び歯車を追加変更することなく容易に変更するこ
とができる。

以上説明したように、軸及び歯車の数を変更することな
く、同一の装置を使用している為無駄な空間を装置内に
設ける必要もないため構成要素の強度上付等の制約なし
に設計することができる。

又スクリュの回転方向の変更に必要な組替作業が装置の
端部でできる為作業能率が向上する。

又部品点数が少ない為保守管理が容易である等の優れた
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の二軸押出機の駆動装置の構成を示す展開
断面図、第２図は第１図の断面ＩＩ −ＩＩにおける駆
動軸及び被駆動軸の歯車列の配置を示す断面概略図、第
３図は第１図の断面ＩＩＩ−ＩＩＩにおいて、スクリュ
の回転方向を変更する為に設けた駆動軸及び中間軸の歯
車列の配置を示す断面概略図、第４図は本考案の一実施
例による第１図と同様の駆動装置の構成を示す展開断面
図、第５図は第４図の断面■−■で歯車列の配置を示す
断面概略図、第６図は第４図の入力側歯車の入替により
回転方向の変更を説明する部分展開断面図、第７図は本
考案の他の一実施例による駆動装置の入力部のみを示す
部分展開断面図、第８図は第７図の断面Ｖｌｌｌ−ＶＩ
ＩＩにおける歯車列の配置を示す断面概略図、第９図は
歯車の相互の入替えによるスクリュ回転方向の変更を説
明する為の第８図と同様の断面概略図である。 １・・・駆動軸、２・・・被駆動軸、３・・・被駆動歯
車、４・・・被駆動軸、５・・・被駆動歯車、６・・・
スラスト軸受、７・・・出力軸、８・・・伝動軸、８′
・・・伝動軸歯車、９・・・スラスト軸受、１０・・・
出力軸、１０′・・・出力軸歯車、１１・・・継手、１
２．１３・・・スクリュ、１４・・・中間軸、１４′・
・・中間軸歯車、１５・・・駆動軸歯車、１６・・・被
駆動歯車、１７・・・被駆動歯車、１８．１９・・・ス
クリュ、２０・・・駆動軸、２１・・・駆動歯車、２２
・・・被駆動歯車、２３・・・被駆動歯車、３ｏ・・・
従来技術による駆動装置本体、３１・・・本考案による
駆動装置本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２本のスクリュを近接した所定の距離で平行に配設して
   回転駆動する二軸押出機の駆動装置において、一方のス
   クリュと継手により同心に接続され駆動装置本体の入力
   側に被駆動歯車を有する一方の被駆動軸と、他方のスク
   リュと継手及び一対の同一噛合歯車を介して接続され入
   力側に前記被駆動歯車と同一歯数の被駆動歯車を有する
   他方の被駆動軸と、前記それぞれの被駆動歯車が相互に
   干渉しない大きな歯幅の駆動歯車を有する入力駆動軸と
   からなり、それぞれの軸心を正三角形に、若しくはこの
   入力駆動軸の軸心を頂点とする二等辺三角形に配置して
   前記大きな歯幅の駆動歯車と、何れか一方の前記被駆動
   歯車とを入れ替え、前記それぞれの歯車を任意に係合さ
   せることにより前記２本のスクリュの相互の回転方向を
   任意に設定することを特徴とする二軸押出機の駆動装置
   。