JPS5920237B2 - 電気音響コンバ−タ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスピーカ、より詳細には凸形に湾曲した金属薄
板により構成される樽状ダイアフラムを有し、このダイ
アフラムの下端に該ダイアフラムと連結する振動発生器
を設けると共に、ダイアフラムの上端と振動発生器のハ
ウジングとをバ一部材で連結するようにしたスピーカに
関するものである。

この種のスピーカは、例えばフランス特許第８６２８６
７号で知られている。

この周知のラウドスピーカのダイアフラムはほぼ楕円形
をなし、その内部にダンパな備えており、該楕円形はダ
イアフラムボディの形状と適合し、空気を通す孔を有し
ている。

この場合、空気は前記空気孔が小さいため通風の際の抵
抗により制動もしくは速度がゆるめられる。

しかし空気孔に当たらない音波は前記ダンパから反射さ
れ、ダイアフラムの内面との相反妨害作用を生じること
になる。

さらにこの種のスピーカはドイツ特許第 ２７０９３７４号でも知られており、同特許には１もし
くは複数の円筒状ダイアフラムが示されている。

このダイアフラムの壁は硬さの異なる２あるいはそれ以
上の物質で構成されている。

ダイアフラムの内側にはダンパが付げられているが、ダ
イアフラムとの機械的相反作用が発生するため、ダイア
フラムの振動に悪影響を及ぼすことになる。

本発明の目的は、こうしたダイアフラムの内面からの音
波を自由口を通って上方に放出させることにあり、これ
によって音波を制動（減衰）させ、もしくはダイアフラ
ム外面から放出される音波に加えて所要シグナルとして
使用するものである。

本発明ではこのような目的をダイアフラムの内側にサウ
ンド伝導体を設けることによって達成せんとするもので
あり、このサウンド伝導体によりダイアフラムの内面か
ら放出される音波を偏向させその内部空間から外方に誘
導するようにしたものである。

これによりダイアフラムとこれらの音波の相反作用の問
題は解消される。

以下、本発明の実施例を図面に示すものについて説明す
る。

第１図は本発明の一実施例を示すもので、１はダイアフ
ラム、２は振動発生器Ａを構成する振動コイル、３は同
じくマグネット、１４は振動発生器のハウジングである
。

ダイアフラム１はその下端が振動コイル２に連結され、
その振動コイル２はマグネット３の環状ギャップ１６に
伸びている。

ダイアフラム１の内部に示すものはサウンド伝導体４で
あり、そのサウンド伝導体４にはダイアフラム１の内面
から放出される音波が当って、その音波を上方に導くも
のである。

サウンド伝導体４は上部がほぼ球状に、また下部がほぼ
円筒状に形成されている。

このため、下方から上方に拡がる環状ギャップがサウン
ド伝導体４とダイアフラム１の内面との間に形成される
。

したがって、この環状ギャップへ入る音波は上方に偏向
し、最終的にダイアフラム１の上部開口から出ることに
なる。

このサウンド伝導体４は振動発生器Ａのハウジング１４
と堅固に連結されており、かつバ一部材８が前記サウン
ド伝導体１４を貫通している。

上記ダイアフラム１はその上端を前記バ一部材８により
振動発生器Ａのハウジング１４に強固に連結されている
。

このため本実施例では、上記ダイアフラム１の上方に逆
ポットをなした音波放出用のハウジング５が取付けられ
、ダイアフラム１の上方に位置したハウジング５の上部
壁（ポット形状の底部に相当する壁部）と振動発生器Ａ
のハウジング１４とがバ一部材８で連結される。

前記ハウジング５はその下端にテーパ状に絞られた壁部
５１を有し、この壁部５１のエツジ部が開口１５を形成
している。

この開口１５のエツジ部はダイアフラム１の上端と連結
され、音波はこの開口１５を通ってハウジング５の中に
導かれる。

このハウジング５は第１図の右半分に示すごとく、サウ
ンド制動部材６で完全に充填することができる。

ダイアフラム１の内部空間から出る音波は必ずしも情報
シグナルとして使用される訳ではな（、この実施例では
ハウジング５内で減衰される。

第１図の左半側には別の実施態様が示されており、内部
に設けられたパイプ７はバ一部材８を同心的に囲い、こ
のバ一部材８とパイプ７との間でダイアフラム１の内部
から上方に出る音波を案内するようになっている。

またパイプ７の外側の前記壁部５１には音響出口孔９が
設けられる。

前記パイプ７の上端は、ハウジング５の上端と一定の距
離を保っており、そのためダイアフラム１から出た音波
はパイプ７の頂部から出て下方に導かれ、音響出口孔１
９を通じて外側に出る。

このハウジング５内を音波が所定の時間をかげて通過す
るため、ダイアフラム１からその内方及び外方に放出さ
れる音波間の位相のいずれは、ある周波数帯域において
中和され、或いは孔９から出た音波が情報シグナルとし
て周囲に伝播されるよう減衰される。

ダイアフラム１それ自体は金属薄板から構成され、全体
として、たる状に形成されている。

曲りを容易にするために、湾曲の方向へ適宜スリットを
形成することができる。

第２図、第２ａ図及び第２ｂ図はダイアフラム１を構成
するセグメント１０の１つを示すものである。

セグメントは金属薄板により構成され、長手方向で湾曲
している。

したがってこれらにより構成されるダイアフラム１はほ
ぼたる状となる。

第３図及び３ａ図はスリット１１が形成された金属薄板
であり、このスリットによって第３ａ図に示すように湾
曲状に製作することが容易である。

ダイアフラム１の内部空間を外部から隔てるためには、
これらのスリットは例えばシリコンゴム等の薄片で効果
的に覆われる。

第４図及び第４ａ図は前記スリットに加え、金属薄板に
相互に屈曲したヒダ１３を形成することで変形抵抗を確
保しようとするものである。

なお、共振を防ぐために金属薄板（ダイアフラム）に薄
いゴム層をその内面及び／又は外面に形成させることが
できる。

以上のように本発明によれば、サウンド伝導体４により
ダイアフラム内面から放出される音波を適切に外部に誘
導することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図である。 第２図、第２ａ図及び第２ｂ図はダイアフラムを構成す
るセグメントを示すもので、第２図は平面図、第２ａ図
は側面図、第２ｂ図は第２図は矢視方向から見た図であ
る。 第３図及び第３ａ図はダイアフラムを構成する金属薄板
の他の実施例を示すもので、第３図は平面図、第３ａ図
は側面図である。 第４図、第４ａ図は同じく金属薄板の他の実施例を示す
もので、第４図は平面図、第４ａ図は側面図である。 図中、１はダイアフラム、２は振動コイル、３はマグネ
ット、４はサウンド伝導体、８はバ一部材、９は音響出
口孔、１４はハウジング、Ａは振動発生器である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 開口を形成した上部エツジ部を有する金属薄板製の
   樽状ダイアフラム１と、ハウジング１４とダイアフラム
   １に連結された振動コイル２とを有し、ダイアフラム１
   の下端に設けられた振動発生器Ａと、ダイアフラム１の
   上部エツジ部と振動発生器Ａのハウジング１４とを連結
   するバ一部材８と、ダイアフラム１の内部空間の底部に
   設けられ、ダイアフラム１の内面から放出された音波を
   ダイアフラム１の前記開口を通じて外部に誘導すべくダ
   イアフラム内面との間でダイアフラム底部から頂部方向
   に拡がる環状ギャップを形成するサウンド伝導体４とか
   らなることを特徴とするスピーカ。 ２ サウンド伝導体４が、その上部が球状に、また下部
   が円筒状に構成されていることを特徴とする特許請求の
   範囲１記載のスピーカ。 ３ ダイアフラム１がその上部エツジ部に連結される逆
   ポット形状をなした音波放出用のハウジング５を有し、
   ダイアフラム１の上部エツジ部と振動発生器Ａのハウジ
   ング１４とのバ一部材８による連結が、前記ハウジング
   ５を介してなされていることを特徴とする特許請求の範
   囲１又は２記載のスピーカ。 ４ 音波放出用のハウジング５内にサウンド制動部材が
   充填されていることを特徴とする特許請求の範囲３記載
   のスピーカ。 ５ ハウジング５が、その下部に設けられる音響出口孔
   ９と、バ一部材１０を間隙をもって外囲するパイプ７と
   を有し、該パイプ７はその下端が、ダイアフラム１が連
   結されたノ・ウジフグ５本体の下部開口エツジ部に連結
   され、且つ上端がハウジング５の頂部との間に間隔を有
   している特許請求の範囲３記載のスピーカ。