JPS5919690Y2 - 貼付式医療用具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は温感刺激と磁力を兼ねて有する貼付式医療用具
に関する。

本考案に用いられる、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチ
ン酸ペンシル、又はトコフェロール若しくはその誘導体
はそれぞれ外皮用薬戒分として、皮膚に接触した場合皮
膚に温感刺激をもたらす薬物である。

主観による冷感のある所謂誘導刺激作用を有する薬剤、
例えば、サリチル酸メチル、メン１−−ル、ハツカ油等
は上記の温感刺激を有しないが、これらの薬剤を併用す
ることはさしつかえない。

本考案の上記シートは柔軟性があればよく、特にその材
料を限定する必要はないが、布等の様に通気性のあるも
のが好ましい。

本考案の上記の永久磁石も、特に限定されないが、フエ
ライ１〜磁石又は希土類コバルト磁石が適する。

この磁石の形は円盤状又は半球形のものか好ましい。

又、該磁石が皮膚に接する面に任意の数の小凸起を設け
ることが出来る。

磁力は磁力線に垂直な面において５００ガウス以上が好
ましく、３０００ガウス迄が実用に適し、更に好ましく
は７５０±１００ガウスが好適である。

なおガウスとは磁力線の密度を示し１ガウスとは１ ｃ
ｍ２当り１マクスウエルの磁束密度である。

籾、戦後磁気治療が一般に普及し始め、次第に盛んにな
り、最近では、磁気治療器の総販売高が年間数百億円に
達すると云われている。

なお、これら磁気治療器の中でも皮膚に貼付する磁気治
療器（磁気プラスター）の延びが特に著しいようである
。

本考案者はこの磁気プラスターに関心をいだき、その効
果を種々検討するかたわら、従来より取扱って来た温感
プラスターと組合せた貼付膏につき研究を行って来た。

温感プラスターとは、温感刺激作用を有するニコチン酸
ベンジン、ノニル酸ワニリルアミド、トコフェロール及
びその誘導体又はこれらの混合物を含有する外皮薬のプ
ラスターである。

この温感プラスターは、それより古くからあるサリチル
酸メチル等を生薬とし、温感刺激を有しないプラスター
（仮に冷感プラスターと呼ぶ）に比し効果が著しく非常
に普及したが、貼付使用時に異物感を生ずる場合が多く
（特にニコチン酸ベンジン、ノニル酸ワニリルアミド
、等を使用した場合にこの異物感の発生が多く、トコフ
ェロール又はその誘導体の場合は異物感の発生が比較的
少い）、この点が冷感プラスターと異り、対策を必要と
する温感プラスターの短所である。

本考案者は、上記の研究の結果、温感プラスターと磁石
を組合せた貼付膏が、両者の相乗効果を有する他、温感
プラスターによって生ずる筈の異物感の発生が除去され
ることを見出し本考案に到達した。

本考案は「ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジ
ル、トコフェロール及びその誘導体ヨ’）なる群より選
ばれた１種又は２種以上の薬剤を含有する外皮側薬を展
延したシート上に永久磁石の極面を固定してなる貼付式
医療用具」である。

本考案は、温感プラスターと磁力の相乗効果によって、
コリ及び血行の治療に著効があるばかりでなく、温感プ
ラスターにより発生する異物感の解消に著効がある。

この異物感解消の効果は、磁力によるものと考えられて
いる。

直径５ｍｍの円盤状５００±１００ガウスの永久磁石を
貼付膏の中心に使用した場合、貼付膏が余り大きいとそ
の周辺部では、異物感除去作用が弱くなる。

従って、上記の円盤状磁石の場合は５ｃｍ平方当り少く
とも１個を配置するのが好ましい。

なお、本考案に使用する外皮側薬はシート上に展延して
皮膚に貼付出来るものであればよく、その特徴は温感刺
激性薬物を含有することにある。

又、本考案の外皮側薬には清涼感を与える為にハツカ油
、リュウ脳、１−メントールを、又鎮痒のために抗ヒス
タミン剤としてジフェンヒドラミン等を加えることがで
きる。

なお、前記の冷感プラスターに磁石を組合せた貼付膏が
市販されているが冷感プラスターの場合はもともと異物
感の発生が殆んどなく磁石の組合せで異物感が解消する
という効果は認められない。

次に、本考案の実施例及びその試験結果を示し、本考案
を具体的に説明する。

実施例 綿ボブリン布６．０ｍ”に第１表の処方の外皮側薬を均
一に塗布して直径２５ ｍｍの円形貼付前を調製する。

この貼付膏の外皮側薬の中心に径５ｍｍ厚さ１．５ｍｍ
の錠剤型フェライト磁石を（軸に垂直な面における磁カ
フ５０±５０ガウス）張り付けて本考案の一実施例を作
成する。

この実施例と別に比較例としてフェライト磁石を張り付
けない他は、実施例と同じ温熱貼付前を作成した。

上記実施例及び比較例を使用し、日常肩コリを感する２
２名の被験者につき、各試験共−週間をかけ、クロスオ
ーバ一方式で、肩コリに対する効果及び異物感の程度に
つき試験を実施した。

試験の方法は、実施例の貼付膏を首の根本と肩の中間に
左右１個づつ貼付した。

比較例につき試験する場合も同様に行った。

結果は第１表に示す通りである。

なお異物感欄の十とは異物感のあったものとは特に異物
感を意識しなかったものを示す。

第１表最下段は、眉コリに対する効果ありとしたものは
異物感十のものの全体に対する割合である。

第２表から実施例と比較例の何れも、膚コリに対して明
らかに効果あり、特に実施例の効果が著しい。

異物感についかは実施例が比較例に比し十が半分以下で
顕著な効果が認められる。

なお、前記第１表の処方からサリチル酸メチルを除去し
た処方の実施例についても、第２表とほぼ同様な結果を
得、特に異物感につき比較例に比較して著しく優れてい
ることが明らかにされた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の３種の実施例を示す図である。 第１図は平面図、第２図は側面図、第３図は検視図であ
る。 第４図及び第５図は磁石の上面に小突起のある他の実施
例の平面図及び側面図で、小突起は３個である。 第６図は穴あき温熱前に平盤状磁石２個を配置した実施
例の平面図である。 １・・・・・・フェライト磁石、２・・・・・・外皮用
薬、３・・・・・・綿ボブリン布、４・・・・・・小凸
起、５・・・・・・穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジル、トコフ
   ェロール及びその誘導体よりなる群より選ばれた１種又
   は２種以上の薬剤を含有する外皮側薬を展延したシート
   上に永久磁石の極面を固定してなる貼付式医療用具。