JPS5918641Y2 - 電子部品収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電子部品収納容器に関するものであり、特に引
出しリード線を備えた電子部品に有用なものである。

従来から電子部品はその寸法や体積よりも大きい内容積
を有する収納容器に収納されるため、第１図または第２
図のように電子部品２の位置が収納容器４の中心線に対
して偏りや傾きを生じゃすく、特に引出しリード線を有
する電子部品においては、引出しリード線の間隔が不揃
いになるとか基板への取付スペースに必要以上の余裕を
みなければならないなどの欠点を有していた。

このような欠点を改善するため、収納容器４と電子部品
２の空隙に注入する充填剤３を２回またはそれ以上の回
数にわけて注入し、電子部品２の位置を矯正する手法を
とっているが、手作業になることを免れず、時間的なら
びに工数的に非常に不利である。

また第３図のように収納容器４の内面に突起５を設け、
電子部品２を支えることが考えられたが、電子部品の大
きさによって収納容器の大きさあるいは突起５の高さを
変更する必要があり、収納容器４の種類が増加して経済
的でない。

次に第４図に示すような底部に引出しリード線１を貫通
させる貫通孔８を設けた収納容器７が考えられたが、貫
通孔８と引出しリード線１との隙間から充填剤３が流出
して硬化し、第５図に示すように高さＴ２になる樹脂た
れ部９を形成する。

この樹脂たれ部９があると、電子部品を基板に取付けた
場合に、電子部品と基板が密着しない、取付高さが大き
くなるなどの不具合を生じることになる。

本考案は上記の諸欠点を解消するためになされたもので
あり、その要旨は貫通孔８の外周に円形または角形の筒
孔を設けて樹脂たれを防止しようとするものである。

第６図および第７図は本考案に係る収納容器の一実施例
を示すもので、収納容器６の底部外面において貫通孔８
の周囲へ同心の筒孔８′を設けたものである。

筒孔８′の大きさは充填剤の種類、引出しリード線１の
直径と貫通孔８の直径とのギャップなどによって左右さ
れる。

実験の結果によれば、筒孔８′の直径は貫通孔８の直径
よりＱ、５ｍｍ以上大きいことが必要であり、Ｑ、５ｍ
ｍ未満では樹脂たれ部９が筒孔８′を越えて収納容器６
の底面まで拡がってしま、う。

また引出しリード線１の直径と貫通孔８の直径とのギャ
ップがＱ、Ｑ５ｍｍの場合は樹脂たれ部９の高さく第８
図のＴ２）はＱ、５ｍｍ以内となり、ギャップがＱ、１
ｍｍの場合はＴ２が０．５〜１．０ｍｍ、ギャップが０
．１５ｍｍの場合はＴ２が０．８〜１．５ｍｍとなるこ
とから、筒孔８′の深さは少なくとも９．５ｍｍが必要
である。

さらに、引出しリード線１が貫通する収納容器底部の厚
み（第８図のＴ工）がＱ、５ｍｍ以上あると樹脂たれが
より少なくなる。

このようにして製作された収納容器を用いた電子部品は （イ）引出しリード線間隔のバラツキが少ない。

（ロ）収納容器を共用しても電子部品の大きさにかかわ
りなく引出しリード線の位置および間隔が同一にで゛き
る。

（ハ）引出しリード線からの樹脂たれがなく、基板に密
着して取付けられる。

（ニ）電子部品の自動挿入が容易にできる。

などの特徴を有し、工業的ならびに実用的価値の大なる
ものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は従来の電子部品収納容器の実施例を示
し、第１図は収納容器内の電子部品が偏った状態を示す
正断面図、第２図は収納容器内の電子部品が傾いた状態
を示す側断面図、第３図は内面に突起を設けた収納容器
の平面図、第４図は収納容器底面に引出しリード線貫通
孔を有する電子部品の正断面図、第５図は第４図の引出
しリード線引出要部の拡大図を示す。 第６図〜第８図は本考案の一実施例を示し、第６図は電
子部品の正断面図、第７図は第６図の側断面図、第８図
は引出しリード線引出要部の拡大図を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が開口した有底収納容器において、底部に電子部品
   の引出しリード線を挿入する貫通孔を有し、貫通孔の直
   径よりも９．５ｍｍ以上大きくかつＱ、５ｍｍ以上の深
   さの筒孔を底部外面へ貫通孔と同心位置に設けて該貫通
   孔の断面が凸状になるよう構成してなる電子部品収納容
   器。