JPS5918148B2 - 金属材表面欠陥部のガス溶削方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鋼片等の金属材表面に存在する欠陥部を選択除
去するガス溶剤方法及びその装置に関する。

５ 製鉄工場等において分塊圧延作業によつて得られた
スラブ、ブルーム、ビレツト等の熱間鋼片はその表面に
存在する欠陥部を除去するためガス溶剤工程へ送られる
が、実際のガス溶剤時点においてはその溶剤温度より若
干低めとなるために、そ１０の鋼片の溶剤点を溶剤火口
によつて加熱して溶剤適温（約１０００℃前後）まで高
めた後、溶剤酸素を噴出して疵取りのための溶剤を行な
つていた。

従つて、即時溶剤が開始できない欠点があり、特に冷間
鋼片の場合には更に大きな熱量と時間を必１５要として
いた。前記の熱間鋼片の溶剤は、通常鋼片の四面、二面
あるいは一面を全域に亘つて深さ１〜２ＷＬＷＬ程度の
除去を行なうものであることから、疵が部分的に発生し
ている場合でも全域の溶剤を行なうので２０材料の歩留
り面及びこれに要する時間の面から見て大きな損失であ
つた。

本発明はこれらの問題点を解消するために案出されたも
のであつて、溶剤火口の前面に第２の溶剤火口（又はパ
イロット溶剤火口）を付設して前２５記第２の溶剤火口
によつて帯状溶剤部を先導せしめ、該帯状溶剤部で発生
する燃焼反応を熱源とし表面欠陥部においては主溶剤火
口より予熱炎及び酸素を噴出させて即時幅方向に拡げた
溶剤を行ない欠陥部を除去するガス溶剤方法及びこれを
実施３０するためのガス溶剤装置を提供するものである
。

以下図面に基づいて本発明を説明する。第１図は第２の
溶剤火口及びマニホールドを断面として示した本発明の
好適な実施例であり、図において、１は下向きに指向す
る主溶剤火口、２３５は溶剤される鋼片、３及び４は溶
剤火口１に設けた燃料ガス噴出部、５は該燃料ガス噴出
部３、４間に形成した予熱炎及び溶剤用酸素の噴出部、
６は主溶剤火口１を保持するヘツド、７は該ヘツド６上
部のマニホールド、８はヘツド６下部のシユ一である。

９は本発明の特徴とする第２の溶剤火口（パイロツト溶
剤火口）であり、該第２の溶剤火口９は前記主溶剤火口
１の前面、即ち主溶剤火口１の上部先端から前方へ張り
出す位置に配置されている。

１０は該第２の溶剤火口９のマニホールド、１１は第２
溶剤火口９に形成された予熱混合ガス孔で、その後部は
酸素分配室２０に連通する酸素孔１４及び燃料ガス分配
室１８と連通する燃料ガス孔１５とに分岐している。

１２は同じく第２溶剤火口９内に形成された燃料ガス孔
で、該ガス孔１２は分配室１７を介して燃料ガス元孔１
６と連通し、該ガス元孔１６は更に燃料ガス分配室１９
に続いている。

１３は前記予熱混合ガス孔１１と燃料ガス孔１２間に形
成されたスリツト形状の溶剤孔、２１は該溶剤孔１３に
連結する酸素分配室、２５，２５′は第２の溶剤火口９
の先端寄りに内設した火口冷却用の冷却水循環孔、２６
は前記ヘツド６に第２溶剤火口９及びマニホールド１０
を固定するためのボルトである。

第２図は上記第２の溶剤火口９の具体例を示す正面図で
あり、スリツト状の溶剤孔１３の上下位置には多数の小
孔からなる予熱混合ガス孔１１及二び熱料ガス孔１２が
設けられ、また溶剤孔１３の両側には溶剤時に溶剤部側
部に生ずるヒレ部の発生を防止するための複数個の酸素
噴出孔２４，２４′が配設され、これらは第１図にて鎖
線で示す通路２３及び酸素分配室２２に連通している。

な３お、２７，２７′は側部シール板を示す。上述のよ
うに構成された第２の溶剤火口９は、例えば第３図に示
すように、鋼片の溶剤幅に対応した主溶剤火口１の前面
に１個又は複数個（図示の場合は第２の溶剤火口を２個
設けている）設置３．する。

なお、第３図で点線で示す部分の主溶剤火口へは酸素等
を供給せずにその機能を休止させている。本発明の溶剤
装置にて鋼片の溶剤を開始するにあたつては、まず第２
の溶剤火口９における予熱４（混合ガス孔１１及び燃料
ガス孔１２からのガスに点火し、溶剤孔１３及び酸素噴
出孔２４，２４から溶剤用酸素及びヒレ除去用酸素を噴
出して溶剤作業を行なわせ、第２の溶剤火口９により先
導溶剤を開始する。

この場合予熱混合ガス孔１１の後部で酸素孔１４と燃料
ガス孔１５とを火口内で合流させるのは、加率効果を勘
案したためであり、また複数の孔２４，２４１をスリツ
ト形の溶剤孔１３の両側に配したことにより、第４図Ａ
のヒレ３１の発生を防ぎ、第４図Ｂの如き良好な溶剤面
を得ることができる。第２の溶剤火口９によつて帯状の
溶剤を先導させた状態で欠陥個所に到達すると、外部信
号によつて主溶剤火口１より燃料ガス及び溶剤酸素を噴
出して疵取りを行なう。

この時、第２の溶剤火口９による先導溶剤によつて得ら
れる燃焼熱が、主溶剤火口１から噴出される燃料ガス及
び溶剤酸素の着火源となり、主溶剤火口１の全域にわた
つて直ちに溶剤が開始され、溶剤幅を拡大した溶剤が可
能となる。第５図はこのような状態を示したもので、２
８は鋼片、２９，２ｙは２個の第２の溶剤火口による帯
状溶剤部である。

なお、この帯状溶剤部２９，２ｇの溶剤幅はメタルロス
の点から必要最小限であることが望ましい。３０，３σ
は欠陥部に移行して主溶剤火口を作動させたときの溶剤
幅の広がりを示すもので、実験によれば帯状溶剤部２９
，２ｑの幅は１００ｍ７１Ｌ前後、溶剤部３０，３０′
の幅Ｌは５００〜８００ｍＴｆＬ程度であつた。

第２の溶剤火口９と主溶剤火口１との協同した溶剤が終
了すると、再び主溶剤火口１は閉止され、再度第２の溶
剤火口９のみによる帯状溶剤となり、次の欠陥個所にて
前記の操作を繰り返すことになる。勿論、上記において
溶剤部３０，３Ｃｆの主溶剤を片側にのみに限つて行な
うことも可能である。なお、本発明の溶剤装置を用いて
全面部に欠陥を有する鋼片を溶剤するに際しては、第２
の溶剤火口は不要となるので該火口より酸素及び空気等
をパージしながら溶剤を実施してもよく、あるいは該第
２の溶剤火口自体に覆いをかぶせて溶剤スラグの侵入を
防止してもよい。以上説明した如く本発明の方法及び装
置によれば、鋼片の幅に合わせて選定された溶剤幅をも
つ主溶剤火口に対応して、１個又は複数個の第２の溶剤
火口を付設したので、該第２の溶剤火口による帯状溶剤
が先導しその熱源が主溶剤に利用できるため、迅速な主
溶剤作業が行なえると共に、メタルロスが少なく材料歩
留りの向上に寄与する。

その結果、金属材表面欠陥部の溶剤作業を円滑にかつ効
率よく行なえることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の溶剤装置の実施例を示す一部断面側面
図、第２図は本発明において用いる第２の溶剤火口の具
体例を示す正面図、第３図は本発明溶剤装置の正面図、
第４図Ａ，Ｂは第２の溶剤火口による鋼片溶剤状態を示
す断面図、第５図は本発明によつて溶剤した鋼片の概略
を示す斜視図である。 １・・・・・・主溶剤火口、２・・・・・・鋼片、３，
４・・・・・・燃料ガス噴出部、５・・・・・・予熱炎
、溶剤用酸素の噴出部、６・・・・・・ヘツド、７，１
０・・・・・・マニホールド、８・・・・・・シユ一、
９・・・・・・第２の溶剤火口、１１・・・・・・予熱
混合ガス孔、１２・・・・・・燃料ガス孔、１３・・・
・・・スリツト形溶剤孔、１４・・・・・・酸素孔、１
５・・・・・・燃料ガス孔、１６・・・・・・燃料ガス
元孔、１７・・・・・・分配室、１８，１９・・・・・
・燃料ガス分配室、２０，２１，２２・・・・・・酸素
分配室、２３・・・・・・通路、２４，２１Ｉ・・・・
・・ヒレ取り用酸素噴出孔、２５，２５・・・・・・冷
却水循環孔、２６・・・・・・ボルト、２７，２ｒ・・
・・・・シール板、２８・・・・・・鋼片、２９，２９
′・・・・・・帯状溶剤部、３０，３σ・・・・・・主
溶剤部、３１・・・・・・ヒレ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 溶削幅に対応した主溶削火口の前面に１個又は複数
   個の第２の溶削火口を配設し、該第２の溶削火口を用い
   て常時帯状の溶削部を金属材表面に先導させ、欠陥部の
   溶削に際してこの先導溶削により得られる燃焼熱により
   主溶削火口より噴出する燃料ガス及び溶削酸素に着火し
   、主溶削火口による溶削を開始し欠陥部を除去すること
   を特徴とする金属材表面欠陥部のガス溶削方法。 ２ 鋼片の溶削幅に対応した主溶削火口の前面に、該主
   溶削火口による溶削部に先導する帯状の溶削部を形成す
   るための第２の溶削火口を１個又は複数個付設してなる
   ことを特徴とする金属材表面欠陥部のガス溶削装置。