JPS5917355B2 - 熱回収装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱回収装置に係わり、特に伝熱部材の腐食等に
よる熱回収能力の低下を防止した熱回収装置に関する。

従来の熱回収装置は蓄熱体を内蔵したロータを低温気体
と高温気体の通路に跨って回転することにより、熱交換
、すなわち高温気体の熱を回収するようにしていた。

しかしこのような従来の熱回収方法にあっては低温、高
温、固気体間に跨って配設される伝熱板にダスト等が凝
縮付着し、これによって伝熱板の腐食、脱落もしくは流
路の閉塞等を起し、ひいては熱回収能力を低下せしめる
という欠点があった。

特に被熱回収流体が排ガス等の場合にはこの傾向が顕蓄
に表われていた。

そこで従来においては上記欠点の防止対策として定期的
に熱回収装置の作動を中断し、ダストおよび凝縮付着物
を除掃することとしていたが、このように定期的に装置
の稼動を中断することは非常に不経済であり、作業能率
の低下を来すという欠点があった。

従って従来においては短期間に流路閉塞が生じるダスト
の多い排ガスでは充分に熱回収することができないとい
う状態であった。

本発明は以上述べた従来技術の欠点を解消すべくなされ
たもので、その目的はダストの少ない場合ばかりでなく
ダストの多い排ガスを熱回収する場合にも伝熱部材の腐
食、脱落、もしくは流路の閉塞を生じせしめることなく
、高能率で熱回収作業を行うことができる熱回収装置を
提供するにある。

本発明は被熱回収流体が導入される熱交換室に粉粒体を
循環して導入し、この粉粒体によって伝熱部材の表面お
よび流路を除掃するようにしたものである。

以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。

図において熱交換室本体１は第１熱交換室２と第２熱交
換室３とが、仕切壁４を介して互いに隣接して配設され
ることにより構成されている。

この熱交換室本体１内には仕切壁４を貫通して画然交換
室２，３内にそれぞれ延在する伝熱部材としてのヒート
パイプ５が複数配置され、このヒートパイプ５によって
主に画然交換室２，３に流れる流体の熱交換を行うよう
になっている。

特に本実施例においては第１熱交換室２側に延在する部
分はローフインチューブ型ヒートパイプ５Ａとされ、第
２熱交換室３側に延在する部分はハイフインチユーブ型
ヒートパイプ５Ｂとされている。

前記第１熱交換室２の図の下端には粉粒体出口６が形成
され、この粉粒体出口６は粉粒体回転熱交換器７に連通
されるとともに、管路８を介して粉粒体清浄器９に連通
されている。

この粉粒体清浄器９は管路８の内周に金網もしくは突起
を有する網状部材１０と、この管路８内に蒸気または空
気を噴射するノズル１１と、から構成されている。

この粉粒体清浄器９の出側は送風機（図示省略）に接続
された空気通路１２に連通されている。

この空気通路１２は粉粒体ホッパ１３に連通され、この
粉粒体ホッパ１３の図の下端は粉粒体人口１４として前
記第１熱交換室２に連通されている。

ここで前記管路８、粉粒体清浄器９、空気通路１２およ
び粉粒体ホッパ１３により、粉粒体の循環回路１５が形
成されている。

この循環回路１５内には小石、金属片、砂等の粉粒体１
６が内蔵されており、前記空気通路１２を流れる冷却用
流体としての空気により循環回路１５内を搬送され、循
環して第１熱交換室２に導入されるようになっている。

前記粉粒体ホッパ１３の側面には管路１７が接続され、
この管路１７を介して前記粉粒体回転熱交換器７に連通
されている。

これによって粉粒体ホッパ１３で粉粒体１６から分離さ
れた空気は、この管路１７を介して粉粒体回転熱交換器
７に導ひかれるようになっている。

更に粉粒体回転熱交換器７と粉粒体清浄器９とを連通せ
しめる管路８は途中分岐され、第２熱交換室３の空気入
口１８に連通され、この第２熱交換室３の図の上部には
空気出口１９が形成されている。

この空気出口１９は外部又は他の機器に連通ずるように
なっている。

また第１熱交換室２の下部側壁には被熱回収流体として
の排ガスを該第１熱交換室２内に導ひくための排ガス人
口２０が形成され、該第１熱交換室２の上部には排ガス
出口２１が形成されている。

次に以上の構成の熱回収装置の作動を説明する。

先ず冷却用流体としての空気は図示しない送風機等によ
って空気通路１２に送り込まれ、この運動エネルギーで
粉粒体清浄器９から出た粉粒体１６が該空気通路１２、
すなわち循環回路１５を搬送され、粉粒体ホッパ１３に
空気とともに導ひかれる。

この粉粒体ホッパ１３では粉粒体１６は空気と分離され
、粉粒体１６は粉粒体人口１４より第１熱交換室２に導
入される。

この第１熱交換室２には被熱回収流体としての排ガスが
導入されており、排ガスは粉粒体１６およびヒートパイ
プ５に熱をうばわれ、排ガス出口２１より流出される。

ここで粉粒体１６はヒートパイプ５の表面に接触しなが
ら重力により図の下方に移動し、ヒートパイプ５の表面
を除掃し、これによって排ガスの成分が凝縮してヒート
パイプ５の表面に付着したり、ダストが付着したりする
のをこの粉粒体１６によって防止することができ、ヒー
トパイプ５は常に正常な表面を呈するようになる。

この第１熱交換室２で排ガスより熱をうばって高温とな
った粉粒体１６は、粉粒体出口６より粉粒体回転熱交換
器７に導ひかれる。

前記粉粒体ホッパ１３で粉粒体１６と分離された冷却用
の空気は、管路１７を介して粉粒体回転熱交換器７に導
ひかれ、ここで高温の粉粒体１６と該冷却用の空気とが
熱交換を行ない、粉粒体１６および空気共に管路８に取
出される。

粉粒体１６から熱をうばい予熱された空気は途中分岐し
て、空気入口１８より第２熱交換室３に導入され、ここ
でヒートパイプ５と熱交換して更に高温となり、空気出
口１９より放出される。

また管路８内を流れる粉粒体１６は粉粒体清浄器９に導
ひかれ、ここで粉粒体１６は除掃され、再び空気通路１
２に導ひかれて循環回路１５を搬送されるようになる。

このように本実施例において排ガスは粉粒体１６とヒー
トパイプ５を介して第２熱交換室３を流れる冷却用空気
と熱交換することとし、排ガスが流れる第１熱交換室２
には粉粒体１６が導入されるため、ヒートパイプ５表面
の付着物の堆積や流路の閉塞がこの粉粒体１６によって
取除かれ、粉粒体１６自体は循環回路１５を流れる間に
冷却および除掃され、これによって常に能率のよい熱回
収作業を成すことができる。

なお以上の実施例においては第１熱交換室２内での排ガ
スの流れ方向と粉粒体１６の流れ方向とを逆方向にした
が、これに限定する必要はなく互に同方向に流れるよう
にしても良いことはいうまでもない。

またヒートパイプ５は第１熱交換室２側がローフインチ
ューブ型５Ａとし、第２熱交換室３側がバイフィンチュ
ーブ型５Ｂとしたが、これに限定する必要はなく左右逆
でも片側が裸管、他方をフィン管としても良く、その他
どのようなものでも良い。

またこのヒートパイプ５に限定する必要はなく実質的に
第１熱交換室２を流れる被熱回収流体の熱を、第２熱交
換室３を流れる冷却用流体に伝達しうる伝熱部材であれ
ばどのようなものでも良い。

以上のように本発明によればダスト等が多い被熱回収流
体を熱回収する場合においても、従来のように装置全体
の作動を中断させる必要がなく、伝熱部材の腐食、脱落
や流路の閉塞を防止でき、熱回収能力の大幅な向上を達
成することができるという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係わる熱回収装置の実施例を示す概略説明
図である。 ２・・・・・・第１熱交換室、３・・・・・・第２熱交
換室、５・・・・・・ヒートパイプ、７・・・・・・粉
粒体回転熱交換器、９・・・・・・粉粒体清浄器、１３
・・・・・・粉粒体ホッパ、１５・・・・・・循環回路
、１６・・・・・・粉粒体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 互に隣接して設けられた第１熱交換室および第２熱
   交換室と、画然交換室内に跨って配設された伝熱部材と
   、第１熱交換室に循環回路を介して伝熱部材に接触可能
   に導入される粉粒体と、第１熱交換室の粉粒体の出側に
   設けられ、前記循環回路に連通ずる粉粒体熱交換器およ
   び粉粒体清浄器と、循環回路内で粉粒体を搬送するとと
   もに第１熱交換室の入側で粉粒体と分離され、粉粒体勢
   交換器を介して第２熱交換室に導入される冷却用流体と
   、を備え、被熱回収流体は第１熱交換室に導入されて伝
   熱部材および粉粒体を介して冷却用流体と熱交換される
   ようにした熱回収装置。