JPS5916822B2 - 竪型微粉砕機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は竪型微粉砕機に関するもので、特に粉砕製品の
粒子が数ミクロンという超微細の粒子に粉砕するに適し
た竪型微粉砕機に係るものである。

最近の技術動向として、例えば石炭を数ミクロンに微粉
砕し、この微粉の石炭と油とを混合して燃料とするなど
、あらゆる技術分野において微粉砕技術が強く要求され
るようになつてきている。従来の竪型微粉砕機は、母線
の表面に沿つて凸部を有する円錐状回転子を、垂直回転
軸によつて正円錐状に軸支し、この円錐状回転子との間
に一定間隙を存して嵌装し表面に凸部を有する固定子と
の間に被粉砕物を挿入し、上記円錐状回転子を回転する
ことにより、該被粉砕物を粉砕するものであつた。この
被粉砕物の粉砕過程は、ケーシング上方に設けられた供
給口から、円錐状回転子と固定子との間の環状間隙内に
被粉砕物が供給され、高速回転している円錐状回転子の
回転力によつて供給された被粉砕物に速度エネルギが与
えられて固定子に衝突し、粉砕されながら自重で下方に
移行し、下部排出口から粉砕製品として排出される。

しかしながら、この種の粉砕機においては、所望粒度の
粉砕製品を得るためには、該粉砕機に投入する前にあら
かじめ適当な粒度に粉砕しておかねばならない。更に固
定子あるいは回転子が摩耗して粉砕性能が悪化してきた
場合、固定子あるいは回転子そのもの全体を交換しなけ
ればならず、不経済であると同時にメンテナンスの面で
非常に劣るものである。またこの粉砕製品を同じ竪型粉
砕機で更に微粉砕しよラとしても高速回転している円錐
状回転子によつて発生する気流に乗つて円錐状回転子と
ともに粉砕製品も回転してしまい、円錐状回転子の周速
と粉砕製品との間の相対速度が減少し、その結果衝撃効
果が減少してしまい微粉砕を行うことが困難となる。

それに、粉砕製品は気流に乗って下方への移行が行われ
ず、上方から供給された粉砕製品は、いつまでも気流中
に浮遊し、処理能力が低下するばかりでなく、ある程度
以上の微粉砕Ｊは不可能であるのが現状である。本発明
は、上記の諸事情に鑑みなされたもので、母線の表面に
凸部を有する回転子素子を少くとも２個以上積層して回
転子を形成し、表面に凸部を有する固定子素子を少くと
も２個以上積層して固・定子を形成し、この固定子を上
記回転子との間に一定間隙を存して嵌装し、且つ上記回
転子素子および固定子素子のそれぞれの間にリング状の
棧を介装することにより、回転子と固定子との間に浮遊
する粉砕製品を蛇行運動させ、該粉砕製品の回転気流を
抑制し、効率よく超微細に粉砕しうる竪型微粉砕機を提
供しようとするものである。

以下本発明の実施例を図面により説明する。第１図は本
発明による竪型微粉砕機を示す縦断面図である。同図に
おいて、１は円筒状に配設された回転子で、複数個の回
転子素子２を積層（本実施例では３個積層）して形成さ
れ、且つお互いの回転子素子２，２間にはリング状の桟
２５が介装され、垂直回転軸１５に固着された下部支持
部材５と上部支持部材６との間にボルト７にて締付固定
されている。８は羽根で、下部支持部材５と一体に設け
られている。

３は固定子で、複数個の固定子素子４を積層（本実施例
では４個積層）して形成され、且つお互いの固定子素子
４，４間には第４図Ａ，ｂに示すようなリング状の桟２
６が介装され、上記回転子１とある一定の間隙１２を存
して回転子１に嵌装されている。

また該固定子３は、下部ケーシング９と上部ケーシング
１０との間にボルト１１にて締付固定されている。なお
下部ケーシング９、固定子３および上部ケーシング１０
にて、上記回転子１を収納する室を形成するとともに、
風箱としての役割を果たすものである。また回転子１の
外周面と固定子３の内周面には第２図（第１図中一線に
おける断面図）に示すように、それぞれ前記リング状の
桟２５，２６と同じ高さを有する凸部１３と１４を縦方
向に設けて凹凸面を形成している。

第３図に回転子１及び固定子３の斜視図を示す。１６，
１７は軸受で、垂直回転軸１５を台座１８に回動自在に
軸支するものである。

１９は粉砕材料供給口、２０は導入管、２１は微粉砕製
品を排出するための排出口、２２はプーリ、２３は１駆
動ベルトであり、この駆動ベルト２３により垂直回転軸
１５は回転される。

２４はシール材で、下部ケーシング９と垂直回転軸１５
との間より、被粉砕材料叉は粉砕製品が漏洩するのを防
止する。

第４図中２７はリング状の桟２６の内面に対し接線方向
から削設した空気噴出穴である。次に上記の如く構成さ
れた実施例の作用について説明する。

先ず駆動ベルト２３によつてプーリ２２を介し垂直回転
軸１５が回転し、複数個の回転子素子２よりなる回転子
１および羽根８がともに第２図の矢印Ａ方向に回転する
。この状態において、粉砕材料供給口１９から供給され
た被粉砕材料は、羽根８の回転によつて発生する気流に
乗つて導入管２０を通り、間隙１２に導かれる。

このようにして間隙１２内に導かれた被粉砕材料は、回
転子１の回転によつて発生する間隙１２内の気流に乗つ
て上方に運ばれる。この上方に運ばれる途中において、
回転子１および固定子３のそれぞれの凹凸面に衝突し、
微細に粉砕された微粉砕材料は、桟２５，２６により上
方への直進が阻害され、間隙１２内において直進運動が
蛇行運動へと変えられる。そのため気流に乗つて旋回し
ている速度が減速され、回転子１の周速度と微粉砕材料
との間の相対速度が大きくなつて衝撃効果が増大する。
以上のようにして蛇行しながら微粉砕され、上方に運ば
れた微粉砕製品は排出口２１に導かれ、粉砕製品として
取り出される。然して下方の回転子素子２および固定子
素子４が摩耗して粉砕能力が低下してきたならば、ボル
ト７あるいは１１を脱着し、その摩耗した回転子素子２
又は固定子素子４のみを交換すればよい。

また所望の粒度に合せ、回転子素子２および固定子素子
４を増減すれば、希望する粒度の粉砕製品を容易に得る
ことができる。なお、図示してないが、上部支持部材６
の上面に羽根をつけておけば、粉砕製品の吸引に、より
効果的であることはいうまでもない。

次に第５図に他の実施例を示す。

第１図の実施例では、間隙Ｓ１与Ｓ２ｊＳ３と下から上
まで略等間隔であるが、本実施例ではＳ１〈Ｓ２〈Ｓ３
と上方へ行くに従い序々に狭くなつているものである。
即ち回転子１′を構成する回転子素子２′ ，２′２″
は、下方より上方へ行くに従い次第に外径の大きな回転
子素子２′を使用することにより、全体として構成され
る回転子１′を逆円錐状としたものである。なお第１図
と同一符号のものは同一物を示し、詳細な説明は省略す
る。この実施例の場合、第１図で説明した円筒状の回転
子１に比べ、被粉砕材料がやや大きくても、即ちその粒
度が不均一であつても間隙１２内に吸入されやすく、効
率よく粉砕される。

以上詳述したとおり本発明によれば、回転子および固定
子を、それぞれ回転子素子および固定子素子の積層によ
り形成したので、それらの素子を増減することにより、
所望する粒度の粉砕製品を容易に得ることができるよう
になつだ。

例えば、非常に微細な粉砕製品を得るためには、それら
の素子を多層に積層し、比較的大きな粒度の粉砕製品を
得るためには、それらの素子を減じればよい。また、積
層した回転子素子あるいは固定子素子の一部が摩耗し、
粉砕能力がなくなつた場合、その摩耗した部分の素子の
みを交換すればよく、メンテナンス性に非常に優れるも
のである。更に、回転子素子および固定子素子それぞれ
の間にリング状の桟を設けているので、回転子と固定子
との間隙内を浮遊上昇する微粉砕された材料は、その速
度を減速され且つ蛇行運動する。

従つて微粉砕された材料が、再び回転子および固定子の
凹凸面に衝突することになり、再度粉砕され、より微細
に粉砕できる。なお上記の回転子および固定子に介装す
る桟は、互い違いに相対向させて縦方向で千鳥状となる
ように設けることが望ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本発明の実施例を示し、第１図は装
置全体の内部構造を示す断面図、第２図は第１図中−線
における横断面図、第３図は回転子及び固定子の斜視図
、第４図Ａ，ｂは固定子側のリング状の桟を示すもので
ａはその平面図、ｂは側面図、第５図は他の実施例を示
す装置全体の内部構造を示す縦断面図である。 １，「・・・回転子、２，２′・・・回転子素子、３・
・・固定子、４・・・固定子素子、８・・・羽根、１２
・・・間隙、１５・・・垂直回転軸、１９・・・被粉砕
材料の供給口、２１・・・排出口、２５，２６・・・桟
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 垂直回転軸に軸支し母線の表面に凸部を有する回転
   子と該回転子との間に一定間隙を存して嵌装し表面に凸
   部を有する回定子との間で被粉砕物を粉砕する竪型粉砕
   機において、上記回転子は少くとも２個以上の回転子素
   子を積層することにより形成し、前記固定子は少くとも
   ２個以上の固定子素子を積層することにより形成し、且
   つ上記回転素子および固定子素子のそれぞれの間にリン
   グ状の棧を介装し、ケーシングの下部に粉砕材料供給口
   を、上部に粉砕製品排出口を設けたことを特徴とする竪
   型微粉砕機。