JPS5915870B2 - ウエブ屈曲案内装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、所定の通路に沿つて長手方向に走行する紙等
のウェブ（帯状シート材）を無接触に支持しかつ該通路
の一部で弧状に屈曲するように案内する無接触ウェブ屈
曲案内装置に関する。

本発明は特に、ウェブを無接触に浮動支持するために必
要な圧力空気の量を減少し、ウェブが屈曲案内部を通過
する際にばたついたり、しわが寄つたり横移動したりす
るのを防止するような故山こ関する。無接触ウェブ屈曲
案内装置は、紙等のウェブを固体表面に接触させること
なくその方向を変化させて案内するために用いられる。

一般にかかる屈曲案内装置は、ウェブの移動方向に沿つ
て凸形に屈曲しウェブがそれに従つて方向を変えるよう
な弧状の案内表面を有する。この案内表面内かあるいは
隣接するい・くつかの位置に設けられた圧力空気開孔が
この素面とウェブとの間に圧力空気を維持し、これによ
りウエブは案内表面の曲線にきわめて接近することがあ
つてもその表面から間隔を保ちながら空気のフイルム上
で浮動する。無接触ウエブ屈曲案内装置の一例は、特開
昭５５−３２７００号公報に示されている。

この例ではウエブは、ウエブの下にあつてウエブの概ね
全幅にわたつて延伸しかつ屈曲した案内表面のまわりで
相互に離間しているノズルから放出された圧力空気上で
浮動する。加えて、ウエブの各端縁から外側に少し間隔
をあけて端縁と平行に延伸している細長いエツジ状ジニ
ット空気開孔からウエブの各端縁に向つて空気流が指向
されている。これらエツジ状ジニット開孔の各々からの
空気流はウエブの下からの圧力空気の流出を妨げ、ウエ
ブ上で圧力空気を端縁の側方流れに閉じ込めるように作
用する。この従来技術はけして不十分なものではないけ
れども、本発明はかかる従来技術をさらに改良したもの
であつて、特に圧力空気を供給するためのエネルギを削
減し、さらに屈曲案内部の通路部分内を移動するウエブ
の安定性を増大させるものである。

かかる目的を達成するための最初の試みにおいて、ウエ
ブに対し外側に離間配置された細長いエツジ状ジニット
開孔はウエブの真下でその側端近くに設けられた開孔で
置き換えられ、この開孔はウエブに対し横方向内側に空
気を放出した。

かかる空気開孔はウエブの端縁下に十分な支持を提供す
ることができず、ウエブの端縁が下に折れ曲げられたり
引張られたりすることが判明した。本発明は、ウエブの
各側部にこれまで用いられた単一の開口の代りに２つの
好適に配置した細長いエツジ状ジニット空気開孔を設け
ることによつて、圧力空気の量が増大するどころか逆に
減少し、しかもウエブの安定性と走行性が著しく増大す
るという驚くべき発見に基づいている。かくして本発明
の目的は、ウエブが延伸しかつ走行する所定の通路の一
部でウエブが弧状に屈曲するように案内しかつ無接触に
支持する改良されたウエブ屈曲案内装置を提供し、特に
かかる案内装置のための空気ジニット開孔の改良された
配置を提供し、これにより案内装置の操作に必要とされ
るエネルギを概ね減少し、ウエブのより良好な追従と案
内及び安定走行を達成することにある。

本発明の他の目的は、いくつかの異なつた幅のウエブに
対しても容易に適用することができ、またウエブと案内
表面との間に浮動フイルムを維持するために比較的低圧
の空気を少量しか必要としないが、それにもかかわらず
優れた追従と非常に安定したウエブの走行を実現し、ウ
エブの全幅及び案内装置の屈曲部にわたつて非常に均一
な圧力空気支持を達成する無接触ウエブ屈曲案内装置を
提供することにある。本発明に係る無接触ウエブ屈曲案
内装置は、所定の幅を有しかつ所定の通路に沿つて長手
方向に走行するウエブを該通路の一部で弧状に屈曲する
ように案内する無接触支持を達成する。

このウエブ屈曲案内装置はウエブが走行する方向に凸形
に屈曲する表面と、該走行方向を横断して延伸しかつ該
走行方向において相互に離間しているノズル開孔とを有
し、これらは前記表面とウエブとの間にウエブ支持圧力
空気のフイルムを維持するように配置されている。前記
表面の領域は通常はウエブによつて覆われかつ前記ノズ
ル開孔の一方から他方へと延伸しかつ平行な境界線を有
し、該境界線はウエブの走行方向に延伸しかつウエブの
所定の幅に等しい距離だけ離間している。本発明の無接
触ウエブ屈曲案内装置は、前記境界線の各々につき１対
ずつ合せて２対の細長いエツジ状ジニット開孔を備え、
各対の２つのエツジ状ジニット開孔はその対の境界線の
反対側に対し小さな距離だけ離間しかつ該境界線に平行
で前記ノズル開孔の概ね一方から他方まで延伸し、前記
エツジ状ジニット開孔の各々は前記表面に沿つて他の対
のエツジ状ジニット開孔に向つて圧力空気を放出するよ
うに配置されていることを特徴としている。

以下添付図面に示す実施例を参照しながら本発明を詳細
に説明する。

図において、符号５は本発明に基づくウエブ屈曲案内装
置を表わしており、紙等の長手方向に走行するウエブ６
がウエブの延伸通路の一部にある弧状屈曲部に沿つて案
内されている。

ウエブ６は真直で平行な側端縁７を有し、その長手方向
全てにわたつて所定の一定幅を有し、ウエブは端縁７と
平行な方向に移動する。ウエブ屈曲案内装置５は金属シ
ート又はプレートの性質を有するガイド部材８を包含す
る。

カード部材８はウエブの走行方向に向つて弧状に屈曲し
、かつ走行方向を横断する方向に向つてウエブ端縁７を
越えて延伸している。ガイド部材８の凸形表面９はもち
ろんウエブ６を案内することができ、ウエブはその表面
から１．６〜３．２顛程度の小さな距離だけ離れて浮動
する。ガイド部材８はプレナム室１０の１つの壁を包含
し、サイドプレート１１、後壁１２及び圧力空気ダクト
１３と協働してプレナム室を形成している。

サイドプレート１１から外方に突出し案内表面９の曲面
の軸線近くにあるシヤフト１４は、案内装置５を機械フ
レーム上に取付ける働きをする。圧力空気をプレナム室
１０に供給するダクト１３は、プレナム室の底部に沿つ
て延伸しかつその頂部に長さ方向に間隔をおいてプレナ
ム室内に開口する開口部１５を有する。ウエブ６が表面
９に案内されて通過する際にウエブを浮動支持する圧力
空気のフイルムは、その周囲に設けられた空気ノズルに
よつて閉じ込められる。

ノズル１６，１７，３１はプレナム室１０からガイド部
材８を通つて開口している。これらのノズルから放出さ
れる空気はウエブの下の圧力によつて外側に偏向され、
その結果ウエブ下の圧力空気を取り入れたカーテンを形
成する。外側エツジ状ジニットノズル３２の各々から放
出される空気流３６は、隣接するウエブ端縁７に指向さ
れ、内側エツジ状ジニット３１からの圧力空気の外方流
れを減少させる傾向があり、ウエブ端縁７と内側エツジ
状ジニット３１との間の領域でウエブの支持を行なう。
空気流３６は、ウエブの端縁下から流出する圧力空気に
よつて、屈曲表面９から離れるように半径方向外側に向
つて偏向される。ノズル１６，１７の間に位置する圧力
空気開孔ノズル１８は、ブレナム室１０からガイド部材
８を通つて開口し細長いノズル１６，１７と平行に長手
方向に列をなして並置された一連の孔で作ることができ
る。ノズル１６，１７の中間に開孔ノズル１８を設ける
ことにより、ウエブ６は屈曲案内部５のまわりでより安
定した運動を保持し、片寄つたりばたついたりする傾向
がなくなる。開孔ノズル１８によつて形成される孔がす
べて均一のサイズであれば、それらは通常はすべて均等
間隔で配置することができる。しかしながら、ある種の
ウエブの場合には、ウエブの端縁部下での圧力を増大さ
せるために、列の両端における孔の間隔をわずかに減少
させることが有利である。従つて、案内表面９のある領
域ではウエブ６が通常は上方を覆い、ウエブがうまく走
行している時はウエブの端縁７はその表面領域の仮想境
界線７′と一致し、この境界線はかくして相互に平行と
なりかつ表面の屈曲に沿つてウエブ６の走行方向に延伸
することが理解されよう。

本発明によれば、ガイド部材８内に２対の細長いエツジ
状ジニット圧力空気開孔３１，３２が設けられ、各対は
ウエブの端縁７に隣接し、従つて前述の境界線７′にも
隣接している。

これらすべてのエツジ状ジニット開孔３１，３２はプレ
ナム室１０からガイド部材８を通つて開口し、各孔は屈
曲表面９の曲線に沿い境界線７′に平行で概ねノズル１
６，１７の一方から他方へと延伸している。かくしてウ
エブの各端縁近くには、通常ウエブによつて覆われてい
る領域内の内側エツジ状ジニット開孔３１と、この領域
外にある外側エツジ状ジニット開孔３２とが存在する。
２つの内側エツジ状ジニット開孔３１間の距離はわずか
だけウエブ６の幅より小さく、一方２つの外側エツジ状
ジニット開孔３２間の距離は大体同じ量だけウエブの幅
より大きい。

代表的には、ウエブ幅は９１〜１０２礪程度の範囲にあ
り、各内側エツジ状ジニット開孔３１と隣接する外側エ
ツジ状ジニット開孔３２との間隔は約２．５ｃＩｎであ
る。第４図、第５図に示されるように、境界線７′に隣
接する開孔３１，３２から放出される圧力空気は案内表
面９を横断して他の対の開孔３１，３２に指向され、か
くしてウエブ６の横方向内側へと向けられている。各エ
ツジ状ジニット開孔３１，３２から放出される空気流３
５，３６の連結効果によつて、ノズル１６，１７による
効果と概ね同様にしてウエブ下方に圧力空気のフイルム
が形成され、ウエブ端縁７と内側ジニット３１との間の
端縁領域について十分な支持を提供する。

このことは、ウエブの十分な浮動を維持するためにプレ
ナム室１０から送り出される必要がある圧力空気の量（
体積／時間）をかなり減少させる効果がある。幅９６．
５ｃｍのウエブでテストした結果によると、単一のエツ
ジ状ジニット空気開孔をウエブの各側に設け、本発明の
外側エツジ状ジニット開孔３２に対応した各ウエブ端縁
７のすぐ外側に位置決めして実験した結果では、ウエブ
を浮動させるために必要な圧力空気の発生のために６馬
力を要した。一方本発明に従い各ウエブ端縁に沿つて２
つのエツジ状ジニット開孔３１，３２を設けたところ、
４．７馬力しか必要としなかつた。かかる低馬力は、本
発明の配置では低い空気流量及び低い空気圧で利用でき
ることを説明している。かかる低エネルギ消費にもかか
わらず、ウエブは屈曲案内部に沿つて運動する際に片寄
つたりばたついたりする傾向を示さず、ウエブの下の圧
力変動やウエブの引張力の変化によつても大きく影響さ
れることはなく、なめらかな曲線を維持してしわが寄る
こともなかつた。前述した公知技術に基づく無接触案内
装置では、本発明の外側エツジ状ジニット開孔３２に対
応する開孔が設けられているにもかかわらず、ウエブを
横断して延伸するノズル開孔１６，１７の付近において
、ウエブの端縁の支持が不十分になることがよく発生し
た。

本発明の２つのジニット開孔３１，３２によれば、ウエ
ブはその全幅にわたりかつ弧状の案内表面９の屈曲に沿
つて圧力空気上に均一に浮動されるようになる。本発明
の配置によればさらに、ウエブの端縁を側方へと誘引す
る過剰な流れに抗してウエブの追従性及び安定性を改良
する。

ウエブが誘引される側方において、ウエブは内側エツジ
状ジニット開孔３１を横断して延伸しかつ外側開孔３２
に接近して走行するので、その側部でのウエブ端縁下で
は空気圧が増大する。一方ウエブの反対側端縁下では空
気圧が減少する。ウエブ端縁が外側ジニットに非常に接
近するにつれて、その端縁下での支持力は急激に増大し
、このためウエブを案内表面９に対して傾斜せしめ、端
縁をスライドさせてウエブを所定の通路へと引戻す。エ
ツジ状ジニット開孔３１，３２は細長い帯板状部材４０
，４１，４２，４３によつて形成され、各部材は案内表
面９の一部から成る外表面９′を有するように長手方向
に屈曲している。

各帯状部材４０，４１，４２，４３はその両端で棒４４
によつて支持されており、棒４４は帯状部材を横断して
延伸しかつ長さ方向に間隔をあけてねじ孔を有している
。帯状部材４０は長方形断面をしており、走行ウエブの
端縁７と関連してジニット開孔３１，３２を位置決めす
るのに必要なスペーサとして作用する。

帯状部材４１，４２，４３は開孔３１，３２を好適に形
成する。

帯状部材４１はスペーサ部材４０と衝合するための１つ
の平担側面と、断面が凹面形状４７に屈曲している反対
側面とを有し、この凹面形状は空気の先端をウエブの内
側へと偏向させる外側スロツト面を提供している。帯状
部材４３も同様にスペーサ部材４０と衝合するための１
つの平担側面と、凹面形状４７の補形をなす凸面形状４
８に屈曲している反対表面とを有している。帯状部材４
２は１つの凹形表面４７と１つの凸形表面４８とを有し
ている。これら帯状部材４１，４２，４３は、凹形表面
４７が隣接する凸形表面４８と協働して好適に方向づけ
られたジニット開孔を形成するように配置されている。
開孔形成部材４１，４２，４３を横断支持棒４４に固定
するねじ４９は、各部材４１，４２，４３内のスロツト
５１内を貫通しており、各スロツト５１は部材の長さを
横切つて伸び、各部材４１，４２，４３はジニット開孔
３１，３２の幅をある程度調節できるように横方向の位
置が変えられるようになつている。第６図に示される本
発明の他の実施例によれば、ガイド部材８は、幅方向を
横切つて側部を隣接配置し多数の平行なスロツト状開孔
を形成する多数の部材４２から成り、いずれの開孔も走
行ウエブの幅に対応して各内側エツジ状ジニット開孔３
１及び外側エツジ状ジニット開孔３２として作用するよ
うに選定することができる。

ウエブの各端縁７に対して内側に隣接する２つのスロツ
トがかくして内側エツジ状ジニット開孔３１を構成する
ことになる。ある場合には、ウエブ下の残りのスロツト
はそのまま開口しておくかあるいは内部の弁又は遮へい
手段によつて閉鎖される。しかしながら、ある特定のウ
エブがこの屈曲案内装置５に適用できる最大幅のウエブ
よりも狭い場合にはウエブの各端縁７の外側に２つ又は
それ以上のスロツトがあることになるから、１つを残し
て他のスロツトは閉鎖すべきである。この閉鎖は符号５
２で示すように不要なスロツト上にテープを貼るだけで
よい。もちろん、ウエブの各端縁７の外側に隣接する１
つのスロツトは、外側エツジ状ジニット開孔３２として
作用するために開口していなければならない。添付図面
につき説明してきたことから明らかなように、本発明は
従来の装置よりも低圧で少量の圧力空気しか必要としな
いためにエネルギを節約し、それにもかかわらずウエブ
の端縁の良好な追従性と走行安定性を確保し、しわが寄
つたりばたついたりすることのない無接触ウエブ屈曲案
内装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る案内装置の斜視図、第２図は装置
の端部の拡大正面図、第３図は装置の側断面図、第４図
は第１図の線４−４に沿う断面図、第５図は第４図の一
部の拡大断面図、第６図は他の実施例による第４図と同
位置での断面図である。 ５・・・・・・案内装置、６・・・・・・ウエブ、７・
・・・・・ウエブ端縁、７′・・・・・・境界線、９・
・・・・・屈曲表面、１６，１７・・・・・・ノズル開
孔、３１，３２・・・・・・ジニット開孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所定の通路に沿つて長手方向に走行するウェブを無
   接触に支持しかつ該通路の一部で弧状に屈曲するように
   案内するウェブ屈曲案内装置であつて、該装置はウェブ
   が走行する方向に凸形に屈曲する表面と該表面とウェブ
   との間に圧力空気フィルムを維持するための手段とを有
   し、前記表面の領域は通常はウェブによつて覆われかつ
   平行な境界線を有し、該境界線はウェブの走行方向に延
   伸しかつウェブの幅に等しい距離だけ離間しており、該
   ウェブ屈曲案内装置は、前記境界線の各々に隣接する１
   対ずつの細長い圧力空気エッジ状ジェット開孔を備え、
   該エッジ状ジェット開孔の各々は前記境界線に対して概
   ね平行でかつ前記表面領域を概ね完全に横断するように
   延伸しており、各対のエッジ状ジェット開孔は、前記境
   界線の隣接する１つから外側に小さな距離だけ離間して
   前記表面領域の外側に位置する外側エッジ状ジェット開
   孔と、前記境界線の隣接する１つから小さな距離だけ離
   間して前記表面領域内に位置しウェブの端縁部によつて
   覆われている内側エッジ状ジェット開孔とから成り、各
   対の両方のエッジ状ジェット開孔は圧力空気を前記表面
   に沿つて他の対のエッジ状ジェット開孔に指向させるよ
   うに配置されていることを特徴とするウェブ屈曲案内装
   置。 ２ 前記表面領域内に細長い圧力空気開孔がさらに設け
   られ、該圧力空気開孔は前記境界線に対して平行に延伸
   し、これら追加の圧力空気開孔はすべて前記内側エッジ
   状ジェット開孔の間に離間して配置されかつ相互に離間
   していることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   ウェブ屈曲案内装置。