JPS5914482Y2 - 耐風制振橋梁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトラス形式斜張橋等のフラッタ−などの振動を
抑止した耐風制振装置に関するものである。

斜張橋は第１図及び第２図に示す様に、直接荷重を支え
る桁の荷重を斜め方向に吊っている斜ケーブルとそれら
を支えて下部構造１に伝える塔２から成っている。

ここに第２図はケーブルを図示しないトラス形式斜張橋
補剛桁４の断面図で、５は上路床版、６は主溝上弦材で
ある。

この様なトラス形式斜張橋では主桁に斜ケーブルからの
橋軸方向圧縮力が作用し、床組、鋼床版を主溝と合成さ
せ、主溝断面に含めて考えると有利な場合が多い。

通常床版合成によって、床組を主溝に上載する構造に比
べて、主溝高と計算上の弦材断面積が増加して主溝の剛
性が著しく大きくなる。

その結果、ケーブルの伸び剛性に対する桁の曲げ剛性の
比が大きくなり、ケーブルが分担して支持している活荷
重の一部を桁が分担率を増して支持する事になる。

したがって床版を合成すると活荷重によるケーブルの張
力変動が小さくなり、桁の変形も小さくなり、力学的な
諸特性に優れた構造となる。

しかしこの様なトラス斜張橋では次の様な欠点がある。

（１）主溝弦材を鋼床版と合成した場合フラッタ−のみ
ならず、渦励振振動が発生する可能性がある。

即ち第３図に示す様な全面鋼床版の斜張橋補剛桁４に矢
印ａの様に風が吹いた時上弦材６より７１クリした流れ
ｂは上路床版５の後続で幅広いウェイタＣとなり規制的
な強い渦ｄを形成し、その渦に起因した交番揚力又は交
番モーメントにより補剛桁４は渦励振振動を起こす。

（２）この振動に対して現在上路床版５に第２図に示す
ようにグレーチング７を設は上路床板５周りの流れを変
えることにより振動を抑制する方法が考えられているが
一般に長大橋は死荷重の軽減、軸方向の剛性及びたわみ
剛性の増強等から全面鋼床板を用いる事が多く、これに
グレーチングを設けるとたわみ剛性の低下等せっかくの
全面鋼床板のメリットがなくなる。

本考案はかかる不具合を解消したトラス形式橋梁を提案
しようとするものでその構成とするところは、床組、床
版を主溝と合成させた所謂合成床組トラス桁形式の橋梁
の主橋上弦材の外側に沿って一部が外側に突出する三角
柱状のフェアリングを設けたことを特徴とする耐風制振
橋梁である。

本考案は上記のように構成するので全面鋼床板のメリッ
トを失わずに斜張橋等のトラス補剛桁に発生する渦励振
振動並びにフラッタ−を抑止する効果を有する。

次に本考案の一実施例について第４図により説明する。

図において４は斜張橋補剛桁で同桁４の上路床板５が上
弦材６と合成され一般に道路となっている。

１０は三角柱状フェアリングで上記上弦材６の両側に突
設されている。

次に作用効果について説明する。

第５図に示すように上弦材６の両側に三角柱状フェアリ
ング１０を取りつけた場合第３図と同様矢印ａのような
風が吹いても上弦材６よりのハクＩＪｅは抑制され上路
床板５の後流のウェイタｆの幅がせばめられることによ
り渦ｇは弱まり交番揚力又は交番モーメントも弱まるこ
とになる。

このため斜張橋補剛桁４は渦励振振動を発生しにくくな
り耐風安定性が向上する。

なお、本考案はトラ亥形式斜張橋ばかりでなく、吊橋や
その他の橋梁にも応用出来ることはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を兼ねた一般の斜張橋の側面図、第２図
は第１図のＩＩ −ＩＩ矢視に沿って見た従来例の断面
図、第３図は第２図に相当する断面で示した従来例の作
用、効果を示すための説明図、第４図は本考案の一実施
例の断面図、第５図は第３図に対応して示した本考案の
一実施例の作用、効果を示すための説明図である。 ４・・・・・・斜張橋補剛桁、５・・・・・・上路床板
、６・・・・・・主構上弦材、１０・・・・・・三角柱
状フェアリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床組、床版を主溝と合成させた所謂合成床組トラス斜張
   橋の橋梁の主溝上弦材の外側に沿って一部が外側に突出
   する三角柱状のフェアリングを設けたことを特徴とする
   耐風制振橋梁。