JPS5914440Y2 - 輸送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、生コンクリートや土砂、スラリーなどの固
液混相流体を輸送するために主として用いられる輸送装
置に関するものである。

今日、国土開発事業にともなう大規模土木建築工事、公
害防止、環境整備等の推進をはかるため、生コンクリー
トやヘドロのようないわゆる固液混相流体や食糧、その
他の粘稠流体の大量パイプ輸送の必要性が日増しに高ま
ってきている。

上記固液混相流体や粘稠流体の輸送には、従来、往復ピ
ストン形ポンプや回転形ポンプが使用されているが、流
路断面積及び形状が流線に沿って著しく変わるものが多
く、また流れ方向も同様に変わるため、ポンプ内部で大
きな流動抵抗が発生し、特に往復形ポンプにおいては、
吸入部、排出部の弁部流路形状が複雑であり、またピス
トンの往復運動が流体の慣性運動に逆らってピストン頭
上面と流体とが衝突しシリンダ内で流体の流れが反転を
くつがえすために脈動流となり、固液相の閉塞分離現象
を誘発しやすい。

これに加えて上記従来のポンプ輸送においては、構造上
直接輸送配管にポンプを直列に組み込むことができない
ために、ベンド管等の無駄な管路を追加せざるをえず、
それだけ流動抵抗を増して各種の支障が生じる。

さらにまた、従来のポンプ輸送においては、その輸送距
離が長い場合には、その管路抵抗にうちかつだけの圧力
が必要なため、ポンプ吐出部は常時高圧となり、弁部の
シール機構に限界をきたしたり、固液相のうちの液体部
分がシール部や隙間からもれて流体を変質させるため、
輸送距離、圧力、吐出量及び被輸送流体の種類について
大きな制約があり、その利用域が狭く限定される不満が
あった。

そこで、この考案の提案者は、第１図に示すようにバル
ブ１，２を備えた２本の可動管３，４を輸送管路を構成
する輸送管５，６．７にその輸送管の軸方向に移動自在
に装設し、上記各可動管３，４を互に位相をずらせて往
復運動させながら可動管３，４のバルブ１，２を開閉さ
せて固液混相流体等の流体を上流側から下流側に輸送し
うるように構成された輸送装置を開発した。

この考案は、上記輸送装置の可動管３，４の間に介在せ
しめられている輸送管６を省き、また可動管３，４の相
互の関係等を工夫してその機能を一層向上させたもので
、小型で輸送性能のよい輸送装置を提供することを目的
とする。

以下この考案を図面を参照して詳細に説明する。

第２図と第３図はこの考案の一実施例を示すもので可動
管１０は上流側第１筒部１１と下流側第１筒部１２の間
に第１バルブ１３を備え、第１固定管１４を上流側第１
筒部１１内に嵌挿するとともに、案内部材１５を案内レ
ール１６に案内させて軸方向に移動自在に構成されてい
る。

第１固定管１４は第２図において左側の端部を上流側輸
送管１７に連結され、案内レール１６が設けられた基板
１８に固定されている。

第１可動管１０は第１固定管１４から輸送するもので、
油圧シリンダ等の第１移動装置１９によって第１固定管
１４と後述する第２可動管２０に対して軸方向に動かさ
れるようになっている。

また、第２可動管２０は上流側第２筒部２１と下流側第
２筒部２２の間に第、２バルブ２３を備え、第１可動管
１０の下流側第１筒部１２を上流側第２筒部２１内に嵌
挿するとともに、下流側第２筒部２２を第２固定管２４
内に嵌挿し、また案内部材２５を案内レール２６に案内
させてこれも軸方向に移動自在に構成されている。

第２固定管２４は第２図において右側の端部を下流側輸
送管２７に連結され、案内レール２６が設けられた前記
の基板１８に固定されている。

上記の第２可動管２０は第１可動管１０より輸送されて
くる輸送流体を受けてこれを第２固定管・２４に送るも
のであり、前記の第１可動管１０と同様に油圧シリンダ
等の第３移動装置２９によって第２固定管２４と第１可
動管１０に対して動かされるようになっている。

上記において、第１可動管１０の上流側第１筒部１１の
内径Ｄ１と、第２可動管２０の上流側第２筒部２１の内
径Ｄ２、及び第２固定管２４の内径Ｄ３は互に同一に定
められ、それらの内部に第１固定管１４、第１可動管１
０の下流側第１筒部１２、及び第２可動管２０の下流側
第２筒部２２がシール部材３０を介してそれぞれ液密的
に嵌挿されている。

第４図ないし第６図はバルブ１３．２３の一例を示すも
ので、上流側筒部１１．２１に下流側筒部１２．２２を
連通ずる透孔３１が設けられたフレーム３２内にシャッ
タ３３を入れ、油圧シリンダ等の開閉装置（図示せず）
によってシャッタ３３を第４図において左右に動かして
透孔３１を開閉することができるようになっている。

なおバルブ１３．２３は上記以外の構造のものであって
もよい。

次に上記のように構成されたこの考案に係る輸送装置の
作用を説明する。

第２図は第１可動管１０が第１バルブ１３を閉じた状態
で、この図で右に動いて輸送流体を輸送し、また第２可
動管２０が第２バルブ２３を開いた状態で左方に戻り終
った状態を示すもので、この状態から第１バルブ１３が
開かれるとともに、第２バルブ２３が閉じられる。

これが済むと第２可動管２０が右に動いて輸送流体を輸
送し、第１可動管１０は左に戻される。

上記の作動が済むと、第１可動管１０は第１バルブ１３
を閉じて右に動かされるとともに、第２可動管２０は第
２バルブ２３を開けて左に戻され、■回の輸送サイクル
を完了する。

なお、可動管がバルブを閉じて第２図で右に動く時、そ
の可動管のバルブの右側に存在する輸送流体は直接可動
管により押されて右に輸送され、また左側に存在する輸
送流体はその可動管の移動により吸引されて可動管に追
従する。

上記において、上流に位置する固定管１４、第１筒部１
２、及び第２筒部２２が、下流（、こ位置する第１筒部
１１．第２筒部２１．及び固定管２４内にそれぞれ嵌挿
されているため、第２図で右に輸送される流体が左に戻
される可動管１０．２０の左端縁に衝突して円滑な輸送
を阻害することがない。

また２本の固定管１４．２４と２本の可動管１０．２０
の上記嵌挿構造において、上流側第１筒部１１の内径Ｄ
１と、上流側第２筒部２１の内径Ｄ２、及び第２固定管
２４の内径Ｄ３は同一に設定されているので、各可動管
１０゜２０における輸送流体の押圧輸送量と吸入量が等
しくなり、したがって脈動流の発生が防止されるように
なる。

以上説明したように、この考案の輸送装置は２本の可動
管１０．２０を直接連結した構造となっているので、そ
れらの間に輸送管を介在させた第１図の輸送装置に比べ
て全体が短縮されて小型になるとともに、液もれ及び故
障しやすいシール部の数が少なくなる長所がある。

また上流に位置する固定管１４、第１筒部１２、及び第
２筒部２２が下流に位置する第１筒部１１．第２筒部２
１．及び固定管２４内にそれぞれ嵌挿されているため、
第２図において右に輸送される流体が左に戻される可動
管１０．２０の左端縁に衝突することがなく、流体を円
滑、かつ効率よく輸送することができる。

その上固定管２４と、２本の可動管１０．２０の上流側
第１筒部１１及び上流側第２筒部２１の内径Ｄ１．Ｄ２
．Ｄ３は互に等しく定められているため、各可動管１０
．２０における輸送流体の押圧輸送量と吸入量が等しく
なって脈動流の発生が防止され、この点でも流体を円滑
かつ効率的に輸送することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の輸送装置の縦断面図、第２図以下はこの
考案の一実施例を示すもので、第２図はこの考案に係る
輸送装置の縦断側面図、第３図は平面図、第４図はバル
ブの一例を示す正面図、第５図は第４図の■−Ｖ線に沿
う断面図、第６図は同ＶＩ−ＶＩ線に沿う断面図である
。 １０・・・・・・第１可動管、１１・・・・・・上流側
第１筒部、１２・・・・・・下流側第１筒部、１３・・
・・・・第１バルブ、１４・・・・・・第１固定管、２
０・・・・・・第２可動管、２１・・・・・・上流側第
２筒部、２２・・・・・・下流側第２筒部、２３・・・
・・・第２バルブ、２４・・・・・・第２固定管、Ｄ□
・・・・・・上流側第１筒部の内径、Ｄ２・・・・・・
上流側第２筒部の内径、Ｄ３・・・・・・第２固定管の
内径。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上流側に位置される第１固定管と、下流側に位置される
   第２固定管と、上流側第１筒部と下流側第１筒部の間に
   第１バルブを備え上記第１固定管を上流側第１筒部内に
   嵌挿して軸方向に移動自在に設けられた第１可動管と、
   上流側第２筒部と下流側第２筒部の間に第２バルブを備
   え上記第１可動管の下流側第１筒部を上流側第２筒部に
   嵌挿するとともに、下流側第２筒部を第２固定管内に嵌
   挿して軸方向に移動自在に設けられた第２可動管と、上
   記第１固定管と第２可動管に対して第１可動管を軸方向
   に移動させる第１移動装置と、第２固定管と第１可動管
   に対して第２可動管を軸方向に移動させる第２移動装置
   とを具備し、かつ上記第１可動管の上流側第１筒部の内
   径と、第２可動管の上流側第２筒部の内径、及び第２固
   定管の内径が互にほぼ同一に設定されて成ることを特徴
   とする輸送装置。