JPS5914005B2 - マイトマイシンcの安定化法 - Google Patents
マイトマイシンcの安定化法Info
- Publication number
- JPS5914005B2 JPS5914005B2 JP6867776A JP6867776A JPS5914005B2 JP S5914005 B2 JPS5914005 B2 JP S5914005B2 JP 6867776 A JP6867776 A JP 6867776A JP 6867776 A JP6867776 A JP 6867776A JP S5914005 B2 JPS5914005 B2 JP S5914005B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mitomycin
- solution
- acylcarnitine
- present
- aqueous solution
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- Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は溶液中のマイトマイシンCの安定化法に関する
。
。
さらに詳しくは本発明はマイトマイシンCの溶液にアシ
ルカルニチンを存在せ一しめることを特徴とする溶液中
のマイトマイシンCの安定化法に関する。その目的とす
るところは溶液の状態では極めて不安定であるマイトマ
イシンCを安定な状態に保ち、マイトマイシンCの製剤
上および使用上大きな便宜を与えるにある。マイトマイ
シンCが水溶液の状態で極めて不安定であることはよく
知られている。
ルカルニチンを存在せ一しめることを特徴とする溶液中
のマイトマイシンCの安定化法に関する。その目的とす
るところは溶液の状態では極めて不安定であるマイトマ
イシンCを安定な状態に保ち、マイトマイシンCの製剤
上および使用上大きな便宜を与えるにある。マイトマイ
シンCが水溶液の状態で極めて不安定であることはよく
知られている。
溶液中でのマイトマイシンCの分解機構は複雑であつて
いまだ明確にはなつていないが、マイトマイシンCの不
安定化要因は光、pH、温度などであると考えられる。
これらの不安定化要因による影響を具体的に例示すると
次の通りである。(1) pH:pHの影響はとりわけ
大きく、酸性側ではマイトマイシンCの化学構造の基本
骨格であるインドールキノンは容易に還元されてハイド
ロキノンとなる。
いまだ明確にはなつていないが、マイトマイシンCの不
安定化要因は光、pH、温度などであると考えられる。
これらの不安定化要因による影響を具体的に例示すると
次の通りである。(1) pH:pHの影響はとりわけ
大きく、酸性側ではマイトマイシンCの化学構造の基本
骨格であるインドールキノンは容易に還元されてハイド
ロキノンとなる。
またpH10以上では7位のアミノ基が脱離すると同時
に11位のメトキシ基が脱離される。マイトマイシンC
水溶液(マイトマイシンC濃度O.017y/dl)の
安定性のpH依存性を第1表に示す。試験は室温、非遮
光下に行い、pH6.0〜8.5は1/15MNa2H
P04+1/15MKH2P04の緩衝液を使用し、p
H9.2〜11.0は115Mホウ酸十115MNa2
C03+115MKClの緩衝液を用いた。定量は化学
分析(360mμのOD値を測定)によつて行い、残存
力価は最初のマイトマイシンC水溶液のマイトマイシン
C活性に対するパーセントで表わした。第1表 (4)光:マイトマイシンC水溶液中のマイトマイシン
Cは光によつても容易に分解される。
に11位のメトキシ基が脱離される。マイトマイシンC
水溶液(マイトマイシンC濃度O.017y/dl)の
安定性のpH依存性を第1表に示す。試験は室温、非遮
光下に行い、pH6.0〜8.5は1/15MNa2H
P04+1/15MKH2P04の緩衝液を使用し、p
H9.2〜11.0は115Mホウ酸十115MNa2
C03+115MKClの緩衝液を用いた。定量は化学
分析(360mμのOD値を測定)によつて行い、残存
力価は最初のマイトマイシンC水溶液のマイトマイシン
C活性に対するパーセントで表わした。第1表 (4)光:マイトマイシンC水溶液中のマイトマイシン
Cは光によつても容易に分解される。
第2表にマイトマイシンC水溶液中のマイトマイシンC
の安定性に及ぼす光の影響について試験した結果を示す
。PH緩衝液は1/15MNa2HP04+1/15M
I(H2PO4の緩衝液を使用した。
の安定性に及ぼす光の影響について試験した結果を示す
。PH緩衝液は1/15MNa2HP04+1/15M
I(H2PO4の緩衝液を使用した。
数字は最初のマイトマイシンC水溶液のマイトマイシン
C活性に対する残存力価をパーセントで示したものであ
る。一方、マイトマイシンCは結晶の状態では極めて化
学的に安定であり、たとえば25℃に2年間保存しても
殆んど力価の低下が見られない。
C活性に対する残存力価をパーセントで示したものであ
る。一方、マイトマイシンCは結晶の状態では極めて化
学的に安定であり、たとえば25℃に2年間保存しても
殆んど力価の低下が見られない。
以上述べた理由により、マイトマイシンCの製剤は粉末
注射剤として用時溶解して投与する形態が望ましく、現
実にそのような製剤で市販されている。ところが投与量
(1.0〜2.0m9/日)の関係で1バイアル(4c
c)当り2ηを秤量して製剤化しているが、2ワという
極微量の秤量は作業にあたつて極めて困難をともない、
秤量精度、作業能率は著しく悪い。そのために食塩とマ
イトマイシンCとを混合して秤量値が50W9になるよ
うに工夫をして分注しているが、それでもなお作業能率
の低下は免れない。一方、医師が患者に投与する際、投
与量の関係で残つたマイトマイシンC水溶液を次回投与
のために保存する場合がある。その際保存条件によつて
は、マイトマイシンCの力価の低下を免れない場合があ
り、水溶液中でのマイトマイシンCの不安定性はこkで
も問題となる。本発明者らは、これらの問題を解決する
ために、マイトマイシンCを溶液の状態で製剤化する方
法につき鋭意研究した結果、マイトマイシンCの溶液に
アシルカルニチンを少量添加することによつて溶液中の
マイトマイシンCを安定に保存できることを見出し本発
明を完成するに到つた。以下、本発明を更に詳細に説明
する。
注射剤として用時溶解して投与する形態が望ましく、現
実にそのような製剤で市販されている。ところが投与量
(1.0〜2.0m9/日)の関係で1バイアル(4c
c)当り2ηを秤量して製剤化しているが、2ワという
極微量の秤量は作業にあたつて極めて困難をともない、
秤量精度、作業能率は著しく悪い。そのために食塩とマ
イトマイシンCとを混合して秤量値が50W9になるよ
うに工夫をして分注しているが、それでもなお作業能率
の低下は免れない。一方、医師が患者に投与する際、投
与量の関係で残つたマイトマイシンC水溶液を次回投与
のために保存する場合がある。その際保存条件によつて
は、マイトマイシンCの力価の低下を免れない場合があ
り、水溶液中でのマイトマイシンCの不安定性はこkで
も問題となる。本発明者らは、これらの問題を解決する
ために、マイトマイシンCを溶液の状態で製剤化する方
法につき鋭意研究した結果、マイトマイシンCの溶液に
アシルカルニチンを少量添加することによつて溶液中の
マイトマイシンCを安定に保存できることを見出し本発
明を完成するに到つた。以下、本発明を更に詳細に説明
する。
本発明方法によれば、マイトマイシンCの溶液にアシル
カルニチンを存在させることによつてマイトマイシンC
の安定な溶液を得ることができる。
カルニチンを存在させることによつてマイトマイシンC
の安定な溶液を得ることができる。
本発明方法に用いるマイトマイシンCの溶液とはマイト
マイシンCの水溶液、生理琵塩水溶液またはメタノール
、エタノール、ブタノールなどの溶液に溶かした溶液な
どがあげられる。本発明に用いるアシルカルニチンは公
知の物質で、γ一トリメチル一β−ヒドロキシブチロベ
タインを炭素数4〜20の脂肪酸と反応させて作つたエ
ステルである。
マイシンCの水溶液、生理琵塩水溶液またはメタノール
、エタノール、ブタノールなどの溶液に溶かした溶液な
どがあげられる。本発明に用いるアシルカルニチンは公
知の物質で、γ一トリメチル一β−ヒドロキシブチロベ
タインを炭素数4〜20の脂肪酸と反応させて作つたエ
ステルである。
その製造法はジヤーナル・オブ・オーガニツク・ケミス
トリ一(J.Org.Chem.323989、196
7)に詳細に記載されている。反応に用いる脂肪酸は飽
和、不飽和のいずれでもよく、好ましくは炭素数12〜
18のもの、たとえばオクタン酸、バルミチン酸が用い
られる。この方法で製造した場合アシルカルニチンはD
.l.dlの光学異性体の混合物が得られる。本発明方
法には、Dll、dハ)ずれの異性体を用いても同様の
効果が得られる。従つて本発明では、これら異性体の混
合物を用いてもよいし、単離したものを用いてもさしつ
かえない。アシルカルニチンは通常、無機酸の塩、たと
えば塩酸塩として用いる。アシルカルニチンの使用量と
してはマイトマイシンC溶液中のマイトマイシンCに対
して0.2〜100倍量(重量)、好ましくは2〜20
倍量(重量)用いるのがよい。
トリ一(J.Org.Chem.323989、196
7)に詳細に記載されている。反応に用いる脂肪酸は飽
和、不飽和のいずれでもよく、好ましくは炭素数12〜
18のもの、たとえばオクタン酸、バルミチン酸が用い
られる。この方法で製造した場合アシルカルニチンはD
.l.dlの光学異性体の混合物が得られる。本発明方
法には、Dll、dハ)ずれの異性体を用いても同様の
効果が得られる。従つて本発明では、これら異性体の混
合物を用いてもよいし、単離したものを用いてもさしつ
かえない。アシルカルニチンは通常、無機酸の塩、たと
えば塩酸塩として用いる。アシルカルニチンの使用量と
してはマイトマイシンC溶液中のマイトマイシンCに対
して0.2〜100倍量(重量)、好ましくは2〜20
倍量(重量)用いるのがよい。
アシルカルニチンを存在させたマイトマイシンCの溶液
は極めて安定であり、注射剤としての使用に充分耐える
ものであり、また添加したアシルカルニチンによつて経
時的に沈殿を生じたり濁りを生じたりすることもない。
は極めて安定であり、注射剤としての使用に充分耐える
ものであり、また添加したアシルカルニチンによつて経
時的に沈殿を生じたり濁りを生じたりすることもない。
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
実施例 1
マイトマイシンC約20即を1/15M
Na21−1P04+1/15MKH2P04の緩衝液
(PH7.O)100m1に溶かす。
(PH7.O)100m1に溶かす。
これにアシルカルニチン(dl−オクタノイルカルニチ
ン)100即を添加して4号ガラスフイルタ一を用いて
除塵したのち、白色アンプルに入れ熔封して室温で遮光
しないで(約500ルクス)2年間保存する。このとき
のマイトマイシンCの経時的残存力価を第3表に示す。
実施例 2 マイトマイシンC約50W19を1/15MNa2HP
04+1/15MKH2P04の緩衝液(PH6.O)
100m1に溶解する。
ン)100即を添加して4号ガラスフイルタ一を用いて
除塵したのち、白色アンプルに入れ熔封して室温で遮光
しないで(約500ルクス)2年間保存する。このとき
のマイトマイシンCの経時的残存力価を第3表に示す。
実施例 2 マイトマイシンC約50W19を1/15MNa2HP
04+1/15MKH2P04の緩衝液(PH6.O)
100m1に溶解する。
この溶液にアシルカルニチン(dl−パルミトイルカル
ニチン)100即を添加して実施例1と同様にマイトマ
イシンC溶液を保存し、経時的にマイトマイシンCノ
の力価を調べた。結果を第4表に示す。実施例 3実施
例1においてアシルカルニチン(dl−オクタノイルカ
ルニチン)の添加量を第5表に示す量★rに替えて行う
ほかは実施例1と同様に行い第5表の結果を得た。
ニチン)100即を添加して実施例1と同様にマイトマ
イシンC溶液を保存し、経時的にマイトマイシンCノ
の力価を調べた。結果を第4表に示す。実施例 3実施
例1においてアシルカルニチン(dl−オクタノイルカ
ルニチン)の添加量を第5表に示す量★rに替えて行う
ほかは実施例1と同様に行い第5表の結果を得た。
Claims (1)
- 1 マイトマイシンCの溶液にアシルカルニチンを存在
せしめることを特徴とする溶液中のマイトマイシンCの
安定化法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6867776A JPS5914005B2 (ja) | 1976-06-14 | 1976-06-14 | マイトマイシンcの安定化法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6867776A JPS5914005B2 (ja) | 1976-06-14 | 1976-06-14 | マイトマイシンcの安定化法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS52151716A JPS52151716A (en) | 1977-12-16 |
JPS5914005B2 true JPS5914005B2 (ja) | 1984-04-02 |
Family
ID=13380576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6867776A Expired JPS5914005B2 (ja) | 1976-06-14 | 1976-06-14 | マイトマイシンcの安定化法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5914005B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0225804U (ja) * | 1988-08-05 | 1990-02-20 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19957371A1 (de) * | 1999-11-29 | 2001-06-13 | Medac Klinische Spezialpraep | Mitomycin C-Lösung |
CN102565251B (zh) * | 2010-12-09 | 2014-07-02 | 北京国立柏林医学科技发展有限公司 | 检测血清或血纸片中酰基肉碱含量的方法 |
-
1976
- 1976-06-14 JP JP6867776A patent/JPS5914005B2/ja not_active Expired
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0225804U (ja) * | 1988-08-05 | 1990-02-20 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS52151716A (en) | 1977-12-16 |
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