JPS5913847Y2 - 靴用踵 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、踵芯材を用いた靴用踵の改良に関する。

近年、靴の軽量化と、皮革素材の節減を計る目的から、
靴の踵として、ポリスチレン樹脂などよりなる肉ぬすみ
をした踵芯材の外周面、詳しくは、馬蹄形面と額面に化
粧皮革を張りつけたものが用いられている。

従来のこの種の踵は、第１図に示すように、踵芯材１の
馬蹄形面１ａと額面１ｂとの間の角隅部において、馬蹄
形面１ａに接着した化粧皮革２ａの端部側面に、額面１
ｂに接着した化粧皮革２ｂの端面を接着したもの、また
、第２図に示すように、化粧皮革２ａの端面を額面１ｂ
の延長面と一致させ、この化粧皮革２ａの端面を覆うよ
うに化粧皮革２ｂを接着したもの、あるいは、第３図に
示すように、両化粧皮革２ ａ 、２ ｂの端面を斜め
にカットし、この斜面を合掌状に接着したものなどがあ
り、踵芯材１の底面に踵化粧板を貼着して踵本体を構成
し、これを製甲体にとりつけたものである。

このような踵本体をとりつけた靴においては、履用中に
、踵本体の角隅部、詳しくは、馬蹄形面１ａと額面１ｂ
の交点部が、石や階段などに衝突すると、第１〜３図の
矢印で示す方向に化粧皮革２ａ、２ｂ端が剥離する。

このことは、歩行には全く支障のないことではあるが、
商品の信頼性を損うばかりか、メーカーの信用も失うこ
とになり、早急な解決策が望まれていた。

本考案はこのような実情に対応すべくなされたもので、
簡単な而も合理的構成によって従来の問題点を解消せし
め、化粧皮革の剥離のない靴用踵を安価に提供せんとす
るもので、踵芯材の左右両角隅部を残して化粧皮革を設
けたことを特徴とするものである。

次に、第４〜８図について本考案実施例の詳細を説明す
ると、１１はポリスチレン樹脂などにて形成した踵芯材
で、該踵芯材１１には補強リブ１２を残した空洞部１３
が形成してあり、軽量と補強対策が施されている。

そしてこの踵芯材１１の馬蹄形面１１ａ外周に、該踵芯
材１１の左右両角隅面部１１ ｂを残して、この角隅面
部１１ ｂと同一平面の化粧皮革１４ ａを一体に成型
付設したものである。

第４図における仮想線は、化粧加工により削除された化
粧皮革１４ ａを示している。

即ち、化粧皮革１４ ａは、仮想線で示された厚みのも
のを使用することを意味している。

そして第５図のように、踵芯材１１の底面に、ゴム、合
成ゴム、合成樹脂、皮革などよりなる踵化粧板１５をと
りつけ、踵本体Ａが構成されるものである。

また第６図に示すように、踵芯材１１の額面１１Ｃにも
１、角隅面部１１ ｄを残して、この角隅面部１１ｄと
同一平面の化粧皮革１４ ｂを一体に成型付設すること
もできる。

このようにして得られた踵本体Ａを、常法により製甲体
にとりつけて靴を得るものである。

第７図は、本考案実施例の成型雌型の一例を示し、この
雌型２１には、上記踵芯材１１の額面１１ Ｃを形成す
る面２１ Ｃと、角隅面部１１ ｂを形成する面２１
ｂを備え、この面２１ ｂより若干外方に拡大された馬
蹄形面２１ｅ、詳しくは、第４図の仮想線で示した化粧
皮革１４ ａの外面に相当する面を形成する。

そして仮想線は第４図に示す馬蹄形面１１ａに相当する
面２１ ａで、この面２１ ａと上記面２１ｅとの間隔
が化粧皮革１４ ａの厚みに相当し、従って、化粧皮革
１４ａの厚み変化により、馬蹄形面１１ａ、即ち、面２
１ ａは若干変化するものである。

そしてその成型手段は、雌型２１に対し、面２１ ｅの
全長に当接するように化粧皮革１４ａを仮止め状態でと
りつけ、この状態で雌、雄型を合わせて内部にポリスチ
レン樹脂を流し込み、樹脂と化粧皮革とを一体成型し、
第４図に示す踵を得、角隅面部１１ ｂより突出してい
る化粧皮革部分を化粧加工により削除するものである。

第８図は、踵芯材の額面１１ Ｃに化粧皮革１４ｂを付
設する雌型を示し、これには、上記雌型２１の条件に、
角隅面部１１ ｄに対応する面２１ ｄを設け、化粧皮
革１４ｂの化粧加工削戒代を見込んだ拡大された額面２
１ Ｃを付加したものであり、成型手段は第７図のもの
と同様である。

尚本考案の踵本体の製作に当っては、上記第７．８図で
示した成型金型を使用することにより、安価量産性に適
することは勿論であるが、本考案は、踵芯材の馬蹄形面
や額面に、予め、角隅面部１１ｂ。

１１ ｄを突設した踵芯材を成型しておき、これに夫々
化粧皮革１４ ａ 、１４ ｂを貼着して構成すること
ができるものであるから、第６，７図に示す成型金型を
使用することに特定はされない。

本考案は上述のように、踵本体の左右角隅部に、踵芯材
が露出した角隅部を設けたので、靴の履用により踵の角
部が物に衝突しても、従来のように化粧皮革端が剥離し
、商品の信頼性は勿論のこと、製造メーカーの信用を失
わせることがないなど、実用上の効果はきわめて大きい
。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は従来例の一部底面図、第４図は本考案品の
底面図、第５図は踵本体の側面図、第６図は判例の一部
底面図、第７，８図は雌型の正面図である０ １１・・・・・・踵芯材、１１ ａ・・・・・・馬蹄形
面、１１ ｂ・・・・・・角隅面部、１１ Ｃ・・・・
・・額面、１１ ｄ・・・・・・角隅面部、１４ａ１４
ｂ・・・・・・化粧皮革、１５・・・・・・踵化粧板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂材料よりなる踵芯材の外周に、化粧皮革を囲繞
   止着した靴用踵において、少くとも上記踵芯材の馬蹄形
   部外周に、該踵芯材の左右両角隅面を残して、該角隅面
   と同一平面の化粧皮革を設けたことを特徴とする靴用踵
   。