JPS5912122B2 - レンチの締付角測定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はレンチの締付角の測定装置に関する。

ねじ山の回転角を制御する公知の締付工程においては、
ねじの回転角は、比較しうるすべての場合において容易
に定められる初期位置を基礎として測定される。初期位
置としてはたとえばねじの回転に必要な回転モーメント
が突如増すことにより認められるごとき、ゆるんだねじ
の回転終端が選定される。回転角を制御してねじ連結を
緊付けるための公知の装置は、レンチと固定構造体との
間の回転角を測定するものであり、回転角の測定に関係
するようにレンチに枢着された部材が定方向を指向する
ように固定した状態で上記構造体に連結されねばならな
かつたために、これらの公知の装置の取扱いが周囲の状
況に依存し偶然的なものである。したがつて、この発明
は基準方向を指示するためにレンチ上に枢着された固定
指向部材に関するレンチ上における締付角を測定する装
置に関するものである。

この発明装置は上記のごときレンチ状の工具の構造と取
扱いとを簡単化することを課題とする。この発明にした
がう解決策は基底部の摩擦モーメントに関して高い慣性
モーメントを有する本体により構成される固定指向部材
にて成る。

いいかえると固定基準方向は、北方向探知システム或い
はその他の類似の装置のように固定した構造に関係する
ことにより定められるのではなくて、本発明のレンチは
、レンチの回転動作には全然或いは無視し得る程度にし
か追随しないように設置した慣性モーメントの大きな、
活動の不活発な不動体を備えている。

この発明に関し、レンチなる用語は、形状や動作の如何
に拘らず、ネジ連結を回転するすべての工具を含むもの
である。

不動体を構成する本体の、基底部に対する摩擦が小さい
程、該本体の質量は小さくできる。

したがつてこの発明の実施例では、上記本体はレンチに
設けられたハウジング内に貯留した液体中に力について
自由状態で浮遊するようにして固定するのが望ましい。
力の自由状態とは上記の場合には、上記本体の重力が、
液中で上記本体に作用する浮力と均衡している状態であ
る。上記本体はたとえばポリエチレンで構成でき、一方
支持用液体としてメタノールが用いられる。この物質の
組み合わせは、膨張状態が相互に等しいために、力の平
衡は温度に無関係であるという利点がある。しかしなが
ら、多くの場合、装置が使用されるような比較的狭い温
度範囲では均衡状態は予想でき、そのため本体を中心に
維持するように設けた基底部で受ける重量平衡状態が温
度に僅かに依存していてもかまわない。この基底部はシ
ヨツクを受けないので、それは軽くできる。以下にその
例を述べる。回転角は、もしハウジングが全部或いは部
分的の透明なら、角測器状のスケール或いはハウジング
と本体と協働する読取マーク等により適宜決定できる。
角度の読取りを自動装置により行なうことができる。

このような目的のための適当な走査装置は知られている
。その装置はたとえば光電的方法によるもの、コンデン
サによるもの、誘導性によるもの或いは電解的方法によ
るもの、また本体とハウジングとに設けた１対の接点の
直接的協働作用によるものなどである。これに関連して
、本体或いは走査装置を所望の初期角度間隔に調節する
装置が必要である。多くの場合、本体上の始動マークの
臨時的に調整した位置から望ましい角度間隔をもたせる
ように、ハウジング上で走査装置を回転するのは比較的
容易である。ところで各態様において、上記方式に純光
学的な読み取りを応用することができる。これにより密
閉したハウジング内で本体を動かすための係合部材を不
要とすることができる。操作の目的に対しては、もし使
用に先立つて、本体が特定の中立位置に戻されているな
らば、上記の方式は多くの場合より容易になる。もしハ
ウジングを全面的或いは部分的に変形して、本体をもと
に戻すための部材が、ハウジングの十分な変形により本
体と係合するようにすれば、密閉したハウジング内で、
１つの係合装置をも不要とすることができる。角度の測
定を本体上の特定のマーク位置に関連して行なう場合に
は、いつも本体或いは走査装置を所望の回転角に調節す
ることが必要である。

この発明の他の態様において、マークが通過したことを
走査装置で定めるのではなくて、等距離で複数のマーク
を本体上に配設し、マークの通過を走査装置で計数する
場合には上記調節は不用となる。これに関して、走査装
置或いは走査装置に接続された計数装置は、所望の回転
角に対応した特定のマーク数に調節できる。調節された
計数結果で回転値に達するとすぐに、信号が生ずる。こ
の方式では本体の初期設定値に対して独立であることは
明らかである。しかしながらたとへば計数手段を用いる
ことにより、或いは各計測に対して独立に走査装置の調
節をすることにより、たとえ本体を特定の初期位置に調
節する必要はなくても、たとえばもし本体が以前に不当
な動作で回転するような場合本体をハウジングに関して
固定する装置を設けることは有効である。

そのような本体を固定する装置としては、さほどの力は
必要ではないが、ブレーキを用いることができる。すで
に述べたようにもしハウジングが全体として或いは部分
的に変形しておればハウジングへの係合なしで上記の動
作を行なうことができる。いくつかの場合には、操作者
が注意しなくてもハウジングヘ本体を固定することを、
独立に行なえるようにしておくのが望ましい。

この目的のためには、ねじ連結を回転するための回転モ
ーメントを付与することによりねじ連結部に工具をセツ
トしたのちに装置の固定を解放するようにした自動装置
とするのが適している。手動操作の工具を用いることで
、相対的な運動が、工具のハンドルとねじに回転モーメ
ントを伝達する部材との間で生じる制御のために用いら
れる。この装置は、ハウジングに対して本体を規制する
ような固定位置にスプリングにより強制して、上記２つ
の部材を相互に固定する装置として構成できる。回転モ
ーメントを生ずる力がハンドルに加えられたとき、相対
位置はスプリングカに対向するように変わり、本体は解
放される。同種の手段をモータ駆動形の工具にも装備で
きる。走査装置には信号発生器を結合できることはすで
に述べた。

この語句は最も広い意味に解されるべきである。これは
、特定の角度を読み取つた時、音響、光或いは他の信号
を出す場合のみならず、たとえば工具を動作するエンジ
ンを１駆動するエンジン用のスイツチを切つたり、回転
モーメントを伝達するカツプリングを外したりする場合
も含ま．れる。以下にこの発明の好ましい例を縦断面で
示した図面を参照しつつ、本発明を説明する。

図示の工具はレバー１で手動で回転される工具であり、
レバー１は方形体２により、レバーに作用する回転接手
或いはナツトに連結される。

該工具の軸において、方形体２と同心に孔３が設けられ
、この孔３は、透明の合成樹脂でできたハウジング５の
プラグ４を受承している。６は孔３内のプラグ４の安全
機構で、この安全機構はハウジング５が同軸回転できる
とともに工具の軸からハウジング５が不要に抜け出し難
いようにしている。

合成樹脂材にてなるハウジング５は、もし必要なら別の
金属性保護板で囲つてもよいが、これは本発明に特に必
要なものではないので図示していないＯハウジング５は
中空球で構成され、その内部に支持液７を貯留している
。

気泡８は温度が変つた場合の体積の平衡をとるものであ
る。気泡の代りに薄膜で必要な膨張時の平衡を保つよう
にしてもよい。ハウジング５の内部にはフイラメント或
いは線９が方形体２と同心にして伸張されており、この
フイラメント９は、不動体を形成する本体１０の横方向
に中心を維持する作用をしている。

本体１０は球状であり、まさつを低減するために、両測
に拡大する円錐形状の中心孔をそなえている。図示して
はいないが、フイラメント９の中央には小球を設けて、
本体１０の孔１１内での各凹部に関連させて、本体１０
をフイラメントの方向に固定するようにしてもよい。本
体１０と液体７の材質は、もし気泡があればそれも考慮
に入れて、通常の場合には基底部には力が作用しないよ
うにするために、本体の重量が液体の浮力により完全に
補償されるように選定する。

特にどのようなシヨツクであろうとすべてのシヨツクを
基底部から受けないようにすることにより、構造が極め
て簡単になる。本体１０の周囲には角度スケール１２が
示されており、この角度スケール１２はこの実施例では
、マークは水平の両方向に向けて記入され上からでも下
からでも読み取り可能としている。

ハウジング５には、図示していないが、スケール１２と
同座標の少なくとも１つの読取りマークを表示している
。計測に先立つてハウジングはぎざぎざ面を有する調節
ノブ１３により、読出線が上記スケールのゼロ点または
読取りに便利な他のスケール上の点に表示されるように
調整出来る。もしその後この工具が、ねじ連結を回動す
るために、方形体２、部材５，１０の軸のまわりに回転
されると、不動的な本体１０は最初の位置を維持し、そ
のため工具の回転角は、ハウジング上の読出しマークの
スケール１２上の位置から読み取れる。通常回転角は１
２０２以下である。１度或いは２度位の誤差は無視出来
る 実施例における本体１０の基底部は、勿論他の容易な基
底、たとえば点状の基底部や磁気的或いは静電的な基底
部に置換でき、また上記各基底部の組み合わせと同様に
、異なる特有の重さを有する液を用いた基底も用いるこ
とができる。

ハウジング側の読取りマークは、合成樹脂材のハウジン
グ５を囲む金属製のハウジングに、或いはハウジングの
窓に付することもできる。

またハウジング５側にスケールを設け、読取りマークを
本体１０側に設けることもできる。読取りを容易にする
ために数個のマーク、できれば異なる色にしたマークを
本体上に設けることもできる。ハウジングは工具部分１
に必らずしも連結されなくてもよい。もし連結が剛直で
あれば、初期位置を調整するためのスケールに関連して
調整可能な読取りマークに対し別の異なる方法をとるよ
うにするのがよい。ハウジングと本体は図示のごとく球
形ではなく他の形状でもよいがこれらの形状は大きい慣
性モーメントを持つものが望ましい。本例においては、
回転されるねじ山と不動本体とは同軸であると仮定して
いたが、横方向の力はシヨツクなしに本体を包囲してい
る液体から本体へ伝達され、基底部に負荷がかからずま
さつ力も顕著には増加しないので、不動の本体を有する
測定装置はねじ山の回転軸に関して偏心した工具上のど
の点にでも配置できることが本発明の利点である。もし
本体と液体のみならずハウジングの材料も等しい膨張特
性をもつように選定すれば、圧縮可能な手段或いは弾性
的なハウジングの形式で膨張による補償を不要とし得る
。

本体は全側面を液体で包囲することができ、これにより
シヨツクと横方向の力を除去できるという重要な効果が
ある。以下に本発明の実施例の態様を列挙する。（１）
レンチ上に枢支され基準方向を指向するために一定方向
に固定された部材に関しレンチの締付角を測定する測定
装置であつて、一定方向に固定した部材は基底のまさつ
モーメントに関し高い慣性モーメントを有する本体１０
で構成されたことを特徴とするレンチの締付角測定装置
。

（２）本体１０はレンチ１に設けられたハウジング５内
で液７中に実質的に力が作用しないように浮上して支え
られた第１項記載のレンチの締付角測定装置。（３）ハ
ウジング５と本体１０は相互に協働する角測器のスケー
ル１２と読取マークとを有する第１項或いは第２項記載
のレンチの締付角測定装置。

（４）本体上に設けられたマークを自動的に走査する装
置とこの装置により制御される信号発生装置とをそなえ
た第１項或いは第２項記載のレンチの締付角測定装置。

（５）所望の初期角に本体１０を調節する装置或いは走
査する装置をそなえた第４項記載のレンチの締付角測定
装置（６）本体１０は等間隔の一連のマークを表示し、
走査装置或いは信号発生装置はマークにより生ずるイン
パルスを計数するカウンタをそなえた第４項記載のレン
チの締付角測定装置。

（７）ハウジング５に関連して本体１０を特定の初期位
置に固定する装置をそなえた第１項ないし第６項記載の
レンチの締付角測定装置。

（８）本体を固定する装置はレンチのハンドル１とねじ
に回転モーメントに伝達する部材２の間に生ずる相対運
動により自動的に制御される第７項記載のレンチの締付
角測定装置。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示す縦断面図である。 １・・・・・・レバー、２・・・・・・方形体、５・・
・・・・ハウジング、７・・・・・・液（基底部）、１
０・・・・・・本体、１２・・・・・・スケール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基準方向を指向するように枢支手段を介してレンチ
   に枢支された部材に関してレンチの締付角を測定する測
   定装置であつて、上記枢支された部材は枢支部に対する
   まさつモーメントに比して高い慣性モーメントを有する
   本体１０で構成されたことを特徴とするレンチの締付角
   測定装置。 ２ 本体１０はレンチ１に設けられたハウジング５内で
   液７中に実質的に力が作用しないように浮上して支えら
   れた特許請求の範囲第１項記載のレンチの締付角測定装
   置。 ３ ハウジング５と本体１０は相互に協働する角測器の
   スケール１２と読取マークとを有する特許請求の範囲第
   １項或いは第２項記載のレンチの締付角測定装置。 ４ 測定装置は本体上に設けられたマークを自動的に走
   査する装置とこの装置により制御される信号発生装置と
   をそなえた特許請求の範囲第１項或いは第２項記載のレ
   ンチの締付角測定装置。 ５ 測定装置は所望の初期角に本体１０を調節する装置
   或いは走査する装置をそなえた特許請求の範囲第４項記
   載のレンチの締付角測定装置。 ６ 本体１０は等間隔の一連のマークを表示し、走査装
   置或いは信号発生装置はマークにより生ずるインパルス
   を計数するカウンタをそなえた特許請求の範囲第４項記
   載のレンチの締付角測定装置。 ７ ハウジング５に関連して本体１０を特定の初期位置
   に固定する装置をそなえた特許請求の範囲第１項ないし
   第６項記載のレンチの締付角測定装置。 ８ 本体を固定する装置はレンチのハンドル１とねじに
   回転モーメントを伝達する部材２の間に生する相対運動
   により自動的に制御される特許請求の範囲第７項記載の
   レンチの締付角測定装置。