JPS5912090B2 - 塩化ビニル酢酸ビニル共重合液から塩化ビニルを回収する方法 - Google Patents

塩化ビニル酢酸ビニル共重合液から塩化ビニルを回収する方法

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JPS5912090B2
JPS5912090B2 JP4878278A JP4878278A JPS5912090B2 JP S5912090 B2 JPS5912090 B2 JP S5912090B2 JP 4878278 A JP4878278 A JP 4878278A JP 4878278 A JP4878278 A JP 4878278A JP S5912090 B2 JPS5912090 B2 JP S5912090B2
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vinyl chloride
vinyl acetate
vinyl
activated carbon
chloride
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宏 岡田
秀行 板垣
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、塩化ビニルと酢酸ビニルとの水性懸濁共重合
、もしくは乳化共重合において、共重合反応終了後の未
反応塩化ビニルの回収方法に係わる。
塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーは優秀な加工性を有
するレジンであり、硬質、軟質を問わず多方面にわたつ
て賞用されている。
塩化ビニル・5 酢酸ビニルコポリマーの製造法は大き
く分類して懸濁重合法、乳化重合法が圧倒的に多く採用
されている。懸濁重合法、乳化重合法いずれの場合も、
ある一定の転化率、一般には80〜95%の重合転化率
に達した段階で、重合反応を停止し、未反10応の塩化
ビニルを回収する。未反応塩化ビニルの回収は、重合反
応を終了した重合槽で引き続き行なうか、あるいは、別
個に設けられた排出槽に塩化ビニル・酢酸ビニルコポリ
マー懸濁液(以下スラリーと称す)もしくは塩化ビニル
・酢酸ビニル15コポリマー乳濁液(以下ラテックスと
称す)を排出後、そこで行なうかの二法が通常採用され
ているが、最終的には未反応塩化ビニルの回収は系を減
圧脱気することによつて実施されている。しかし、最終
的にこの減圧脱気法をとつても、スラリクo−中もしく
はラテックス中に残存する未反応塩化ビニルを、あるレ
ベル以下に除去することはけつして容易ではない。スラ
リー中もしくはラテックス中の未反応塩化ビニルを除去
回収するために数多くの提案がなされてきた。特開昭5
1−■528890号は、重合反応終了後のスラリーに
窒素または空気を吹き込むことにより、該スラリー中に
残存する未反応塩化ビニルを効果的に除去する方法を提
供しており、特開昭51−53588号は、上記のよう
にして除去された塩化ビニルを30活性炭吸着法により
回収する方法を開示している。
特開昭52−91809号は、重合反応終了後のラテッ
クスに窒素または空気を吹き込むことにより、該ラテッ
クス中に残存する未反応塩化ビニルを除去し、除去され
た塩化ビニルを活性炭吸着法35により回収する方法を
提供している。さらに、特開昭52−147689号は
、重合反応終了後のスラリーもしくはラテックスを充填
塔もしくは段塔を用いて、不活性ガスと向流接触させな
がら、該スラリーまたはラテツクスから未反応塩化ビニ
ルを連続的に除去する方法を開示している。すなわち、
重合反応終了後のスラリーもしくはラテツクスを不活性
ガスで処理することにより、該スラリーもしくはラテツ
クス中に残存する未反応塩化ビニルを除去し、除去され
た塩化ビニルを活性炭吸着法により回収する方法が工業
的にきわめてすぐれていることが示されている。しかし
、本発明者らは、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合ス
ラリーもしくはラテツクスを上記方法で処理して塩化ビ
ニルを回収する場合吸着装置に充填された活性炭の吸着
能が、吸着装置の繰り返し使用により急激に低下する不
都合に遭遇する事実を発見した。すなわち、塩化ビニル
単独の重合スラリーもしくはラテツクスを上記方法で処
理して塩化ビニルを回収する場合に屯活性炭吸着装置の
吸着/脱着サイクルを1000回以上実施しても活性炭
の吸着能はほとんど低下しないが、塩化ビニルと酢酸ビ
ニルとの共重合スラリーもしくはラテツクスを同じ方法
で処理して塩化ビニルを回収する場合には、活性炭吸着
装置の吸着/脱着サイクルを10回程度実施するだけで
活性炭の吸着能は元の%以下に低下してしまう。本発明
者らは、上記の活性炭の吸着能の低下の原因を詳細に検
討した結果、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合スラリ
ーもしくはラテツクスから未反応塩化ビニルを除去する
ために該スラリーもしくはラテツクスを不活性ガスで処
理する際に、活性炭吸着装置に導入される廃ガス中に未
反応酢酸ビニルが多量含まれ、この酢酸ビニルが活性炭
に吸着され、さらに活性炭の細孔内で重合するために活
性炭の有効表面積が急激に低下するのが主原因であるこ
とを発見した。
酢酸ビニルは活性炭に吸着され易いため逆に脱着に長時
間を要するばかりでなく、吸着された酢酸ビニルは活性
炭の細孔内で吸着時もしくは脱着時に重合変質すること
がわかつた。このようにして、活性炭の細孔内で酢酸ビ
ニルが重合・変質してしまうと、常法である過熱水蒸気
を通して吸着物を脱着する方法では活性炭を賦活するこ
と不可能である。従つて塩化ビニルと酢酸ビニルとの共
重合スラリーもしくはラテツクスの場合は、活性炭吸着
装置の吸着/脱着サイクルを10回程度行なうだけで活
性炭の吸着能は元の%以下に低下してしまい、この方法
を工業的に実施するには無理があつた。本発明者らは、
酢酸ビニルを含有する塩化ビニル廃ガスの処理方法を鋭
意検討した結果、ついに本発明に到達した。
すなわち、塩化ビニルと酢酸ビニルを含有する廃ガスを
苛性アルカリ水溶液で処理すれば、酢酸ビニルのみが選
択的に分解されて塩化ビニルを分離することができ、こ
の分離された塩化ビニルを活性炭吸着装置に導入するな
らば、前記した活性炭吸着能の低下という不都合を回避
しながら塩化ビニルを回収できることを発見した。すな
わち、本発明は、重合反応終了後の塩化ビニルと酢酸ビ
ニルとの共重合スラリーもしくはラテツクスを不活性ガ
スで処理することにより、該スラリーもしくはラテツク
ス中に残存する未反応塩化ビニルを除去し、除去された
塩化ビニルと酢酸ビニルを含有する廃ガスを苛性アルカ
リ水溶液で処理することによつて酢酸ビニルを除去し、
分離された塩化ビニルを活性炭吸着法によつて回収する
プロセスによつて構成される。
苛性アルカリとしては工業的には苛性ソーダを使用する
のが好ましい。本発明においては、塩化ビニルと酢酸ビ
ニルとの共重合スラリーもしくはラテツクスを不活性ガ
スで処理することにより、該スラリーもしくはラテツク
ス中に残存する未反応塩化ビニルを除去する方法は、す
でに公知の特開昭51−28890号もしくは特開昭5
2−91809号記載の回分式方法によつてもよく、あ
るいは特開昭52147689号記載の連続式方法によ
つてもよく、とくにその方法に限定はない。
回分式の場合は、減圧脱気法によつて大部分の未反応塩
化ビニルを回収したスラリーもしくはラテツクスに、5
0℃以上の温度で、対レジン1トン当り0.2〜5m3
/分の不活性ガスを1〜4時間吹き込めばよい。
連続式の場合は、減圧脱気法によつて大部分の未反応塩
化ビニルを回収したスラリーもしくはラテツクスを、7
5〜95℃の温度範囲で、充填塔もしくは段塔を用いて
不活性ガスと向流接触せしめる。不活性ガスの流量は、
供給スラリーもしくはラテツクスに対し1〜100倍量
でよく、滞留時間は30分以内である。本発明において
不活性ガスとは窒素または空気を意味する。
このようにして、スラリーもしくはラテツクスを不活性
ガスで処理することにより、未反応塩化ビニルが除去さ
れる。
この時未反応酢酸ビニルも廃ガス中に同伴される。本発
明においては、廃ガス中に同伴された酢酸ビニルを苛性
アルカリ水溶液で処理することによつて分解する。これ
には、ラシヒリング、ベルルサドル等適当な充填物を充
填した充填塔を用いるのが適当である。苛性ソーダ水溶
液で処理する場合、酢酸ビニルは苛性ソーダにより鹸化
され酢酸ソーダとビニルアルコールになると考えられる
が、実際にはさらに複雑な反応が起り、一部樹脂化した
生成物もえられる。
いずれにしても、酢酸ビニルは苛性ソーダと反応して廃
ガス中から除去される。苛性ソーダ水溶液の濃度は1〜
10重量%の範囲でよく、苛性ソーダは消費されるので
塔液は塔底から塔頂へポンプ循環しながら、消費される
苛性ソーダに見合う量だけ新鮮な苛性ソーダ水溶液を塔
頂に連続的に補給し、塔底からは塔頂に補給された苛性
ソーダ水溶液に見合う量だけ一部連続的に抜き出される
。本発明において、塔の所要塔高は、あらかじめ予備実
験を行なつて求めた物質収支に着目した実験式から計算
できる。
酢酸ビニルの除去効果は、廃ガスと苛性ソーダ水溶液の
流量比に依存するが、おXよその数値として処理後濃度
/原ガス濃度一1×10−5以下を目標とした場合、充
填塔の所要塔高は20m以内にすることができる。廃ガ
スの流量は、ガス空塔質量速度が1000〜5000k
g/TI.hrの範囲が適当である。苛性ソーダ水溶液
の流量は、液空塔質量速度が10000〜50000k
9/m゛.Hrの範囲が適当である。酢酸ビニルと苛性
ソーダの反応は、一般に吸収塔で行われているような、
たとえば、アンモニアを硫酸で吸収させるような反応ほ
ど迅速ではない。従つて、本発明においては、ある高さ
まで塔に苛性ソーダ水溶液を満たし、塔の下部ではガス
分散型とした方が酢酸ビニルの除去効果を上げることが
できる。活性炭吸着装置の活性炭の吸着能が繰返し使用
により実質的に低下しないようにするためには、廃ガス
中の酢酸ビニルの濃度は1ppm以下であることが望ま
しい。
苛性ソーダ水溶液で処理する前の廃ガス中の酢酸ビニル
の濃度は、共重合組成、共重合条件、不活性ガスによる
処理条件によつて大きく変るが、本発明の方法によるな
らば、たとえ原ガス濃度が100000ppmあつても
処理後の濃度を1ppm以下にすることが可能である。
尚、本発明を実施するにあたり、循環苛性ソーダ水溶液
は熱交換器を通して冷却し、その温度が40℃以上にな
らぬようにするのが好ましい。このようにして酢酸ビニ
ルを除去した廃ガスは活性炭吸着装置に導かれる。活性
炭吸着装置は固定床式または流動床式、一槽式または多
槽直列もしくは並列式等好みの方式が採用できる。廃ガ
スの連続処理が可能になるように吸着/脱着のサイクル
切換えのため少なくとも二系列設置することが望ましい
。充填すべき活性炭の量は、採用した活性炭の吸着能で
決定されるが、これは廃ガス中の塩化ビニル濃度、廃ガ
ス温度、廃ガス量等定められるので、本装置を設計する
前にあらかじめ実験により吸着能を求めておくことが必
要である。本発明を適用する実際の工業的条件において
、吸着能は活性炭重量当り15%以下である。そして吸
着能と吸着/脱着のサイクル時間により充填量が計算で
きる。廃ガスを通過させることにより塩化ビニルの吸着
が進行した活性炭充填槽は飽和に達する前一すなわち破
過点前で廃ガスの供給が別の活性炭充填槽に切換えられ
る。
吸着槽の切換えを頻繁に行うならば、活性炭充填量は少
なくてすみ、充填量を多くすれば切換頻度は小さくでき
る。一般的に云つて切換えは2〜24時間おきになるよ
う設計するのが適当である。吸着が終了した活性炭は次
に塩化ビニルの脱着回収が行われる。この脱着には常法
の過熱水蒸気による方法が有利である。塩化ビニルは比
較的脱着しやすいので130〜180℃の過熱水蒸気で
よい。過熱水蒸気を活性炭充填槽に吹き込めば、吸着さ
れた塩化ビニルが直ちに脱着されて、でてくるので、こ
れを捕集する。捕集された粗塩化ビニルは常法により液
化・精製すれば再使用できる。過熱水蒸気による脱着は
、吸着された塩化ビニルを99%が脱着された時点をも
つて終点とするが、これは過熱水蒸気の吹き込み量によ
り知ることができるし、また充填槽から排出されるガス
の塩化ビニル濃度を監視しておくことによつても知るこ
とができる。脱着の終了した活性炭は乾燥・冷却されて
次の吸着操作に備えられる。活性炭の吸着操作と脱着操
作は時間的バランスが保たれるよう運転されねばならな
い。すなわち、たとえば活性炭充填槽を二系列とした場
合、第1系列で吸着が行われている場合は第2系列で脱
着が実施されているが、第2系列での脱着は第1系列の
吸着が破過点に達する以前にすべての操作を終了し切換
え準備を完了しておかなければならない。本発明におい
て、活性炭吸着装置に導かれる廃ガス中の酢酸ビニルが
1ppm以下になつているので、吸着/脱着サイクルを
1000回以上実施しても活性炭の吸着能はほとんど低
下しない。従来までの技術をもつてしては、塩化ビニル
ど酢酸ビニルとの共重合スラリーもしくはラテツクスを
不活性ガスで処理して活性炭吸着法によつて塩化ビニル
を回収することは実質的に不可能であつたので、本発明
の斯界における工業的意義はきわめて大きいといわねば
ならない。本発明の方法は、塩化ビニルと酢酸ビニルと
の共重合において懸濁重合法もしくは乳化重合法のカテ
ゴリーに入る重合法ならば、すべてに適用することがで
き、分散剤・乳化剤の種類、触媒の種類、他の有用なる
添加剤の存在等を問わない。
次に本発明の実施態様の一例を図面を用℃・て説明する
。第1図は本発明に基づく装置系統図である。
重合機から排出された塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重
合スラリーもしくはラテツクスは排出槽に移され、ここ
で大部分の未反応塩化ビニルが回収された後充填塔(も
しくは段塔)に送られる。スラリーもしくはラテツクス
は塔頂力cら連続的に供給され、塔底から吹き込まれた
窒素と接触しながら下降する。塔底からは蒸気も同時に
吸き込まれる。塩化ビニルと酢酸ビニルを含有する廃ガ
スは次の苛性ソーダ処理塔の塔底に供給され、ここで塔
頂から下降してくる苛性ソーダ水溶液と接触しながら酢
酸ビニルが除去される。苛性ソーダ水溶液は熱交換器を
通して冷却され、塔頂から苛性ソーダが補給され、塔底
から一部抜き出される。酢酸ビニルが除去された廃ガス
は、熱交換器で冷却され、第1活性炭充填槽へ送られ塩
化ビニルの吸着が行われ、第2活性炭充填槽では水蒸気
による脱着を行う。第1と第2活性炭充填槽は交互切換
えして使用される。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施態様の一例を説明するための図面
である。 1・・・・・・重合機、2・・・・・・排出槽、3・・
・・・・送風機、4・・・・・・送風ポンプ、5・・・
・・・窒素導入管、6・・・・・・蒸気導入管、7・・
・・・・充填塔(もしくは段塔)、8・..・・・スラ
リー(もしくはラテツクス)取出し管、9・・・・・・
送風機、10・・・・・・苛性ソーダ処理塔、11・・
・・・・廃苛性ソーダ抜き出し管、12・・・・・・苛
性水溶液循環ポンプ、13・・・・・・熱交換器、14
・・・・・・新鮮苛性ソーダ導入管、15・・・・・・
熱交換器、16・・・・・・第1活性炭充填槽、17・
・・・・・大気放出管、18・・・・・・第2活性炭充
填槽、19・・・・・・蒸気導入管、20・・・・・・
脱着CM取出し管、21・・・・・・回収塩化ビニル導
管。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重合反応終了後の塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマ
    ー懸濁液、もしくは塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー
    乳濁液を不活性ガスで処理することにより、該共重合液
    から未反応塩化ビニルおよび酢酸ビニルを除去し、除去
    された塩化ビニルと酢酸ビニルを含有する廃ガスを苛性
    アルカリ水溶液で処理することによつて酢酸ビニルを除
    去し、分離された塩化ビニルを活性炭吸着法により回収
    する方法。 2 塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー共重合液を不活
    性ガスで処理する方法が回分式である特許請求の範囲第
    1項記載の方法。 3 塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー共重合液を不活
    性ガスで処理する方法が、充填塔もしくは段塔を用いる
    連続式である特許請求の範囲第1項記載の方法。
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