JPS5911600B2 - 3−アジド−1,6−アンヒドロ−3−デオキシ−2,4−ジ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノ−ス及びその製造法 - Google Patents

3−アジド−1,6−アンヒドロ−3−デオキシ−2,4−ジ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノ−ス及びその製造法

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JPS5911600B2
JPS5911600B2 JP6598281A JP6598281A JPS5911600B2 JP S5911600 B2 JPS5911600 B2 JP S5911600B2 JP 6598281 A JP6598281 A JP 6598281A JP 6598281 A JP6598281 A JP 6598281A JP S5911600 B2 JPS5911600 B2 JP S5911600B2
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弘美 葛原
洋 大類
啓 松崎
敏之 瓜生
研一 畑中
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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【発明の詳細な説明】 本発明は、構造式: (但し、式中、Bnはベンジル基を示す。
)で表わされる新規な3−アジド−1・6−アンヒトロ
ー3−デオキシ2・4−ジ一0−ベンジル−β−D−グ
ルコピラノース及びその製造法に関するものである。α
−1・6一結合したグルコースのポリマーには、微生物
、例えばロイコノストツク・メツセンテロイデス(Le
ucOnlOstOcmesenterOideB)に
よつて生産されるデキストランがある。
デキストランは、それ自身血漿増量剤として有用である
が、その硫酸エステル(デキストラン硫酸)は、脂血清
澄作用を有し、血中のコレステロール、トリグリセリド
を低下させる。又抗ヒアルロニダーゼ作用及び繊維素溶
解作用も有しており、高脂血症や動脈硬化症の治療に有
効な薬剤として知られている。R=H:デキストラン R=SO3Na:デキストラン硫酸 一方、動物組織中に存在するムコ多糖類のヘパリンは、
強い血液凝固抑制作用、脂血清澄作用など広範な生理作
用を有しており、その分子中に、硫酸化されたアミノ糖
、例えば、下記の如きユニツトを有することが特徴的で
ある。
X=HまたはSO3− そこで、デキストランの如くα゛−1・6結合した糖鎖
を有し、しかもその分子中にヘパリンの如きアミノ基を
含む多糖及びその硫酸化物を合成できれば、種々の生理
的機能が期待できる。
しかしながら、遊離のアミノ基を有する多糖は、天然に
は産出しておらず、又アミノ糖単糖の重合による多糖の
人工的合成に関する報告は現在まで存在しない。
そこで、本発明者らは、上記の主旨に鑑み、鋭意研究を
行つた結果、α−1・6結合した糖鎖を有し、その分子
中に、ヘパリンの如きアミノ基を含む多糖を合成する過
程において、その原料となる化合物モノマーとして有用
な3−アジド−1・6−アンヒトロー3−デオキシ−2
・4−ジ一0−ベンジル−β−D−グルコピラノースを
合成することに成功し、本発明を完成するに至つたもの
である。
かくして得られた本発明の新規なアジド糖は、例えばル
イス酸触媒存在下開環重合すると高収率で相当するアジ
ド糖ポリマー〔1〕が得られ、これをバーチ還元(液体
アンモニア一金属ナトリウム)すると高収率でアミノ糖
ポリマー()が得られる。
アミノ糖ポリマー()は、これを更に硫酸化することに
よつて血液凝固抑制作用、脂血1清澄作用が期待できる
硫酸化アミノ多糖に導くことができる。以下に、本発明
を詳述する。
まず、本発明方法の工程を示せば、次の如くである。
(但し、式中、Bzは、ベンゾイル基、Bnは、ベンジ
ル基、Msは、メタンスルホニル基を示す。
本発明の出発化合物(2)&亀β−D−グルコピラノー
スより誘導される1・6−アンヒトローβ−D−グルコ
ビラノース(1)を、ベンゾイルクロライドで処理する
ことにより、容易に得ることができる〔M.Cerwe
talCOllectiOnCzechOslOvlC
hem.COmmun.Ol.26、2542(196
1)参照〕。化合物(2)を、メタンスルホニル化して
、3−0−メシル体(3)を得るが、この反応は、メタ
ンスルホニルクロリドを加えて、ピリジン等の溶媒中で
行う。
この反応は、氷冷下で行うのが好ましい。次に、得られ
た3−0−メシル体(3)を、アルカリ金属アルコラー
ド、例えばNaOCH,、NaOC,H5、KOCH3
、KOC2H5などで処理して、エポキシ体(4−a)
及び(4−b)の混合物を得る。溶媒としては、クロロ
ホルム−メタノール混合物、ジクロルメタン−メタノー
ル混合物等が適当であり、反応温度、反応時間は、それ
ぞれ、約5〜30℃、約10〜20時間が適当である。
上記混合物は、分離せずに次の反応に用いられる。次に
、化合物(4−a)及び(4−b)の混合物を、ペンジ
ル化して、化合物(5−a)及び(5−b)の混合物を
得るが、ベンジル化剤としては、塩化ベンジル、臭化ベ
ンジル等のハロゲン化ベンジルを用いるのが好ましい。
溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア
ミド、ジメトキシエタン等が適当である。又、この反応
は、水素化アルカリ金属、たとえば、水素化ナトリウム
の存在下で行うことが好ましい。反応温度、反応時間は
、それぞれ約0〜20℃、約4〜10時間が適当である
上記混合物は、分離せずに次の反応に用いられる。次に
、化合物(5−a)及び(5−b)の混合物をアジド化
して、化合物(6−a)及び(6−b)の混合物を得る
が、アジド化剤としては、アジ化ナトリウム、アジ化カ
リウム、アジ化リチウム等のアジドのアルカリ金属塩を
塩化アンモニウムとともに用いるのが好ましい。
溶媒としては、エタノール、メチルセロソルブ等が適当
であり、反応温度、反応時間は、それぞれ、約80〜1
00℃、約24〜60時間が適当である。上記混合物は
、分離せずに次の反応に用いられる。次に、化合物(6
−a)及び(6−b)の混合物をベンジル化剤で処理す
ると、目的化合物(7)が、単一化合物として得られる
。この工程は、前記(4−a)、(4−b)の混合物か
ら、(5−a)、(5−b)の混合物を得る工程と同様
に行えばよい。以下に、本発明を実施例により詳述する
なお、実施例中で得られる化合物の内、(3).(5−
b)、(6−b)、(7)は、いずれも新規化合物であ
る。
実施例 1 化合物(2)21?を乾燥ピリジン500T1Ltに溶
解し、氷冷する。
攪拌しながらメタンスルホニルクロリド19Vを滴下し
、徐々に室温にもどす。3時間後、反応混合物を大量の
氷水中にあげ攪拌すると、化合物(3)の粗結晶が析出
する。
P別、水洗、乾燥後、メタノールから再結晶すると白色
結晶17V(収率68%)を得る。〔化合物(3)の物
理的性質〕 M.p.:164−5℃ 比旋光度:C!i)賃−24〕(CO.97、クロロホ
ルム)IR(KBr)Cm−1:1180、13601
1700〜1725元素分析:C,lH2OO9Sとし
て 計算値 Cl56.25:Hl4.5OlSl7.l5
% 実測値 Cl56.23;Hl4.49;Sl7.l8
% 実施例 2 化合物(3)10?をクロロホルム50m′にとかし氷
冷する。
これに、金属ナトリウム47をメタノール60m2に溶
解して調製したナトリウムメトキシド溶液を、攪拌しつ
つ滴下する。混合物を室温に一晩放置後、5%塩酸で中
和し、減圧濃縮乾固する。残渣を20m2アセトンで5
回抽出し、抽出液を減圧濃縮すると油状物を得る。シリ
カゲルのカラムクロマトグラフイ(展開溶媒クロロホル
ム−メタノール、100:1v/v)で精製すると化合
物(4−a)と(4−b)の混合物3.17(収率97
%)を得る。〔化合物(4−a)と(4−b)の混合物
の物理的性質〕IR(フイルム)Cm−1 :3400 実施例 3 化合物(4−a)と(4−b)の混合物6.7?を、乾
燥したテトラヒドロフラン300m1に溶かし、氷冷下
水素化ナトリウム(純度60%)を、2.8?加えて3
0分間攪拌する。
次に、臭化ベンジル16?を加丸室温で4時間反応させ
る。冷した飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、30分
攪拌後、200111のエーテルで3回抽出する。抽出
液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、生じ
た油状物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフ(展開
溶媒ベンゼン一酢酸エチル20:1v/v)で精製する
と、油状の化合物(5−a)と(5−b)の混合物が1
0f/(収率86%)得られる。
〔化合物(5−a)と(5−b)の混合物の物理的性質
〕IR(フイルム)CfL−1 :(水酸基)1600
、1500実施例 4 化合物(5−a)と(5−b)の混合物10?を、エタ
ノール2001111と飽和塩化アンモニウム水50d
の混合溶媒に溶かし、アジ化ナトリウム17.57を加
えて攪拌しつつ60時間加熱還流する。
冷却後、蒸溜水500dを加え、エタノールを減圧下除
去し、残つた水溶液をクロロホルムで抽出する。抽出液
を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮すると油状
物を得る。シリカゲルのカラムクロマトグラフ(展開溶
媒、ベンゼン−エーテル20:1v/v)で精製すると
、化合物(6−a)と(6−b)の混合物9.6?(収
率81%)を得る。〔化合物(6−a)と(6−b)の
混合物の物理的性質〕IR(フイルム)ClrL−1
:215013200〜3400実施例 5 化合物(6−a)と(6−b)の混合物9.3?を乾燥
テトラヒドロフラン180dに溶かし、氷冷する。
水素化ナトリウム(純度60%)1.9?を加え30分
攪拌後、臭化ベンジル11.5rを加える。室温で3時
間攪拌後、氷冷した飽和塩化アンモニウム水溶液500
m1を加え、さらに30分攪拌する。この混合溶液をエ
ーテルで抽出し、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧濃縮すると油状物を得る。シリカゲルのクロマ
トグラフ(展開溶媒、ヘキサン−酢酸エチル5:1v/
v)で精製すると油状の化合物(7)8′(収率68%
)を得る。これは放置しておくと結晶化し、シクロヘキ
サンから再結晶が可能である。〔化合物(7)の物理的
性質〕 M.p.:51.5〜52.0℃ 比旋光度:0付−155(C=1、クロロホルム)1.
R.(KBr)CfL−1 :210011600,1
500 元素分析:C2OH2lO4N,として 計算値 Cl65.38;Hl5.76;Nlll.4
4 実測値 Cl64.98;Hl5.74:Nlll.3

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 構造式: ▲数式、化学式、表等があります▼ (但し、式中、Bnはベンジル基を表わす。 )で表わされる3−アジド−1・6−アンヒドロ−3−
    デオキシ−2・4−ジ−O−ベンジル−β−D−グルコ
    ピラノース。2 構造式: ▲数式、化学式、表等があります▼ (但し、式中、Bzはベンゾイル基を示す。 )で表わされる化合物をメタンスルホニル化して、構造
    式:▲数式、化学式、表等があります▼ (但し、式中、Msはメタンスルホニル基を示し、Bz
    は前記に同じ。 )で表わされる化合物を得、該化合物をアルカリ金属ア
    ルコラートで処理して、構造式: ▲数式、化学式、表等があります▼ 及び ▲数式、化学式、表等があります▼ で表わされる化合物の混合物を得、該混合物をハロゲン
    化ベンジルで処理して、構造式:▲数式、化学式、表等
    があります▼ (但し、式中、Bnはベンジル基を示す。 )で表わされる化合物の混合物を得、該混合物をアジド
    のアルカリ金属塩で処理して、構造式:▲数式、化学式
    、表等があります▼及び ▲数式、化学式、表等があります▼ (但し、式中、Bnは前記に同じ。 )で表わされる化合物の混合物を得、該混合物をハロゲ
    ン化ベンジルで処理して、構造式:▲数式、化学式、表
    等があります▼ (但し、式中、Bnは前記に同じ。 )で表わされる化合物を得ることを特徴とする3−アジ
    ド−1・6−アンヒドロ−3−デオキシ−2・4−ジ−
    O−ベンジル−β−D−グルコピラノースの製造法。
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