JPS5910287Y2 - 両開き扉用マグネツト錠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は両開き扉用マグネット錠に関する。

両開き扉用マグネット錠では、固定側に備えられる本体
内にロック体が横方向に移動自在に備えられて、該ロッ
ク体の一端に、本体側方側に突出し且つ一方の扉側に備
えられた係合体の接当によりロック体を他端側の側方に
移動させるカム部が形或され、また、ロック体の他端に
、ロック体の上記移動により本体側方側に突出して閉鎖
位置にある他方の扉側の係合体を係脱自在に係止するロ
ック部が形威されると共に、本体に、ロック体をカム部
側の側方に付勢する弾機や係合体を磁気吸着する吸着片
が備えられている。

ところで、従来においては、カム部に接当する係合体の
係合部は剛強に形或されており、保合部とカム部の接当
によって、ロック体には大きな衝撃力が作用するためロ
ック体の移動は必ずしもスムーズなものではないと言う
問題があり、特に、本体及び係合体の取付誤差が大であ
るときに上記問題点が顕著化していたのが実情である。

本考案は上記実情に鑑みて考案されたものであって、そ
の特徴とする処は、固定側に備えられる本体内にロック
体を横方向に移動自在に備えて、該ロック体の一端に、
本体側方側に突出し且つ一方の扉側に備えられた係合体
の接当によりロック体を他端側の側方に移動させるカム
部を形或し、また、ロック体の他端に、ロック体の上記
移動により本体側方側に突出して閉鎖位置にある他方の
扉側の係合体を係脱自在に係止するロック部を形或する
と共に、本体に、ロック体をカム部側の側方に付勢する
弾機と、本体前面各側から前方に突出して各係合体と磁
気吸着する吸着片とを備えた両開き扉用マグネット錠に
おいて、係合体を、吸着片に吸着される被吸着部と、被
吸着部の外側端から直交状に前方に突設された突設部と
から或る略Ｌ形状とし、突設部の先端部を、内側で彎曲
状に折返されて外周面側でカム部を作動させ且つ先端が
ロック部により係止される弾性変形可能な係合部とした
点にある。

以下、本考案の一実施例を図面に基き説明すれば、１は
非磁性材料から戒る中空状本体で、洋ダンスの収納部等
の上部側内面又は底部側内面に着腹自在に取付けられる
もので（図例では底部側内面に取付けた一例を示す）、
下方に開口２する横長の中空直方体形状のケース部３と
、ケース部３の下端両側から側方に突設され且つボルト
孔４，５を有する左右一対の取付座６とから或る。

７はケース部３内に着脱自在に備えられる区画体で、非
磁性材料から或るものであって、ケース部３内を上下に
区画する水平区画部８を有し、該区画部８はケース部３
天壁と小隙を介して対向している。

水平区画部８の上面前部側の両側には、ケース部３天壁
と接当する前後一対宛のガイド部９，１０が左右対称に
立設されており、前側ガイド部９は後側ガイド部１０よ
りも長くされてケース部３前壁に接当状とされている。

また、水平区画部８の上面後部側の横方向中央部からは
、弾機捲周軸１１が、又、その両側からは左右一対の弾
機係止軸１２が上方に突設されてケース部３天壁に接当
している。

更に、水平区画部８下面の幅方向中央部からは、ケース
部３内の下部域を左右に区画する垂直区画部１３が下設
されている。

１４はケース部３の開口２を閉塞する蓋板で、本体１に
内有状とされて、取付座６及び垂直区画部１３に螺子１
５により着脱自在に取付けられている。

１６は横長状のロック体で、ケース部３内における水平
区画部８上の前後ガイド部９，１０間に横方向に摺動自
在に備えられ、その両端部がケース部３両側壁の開口１
７から外部に対して出没自在とされている。

ロック体１６の一端部（図例では右端部）は、外側斜め
前方側に彎曲突状に切落されてカム部１８とされ、又、
ロック体６の他端部は矩形状のロック部１９とされてい
る。

又、ロック体１６前面の横方向中央部には、左右の前側
ガイド部９間に突出するストツパ部２０が形或され、該
ス１・ツパ部２０と前側ガイド部９との接当によりカム
部１８の外側方への突出量が規制される。

２１はつるまきバネにて示すロック体付勢用弾機で、弾
機捲周軸１１に捲周されて、一端部が弾機係止軸１２に
係止され、他端部が、ロック体１６後面の幅方向中央部
の凹部２２内に係止されて、ロック体１６がカム部側の
側方、即ち、右側方に付勢されており、左右の各扉２３
を開放した状態では、第５図の実線で示すように、カム
部１８が開口１７から外側方に所定量突出し、また、ロ
ック部１９はケース部３内に没入している。

ケース部３内の水平区画部８下方側の下部域における垂
直区画部１３で区画された各空間には、直方体形状の磁
石２４を上下一対の板状吸着片２５で挾んだものが夫々
配設されている、吸着片２５はケース部３前面の開口２
６から進退自在に前方に突出するものであって、磁性材
料から成り、その横方向長さは、ケース部３の横方向長
さの半分より若干小さ目とされている。

２７は板バネにて示す吸着片付勢用弾機で、ケース部３
内の下部域の左右において、磁石２４及び上下一対の吸
着片２５と、ケース部３の後壁間に夫々弾発状に介装さ
れ、これにより、吸着片２５がケース部３の開口２６か
ら前方に突出状とされると共に、磁石２４のガタつきが
防止されている。

２８は左右の各扉２３に備えられる一対の係合体で、本
体１に対応して、扉２３の内側端部内面の下端部又は上
端部に取付けられる。

（図例では係合体２８は扉２３の下端部に取付けられて
いる。

）保合体２８は、磁性材料から或り、扉２３に取付けら
れる被吸着部２９と、被吸着部２９の外側端上部側から
前方に直交状に突設された突設部３０とから戊る平面視
略Ｌ形状とされている。

被吸着部２９は横長矩形板状とされ、その高さ方向中央
部にボルト孔３１が形或されると共に、扉２３の閉鎖位
置で被吸着部２９の上・下部がケース部３左右各側の上
下一対の吸着片２５により磁気吸着される。

突設部３０は扉２３の閉鎖位置でケース部３側方側に位
置するものであって、その先端部が内側で彎曲状に折返
されて弾性変形可能な保合部２３とされ、右側扉２３の
係合体２８の係合部３２外周面が扉２３の閉鎖時にロッ
ク体１６のロック部１９に接当してロック体１６を移動
させ、これにより、閉鎖位置にある左側扉２３の係合体
２８の係合部３２先端がロック体１６のロック部１９に
より係止される。

なお、扉２３の閉鎖時には保合部３２内側部側がケース
部３側壁に接当する。

上記のように構或した実施例によれば、左右の両扉２３
を閉じる際には、第５図に示すように、まず、左側扉２
３を閉じるのであり、これにより、左側扉２３の係合体
２８の係合部３２がケース部３左側壁上を摺動し、その
突設部３０がケース部３左側方に位置する。

また、ケース部３左側の上下一対の吸着片２５は上記係
合体２８の被吸着部２９による押圧により後退すると共
に、被吸着部２９の上下部を磁気吸着する。

この状態で、次に、右側扉２３を閉じるのであり、この
閉鎖途中においてミ右側扉２３の係合体２８の係合部３
２外周面がロック体１６のロック部１９に接当してロッ
ク体１６を左側方へ移動させ、カム部１８をケース部３
内に没入させると共に、係合部３２はケース部３右側壁
上を摺動し、右側扉２３の係合体２８の突設部３０はケ
ース部３の右側方に位置するのであるが、上記保合部３
２とロック部１９との接当時には、保合部３２は弾性変
形してその接当時の衝撃力を緩和吸収するので、ロック
体１６は大きな衝撃力を受けることなくスムーズに良好
に移動して、そのロック部１９がケース部３の開口１７
から左側方に突出して左側扉２３の係合体２８の係合部
３２先端をその前方側で係止して左側扉２３を閉鎖位置
でロック状態とする。

また、上記の場合には、ケース部３右側の上下一対の吸
着片２５は右側扉２３の係合体２８の被吸着部２９によ
る押圧により後退すると共に、該被吸着部２９の上下部
を磁気吸着するのであり、これと、上記右側扉２３の係
合体２８の係合部３２にロック体１６のカム部１８が圧
接していることから、右側扉２３も閉鎖位置で固定状態
とされ、左右の両扉２３は第１図乃至第４図に示すよう
に閉鎖位置に固定される。

なお、上記の場合において、本体１及び左右の係合体２
８の取付誤差が比較的大であっても、この取付誤差は係
合部３２の弾性変形により好適に吸収され、扉２３の閉
鎖時に各保合部３２はケース部３側壁上を良好に摺動す
ると共に、ロック体１６も上記同様に良好に移動する。

次に、左右の両扉２３を開放する際には、まず、右側扉
２３を開放して、ロック体１６を弾機２１により右側方
に移動させ、ロック部１９をケース部３内に没入させて
、左側扉２３のロックを解除し、このようにしてから左
側扉２３を開放するのである。

なお、本体１及び区画体７等の形状は左右対称とされる
と共に、左右の両保合体２８も対称な形状とされている
ので、上記両開き扉用マグネット錠を実施例とは逆に収
納部の天壁側内面や扉上端部側等に備える上側取付用と
しても容易に使用できる。

以上詳述したように、本考案は係合体の係合部を弾性変
形可能としているので、保合部とロック体のロック部と
の接当時にその衝撃力を保合部の弾性変形により緩和吸
収でき、上記接当によるロック体の移動を、ロック部に
大きな衝撃力を与えることなくス去一ズに良好に行える
と共に、本体及び係合体の取付誤差が比較的大である場
合でも、該取付誤差を係合部の弾性変形により好適に吸
収でき、ロック体の移動を上記同様に良好に行える。

本考案は上記各種の利点を有すると共に、係合体等の構
造も簡易でローコストで実施可能であり、実益大である
。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は全体平面図、
第２図は同正面図、第３図は同側面図、第４図は第２図
のＡ−Ａ線矢視断面図、第５図は本体側の平面断面図、
第６図は同一部断面正面図、第７図は同一部断面平面図
、第８図は第６図のＢ −Ｂ線矢視断面図である。 １・・・・・・本体、７・・・・・・区画体、１６・・
・・・・ロック体、１８・・・・・・カム部、１９・・
・・・・ロック部、２１．２９・・・・・・弾機、２３
・・・・・・扉、２４・・・・・・磁石、２５・・・・
・・吸着片、２８・・・・・・係合体、２９・・・・・
・被吸着部、３０・・・・・・突設部、３２・・・・・
・係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定側に備えられる本体内にロック体を横方向に移動自
   在に備えて、該ロック体の一端に、本体側方側に突出し
   且つ一方の扉側に備えられた係合体の接当によりロック
   体を他端側の側方に移動させるカム部を形或し、また、
   ロック体の他端に、ロック体の上記移動により本体側方
   側に突出して閉鎖位置にある他方の扉側の係合体を係脱
   自在に係止するロック部を形戒すると共に、本体に、ロ
   ック体をカム部側の側方に付勢する弾機と、本体前面各
   側から前方に突出して各保合体と磁気吸着する吸着片と
   を備えた両開き扉用マグネット錠において、係合体を、
   吸着片に吸着される被吸着部と、被吸着部の外側端から
   直交状に前方に突設された突設部とから威る略Ｌ形状と
   し、突設部の先端部を、内側で彎曲状に折返されて外周
   面側でカム部を作動させ且つ先端がロック部により係止
   される弾性変形可能な係合部としたことを特徴とする両
   開き扉用マグネット錠。