JPS5910160Y2 - 抄紙機乾燥ドラムへの蒸気送り機構におけるロ−タリジヨイント構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、抄紙機乾燥ドラムへの蒸気送り機構におけ
るロータリジョイント構造を提供せんとするものである
。

従来、抄紙機乾燥ドラムへ蒸気る送るロータリジョイン
トにおいては、回転する多数の乾燥ドラムに帯状抄紙が
巻きついて乾燥していくように、同ドラム中へ加熱用の
蒸気をロータリジョイントを介して送っているものであ
り、回転する乾燥ドラムはロータリジタイントの回転パ
イプに連設され、同ジョイント連設した蒸気送りパイプ
よりの蒸気が同ジョイント機構中の蒸気搬送空間を介し
て回転パイプから乾燥ドラム中に送られるようになって
いる。

かかる従来のロータリジョイントにおいて、多数の乾燥
ドラムのうち抄紙の乾燥度合に応じて一部の乾燥ドラム
への蒸気送入を停止しておく場合があり、かかる蒸気の
送入を停止したロータリジョイントにおいては、回転パ
イフ゜のシール部が、蒸気のないことにより摩擦摩耗し
て損耗が激しく、シール機能の低下をまねいていた。

この考案では上記欠点を解消することにより、蒸気送大
の停止をし、ロータリージョイントの回転パイプが乾燥
ドラムと共に回転していても、同回転パイプのシール部
の摩耗がなく、シール機能を低下せしめることのない抄
紙機乾燥ドラムへの蒸気送り機構におけるロータリジョ
イント構造を提供せんとするものである。

この考案の実施例を図面に基づき詳説すれば、Ａはロー
タリジョイントを示しており、１は支持ケース、２は同
支持ケース１の下端に連通したドレン排水パイプ、３は
支持ケース１中において端部を支持されたドレン通水パ
イプであり、同パイプ３はドレン排水パイプ２に連通し
ている。

４は回転パイプであり、ドレン通水パイプ３は同回転パ
イプ４中に一定間隙Ｓを保持して挿貫されており、回転
パイプ４の外周には前後二個のシール突縁５，５′が配
設されており、同突縁５，５′にはスプリング６が介在
している。

シール突縁５，５′は一方の突縁５が回転パイプ４の長
手方向に沿って摺動自在になっている。

７，７′は、シール突縁５，５′の外側半円弧面に当接
したカーボン素材のシールリングであり、シール突縁５
，５′と支持ケース１との間に挾持されており、シール
リング７，７′とシール突縁５，５′との当接部におい
てシール部ａ，ａ’が形或されている。

８は支持ケース１の下端に連通した蒸気送りパイプであ
り、中途に開閉バルブ９を設けており、同蒸気送りパイ
プ８より送られた蒸気は支持ケース１中の蒸気搬送空間
Ｗに至り、回転パイプ４の端部周壁に設けた蒸気搬入口
１０が蒸気搬送空間Ｗに連通しているため、同蒸気搬入
口１０から回転パルプ４に送られるものである。

１１は、蒸気送りパイプ８に分岐して設けた補助パイプ
であり、同補助パイプ１１には補助開閉バルブ１２が設
けられており、蒸気送りパイプ８により蒸気を搬入して
いる際には補助開閉バルブ１２を閉塞しておく。

１３．１３’は支持ケース１の外壁部に設けた潤滑液体
注入孔であり、シール部ａ，ａ’と相対した支持ケース
所要個所に設けており、同注入孔１３， １３’には注
入パイプ１４． １４’が連通し、支持ケース１の外部
から潤滑液体注入孔１３， １３’を介してシール部ａ
，ａ’に水等の潤滑液体ｎを散布する状態とし、シール
部ａ，ａ’の潤滑作用を円滑にするものである。

１５は、回転自在の抄紙機乾燥ドラムであり、外表面に
抄紙を当接しながら抄紙の搬送を行いつつ乾燥していく
ものであり、中空状に形威して同中空部１６中には蒸気
が回転パイプ４から送られていく。

１７は、同乾燥ドラム１５とロータリジョイントＡの回
転パイプ４とを連通せしめる中空ドラム軸で゛あり、同
軸１７中にはロータリジョイントＡのドレン通水パイプ
３が挿貫されて、抄紙機乾燥ドラム１５中に挿入されて
おり、同ドラム内で゛のドレンを吸入してロータリジョ
イントＡに連設したドレン排水パイプ２に送リドレン排
水機能を果すものであり、同軸１７はボルト１８により
回転パイプ４と一体に固定されている。

１９は、抄紙機乾燥ドラム１５を回転させるための回転
伝達機構であり、ギヤによる回転動力伝達を行う。

この考案では、抄紙機乾燥ドラム１５に蒸気を送入しな
いで、同ドラムの回転のみを行いつつ抄紙の搬送るする
場合においては、同ドラムの回転にともないロータリジ
ョイントＡの回転パイフ゜４も回転することになり、こ
の際注入パイプ１４． １４’から、シール部ａ，ａ’
に潤滑液体ｎを注入、散布することによって、シール部
ａ，ａ’は円滑に滑動しつつシール効果を果しつるもの
であり、かかる潤滑液体ｎがシ一部ａ，ａ’から蒸気搬
送空間Ｗを通り、蒸気送りパイプ８に至ると、同パイプ
８は蒸気搬入停止のために開閉バルブ９を閉塞している
ことから補助パイプ１１に流入し、補助開閉バルブ１２
を開放して外に流出せしめ、必要に応じてポンプＰ等に
より循環せしめて、注入パイプ１４， １４’に環元す
るものであって、潤滑液体は決して蒸気搬送空間Ｗ中に
貯溜して、回転パイプ４中から抄紙機乾燥ドラム１５内
へ流入しないようにしている。

また、蒸気を送大して同ドラム１５を加熱する場合は潤
滑液体ｎはシール部ａ，ａ’に注入する必要はなく、送
入蒸気によってシール部ａ，ａ’は充分に円滑な滑動を
行いつるため、シール部摩耗等の損耗が生起することは
ない。

なお、潤滑液体ｎとしては水以外にノイルミストを使用
する場合があり、オイルミストの使用においてはほとん
ど蒸気搬送空間Ｗにはオイル貯溜の心配はなく、従って
、補助パイプ１１はオイルミスト注入時の蒸気搬送空間
Ｗ内圧力抜きとしての機能を果す。

この考案によれば、蒸気送入を係止した場合においても
、シール部の潤滑作用は円滑に行われ、シール部の摩耗
、損耗を防止できると共に従来、かかるシール部の損傷
防止のため蒸気送入停止時において行っていたロータリ
ジョイント部と乾燥ドラム回転部との切離し作業も不要
となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案ロータリジョイント構造の断面説明図、
第２図は、同使用状態の説明図。 Ａ・・・・・・ロータリジョイント、ａ，ａ’・・・・
・・シール部、Ｗ・・・・・・蒸気搬送空間、Ｓ・・・
・・・一定間隙、ｎ・・・・・・潤滑液体、１・・・・
・・支持ケース、２・・・・・・ドレン排水パイプ、３
・・・・・・ドレン通水パイプ、４・・・・・・回転パ
イプ、５，５′・・・・・・シール突縁、６・・・・・
・スプリング、７，７′・・・・・・シールリング、８
・・・・・・蒸気送りパイプ、９・・・・・・開閉バル
ブ、１０・・・・・・蒸気搬入口、１１・・・・・・補
助パイプ、１２・・・・・・補助開閉バルブ、１３，
１３’・・・・・・潤滑液体注入孔、１４．１４’・・
・・・・注入パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 抄紙機乾燥ドラムへ蒸気を送るために蒸気送り路に設け
   たロータリジョイントの機構中における蒸気搬送空間に
   おいて、ロータリジョイントの回転パイプと、回転パイ
   プ支持ケースとのシール部に、支持ケース外よりシール
   潤滑液体を供給すべく構戒し、かつ蒸気搬送空間に連通
   した蒸気送りパイプ中途に補助パイプを分岐せしめ、同
   補助パイプに開閉自在のバルブを設けてなる抄紙機乾燥
   ドラムへの蒸気送り機構におけるロータリジョイント構
   造。