JPS589667B2 - 濃厚醤油の製造法 - Google Patents

濃厚醤油の製造法

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JPS589667B2
JPS589667B2 JP52041434A JP4143477A JPS589667B2 JP S589667 B2 JPS589667 B2 JP S589667B2 JP 52041434 A JP52041434 A JP 52041434A JP 4143477 A JP4143477 A JP 4143477A JP S589667 B2 JPS589667 B2 JP S589667B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は不活性ガス気流により常圧、低温で醤油を濃縮
し、必要に応じて濃縮の際に分離された凝縮液の一部、
あるいはその処理液を濃縮された醤油に添加し、色、味
および香のすぐれた高品質な濃縮醤油を製造する方法に
関するものである。
従来、濃厚醤油の製造法としては、原料配合を調節する
方法、少量の仕込汲水を用いるいわゆる濃厚仕込法、生
醤油、アミノ酸液などを仕込水として用いる再製仕込法
、通常の醤油を単に濃縮する方法などがある。
これらの方法のうち醤油を濃縮する方法は、製麹、仕込
方法などを変更する必要はなく、通常の方法で製造した
醤油を濃縮すればよいので簡便で工業的に有利な方法で
ある。
醤油の濃縮には、通常、加熱濃縮法(醤油と技術、第3
58号、第643〜644頁、(1962年)参照)、
真空濃縮法(特公昭43−10993号公報参照)など
が採用されている。
これらの方法は効率が良く、簡便ではあるが、加熱濃縮
法によって得たものは加熱および空気による色度の濃化
(褐変)、醤油香気の逸散、加熱臭の発生など品質の劣
化が著しく、また、真空濃縮法によっても香気の逸散は
避けられず、コストも安価ではない。
一方、食品の変質、酸化を防止するために不活性ガスを
利用することはよく知られており、液体食品の容器詰め
に際し、不活性ガスで容器内を置換したり、液体食品に
溶存せしめることは周知の事実である。
しかしながら、従来、醤油の濃縮を常圧、低温条件下で
不活性ガス気流により行った例はない。
本発明者らは以上のような実状に鑑み、醤油本来の品質
に影響を及ぼすこへのない醤油の濃縮方法を開発すべく
、種々研究した結果、常圧、低温条件下で不活性ガス気
流を用い、以下に示すような方式で濃縮を行えば醤油の
品質、特に色および味にはほとんど影響がないこと、さ
らに、濃縮の際に分離回収された凝縮液の一部、あるい
はその処理液を濃縮された醤油に添加することによって
香気においても格段に改善され得ること、また、このよ
うな方式を満足する装置としては冷却機構と加温機構に
ヒートポンプ方式を応用したものが最も好適で、効率よ
く経済的であることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の目的を達成する装置は下記の主要部分から構成
されている。
■ 醤油と乾燥不活性ガスを接触させ、醤油中の水分を
不活性ガスへ移行させるための蒸発器。
■ 吸収した不活性ガスを、その露点以下の温度まで冷
却し、該ガス中の水分を凝縮させるための凝縮器。
■ 凝縮器内を冷却するための冷却機構。
■ 凝縮器によって除湿された不活性ガスを加温し、該
ガスの相対湿度を低下させるための加温器。
■ 加温器内を加温するための加温機構。
第1図は以上の主要部分を有する濃縮装置の一例として
、蒸発器には気液接触体を充填した充填塔方式(カラム
式)蒸発器を使用し、冷却機構と加温機構が一体となっ
てヒートポンプサイクルを形成するヒートポンプ方式を
利用した装置の概念図を示すものであり、この図に従っ
て本発明の濃縮方法を説明する。
第1図において、まず不活性ガスの流れをたどると、気
液接触体1を充填した蒸発器2を通過して醤油より水分
を奪った不活性ガスは導管3によって凝縮器4に導かれ
、冷却コイル5と接触して冷却されることにより該ガス
中の水分は凝縮し、凝縮液として凝縮液受槽6に受液さ
れて排液管7より適宜系外へ排出される。
一方、低温で除温された不活性ガスは導管8によって加
温器9に導かれ、加温コイル10と接触して加温され、
加温された乾燥不活性ガスは導管11を通り、送風ファ
ン12によって再び蒸発器2に導入されるという一連の
工程を繰り返すことにより醤油は濃縮される。
なお、不活性ガスは濃縮装置運転前に系内に導入すれば
よく、運転中に導入する必要はない。
すなわち、運転前にバルブ13を閉じ、不活性ガス導入
バルブ14と排気バルブ15を開け、不活性ガスを導入
して系内を置換するとともに空気を排出する。
また、醤油は導管16によって蒸発器2内に導入されて
液分散器17によって散液され、気液接触体1の表面を
薄膜となって流下する間に不活性ガスと接触して濃縮さ
れ、濃縮液受槽18に受液され、第1図に示すような回
分式の場合には循環ポンブ19によって再び導管16に
導かれ液分散器17によって散液されるというサイクル
を繰返すことにより適当濃度にまで濃縮される。
また、連続式の場合には、蒸発器2を通過して濃縮され
た醤油は濃縮液受槽18を経て系外に取り出される。
他方、第1図における凝縮器の冷源および加温器の熱源
を供給するヒートポンブ装置は次のとおり運転される。
冷媒受液槽20内の液化した冷媒は膨張弁21を通り、
減圧されて気化し、冷媒気化器である冷却コイル5に入
って不活性ガスから蒸発潜熱を奪い、該ガスを冷却する
気化した冷媒は圧縮機22で圧縮され、次いで余分な熱
量を熱量調節器23で放出した後、冷媒凝縮器である加
温コイル10に入り、不活性ガスに凝縮熱を与えて加温
するとともに、自らは凝縮して液化し、冷媒受液槽に受
液され再び気化、圧縮、凝縮というヒートポンプサイク
ルを繰り返すことにより、不活性ガスとの間に効率的な
熱の受渡しを行なうのである。
以上は本発明の実施の一態様について説明したものであ
り、本発明濃縮方法はこれに限定されるものではない。
すなわち、本発明の第1の方法は次の各工程を構成要件
とするものである。
(A)工程: 蒸発器内において、品温50℃以下で薄膜状または微粒
子状で移動する醤油と下記q工程で乾燥された不活性ガ
スとを蒸発器内で接触させ、常圧、低温条件下で醤油中
の水分を該ガスへ移行せしめる工程。
(B)工程: (イ)工程において吸湿した不活性ガスを、凝縮器内に
おいてその露点以下の温度まで冷却し、該ガス中の水分
を凝縮せしめ、凝縮液として系外に分離する工程。
(C)工程: (B)工程において低温で除湿された不活性ガスを70
℃以下の温度に加温し、該ガスの相対湿度を低下せしめ
て乾燥する工程。
本発面の濃縮工程は、以上の三工程を醤油が適当濃度に
達するまで適宜繰返すことにより達成される。
さらに、本発明の第2の方法は前記濃縮工程により得ら
れた濃縮醤油に(B)工程で得られた凝縮液の一部をそ
のまま、あるいは凝縮液を処理した液(処理液)を添加
する醤油香味の増強された濃縮醤油の製造法である。
本発明において使用される不活性ガスとは、醤油の品質
に影響を及ぼさず、それ自体安定な気体であればよく、
通常、窒素、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウム、ネオン、
キセノン、クリプトンなどを指称する。
これらのうち窒素および炭酸ガスは入手しやすく経済的
なので好ましい。
特に、窒素は市販のものの他、空気より分離したものも
用いることができ、最も好ましい。
本発明の(A)工程に用いられる蒸発器は、蒸溜、ガス
吸収、気液反応装置などに通常、使用されている充填塔
(第1図参照)、段塔(第2図a,b参照)、スプレー
塔(第2図C参照)、濡壁塔方式など薄膜状または微粒
子状で移動する液体と不活性ガスとの接触を効率良く行
なうための公知の方式の気液接触装置を用いればよい。
これらの方式のうち充填塔方式は醤油の濃縮には最も好
ましい一態様である。
この場合、気液接触体としての充填材は空げき率が犬で
不活性ガスの流れに対する抵抗が少なく、偏流を起こし
にくく、容量係数が大きく、かつ機械的強度が大きく、
ある程度の耐熱性があること、また、醤油が食品である
点を考慮すれば、醤油に対して耐蝕性があり、材質が溶
出しないことが大切である。
このような条件を満足する充填材としてはテラレットパ
ッキング、ポールリング、ラシヒリンク、レッシンクリ
ング、ベルサドル、インクロックサドル、キヤノンパッ
キング、ヘリツクス、マクマホンなどがあり、材質とし
てはポリプロピレンなどの合成樹脂、チタンなどの金属
、磁器、ガラス、カーボンなどが適当である。
一方、スプレー塔方式は、蒸発効率は良いが、醤油がミ
ストとして失なわれることがあるため、ミストキャツチ
ャーを取付ける必要がある。
本発明の(B)工程における冷却および(C)工程にお
ける加温は前記のようなヒートポンプ方式によるものの
ほか次のような機構のものを用いることができる。
冷却機構としては、例えば冷凍機によって冷却された冷
水、塩化カルシウム、食塩、塩化マグネシウム、メタノ
ール、エタノール、エチレングリコール、グリセリンな
どのブライン、あるいは単に地下水を冷媒として用いる
方法があげられる。
このような冷却機構による不活性ガスの冷却温度は、通
常、15℃以下、好ましくは0〜5℃付近である。
15℃以上では不活性ガスの水分は十分に凝縮しない。
加温機構としては、電熱器などによって不活性ガスを直
接加温してもよいが、温水あるいは油、シリコンオイル
、.多価アルコール類などの熱媒体を使用する加温方法
、加温水蒸気、排煙を利用する加温方法など間接的な加
温方法が好ましい。
このような加温機構による不活性ガスの加温温度は、通
常、70℃以下であるが一義的には決定できない。
すなわち、醤油の濃縮においては醤油の品温が50℃以
下、好ましくは35℃以下に保たれることが重要であり
、したがって不活性ガスの加温温度は醤油の流速および
不活性ガスの風速との関数として決定されるべきである
なお、醤油の品温か50℃以上になると、増色、焦味、
焦臭など変味、異臭発生の原因となる。
また、35℃以下では醤油の香味成分が変質する可能性
が少なく、品質が安定に保たれる。
次に、前記(5)、(B)および(C)工程によって濃
縮された醤油に(B)工程で得られた凝縮液の一部、あ
るいはその処理液を添加する方法について説明する,ま
ず、(B)工程で得られた凝縮液の内容を分析した結果
を示す。
実験例 1 市販本醸造醤油(ヤマサ醤油■製)2000mlを系内
を市販窒素ガスで置換した下記のような性能を有するヒ
ートポンプ方式の濃縮装置を用い、醤油を循環ポンプで
循環させながら回分式によって濃縮した。
濃縮装置の性能 ヒートポンプ装置……750W/hr 凝縮器…………………0.6777(表面積)冷却温度
………………0〜2℃ 加温器…………………0. 6 m2 (表面積)加温
温度………………50℃ 循環ポンプ……………10l/hr 送風機…………………100l/min 蒸発器…………………ポリエチレンのテラレットパッキ
ングを充填した 充填塔方式(表面11m2) 濃縮速度………………4 5 0ml/hr濃縮の際、
凝縮液を2 5 0mlづつ分画し、総量750mlを
得た。
凝縮液各両分の分析結果は第1表のとおりである。
なお、各画分の番号は分画順を示すものである。
以上の結果から醤油香気の一成分であるエチルアルコー
ルは画分1に63.1%、画分2に32.9係、画分3
に2.5%、すなわち初期の芳香の強い、醤油様香気を
有する画分1、および2に96.0%回収されたことに
なる。
また、以上の両分を共栓付試験管に入れ、50℃に加温
後、試験管内部の空間部をガスクロマトグラフィー(H
itachi063(FID)、日立製作所■製)にか
けて分析した結果、初期の画分には低沸点物質が多く、
次第に高沸点物質に移行していくことがわかった。
以上の結果を総合すると、特に芳香が強く、醤油様香味
の豊かな初期の両分と、エチルアルコール量および低沸
点物量の多い両分とが一致していることから醤油中の香
気成分の主要成分は低沸点側に存在し、本発明の濃縮装
置においては主に初期の凝縮液中に回収できることが推
測できる。
次に実験例1で得た凝縮液の添加による醤油香味改善効
果を示す実験例をあげる。
実験例 2 実験例1で得た濃縮醤油125mlに、第2表に示す分
量の凝縮液の各両分(実験例1により得たもの)を添加
し、全窒素および食塩濃度を未処理醤油と同一に調整し
て全量を200mlとし、官能検査に供した。
なお、官能検査は、ヤマサ醤油■の官能検査に熟達した
パネル(経験5〜15年)17名によって香、味および
色について5点採点法により行なわれた。
採点基準は各項目につき、悪い…1点、やや悪い…2点
、普通…3点、やや良い…4点、良い…5点とし、結果
は合計点数として第3表に表わした。
また、香および味については、これとは別にプロファイ
ル法によって定時的に特徴の評価を求め、その結果の一
般的傾向をまとめて第4表にした。
以上の結果から明らかなように、凝縮液を添加して醤油
香味を付加するためには凝縮液の低沸点部分、たとえば
凝縮液の濃縮初期の部分が含まれていることが必須であ
る。
すなわち、前記の実験例2においては試料B,E,Fお
よびHのような添加方法が好ましい。
しかしながら、濃縮初期の凝縮液に醤油香味の主要成分
が集中しているとはいっても、濃縮初期の凝縮液を添加
するたけでは醤油の香味を忠実に再現することはできず
、香味のバランスにやや欠け、少々軽るすぎるものとな
る。
したがって、最も好ましい添加方法は、たとえば実験例
2の試料Hのように濃縮の各時期における凝縮液の一部
を全て加える方法である。
要するに、回分式の場合には凝縮液の全量を集め、その
一部を添加すればよく、連続式の場合には、得られる凝
縮液の組成は一定なので、その一部を添加すればよい。
また、凝縮液によって濃縮醤油が希釈されるのを妨ぐに
は、凝縮液を公知の方法によって濃縮処理して添加すれ
ばよい。
このような公知の方法としては水蒸気蒸溜法、アルコー
ル蒸気蒸溜法、活性炭吸着法、凍結濃縮法などがある。
しかしながら、凝縮液のアルコール濃度が高い場合には
活性炭に香味成分が吸着しにくいので活性炭吸着法は好
ましくない。
本発明における凝縮液の処理液とはこのような濃縮処理
を行ったものを指称する。
一方、このような凝縮液、あるいはその処理液の添加量
は特に限定されるものではなく、目的に応じて決定すれ
ばよい。
たとえば試料Hのような添加方法、すなわち凝縮液の全
量を集め、その一部を添加する場合には全凝縮液量の1
/5以下でよい。
なお、本発明濃縮工程(前記(A) , (B)および
(C)工程)の対象となる醤油は、通常の醸造醤油のほ
か、蛋白質原料および/または澱粉質原料を化学的ある
いは酵素的に分解して得られるアミノ酸液、含糖アミノ
酸液、および麹消化液、あるいはそれらをさらに微生物
で醗酵させて得られる半化学・半醸造醤油(本発明にお
いては、これらを醸造醤油に対して化学醤油と総称する
)であってもよい。一方、本発明方法で醤油香味を有す
る凝縮液を得るためには、醸造醤油(火入醤油および生
醤油)あるいはそれに類する半醸造醤油など醤油香味の
豊かな醤油を用いなければならない。
したがって、本発明方法は化学醤油を本発明方法によっ
て濃縮し、別に本発明方法によって得た醤油香味を有す
る凝縮液を添加して醤油香味を有する濃厚醤油を得る方
法をも含むものである。
また、本発明による濃縮時、あるいは濃縮後に一定時間
放置した場合に、、濃縮した醤油から食塩が析出するこ
とがあるが、これは遠心分離など適宜な手段により除去
すればよい。
本発明の特徴点は次のとおりである。
■ 不活性ガス存在下で醤油を濃縮するため大気の影響
を全く受けない。
すなわち、醤油の劣化の大きな原因のひとつとして空気
中の酸素の影響によることが知られているが、本発明方
法によればこれらの問題を防止できる。
■ 本発明の装置は密閉系で操作できるため、不活性ガ
スを装置内に一度充填すればロスはほとんどなく、極め
て少量の不活性ガスを補給すればよいので経済的である
■ 本発明の装置としてヒートポンプ方式を用いた場合
には従来の減圧濃縮装置に比べ、約35%のエネルギー
が節約できる。
■ 常圧で操作するため、装置を従来の減圧、真空濃縮
装置のような耐圧構造にする必要はなく、設備費が軽減
される。
■ 従来のバロメトリックコンデンサーを使った減圧濃
縮法の場合には、冷却水中に醤油香気の主成分である揮
発性物質が溶け込んで流失してしまい、定量的な回収は
不可能である。
ところが本発明方法においては、濃縮時に低沸点物質を
含む醤油香味の主成分が凝縮液として定量的に回収でき
る。
したがって、この凝縮液を濃縮醤油に添加することによ
り、極めて香味を改善することができる。
以上述べたとおり、本発明方法によれば高品質な濃厚醤
油を安価に、しかも効率良く製造することができる。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
たたし、これらは単に実施の一例にすぎず、本発明を何
ら限定するものではない。
実施例 1 市販本醸造醤油(ヤマサ醤油■製、総窒素1.6%)3
000mlを、蒸発器として第2図aに示すような段塔
方式のものを用い、系内を市販炭酸ガスで置換した、下
記のような性能を有するヒートポンプ方式濃縮装置で濃
縮し、総窒素2.74%の濃縮醤油を1750ml得た
濃縮装置の性能 ヒートポンプ装置……7 5 0 W/ h r凝縮器
…………………0.6m2 (表面積)冷却温度………
………0±1℃ 加温器…………………1.2m2(表面積)加温温度…
……………70℃ 循環ポンプ……………6l/hr 送風量…………………100l/min 蒸発器…………………表面積1.2 6 m2( 4
5cm×35cm×8段)を有す る段塔方式 濃縮速度………………380ml/hr なお、濃縮時の品温は38℃以下であり、送風温度は6
1℃以下であった。
また、蒸発器内の醤油の薄層は約1〜1.5mmであっ
た。
濃縮の際、凝縮液を250mAiづつ分画し、総量12
50mlを得た。
凝縮液の各両分の分析結果を第5表に示す。
なお、各両分の番号は凝縮液の分画順を示すものである
第5表の結果からも明らかなように、濃縮前の醤油に含
まれていたエチルアルコール54.9中51.2Fが凝
縮液中に回収され、その回収率は94.8%であった。
次に、この凝縮液を前記濃縮醤油に添加し、香味の改善
された濃厚醤油を製造した。
なお、澱縮液の各両分の添加方法、添加量は第6表のと
おりである。
第6表に示す配合により得た濃厚醤油を用い実験例2と
同一の専門パネル17名により、プロフアイル法によっ
て官能検査を行った。
その結果をまとめ、第7表に示す。
以上の結果から明らかなように、凝縮液画分1または2
を添加した試料、すなわちAおよびBは香味の改善効果
が極めて大きく、画分3を添加したCは効果は認められ
るものの、A,Bと比較するとその効果は少ない。
また、DおよびEは凝縮液の添加による効果がほとんど
認められない。
一方、凝縮液の香味成分の代替物質としてエチルアルコ
ールを添加したFは刺激的な香りであり、AおよびBと
は明確に区別できる。
実施例 2 蒸発器をスブレ一方式のものに変えた以外は実施例1で
使用した濃縮装置と同一のものを用い、系内を市販窒素
ガスで置換し、実施例1と同一の醤油3000mlを1
800mlまで濃縮した。
上記のスプレ一方式の蒸発器としては、容積121.5
l(45cm(たて)×4、5 crn (よこ)×6
0 cm (高さ))を有し、底部に集液のためのゆ
るやかな傾斜部分を有する第2図Cに示すような型のも
のを用いた。
また、醤油は流量100ml/min,ポンプ圧力0.
3kg/amでスプレーノズル171より霧状に分散さ
れ、導管121の端部、蒸発器2内において開口する不
活性ガス噴出口122より風量100l/minで噴出
される不活性ガスと向流接触することにより濃縮される
なお、濃縮速度は420ml/hrであった。
実施例 3 市販濃口味液(総窒素2.86%、食塩濃度19.8%
、味の素■製)2000mlを、糸内を市販炭酸ガスで
置換した下記のような性能を有する濃縮装置で濃縮し、
濃縮液1200mlを得た。
濃縮液を分析した結果、総窒素3.57%、食塩濃度2
4.3 3係であり、味液特有の臭い、いわゆるアミ
ノ酸臭が減少していた。
また、色を6 6 0 nmおよび5 3 0 nmで
測定した結果、濃縮率に比例した濃度に色が濃縮されて
いたが、濃縮中の増色はきわめて少なかった。
一方、凝縮液は無色透明で、強いアミノ酸臭が感じられ
た。
濃縮装置の性能 冷凍機…………7 5 0 W/ h r凝縮器………
…ガラス製 1.277(表面積) 0±1℃(冷媒温度) 50l/hr(冷媒流量) 加温器…………ガラス製 1.2m2(表面積) 70℃(温水温度) 8 5 l/hr (温水流量) 循環ポンプ……15A/hr 送風量…………1001/min 蒸発器…………内径10cm,高さ100cmのカラム
に ポリエチレンのテトラ レットパッキングを1/4に切 断したものを充填した充填塔方 式(表面積1. 9m2) 濃縮速度………550ml/hr 前記の濃縮液450mlに実施例1で得た凝縮液の画分
1、画分2および画分3の等量混合液50mlを添加し
た結果、醸造醤油様香気を有し、アミノ酸臭のきわめて
少い、香味の改善された濃厚化学醤油が得られた。
実施例 4 実施例1で得た凝縮液の画分1〜5の混合液100ml
を常圧下で水蒸気蒸溜を行い、初溜の50mlを集め、
その20mlを実施例1で得た濃縮醤油230mlに添
加した結果、醤油香味の豊かな濃厚醤油が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するための装置の一例を示す概念
図であり、第2図は本発明における装置の蒸発器の一例
を示すものである。 なお、第2図においてaおよびbは段塔方式蒸発器を示
し、Cはスプレー塔方式蒸発器を示す。 2……蒸発器、4……凝縮器、9……加温器、12……
送風ファン、19……循環ポンプ、21……膨張弁、2
2……圧縮機。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の濃縮工程(A)工程。 (B)工程および(C)工程を適当な濃度の醤油が得ら
    れるまで繰り返すことを特徴とする濃厚醤油の製造法。 (A)工程: 蒸発器内において、品温50℃以下で薄膜状または微粒
    子状で移動する醤油と下記(C)工程で乾燥された不活
    性ガスとを接触させ、常圧、低温条件下で醤油中の水分
    を該ガスへ移行せしめる工程。 (B)工程: (A)工程において吸湿した不活性ガスを、その露点以
    下の温度まで冷却し、該ガス中の水分を凝縮せしめ、凝
    縮液として系外に分離する工程。 (C)工程: (B)工程において低温で除温された不活性ガスを70
    ℃以下の温度に加温し、該ガスの相対湿度を低下せしめ
    て乾燥する工程。 2 不活性ガスとして窒素または炭酸ガスを用いる特許
    請求の範囲第1項記載の濃厚醤油の製造法。 3 醤油として醸造醤油を用いる特許請求の範囲第1ま
    たは2項記載の濃厚醤油の製造法。 4 醤油として化学醤油を用いる特許請求の範囲第1ま
    たは2項記載の濃厚醤油の製造法。 5(A)工程における蒸発器として充填塔方式、段搭方
    式、スプレー塔方式または濡壁塔方式の気液接触装置を
    用いる特許請求の範囲第1〜4項いずれかに記載の濃厚
    醤油の製造法。 6(A)工程における蒸発器として充填塔方式の気液接
    触装置を用いる特許請求の範囲第1〜4項いずれかに記
    載の濃厚醤油の製造法。 7(A)工程における蒸発器としてスプレー塔方式の気
    液接触装置を用いる特許請求の範囲第1〜4項いずれか
    に記載の濃厚醤油の製造法。 8(B)工程における冷却機構および(C)工程におけ
    る加温機構が一体となってヒートポンプサイクルを形成
    するヒートポンプ方式を用いる特許請求の範囲第1〜7
    項いずれかに記載の濃厚醤油の製造法。 9(B)工程における冷却機構として冷水または冷凍機
    によって得られるブラインを用いる特許請求の範囲第1
    〜7項いずれかに記載の濃厚醤油の製造法。 10(C)工程における加温機構として温水、熱媒体、
    排煙または加熱水蒸気を用いる特許請求の範囲第1〜7
    項または第9項いずれかに記載の濃厚醤油の製造法。 11 (A)工程における気液接触の際の醤油の品温を
    35℃以下に保つ特許請求の範囲第1〜10項いずれか
    に記載の濃厚醤油の製造法。 12 (B)工程における冷却温度を15℃以下に保つ
    特許請求の範囲第1〜11項いずれかに記載の濃厚醤油
    の製造法。 13 (B)工程における冷却温度を0〜5℃に保つ特
    許請求の範囲第1〜11項いずれかに記載の濃厚醤油の
    製造法。 14下記の濃縮工程(A)工程、(B)工程および(C
    )工程を繰り返すことによって濃縮された醤油に下記(
    B)工程において分離された凝縮液の一部、あるいはそ
    の処理液を添加し、醤油香気を付与することを特徴とす
    る濃厚醤油の製造法。 (A)工程: 蒸発器内において、品温50℃以下で薄膜状または微粒
    子状で移動する醤油と下記(C)工程で乾燥された不活
    性ガスとを接触させ、常圧、低温条件下で醤油中の水分
    を該ガスへ移行せしめる工程。 (B)工程: (A)工程において吸湿した不活性ガスを、その露点以
    下の温度まで冷却し、該ガス中の水分を凝縮せしめ、凝
    縮液として系外に分離する工程。 (C)工程: (B)工程において低温で除湿された不活性ガスを70
    ℃以下の温度加温し、該ガスの相対湿度を低下せしめて
    乾燥する工程。 15醸造醤油を(A)工程、(B)工程および(C)工
    程の繰返しにより濃縮し、醸造醤油の濃縮の際、(B)
    工程において分離された凝縮液の一部、あるいはその処
    理液を添加する特許請求の範囲第14項記載の濃厚醤油
    の製造法。 16化学醤油を(3)工程、(B)工程および(C)工
    程の繰返しにより濃縮し、醸造醤油の濃縮の際、(B)
    工程において分離された凝縮液の一部、あるいはその処
    理液を添加する特許請求の範囲第14項記載の濃厚醤油
    の製造法。 17凝縮液を、その低沸点部分が含まれるように添加す
    る特許請求の範囲第14〜16項いずれかに記載の濃厚
    醤油の製造法。 18 凝縮液を蒸溜によって処理した処理液を添加する
    特許請求の範囲第14〜16項いずれかに記載の濃厚醤
    油の製造法。
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