JPS5893901A - 回転軸の温度分布制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は回転軸の温度分布制御装置に係シ、特に蒸気タ
ービンロータのような中空回転軸の中空部の温度分布を
制御するに好適な回転軸の温度分布制御装置に関する。

従来、蒸気タービンのロータは、表面から内部へと一方
向的に加熱冷却されていた。蒸気タービン、発電機の容
量が比較的小さく、このためロータの肉厚がそれ程厚く
ない場合には、上記のような加熱冷却構造においてもロ
ータの表面と内部との温度差によって発生する熱応力は
問題とならなかった。

しかし、蒸気タービン、発電機の大容量化に伴いロータ
の肉厚が厚くなっているものにおいては、熱伝導の遅れ
により、ロータの表面と内部に過度の温度差が生じ、こ
の温度差によって発生する熱応力を無視して運転するこ
とが安全上できなくなってきた。

そこで、通常、大容量器の蒸気タービンでは、このよう
な熱応力の発生に伴う機械的破損を避ける必要があるこ
とから、長時間かけて金属部分の温度を除々に上昇させ
る運転方法が採られていた。。

しかし、このような運転方法では、定格回転数に達する
までに長時間を要し、更に負荷変化時においても急激な
変化を避けなければならず、蒸気タービン運転上大きな
問題となっていた。

最近、この問題を解決するために、蒸気タービンロータ
の表面だけでなく、内部の中空状になっている部分から
も積極的にロータを加熱し、ロータの表面と内部の温度
差を緩和する方法が提案された。この方法は、ロータの
軸方向に加熱体を設は外部から制御することにより、ロ
ータ内部を均一に加熱するものである。しかし、ロータ
表面温度は均一ではないため、軸方向の温度差分布にば
らつきが発生し、このため熱応力を均一に軽減すること
ができなかった。更に、ロータ内部の温度分布を外部か
ら制御する場合には、回転部と固定部の構造が複雑にな
るだめ、摩耗及び短絡等による事故が発生し易くなる。

このため、上記方法を採用すると、蒸気タービンの破損
につながる事故が発生する可能性があシ、信頼性及び安
全性が低下するという欠点もあった。

本発明の目的は、上記の欠点を解消し、ロータに発生す
る熱応力を確実に軽減し得る回転軸の温度分布制御装置
を提供することにある。

本発明は、ロータの外表面と内部とに発生する温度差に
よる熱応力を軽減するように、ロータ内部を加熱してロ
ータ軸方向温度分布を制御するものである。

以下本発明の回転軸の温度分布制御装置の一実施例を図
面に従って説明する。

第１図は本発明の回転軸の温度分布制御装置の一実施例
を蒸気タービンに実施した場合の説明図である。蒸気タ
ービン１のロータ２は内部が中空状となっており、軸受
部３によって軸承されている。また、ロータ２は図示さ
れない発電機の回転軸にカップリング４を介して連結さ
れている。

ロータ２の内部には、加熱材支持装置５が一方の端部か
ら捜入固定されている。この加熱材支持装置５は、外殻
が熱伝導材６により形成され、更に、熱伝導材６の中央
部に設けられている電源供給孔７の周囲に軸方向に分割
して設けられている加燃剤８と、この加熱材８に電力を
供給する制御装置９とから構成されている。また、制御
装置９には外部電源１０の電力１１が外部から供給され
ている。

制御装置９は加熱材８０発熱量る制御し、加熱材８が発
生した熱は輻射及び伝導によりロータ２の中空部内表面
に供給される。

第２図は上記加熱材支持装置５の詳細断面図である。こ
の加熱材支持装置５の外殻は熱伝導材６によって覆われ
ており、この熱伝導材６の外表面には複数個の感温素子
１２が設置されている。また、加熱材支持装置５の中央
部には電源供給孔７が貫通しており、この電源供給孔７
の周囲に複数個の加熱材８が軸方向に分割して設けられ
ている。

各加熱材８は電源供給孔７を通る電力供給兼信号取込線
１３によって制御装置９に接続されている。

また、この電力供給兼信号取込線１３は、前記感温素子
１２と内表面温度信号１４が伝送される信号線により接
続されている。更に、制御装置９には電力１１が伝送さ
れる電力線が接続され、またロータ２外表面温度信号１
５を伝送する信号線が接続されている。

第３図は上記制御装置９の具体的構成例を示しだもので
ある。ロータ２の外表面温度信号１５は外表面温度分布
計算部１６に入力され、この外表面温度分布計算部１６
の外表面温度分布信号１７は軸方向温度差分布計算部１
８に入力されている。

また、内表面温度信号１４は内部温度分布計算部１９に
入力され、この内部温度分布計算部１９の出力である内
部温度分布信号２０は前記軸方向温度差分布計算部１８
に入力されている。この軸方向温度差分布計算部１８の
出力である温度差分布信号２１は軸方向熱応力分布計算
部２２に入力され、この軸方向熱応力分布計算部２２の
出力である熱応力信号２３は比較部２４にて、許容熱応
力計算部２５の出力信号である許容熱応力信号２６と比
較される。比較された結果である熱応力偏差信号２７は
加熱制御部２８に入力される。この加熱制御部２８には
電力１１が入力され、その出力は給電信号２９となって
第２図に示した加熱材８に供給される。

ロータ２の外表面温度信号１５から外表面温度分布を外
表面温度分布計算部１６で計算し、ロータ内表面温度信
号１４から内表面温度分布を内部温度分布計算部１９で
計算する。次に、内外表面温度分布の偏差を軸方向温度
差分布計算部１８で求め、算出結果である温度差分布信
号２１を用いてロータ２内部に発生している熱応力を軸
方向熱応力分布計算部２２で計算する。この算出結果で
ある熱応力信号２３と予め記憶しておいた許容熱応力信
号２６とを比較部２４で比較し、その結果である熱応力
偏差信号２７に基づいて、加熱制御部２８は、加熱材８
への給電のオンオフ及び給電量を制御する。

なお、上記実施例では熱応力信号２３を許容熱応力信号
２６と比較部２４で比較し、その偏差に基づいて制御し
ているが、許容温度分布あるいは許容温度差分布を記憶
しておき、これら許容温度あるいは許容温度差に基づい
て加熱制御部２８を制御しても良い。また、上記実施例
ではロータ２の内外表面温度を実測しているが、推定に
より求めたものを用いても良い。

本実施例によれば、ロータ２の内部に軸方向に分割して
配置された加熱材８を、ロータ２の表面温度と内部温度
との差によって生じる熱応力をなくすように制御装置９
により加熱することによって、ロータ２の内部に生じる
熱応力を確実に軽減し得る効果がある。壕だ、加熱材６
をロータ２の内部に軸方向に分割して配置しているため
、最も温度条件（熱応力条件）が厳しい部分の熱応力を
緩和することができるため、タービンの急速起動停止及
び急速大幅負荷変化運転を可能とする効果がある。更に
、このような熱応力の大幅な軽減により、タービンのロ
ータ２の寿命消費率を軽減し、タービン及びプラント全
体の信頼性及び安全性を向上させる効果がある。また、
ロータ２の内部に制御装置９を設けることにより、加熱
装置の構造を簡単として加熱装置の信頼性及び安全性を
向上させる効果がある。

以上記述した如く本発明の回転軸の温度分布制御装置に
よれば、ロータに発生する熱応力を確実に軽減し得る効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の回転軸の温度分布制御装置の一実施例
を適用した蒸気タービンの構造を示す説明図、第２図は
第１図で示しだ加熱材支持装置の詳細断面図、第３図は
第２図に示した制御装置８の構成例を示すブロック図で
ある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、　内部が中空状となっている回転軸を内側から加熱
   して、該回転軸の温度分布を制御する回転軸の温度分布
   制御装置において、軸方向に複数に分割して配置される
   加熱材と、この加熱材に対する電力の供給を制御する制
   御装置とを回転軸の内部に設け、該回転軸の温度差に起
   因する熱応力を軽減させるような温度分布となるように
   、加熱材に供給する電力を制御することを特徴とする回
   転軸の温度分布制御装置。 ２　回転軸の内部に複数個の感温素子を配置し、これら
   感温素子の取付位置に対応する回転軸外表面の温度と、
   それぞれ対応する感温素子が検出した温度との差が一定
   、又は回転軸の内部応力を軽減するような分布に、回転
   軸の温度分布を制御することを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の回転軸の温度分布制御装置。