JPS5892359A - 創傷被覆材 - Google Patents
創傷被覆材Info
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- JPS5892359A JPS5892359A JP56189226A JP18922681A JPS5892359A JP S5892359 A JPS5892359 A JP S5892359A JP 56189226 A JP56189226 A JP 56189226A JP 18922681 A JP18922681 A JP 18922681A JP S5892359 A JPS5892359 A JP S5892359A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
本発明は、合成高分子ヒドロゲルからなる医用材料に係
シ、特に、従来の天然系または合成系高分子化合−に見
られない優れ九諸特性を有する、創傷被覆材に関する。 ヒドロゲル(含水ゲル)は、肌ざわシがソフトで、住体
への刺激が少ないこと(桜田洋、高分子、24.590
(1975)。 丹沢宏、@医用高分子”、 p−130,F、81.
(1978)、共立出版)、生体組織(親水性)に類
似する点が多いこと(丹沢宏、@医用高分子”、 p、
8G (197g))などから、医用材料として期待さ
れているが、従来公知のヒドロゲルは、いずれも軟弱で
、機械的強度に劣)、これに因へ成型上多大の制約を受
けることなどから、その用途は、きわめて制限されてい
る( A、S、Hofftyxs* at al、、
7Irams、 knor、 Soc、 kttf。 Int、 Orgoms、 18.10 (1972)
、 S、D、Br5ttk、 J、 Biomgd
。 Matte、 Ram、、 6.180 (1972)
、打釘紀元(訳) (H,5isrzhat al、、
) 、 ポリマーダイジェスト、1981. (5)
27.松本薄志、化学総説、−幻、、49(1978
)、増原英−2化学と工業。 31、 617(1978)、高松俊昭、医学のあゆみ
#馬349(1978)、hd−油1.抽v、 24(
1973)χ機械的強度の劣るヒドロゲルをホルムアル
デヒド、グルタルアルデヒド、テレ7タルアルデビド勢
によ)処理する硬化手段(強度向上策)が多数提案され
てきた力ζこれらの化学処理によシ、ヒドロゲルの優れ
た%g!(生体組織類似感触、しなやかさ、弾性、柔軟
性)が大幅に減退するのが通例で、更に、化学試薬を用
りることに因る生体組織との好ましくない反応を招く場
合もめ9 (D、L、Mac Dngie at al
、、A−M−A、Archivaa Smrgarye
77、967(1958)e L、Braun a
’t al−eibid、、 79.72(1959)
、増原英−他、 MOL 1979. (12)50
゜今井庸二、化学総説、 21.77(1978)、
中林宣男、@人工臓器資料集成″、 p、 88 (
1976)、ライフサイエンス・センター)、この化学
処理に多くを期待し難い。 化学処理を行うことなく、軟弱なヒドロゲルを硬化させ
る唯一の手法として、放射線照射法が期待されているC
N、A。 Payaa at al、e J、 EMomad、
Maty、 Ram、、 4 ml (1977)を打
釘紀元(訳) (H,Singh at aj、)、ポ
リマーダイジェスト、1981、 (6) 91)。
しかし、これには、特殊な設備t−要するうえ、その効
果が顕著でないことから、一般に実用困難で、更に、放
射線照射によ広前記のヒドロゲル本来の優れた特徴の消
失(tたは減退)する例が多い(打釘紀元(訳)(H0
84町μ−1ag、)、ポリマーダイジェスト、 19
81. (6)匍)。 本発明は、上述の化学処理または放射線照射のいずれを
も回避して得られる、機械的強度、弾性、柔軟性、肌ざ
わシに優れ、創傷患部に対する制激性の無い、非固着性
で、しかも患部滲出液(muiata ) O透過性に
優れた、創傷治療用被覆材を提供する。 本発明は、また、上記本発明に述べるヒドロゲルに、抗
菌剤を包埋させることによ九上記ヒドロゲルに、抗菌剤
徐放(持続放出)能を賦与し長期にわたる抗菌作用を発
揮しうる創傷被覆材を提供する。すなわち、本発明は、
常法のようなヒドロゲル硬化(II械的強度向上)策と
しての化学反応ま ・たけ放射線照射を全〈実施する
ことなく、シたがって、包埋対象とする抗菌剤になんら
の損傷をも与えることなく、これを医用ヒドロゲル中に
包埋し抗菌作用の望まれる部分、即′ら、創傷患部と被
覆材との接触面に、長期にわたル、抗菌剤を有効に持続
放出する創傷被覆材を提供する。 本発明は、更に、創傷、特に熱傷直後の創患部を冷却す
るのに適した医用ポリビニルアルコール・ヒドロゲル系
保冷材を提供する。 本発明紘、上記医用材料の合成原料として、ポリビニル
アルコールを用いる。もつとも、ポリビニルアルコール
のゲル化法(ヒドロゲル合成法)については、既に多く
の処決が提案されている。しかし下記に要約するとおシ
、いずれにも、操作上または生成物の性状に難がある。 (1) ポリビニルアルコール水溶液を風乾すること
によシ、湿潤皮膜また祉乾燥皮膜が得られるが、これら
は耐水性に劣シ、水中にお仕る剛直性を全く有しない軟
弱なフィルムにすぎず、限られた用途に用いられるにす
ぎな%A(特公昭4O−9523)。 (2) ポリビニルアルコールとテトラエテルシリケ
ートを含む懸濁水溶液に酸を加え風乾する方法によって
も、やは夕、上記(1)と同様の皮膜が得られるにすぎ
ない。この場合、懸濁水溶液に酸を加え、凍結・乾燥す
る提案もあるが、生成する皮膜の強度はかえって低下し
ほとんど成型不能である(特公昭55−30358.
特公昭55−11311)。 (3) ポリビニルアルコール水溶液へ、コバル)6
0(r線)を照射するゲル化法が周知でおる。しかしこ
の場合、特殊な施設(放射線照射施設)を不可欠とする
うえ、照射経費もかさみ、しかも得られるゲルが軟弱で
、しばしば他の硬化手段(2次的硬化処理)を要する。 したがって、この方法で得られるゲルは、人工硝子体(
li球内充てん液)などの、高粘性11[(または軟質
ゲル)が望まれる特殊用途以外には利用し難い(J*M
atarsal 5es−e 1974918i5s特
開昭5O−55647)。 (4)ポリビニルアルコール水溶液へホウ酸(またはホ
ウ酸水溶液)あるいはホウ酸(またはホウ砂水溶液)(
注ニホウ砂=四ホウ酸ナトリウム+水和物)を加えると
、即座にゲル化することも古くから著名である。しかし
得られるゲルは、軟弱で、流動性を有し、しかも単に指
先でつまむことにより直ちに千切れる九め、成型後の形
態は保持され難い(J、A%Ckatn、 Soc、*
60t 1045(1938)、7ランス特許743
942(1933))。 また、とのホウ砂ゲル祉アルカリ性雰囲気下では存在し
うるが、pH8以下では容易に崩壊する。したがって医
用材料には利用し難く、価値に乏しい。 (5) フェノール、ナフトール、コンゴ−・レッド
等のフェノール類またはアミン化合物、らるいはチタニ
ウム、クロム、ジルコニウム等の金属化合物によゐポリ
ビニルアルコールのゲル化法も多数提案されているが、
いずれも上記(4)と同様の難点がある(日本化学雑誌
、 72.1058(1951)、 特公昭40−9
523 、特公昭4O−23204)。 (6) アルデヒド、ジアルデヒド、不飽和ニトリル
、ジインシアナート、トリメチロールメラミン、エビク
ロロヒドリン、ビス−(β−ヒドロキシエチル)スルホ
ン、ポリアクリル酸、ジメチロール尿素、無水マレイン
酸等の架橋剤または共重合成分によるポリビニルアルコ
ールのゲル化も周知であるが、いずれも化学試薬を用い
る操作t1!するはカヘ高倉水性の丈夫なヒドロゲルは
得難い(Textile Iha、 J、 、 (3)
・189(19a2)。 英国特許742,900 (1958))。 (7) ポリビニルアルコール水溶液f:40℃以下
、特に5〜18C以下の低温に放置することによシゲル
化させる手法も古くから著名である(小南他、1%分子
化学、 4218(1955)、前田他、高分子化学、
1ユ、 193(195g)、1化、59.&)9(1
956))。 しかし室温付近において生成するゲルは寒天、カラダナ
ンのようにもろく、しかも、これは単に激しくかきまぜ
るか、水を加えてかきまぜるか、あるいは若干温めるこ
とにより溶解する(小南他、高分子化学、旦218(1
955)、高橋。 桜田、高分子化学、p 502(1956))。 この、ポリビニルアルコール水溶液の放冷ゲルを得るの
に、低温が好ましいことも周知で、例えば18C1更に
は0℃あるいはOC以下の低温で実施する例も知られて
いる(前田他、高分子化学、1且、 193(195
6)、特公昭47−12854゜高橋他□、 Poly
mer J、、 6.103(1974) )。 しかしいずれにしても、得られるゲルは、寒天、カラゲ
ナン、ゼリ一様の軟弱品(または粘液)であシ、激しい
ベトッキ(粘着性>1示すうえ、耐水性に乏しく、水中
では著し□ く膨潤し更に軟化すると共に1一部は水中
に溶出し、残部は糊状と化す。また、水中あるいは40
〜50Cの温水中では、更に迅速に形くずれし水中に分
散・溶解するなどの難点を有し、医用材料としての価値
を認め難い。 (8)ゲル化能を有する水溶性高分子、例えばアガロー
ス(agα−roam)、寒天(aye) 、アルプミ
y (allntin )、アルギン酸塩、カードラン
(α−ran)、カラゲナン(錨が9−一翫講)、カゼ
イン(casein ) 、CMC(aodixtm
cαrhoηmatルyl ea−11sloae )
、7アーセレラン(fircgllaran ) %ゼ
ラチン((Hlatis )、メチルセルロース(tn
ethyl ealhdoaa −) %ペクチン(P
#etin )%澱粉(atareh )%タマリンド
ガム(ta−情Vi−μ票)、ザンタン〃ム(叡礒th
atn %駕)、トラガントガム(tra%C信tルp
惰)、グアーガム(rμ溝)等の水溶液へ少量のポリビ
ニルアルコールを添加後、これを放冷するか、ゲル化剤
含有浴(凝固浴)へ浸漬するか、あるいはこれ全凍結・
乾燥する手法も知られているが(フレグランスジャーナ
ル、 2 、 (7)68(1974)、特公昭56−
25210 。 25211)、このような手法によっても、やは夛軟弱
で耐水性の乏しい粘液または非流動性ゲル、あるいはパ
サパサした水溶性の乾燥粉末(凍結・乾燥粉)が得られ
るにすぎない。 (9)カオリンまたはベントナイトに微量(0,1〜0
.2wt%)のポリビニルアルコールを加えることによ
シゲルの生成することも周知で、この原理に基づき、競
技場の表面土壌へポリビニルアルコール(希薄水溶液)
を散布することにより、比較的はこりの立ち難い土壌に
改質する試み、あるいは田畑へ少量のポリビニルアルコ
ール(希薄水溶液)t−散布することにより、土壌の透
水性または保水性を改良する試み、更には、泥水へ少量
のポリビニルアルコールを加え、粘±(コロイド粒子)
の凝集沈澱を促進する技術も著名である。しかしこれら
の場合に生成するゲルも、きわめてもろく(外見上、単
なる土壌と区別し離<)、水中ではもちろん乾燥粉末の
状態においてもきわめてくずれ易< (J、Atr、汝
t、、 47.117(1勤))、医用材料としての価
値に乏しい。 本発明者は、ポリビニルアルコールを利用して、機械的
強度と弾性及び柔軟性に富み、肌ざわ9が良く、創傷患
部滲出液(aNitLta )の排除能力に優也しかも
創傷患部に固着せず、風乾・硬直會きたさず、また冷蔵
庫に保存しても氷結・硬直しない水不溶性ゲルを、安価
、且つ、安定に製造する方法を開発すべく検討した結果
、特定性状のポリビニルアルコールと、分子中に2〜8
価の水酸基を有する水溶性有機化合物の双方を含む水溶
液を予め、突起配列を有する成型用鋳型へ注入し、これ
を冷却・固化・成型後、部分的に真空脱水することによ
シ、初めて上記―的が達成さ也 しかも創傷患部に対す
る刺激性の無い優れた被覆材が得られるとの知見を得、
本発#Jt−完成した。 即ち、本発明は、けん化度95モルチ以上、粘度平均重
合度1,500以上のポリビニルアルコールと、分子中
に2〜8個の水酸基を有する水溶性有機化合物とを含み
、且つ、該ポリビニルアルコールと該有機化合物の濃度
を、それぞれ1〜10wt %および5〜60wt1&
に調整した水溶液を、1w?あたり3万〜20万個の突
起を有し、しかも突起部分の占める合計面積を10〜7
0チに調整した平板または曲板上へ、0.5〜5■の厚
さに塗布後、これを−6℃よル低い温度に冷却・固化し
、しかる後、これに脱水率(冷却・固化物の重量減少率
)5wt%以上、95wt%以下の真空脱水を施すこと
に得られる創傷被覆材を提供する。 本発明小ゲル化の過程ならびにその前処理工程において
、従来合成高分子のゲル化に常用されている酸、アルカ
リ、ラジカル源、放射線、有機溶媒、反応試薬などを必
要とせず、また、機械的強度を高めるための硬化処理あ
るいは、氷結・硬直温度を低下させるための、なんらか
の後処理などを全く必要としない。しかも、本発明で得
られる多孔板状ゲルは、ゴム状弾性と柔軟性および機械
的強度、生体組織類似の感触を兼備し創傷患部に対する
刺激性が無く、患部に固着せず、しかも患部滲出液を排
除するための透過性に優れるなど、創傷治療用被覆材と
して望まれる全ての性能を充足する。 また、本発明のゲルは、水または温水に不溶で、粘着性
を示さず、この点においても、前記のポリビニルアルコ
ール水溶液の放冷ゲルとは全く累々る。すなわち、本発
明は、従来のポリビニルアルコール水溶液の放冷ゲルf
tA あるいは従来知られたポリビニルアルコール水溶
液の化学的処理によるゲル化などに関する知見とは全く
異なる新規ゲルを提供するものであること1,1味する
。 本発明に用いるポリビニルアルコールのけん化度は、9
5七ル一以上、好ましくは97七ル一以上を要する。け
ん化度80〜88モル−1特に85モル−以下のポリビ
ニルアルコールを用いても、軟弱なゲルが得られるにす
ぎず、本発明の目的は達成されなり0 本発明に用いるポリビニルアルコールの重合度はi、s
o。 以上を要する。重合度300〜1,500未満、特に1
,400以下では粘稠液または軟弱ゲルが生成するにす
ぎない。本発明においては、例えば重合度1,500〜
3,300程度のポリビニルアルコールが使用できるが
、通常市販されている高重合度品(重合度1,500〜
2,600 )をそのまま用いるのが良い。 本発明では、まず、ポリビニルアルコールと水溶性有機
化合物の双方を含む水溶液を調製する。ポリビニルアル
コールの濃度としては、1〜10wt%、好ましくは3
〜9tot%とすることができる。この濃度f:10s
ot%より高めると、常温における水溶液の粘度が高ま
夛、また貯蔵中に粘度上昇あるいは部分的固化などの変
性をき良すこともあり、取扱い難いうえ、柔軟な肌ざわ
シを確保するには、いくぶん丈夫に過ぎるため、上記の
9wt%程度にとどめるのが特に好ましい。 また、この濃度が低すぎると、生成するゲルの機械的強
度が低下する。したがって、この濃度としては1wt4
以上、好ましくは3wt%以上とするのが良い。 本発明において線、上記ポリビニルアルコール水溶液に
、水溶性有機化合物を溶解させることを特徴とし、これ
Kよシ生体組織全長期間被覆した場合においても、滲出
液量のいかんにかかわらず、常に被覆材の風乾・硬直を
まぬがれることができるほか、上記、有機化合物による
氷点降下作用に基づき、本発明の被覆材をあらかじめ冷
凍庫に保存しても、被覆材の硬直は回避される。 本発明に用いるところの、分子中に2〜8個の水酸基を
有する水溶性有機化合物としては、通常、炭素数2〜2
0程度の多価アルコールが利用されうるほか、平均分子
量200〜1.500のポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコールなども有用である。即ち、本発明
における水溶性有機化合物としては、分子中に2〜8個
の水酸基を有する水溶性有様化合物が用いられるが、こ
の場合、2〜8個の水酸基のt’tかに、更に、例えば
カルボキシル基、アシル基、アミン基、スルフヒドリル
基、イミノ基、カルボニル基、アルコキシ基、シアノ基
、スルフィニル基、メシル基(tp+m昨1 基) 、
スルホン基、スルホニル基、ニトロ基などの置換基金有
する水溶性有機化合物も有用である。したがって、少な
くとも水酸基2〜8個を有する水溶性有機化合物が本発
明に用いられるが、これらを、本発明においては便宜上
、水溶性多価アルコールと称す。本発明の水溶性多価ア
ルコールとしては、例えば、グリセリン、1.2−プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリ
セリン、1,4−1タンジオール、1.3−ブタンジオ
ール、ポリプロピレングリコール、その他単糖類(エリ
トリトール、アラビノース、キシロース、キシリノール
、グルコース、クルジトール(ソルビトール、ソルビッ
トλグルコン酸、グルクロン酸、グルカル酸、ガラクツ
ロン酸、フルクトース、クルコサミン)、二m19(ス
クロース、セロビオ−人ラクトース)、三糖1i(ラフ
ィノース)、水溶性多糖類(アガロース、アミロース、
アルギン酸ナトリウム、グリコゲン、コンドロイチン、
コンドロイチン發酸、デキストラン、ペクチン酸、アル
ギン酸フロピレンゲリコールエステル、トラガント・ガ
ム、プルラン、コンドロイチン硫酸ナトリウム)を挙げ
ることができる汎既にわが国において、食品への多量添
加が許可されている1、2−プロピレングリコール(プ
ロピレングリコール)、グリセリン、D−ソルビトール
が最も好ましい。 これらは、発癌性、急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性等
に関する動物実験結果(National 0yste
r Itvat、 U、S 、A、 、 ”発f&注デ
ータ調査レポート”、 p、417. p、147.
p、265゜(1975)、海外技術資料研究所、石
橋武二、1食品添加物の全貌”、 p、140〜144
.2.120〜123. j)、140. p、143
. p、120゜p、122 (1971) 、南江堂
、石館守三、1食品添加物公定書解説書“、 p、B8
43. p、B251 、 p、B586 (1979
)、広角書店)においても、問題は無いとされており、
例えばプロピレングリコール祉、中華めんに添加される
ほか、食品層香料、着色料、保存料の溶剤としても用い
られ、弱い静菌作用をも有する食品用、医薬用添加物と
して知られる(石橋武二、1食品添加物の全貌”、 p
、140〜144 (1971)、石橋武二、1食品添
加物ガイドブック″、 p、178 (1972)、南
江堂、石館守三、“食品添加物公定書解説書” 、 p
、B843(1979)、広角書店)。 また、グリセリンは7、パン、ケーキ、カステラの湿潤
剤、保湿剤、あるいは清酒、合成清酒、マシュマロ、チ
ューインガム、ゼラチンデザート、肉製品、キャンデー
への添加物として知られる(石橋武二、1食品添加物の
全貌″、 p、120〜123、 p、140. p、
143(1971)、石館守三、1食品添加物公定書解
説書薔”、pJ251 (1979)、広角書店)。D
−ソルビトール(6価アルコール)はビタミン剤、アミ
ノWR農剋カステラ、ケーキ、パン、羊かムせ納豆、合
成酒、マヨネーズ、ハム、ソーセージ、清涼飲料水、み
そ、しよう油、食酢へ奈良漬けなどに添加されている(
石橋武二、1食品添加物ガイドブック’ 、 1.3s
(1972)、南江堂、石館守三、1食品添加物公定
書解説書”、 p、B589 (19)9)。 これらの多価アルコール及びポリエチレングリコールは
、化粧品、練歯磨、ローション、軟膏剤、錠剤結合材な
どに用いられている(石館守三、゛食品添加物公定書解
説書”。 pJ59G、p、8846(1979)、広角書店、′
化粧品原料基準追補注% ’、p、27s、 9.6B
、 p、26tt p、m、 j)、278 (197
1)、薬事日11m、” 1tJa用原料ulA格’
t p−53,p−56,p−57゜p、51a、 p
−fQ’)。また% 1.4−ブタンジオール、ポリプ
ロピレングリコールも、毒性社きわめて低いとされ、t
4−ブタンジオールの経口投与による動物試験によるI
JD5゜(白ネズミ)Fi2f/bで、プロピレングリ
コール、D−ソルビトールには及ばないものの、毒性の
きわめて弱いことは一般に認められるところである。ポ
リプロピレングリコールも、毒性はほとんどなく、皮膚
への刺激も、角膜への損傷もないとされている。したが
って、本発明の水溶性多価アルコールとしては、上述の
プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポ
リエチレングリコール、更にはポリプロピレングリコー
ル、1.4−ブタンジオールが特に好ましい。食品に供
されているアルギン酸ナトリウム、ペクチン酸、グルコ
ース、フルクトース、スクロースなども、もちろん使用
できるが、これらは、一般に雑菌汚染を招く懸念かめり
、シたがって、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウ
ム、p−オキシ安息香酸誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウ
ム、デヒドロ酢酸などの抗―剤(保存用添加剤)を加え
て用いるのが良い。 上記、各種水溶性有機化合物は、それらの水溶液中の濃
度を、前述のとおり5〜60wtチ、好ましくは20〜
5owtチに調整後、本発明に基づき、被覆材を製造し
た場合、その被覆材中に包埋され、被覆材の風乾・硬直
を防止しまた〜本発明の被覆材を冷凍庫(まえは冷蔵庫
)に保存する場合の氷結・硬直の防止にも寄与する。そ
の使用量としては、それぞれの保水性、吸湿性、氷点降
下能などを考慮して選定されるが1例えば〜プロピレン
グリコール含量、35sot% 、!−50sot−の
水溶液の氷結点は、それぞわ。−15℃と一34℃で、
ともに0℃でも柔軟であり、しかも、これを包埋した本
発明被覆材t−37℃で20日間風乾しても、被覆材の
弾力性、柔軟性〜 しなやかさに、はとんど変)はない
。ま九、グリセリン含量30sat%の水溶液の氷結点
は、−10℃でTo広 これを包埋し九本発明の被覆材
を0℃まで冷却しても、硬直は全く認められず、しかも
、これを37℃で20日間風乾しても、やは9硬直傾向
は見られな込。同じく、グルコース32wt%。 蔗糖5Dwt%、ラクトース24wt%、マンニ)−ル
9wt%。 またはラフィノース32wt%の水溶液の氷結・硬化温
度は、それぞれ−5℃、−7℃、−2℃、−1℃、−1
℃であ広やは多上記と同様の効果t−認めることができ
る。 本発明において、ポリビニルアルコール及び水溶性多価
アルコールの双方を含む水溶液を調合するには、水中ヘ
ボリビニルアルコールと該水溶性有機化合物と全添加・
溶解・懸濁させる方式のほか、あらかじめ水中ヘポリビ
ニルアルコールを溶解し、しかる後、これを該水溶性有
機化合物(またはその水溶液)と混合する方式、あるい
は該水溶性有機化合物(またはその水溶液)ヘポリビニ
ルアルコール水溶液またはポリビニルアルコール粉末を
添加・溶解させる方式などを採ることができ、いずれの
方式にお込ても、最終的に〜ポリビニルアルコール濃度
1〜10wtチ、骸水溶性有機化合物濃度5〜60so
t−に調整する。これらの場合、ポリビニルアルコール
は、木取外の溶剤に離溶であることから、水溶性有機化
合物の水溶液中において、しば゛しば透明なミクロゲル
微粒子の分散した状II(透明懸濁水溶液状態)tl−
とる力ζこれは本発明の実施になんら差し支えない。 本発明においては、上記ポリビニルアルコール及び多価
アルコールに滅菌操作管施す。この操作は、ポリビニル
アルコールと多価アルコールの双方を含む水溶液につき
実施することができるが、ポリビニルアルコール水溶液
と多価アルコール水溶液、または、ポリビニルアルコー
ルと多価アルコール、あるいはポリビニルアルコール水
溶液と多価アルコールなどにつき分割実施後、これらを
無菌室において混合(調合)することもできる。これら
の滅菌には、高圧スチーム滅菌法が至便で、しかも有効
である。 本発明にお込ては、上記いずれかの手法によフ得られる
滅菌済みのポリビニルアルコール・多価アルコール水溶
液を、予め滅菌した突起配列板へ注ぎ、面上に塗布しし
かる後、これを冷却・固化させ、真空部分脱水する。こ
れに用いる突起配列板としては、成型後のヒドロゲル・
ネット(本発明被覆材)の網目が、創傷患部滲出液の迅
速排除用通過孔として積極的に活用されうろことを意図
して、1−あたり3万〜加万個の突起を設けた平板また
は曲板(波板)が用いられる。 突起密度が過小の場合は、患部滲出液の貯留(absc
ess cavi−ty)?招き易く、創傷の早期治癒
を期し難いうえ、かえつ\ て汚染を増強・増悪させ、治癒を遅れさせる。したがっ
て、突起相互間距離としては、通常2.5国以下、好ま
しくは0.6国以下とし、個数は1??/あたり3万個
以上、好ましくは5万個以上とする。また、突起密度が
過大の場合は、ヒドロゲル成型体(被機材)の機械的強
度が低下する。 突起の太さについては、過小の場合、ヒドロゲル成型体
(被覆材)の網目径が過小のため、患部滲出液の通過・
排出が妨げられ、好ましくない。したがって、突起太さ
は、通常1霞以上、好ましぐは1.5■以上と1 しか
も、滲出液の迅速排除・通過の観点から、突起部分の占
める合計面積を、全板面の10−以上とする。また、本
発明の被覆材は、これを創面に当て、さらに、その上に
吸湿材(ガーゼ、包帯)t−当てて用いるが、この場合
、ガーゼ、包帯等が創面に直接接触することを回避する
必要上、上記突起の太さは1611以下、好ましくは7
■以下とL/%央起数は、1−あた)20万個以下、ま
た、突起部の占める合計面積紘、全板面の70%以下と
するのが良い。 本発明においては突起部の合計面積は好ましくは20〜
sobである。 また、突起の高さは、所望するゲル成型品の厚みに応じ
決定される力ζ例えば0.01〜5■とすることができ
る。 突起および突起付設平板の材質としては、ポリエチレン
、ポリプロピレン、ポリスチレン、テフロン、鋼鉄、ア
ルミニウム、鋳鉄、シリコーンなどに代表される任意の
成型材を用いることができるが、硬質ガラス、並製ガラ
ス、陶磁器材等は、後述の急速冷却の過程で、しばしば
破損するため好ましくない。 本発明においては、上紀突起付設板へ、前記、ポリビニ
ルアルコール・多価アルコール水溶液を注ぐか、あるい
はへら等を用い突起付設板面に塗布する。塗布の厚さは
0.5〜5箇、好ましくは1〜3箇である。この場合、
突起と同一の高さにまで塗布して差支えない。すなわち
、ポリビニルアルコール・多価アルコール水溶液の塗布
後、本発明によ択これを冷却・同化・成型、部分脱水し
た場合、厚さ方向への収縮率は、約3〜8チであ飢これ
によ広突起密度に対応した開孔が達成される。しかしな
がら、突起の高さを超えて厚く一布した場合、しばしば
開孔(多孔板状ゲルの成型)の目的を達成することがで
きないので、注意を要する。 本発明においては、上記の塗布操作後、この塗布面を、
冷却・成型する。この場合、冷却剤としては、例えば、
食塩−氷(23ニア7)(−21℃)、塩化カルシウム
−氷(30ニア0)(−55℃)などの寒剤、あるいは
ドライアイス−メチルアルコール(−720)、液体窒
素(−196℃)などを用い、−6℃より低い温度に冷
却し、固化させる。冷却が不十分であると、後述する部
分脱水工程を経て得られるゲルの機械的強度に劣る。液
体ヘリウムを用いれば、−269℃まで冷却できるが、
不経済であるうえ、ゲルの品位に利点はなく、実用上は
、フレオン冷凍機を用い、例えば−20−80℃に冷却
するのが良い。この冷一温度は、後述の部分脱水工程を
経て得られるゲルの強度に影響する。特に強いゴム弾性
のゲルを望む場合は、−20℃以下、例えば−20−5
5℃が好ましく、−6−20℃では、ゲルの強度が若干
低下する。冷却・成型を省略するときは、水中において
剛直性を全く欠く、単なるポリビニルアルコールフィル
ム・ゲルが生成するにすぎず、本発明の弾性に富むゴム
状ヒドロゲルは得られない。 本発明における、成型時の冷却速度としては、0.1〜
b/−の緩慢冷却、あるいは7〜1ρ00℃/―の急速
冷却のいずれでも差支えない。 本発明においては、上述の冷却処理後、真空下に脱水す
る。 脱水率(冷却・固化ゲルの重量減少率)が高まるととも
に、ゲルの機械的強度も更に向上する臥被覆材としての
用途を考慮するならば、特に脱水率を高めて強固なゲル
を得ることは必要でなく、脱水率5〜95wt%、好ま
しくは10〜80wt1r 、さらに好ましくは15〜
7Dsat%とするのが、ゲルの柔軟性の観点から好ま
しい。ここで言う真空脱水鉱減圧で脱水することで、減
圧の度合は特に限定されないが、たとえば10■H1以
下、好ましぐは1smH9以下、さらには0.11HP
以下で行なうことができる。 この脱水工程を省略することはできない。すなわち、こ
れを実施しないかぎ広本発明の弾性に富む、しかも機械
的強度の優れたゲルは得られず、脱水が進行するととも
に、ゲル強度が著しく高まシ、しかも非粘着性、耐水性
などの諸性状が著しく改善されることから、この部分脱
水処理は本発明にとタネ可欠である。もつとも、本発明
においては、注射薬液の凍結乾燥あるいはコーヒー、ミ
ルク、果汁、めん類等の含水食品の凍結乾燥に見られる
十分なる脱水(乾燥)処理を行う必要はなく、上述のと
おりの部分脱水処理により、十分本発明の目的が達成さ
れ、上記のとおシ、脱水が進行するに伴いゲル強度が著
しく高まることから、所望のゲル強度に応じ、脱水量
シ、特に、従来の天然系または合成系高分子化合−に見
られない優れ九諸特性を有する、創傷被覆材に関する。 ヒドロゲル(含水ゲル)は、肌ざわシがソフトで、住体
への刺激が少ないこと(桜田洋、高分子、24.590
(1975)。 丹沢宏、@医用高分子”、 p−130,F、81.
(1978)、共立出版)、生体組織(親水性)に類
似する点が多いこと(丹沢宏、@医用高分子”、 p、
8G (197g))などから、医用材料として期待さ
れているが、従来公知のヒドロゲルは、いずれも軟弱で
、機械的強度に劣)、これに因へ成型上多大の制約を受
けることなどから、その用途は、きわめて制限されてい
る( A、S、Hofftyxs* at al、、
7Irams、 knor、 Soc、 kttf。 Int、 Orgoms、 18.10 (1972)
、 S、D、Br5ttk、 J、 Biomgd
。 Matte、 Ram、、 6.180 (1972)
、打釘紀元(訳) (H,5isrzhat al、、
) 、 ポリマーダイジェスト、1981. (5)
27.松本薄志、化学総説、−幻、、49(1978
)、増原英−2化学と工業。 31、 617(1978)、高松俊昭、医学のあゆみ
#馬349(1978)、hd−油1.抽v、 24(
1973)χ機械的強度の劣るヒドロゲルをホルムアル
デヒド、グルタルアルデヒド、テレ7タルアルデビド勢
によ)処理する硬化手段(強度向上策)が多数提案され
てきた力ζこれらの化学処理によシ、ヒドロゲルの優れ
た%g!(生体組織類似感触、しなやかさ、弾性、柔軟
性)が大幅に減退するのが通例で、更に、化学試薬を用
りることに因る生体組織との好ましくない反応を招く場
合もめ9 (D、L、Mac Dngie at al
、、A−M−A、Archivaa Smrgarye
77、967(1958)e L、Braun a
’t al−eibid、、 79.72(1959)
、増原英−他、 MOL 1979. (12)50
゜今井庸二、化学総説、 21.77(1978)、
中林宣男、@人工臓器資料集成″、 p、 88 (
1976)、ライフサイエンス・センター)、この化学
処理に多くを期待し難い。 化学処理を行うことなく、軟弱なヒドロゲルを硬化させ
る唯一の手法として、放射線照射法が期待されているC
N、A。 Payaa at al、e J、 EMomad、
Maty、 Ram、、 4 ml (1977)を打
釘紀元(訳) (H,Singh at aj、)、ポ
リマーダイジェスト、1981、 (6) 91)。
しかし、これには、特殊な設備t−要するうえ、その効
果が顕著でないことから、一般に実用困難で、更に、放
射線照射によ広前記のヒドロゲル本来の優れた特徴の消
失(tたは減退)する例が多い(打釘紀元(訳)(H0
84町μ−1ag、)、ポリマーダイジェスト、 19
81. (6)匍)。 本発明は、上述の化学処理または放射線照射のいずれを
も回避して得られる、機械的強度、弾性、柔軟性、肌ざ
わシに優れ、創傷患部に対する制激性の無い、非固着性
で、しかも患部滲出液(muiata ) O透過性に
優れた、創傷治療用被覆材を提供する。 本発明は、また、上記本発明に述べるヒドロゲルに、抗
菌剤を包埋させることによ九上記ヒドロゲルに、抗菌剤
徐放(持続放出)能を賦与し長期にわたる抗菌作用を発
揮しうる創傷被覆材を提供する。すなわち、本発明は、
常法のようなヒドロゲル硬化(II械的強度向上)策と
しての化学反応ま ・たけ放射線照射を全〈実施する
ことなく、シたがって、包埋対象とする抗菌剤になんら
の損傷をも与えることなく、これを医用ヒドロゲル中に
包埋し抗菌作用の望まれる部分、即′ら、創傷患部と被
覆材との接触面に、長期にわたル、抗菌剤を有効に持続
放出する創傷被覆材を提供する。 本発明は、更に、創傷、特に熱傷直後の創患部を冷却す
るのに適した医用ポリビニルアルコール・ヒドロゲル系
保冷材を提供する。 本発明紘、上記医用材料の合成原料として、ポリビニル
アルコールを用いる。もつとも、ポリビニルアルコール
のゲル化法(ヒドロゲル合成法)については、既に多く
の処決が提案されている。しかし下記に要約するとおシ
、いずれにも、操作上または生成物の性状に難がある。 (1) ポリビニルアルコール水溶液を風乾すること
によシ、湿潤皮膜また祉乾燥皮膜が得られるが、これら
は耐水性に劣シ、水中にお仕る剛直性を全く有しない軟
弱なフィルムにすぎず、限られた用途に用いられるにす
ぎな%A(特公昭4O−9523)。 (2) ポリビニルアルコールとテトラエテルシリケ
ートを含む懸濁水溶液に酸を加え風乾する方法によって
も、やは夕、上記(1)と同様の皮膜が得られるにすぎ
ない。この場合、懸濁水溶液に酸を加え、凍結・乾燥す
る提案もあるが、生成する皮膜の強度はかえって低下し
ほとんど成型不能である(特公昭55−30358.
特公昭55−11311)。 (3) ポリビニルアルコール水溶液へ、コバル)6
0(r線)を照射するゲル化法が周知でおる。しかしこ
の場合、特殊な施設(放射線照射施設)を不可欠とする
うえ、照射経費もかさみ、しかも得られるゲルが軟弱で
、しばしば他の硬化手段(2次的硬化処理)を要する。 したがって、この方法で得られるゲルは、人工硝子体(
li球内充てん液)などの、高粘性11[(または軟質
ゲル)が望まれる特殊用途以外には利用し難い(J*M
atarsal 5es−e 1974918i5s特
開昭5O−55647)。 (4)ポリビニルアルコール水溶液へホウ酸(またはホ
ウ酸水溶液)あるいはホウ酸(またはホウ砂水溶液)(
注ニホウ砂=四ホウ酸ナトリウム+水和物)を加えると
、即座にゲル化することも古くから著名である。しかし
得られるゲルは、軟弱で、流動性を有し、しかも単に指
先でつまむことにより直ちに千切れる九め、成型後の形
態は保持され難い(J、A%Ckatn、 Soc、*
60t 1045(1938)、7ランス特許743
942(1933))。 また、とのホウ砂ゲル祉アルカリ性雰囲気下では存在し
うるが、pH8以下では容易に崩壊する。したがって医
用材料には利用し難く、価値に乏しい。 (5) フェノール、ナフトール、コンゴ−・レッド
等のフェノール類またはアミン化合物、らるいはチタニ
ウム、クロム、ジルコニウム等の金属化合物によゐポリ
ビニルアルコールのゲル化法も多数提案されているが、
いずれも上記(4)と同様の難点がある(日本化学雑誌
、 72.1058(1951)、 特公昭40−9
523 、特公昭4O−23204)。 (6) アルデヒド、ジアルデヒド、不飽和ニトリル
、ジインシアナート、トリメチロールメラミン、エビク
ロロヒドリン、ビス−(β−ヒドロキシエチル)スルホ
ン、ポリアクリル酸、ジメチロール尿素、無水マレイン
酸等の架橋剤または共重合成分によるポリビニルアルコ
ールのゲル化も周知であるが、いずれも化学試薬を用い
る操作t1!するはカヘ高倉水性の丈夫なヒドロゲルは
得難い(Textile Iha、 J、 、 (3)
・189(19a2)。 英国特許742,900 (1958))。 (7) ポリビニルアルコール水溶液f:40℃以下
、特に5〜18C以下の低温に放置することによシゲル
化させる手法も古くから著名である(小南他、1%分子
化学、 4218(1955)、前田他、高分子化学、
1ユ、 193(195g)、1化、59.&)9(1
956))。 しかし室温付近において生成するゲルは寒天、カラダナ
ンのようにもろく、しかも、これは単に激しくかきまぜ
るか、水を加えてかきまぜるか、あるいは若干温めるこ
とにより溶解する(小南他、高分子化学、旦218(1
955)、高橋。 桜田、高分子化学、p 502(1956))。 この、ポリビニルアルコール水溶液の放冷ゲルを得るの
に、低温が好ましいことも周知で、例えば18C1更に
は0℃あるいはOC以下の低温で実施する例も知られて
いる(前田他、高分子化学、1且、 193(195
6)、特公昭47−12854゜高橋他□、 Poly
mer J、、 6.103(1974) )。 しかしいずれにしても、得られるゲルは、寒天、カラゲ
ナン、ゼリ一様の軟弱品(または粘液)であシ、激しい
ベトッキ(粘着性>1示すうえ、耐水性に乏しく、水中
では著し□ く膨潤し更に軟化すると共に1一部は水中
に溶出し、残部は糊状と化す。また、水中あるいは40
〜50Cの温水中では、更に迅速に形くずれし水中に分
散・溶解するなどの難点を有し、医用材料としての価値
を認め難い。 (8)ゲル化能を有する水溶性高分子、例えばアガロー
ス(agα−roam)、寒天(aye) 、アルプミ
y (allntin )、アルギン酸塩、カードラン
(α−ran)、カラゲナン(錨が9−一翫講)、カゼ
イン(casein ) 、CMC(aodixtm
cαrhoηmatルyl ea−11sloae )
、7アーセレラン(fircgllaran ) %ゼ
ラチン((Hlatis )、メチルセルロース(tn
ethyl ealhdoaa −) %ペクチン(P
#etin )%澱粉(atareh )%タマリンド
ガム(ta−情Vi−μ票)、ザンタン〃ム(叡礒th
atn %駕)、トラガントガム(tra%C信tルp
惰)、グアーガム(rμ溝)等の水溶液へ少量のポリビ
ニルアルコールを添加後、これを放冷するか、ゲル化剤
含有浴(凝固浴)へ浸漬するか、あるいはこれ全凍結・
乾燥する手法も知られているが(フレグランスジャーナ
ル、 2 、 (7)68(1974)、特公昭56−
25210 。 25211)、このような手法によっても、やは夛軟弱
で耐水性の乏しい粘液または非流動性ゲル、あるいはパ
サパサした水溶性の乾燥粉末(凍結・乾燥粉)が得られ
るにすぎない。 (9)カオリンまたはベントナイトに微量(0,1〜0
.2wt%)のポリビニルアルコールを加えることによ
シゲルの生成することも周知で、この原理に基づき、競
技場の表面土壌へポリビニルアルコール(希薄水溶液)
を散布することにより、比較的はこりの立ち難い土壌に
改質する試み、あるいは田畑へ少量のポリビニルアルコ
ール(希薄水溶液)t−散布することにより、土壌の透
水性または保水性を改良する試み、更には、泥水へ少量
のポリビニルアルコールを加え、粘±(コロイド粒子)
の凝集沈澱を促進する技術も著名である。しかしこれら
の場合に生成するゲルも、きわめてもろく(外見上、単
なる土壌と区別し離<)、水中ではもちろん乾燥粉末の
状態においてもきわめてくずれ易< (J、Atr、汝
t、、 47.117(1勤))、医用材料としての価
値に乏しい。 本発明者は、ポリビニルアルコールを利用して、機械的
強度と弾性及び柔軟性に富み、肌ざわ9が良く、創傷患
部滲出液(aNitLta )の排除能力に優也しかも
創傷患部に固着せず、風乾・硬直會きたさず、また冷蔵
庫に保存しても氷結・硬直しない水不溶性ゲルを、安価
、且つ、安定に製造する方法を開発すべく検討した結果
、特定性状のポリビニルアルコールと、分子中に2〜8
価の水酸基を有する水溶性有機化合物の双方を含む水溶
液を予め、突起配列を有する成型用鋳型へ注入し、これ
を冷却・固化・成型後、部分的に真空脱水することによ
シ、初めて上記―的が達成さ也 しかも創傷患部に対す
る刺激性の無い優れた被覆材が得られるとの知見を得、
本発#Jt−完成した。 即ち、本発明は、けん化度95モルチ以上、粘度平均重
合度1,500以上のポリビニルアルコールと、分子中
に2〜8個の水酸基を有する水溶性有機化合物とを含み
、且つ、該ポリビニルアルコールと該有機化合物の濃度
を、それぞれ1〜10wt %および5〜60wt1&
に調整した水溶液を、1w?あたり3万〜20万個の突
起を有し、しかも突起部分の占める合計面積を10〜7
0チに調整した平板または曲板上へ、0.5〜5■の厚
さに塗布後、これを−6℃よル低い温度に冷却・固化し
、しかる後、これに脱水率(冷却・固化物の重量減少率
)5wt%以上、95wt%以下の真空脱水を施すこと
に得られる創傷被覆材を提供する。 本発明小ゲル化の過程ならびにその前処理工程において
、従来合成高分子のゲル化に常用されている酸、アルカ
リ、ラジカル源、放射線、有機溶媒、反応試薬などを必
要とせず、また、機械的強度を高めるための硬化処理あ
るいは、氷結・硬直温度を低下させるための、なんらか
の後処理などを全く必要としない。しかも、本発明で得
られる多孔板状ゲルは、ゴム状弾性と柔軟性および機械
的強度、生体組織類似の感触を兼備し創傷患部に対する
刺激性が無く、患部に固着せず、しかも患部滲出液を排
除するための透過性に優れるなど、創傷治療用被覆材と
して望まれる全ての性能を充足する。 また、本発明のゲルは、水または温水に不溶で、粘着性
を示さず、この点においても、前記のポリビニルアルコ
ール水溶液の放冷ゲルとは全く累々る。すなわち、本発
明は、従来のポリビニルアルコール水溶液の放冷ゲルf
tA あるいは従来知られたポリビニルアルコール水溶
液の化学的処理によるゲル化などに関する知見とは全く
異なる新規ゲルを提供するものであること1,1味する
。 本発明に用いるポリビニルアルコールのけん化度は、9
5七ル一以上、好ましくは97七ル一以上を要する。け
ん化度80〜88モル−1特に85モル−以下のポリビ
ニルアルコールを用いても、軟弱なゲルが得られるにす
ぎず、本発明の目的は達成されなり0 本発明に用いるポリビニルアルコールの重合度はi、s
o。 以上を要する。重合度300〜1,500未満、特に1
,400以下では粘稠液または軟弱ゲルが生成するにす
ぎない。本発明においては、例えば重合度1,500〜
3,300程度のポリビニルアルコールが使用できるが
、通常市販されている高重合度品(重合度1,500〜
2,600 )をそのまま用いるのが良い。 本発明では、まず、ポリビニルアルコールと水溶性有機
化合物の双方を含む水溶液を調製する。ポリビニルアル
コールの濃度としては、1〜10wt%、好ましくは3
〜9tot%とすることができる。この濃度f:10s
ot%より高めると、常温における水溶液の粘度が高ま
夛、また貯蔵中に粘度上昇あるいは部分的固化などの変
性をき良すこともあり、取扱い難いうえ、柔軟な肌ざわ
シを確保するには、いくぶん丈夫に過ぎるため、上記の
9wt%程度にとどめるのが特に好ましい。 また、この濃度が低すぎると、生成するゲルの機械的強
度が低下する。したがって、この濃度としては1wt4
以上、好ましくは3wt%以上とするのが良い。 本発明において線、上記ポリビニルアルコール水溶液に
、水溶性有機化合物を溶解させることを特徴とし、これ
Kよシ生体組織全長期間被覆した場合においても、滲出
液量のいかんにかかわらず、常に被覆材の風乾・硬直を
まぬがれることができるほか、上記、有機化合物による
氷点降下作用に基づき、本発明の被覆材をあらかじめ冷
凍庫に保存しても、被覆材の硬直は回避される。 本発明に用いるところの、分子中に2〜8個の水酸基を
有する水溶性有機化合物としては、通常、炭素数2〜2
0程度の多価アルコールが利用されうるほか、平均分子
量200〜1.500のポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコールなども有用である。即ち、本発明
における水溶性有機化合物としては、分子中に2〜8個
の水酸基を有する水溶性有様化合物が用いられるが、こ
の場合、2〜8個の水酸基のt’tかに、更に、例えば
カルボキシル基、アシル基、アミン基、スルフヒドリル
基、イミノ基、カルボニル基、アルコキシ基、シアノ基
、スルフィニル基、メシル基(tp+m昨1 基) 、
スルホン基、スルホニル基、ニトロ基などの置換基金有
する水溶性有機化合物も有用である。したがって、少な
くとも水酸基2〜8個を有する水溶性有機化合物が本発
明に用いられるが、これらを、本発明においては便宜上
、水溶性多価アルコールと称す。本発明の水溶性多価ア
ルコールとしては、例えば、グリセリン、1.2−プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリ
セリン、1,4−1タンジオール、1.3−ブタンジオ
ール、ポリプロピレングリコール、その他単糖類(エリ
トリトール、アラビノース、キシロース、キシリノール
、グルコース、クルジトール(ソルビトール、ソルビッ
トλグルコン酸、グルクロン酸、グルカル酸、ガラクツ
ロン酸、フルクトース、クルコサミン)、二m19(ス
クロース、セロビオ−人ラクトース)、三糖1i(ラフ
ィノース)、水溶性多糖類(アガロース、アミロース、
アルギン酸ナトリウム、グリコゲン、コンドロイチン、
コンドロイチン發酸、デキストラン、ペクチン酸、アル
ギン酸フロピレンゲリコールエステル、トラガント・ガ
ム、プルラン、コンドロイチン硫酸ナトリウム)を挙げ
ることができる汎既にわが国において、食品への多量添
加が許可されている1、2−プロピレングリコール(プ
ロピレングリコール)、グリセリン、D−ソルビトール
が最も好ましい。 これらは、発癌性、急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性等
に関する動物実験結果(National 0yste
r Itvat、 U、S 、A、 、 ”発f&注デ
ータ調査レポート”、 p、417. p、147.
p、265゜(1975)、海外技術資料研究所、石
橋武二、1食品添加物の全貌”、 p、140〜144
.2.120〜123. j)、140. p、143
. p、120゜p、122 (1971) 、南江堂
、石館守三、1食品添加物公定書解説書“、 p、B8
43. p、B251 、 p、B586 (1979
)、広角書店)においても、問題は無いとされており、
例えばプロピレングリコール祉、中華めんに添加される
ほか、食品層香料、着色料、保存料の溶剤としても用い
られ、弱い静菌作用をも有する食品用、医薬用添加物と
して知られる(石橋武二、1食品添加物の全貌”、 p
、140〜144 (1971)、石橋武二、1食品添
加物ガイドブック″、 p、178 (1972)、南
江堂、石館守三、“食品添加物公定書解説書” 、 p
、B843(1979)、広角書店)。 また、グリセリンは7、パン、ケーキ、カステラの湿潤
剤、保湿剤、あるいは清酒、合成清酒、マシュマロ、チ
ューインガム、ゼラチンデザート、肉製品、キャンデー
への添加物として知られる(石橋武二、1食品添加物の
全貌″、 p、120〜123、 p、140. p、
143(1971)、石館守三、1食品添加物公定書解
説書薔”、pJ251 (1979)、広角書店)。D
−ソルビトール(6価アルコール)はビタミン剤、アミ
ノWR農剋カステラ、ケーキ、パン、羊かムせ納豆、合
成酒、マヨネーズ、ハム、ソーセージ、清涼飲料水、み
そ、しよう油、食酢へ奈良漬けなどに添加されている(
石橋武二、1食品添加物ガイドブック’ 、 1.3s
(1972)、南江堂、石館守三、1食品添加物公定
書解説書”、 p、B589 (19)9)。 これらの多価アルコール及びポリエチレングリコールは
、化粧品、練歯磨、ローション、軟膏剤、錠剤結合材な
どに用いられている(石館守三、゛食品添加物公定書解
説書”。 pJ59G、p、8846(1979)、広角書店、′
化粧品原料基準追補注% ’、p、27s、 9.6B
、 p、26tt p、m、 j)、278 (197
1)、薬事日11m、” 1tJa用原料ulA格’
t p−53,p−56,p−57゜p、51a、 p
−fQ’)。また% 1.4−ブタンジオール、ポリプ
ロピレングリコールも、毒性社きわめて低いとされ、t
4−ブタンジオールの経口投与による動物試験によるI
JD5゜(白ネズミ)Fi2f/bで、プロピレングリ
コール、D−ソルビトールには及ばないものの、毒性の
きわめて弱いことは一般に認められるところである。ポ
リプロピレングリコールも、毒性はほとんどなく、皮膚
への刺激も、角膜への損傷もないとされている。したが
って、本発明の水溶性多価アルコールとしては、上述の
プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポ
リエチレングリコール、更にはポリプロピレングリコー
ル、1.4−ブタンジオールが特に好ましい。食品に供
されているアルギン酸ナトリウム、ペクチン酸、グルコ
ース、フルクトース、スクロースなども、もちろん使用
できるが、これらは、一般に雑菌汚染を招く懸念かめり
、シたがって、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウ
ム、p−オキシ安息香酸誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウ
ム、デヒドロ酢酸などの抗―剤(保存用添加剤)を加え
て用いるのが良い。 上記、各種水溶性有機化合物は、それらの水溶液中の濃
度を、前述のとおり5〜60wtチ、好ましくは20〜
5owtチに調整後、本発明に基づき、被覆材を製造し
た場合、その被覆材中に包埋され、被覆材の風乾・硬直
を防止しまた〜本発明の被覆材を冷凍庫(まえは冷蔵庫
)に保存する場合の氷結・硬直の防止にも寄与する。そ
の使用量としては、それぞれの保水性、吸湿性、氷点降
下能などを考慮して選定されるが1例えば〜プロピレン
グリコール含量、35sot% 、!−50sot−の
水溶液の氷結点は、それぞわ。−15℃と一34℃で、
ともに0℃でも柔軟であり、しかも、これを包埋した本
発明被覆材t−37℃で20日間風乾しても、被覆材の
弾力性、柔軟性〜 しなやかさに、はとんど変)はない
。ま九、グリセリン含量30sat%の水溶液の氷結点
は、−10℃でTo広 これを包埋し九本発明の被覆材
を0℃まで冷却しても、硬直は全く認められず、しかも
、これを37℃で20日間風乾しても、やは9硬直傾向
は見られな込。同じく、グルコース32wt%。 蔗糖5Dwt%、ラクトース24wt%、マンニ)−ル
9wt%。 またはラフィノース32wt%の水溶液の氷結・硬化温
度は、それぞれ−5℃、−7℃、−2℃、−1℃、−1
℃であ広やは多上記と同様の効果t−認めることができ
る。 本発明において、ポリビニルアルコール及び水溶性多価
アルコールの双方を含む水溶液を調合するには、水中ヘ
ボリビニルアルコールと該水溶性有機化合物と全添加・
溶解・懸濁させる方式のほか、あらかじめ水中ヘポリビ
ニルアルコールを溶解し、しかる後、これを該水溶性有
機化合物(またはその水溶液)と混合する方式、あるい
は該水溶性有機化合物(またはその水溶液)ヘポリビニ
ルアルコール水溶液またはポリビニルアルコール粉末を
添加・溶解させる方式などを採ることができ、いずれの
方式にお込ても、最終的に〜ポリビニルアルコール濃度
1〜10wtチ、骸水溶性有機化合物濃度5〜60so
t−に調整する。これらの場合、ポリビニルアルコール
は、木取外の溶剤に離溶であることから、水溶性有機化
合物の水溶液中において、しば゛しば透明なミクロゲル
微粒子の分散した状II(透明懸濁水溶液状態)tl−
とる力ζこれは本発明の実施になんら差し支えない。 本発明においては、上記ポリビニルアルコール及び多価
アルコールに滅菌操作管施す。この操作は、ポリビニル
アルコールと多価アルコールの双方を含む水溶液につき
実施することができるが、ポリビニルアルコール水溶液
と多価アルコール水溶液、または、ポリビニルアルコー
ルと多価アルコール、あるいはポリビニルアルコール水
溶液と多価アルコールなどにつき分割実施後、これらを
無菌室において混合(調合)することもできる。これら
の滅菌には、高圧スチーム滅菌法が至便で、しかも有効
である。 本発明にお込ては、上記いずれかの手法によフ得られる
滅菌済みのポリビニルアルコール・多価アルコール水溶
液を、予め滅菌した突起配列板へ注ぎ、面上に塗布しし
かる後、これを冷却・固化させ、真空部分脱水する。こ
れに用いる突起配列板としては、成型後のヒドロゲル・
ネット(本発明被覆材)の網目が、創傷患部滲出液の迅
速排除用通過孔として積極的に活用されうろことを意図
して、1−あたり3万〜加万個の突起を設けた平板また
は曲板(波板)が用いられる。 突起密度が過小の場合は、患部滲出液の貯留(absc
ess cavi−ty)?招き易く、創傷の早期治癒
を期し難いうえ、かえつ\ て汚染を増強・増悪させ、治癒を遅れさせる。したがっ
て、突起相互間距離としては、通常2.5国以下、好ま
しくは0.6国以下とし、個数は1??/あたり3万個
以上、好ましくは5万個以上とする。また、突起密度が
過大の場合は、ヒドロゲル成型体(被機材)の機械的強
度が低下する。 突起の太さについては、過小の場合、ヒドロゲル成型体
(被覆材)の網目径が過小のため、患部滲出液の通過・
排出が妨げられ、好ましくない。したがって、突起太さ
は、通常1霞以上、好ましぐは1.5■以上と1 しか
も、滲出液の迅速排除・通過の観点から、突起部分の占
める合計面積を、全板面の10−以上とする。また、本
発明の被覆材は、これを創面に当て、さらに、その上に
吸湿材(ガーゼ、包帯)t−当てて用いるが、この場合
、ガーゼ、包帯等が創面に直接接触することを回避する
必要上、上記突起の太さは1611以下、好ましくは7
■以下とL/%央起数は、1−あた)20万個以下、ま
た、突起部の占める合計面積紘、全板面の70%以下と
するのが良い。 本発明においては突起部の合計面積は好ましくは20〜
sobである。 また、突起の高さは、所望するゲル成型品の厚みに応じ
決定される力ζ例えば0.01〜5■とすることができ
る。 突起および突起付設平板の材質としては、ポリエチレン
、ポリプロピレン、ポリスチレン、テフロン、鋼鉄、ア
ルミニウム、鋳鉄、シリコーンなどに代表される任意の
成型材を用いることができるが、硬質ガラス、並製ガラ
ス、陶磁器材等は、後述の急速冷却の過程で、しばしば
破損するため好ましくない。 本発明においては、上紀突起付設板へ、前記、ポリビニ
ルアルコール・多価アルコール水溶液を注ぐか、あるい
はへら等を用い突起付設板面に塗布する。塗布の厚さは
0.5〜5箇、好ましくは1〜3箇である。この場合、
突起と同一の高さにまで塗布して差支えない。すなわち
、ポリビニルアルコール・多価アルコール水溶液の塗布
後、本発明によ択これを冷却・同化・成型、部分脱水し
た場合、厚さ方向への収縮率は、約3〜8チであ飢これ
によ広突起密度に対応した開孔が達成される。しかしな
がら、突起の高さを超えて厚く一布した場合、しばしば
開孔(多孔板状ゲルの成型)の目的を達成することがで
きないので、注意を要する。 本発明においては、上記の塗布操作後、この塗布面を、
冷却・成型する。この場合、冷却剤としては、例えば、
食塩−氷(23ニア7)(−21℃)、塩化カルシウム
−氷(30ニア0)(−55℃)などの寒剤、あるいは
ドライアイス−メチルアルコール(−720)、液体窒
素(−196℃)などを用い、−6℃より低い温度に冷
却し、固化させる。冷却が不十分であると、後述する部
分脱水工程を経て得られるゲルの機械的強度に劣る。液
体ヘリウムを用いれば、−269℃まで冷却できるが、
不経済であるうえ、ゲルの品位に利点はなく、実用上は
、フレオン冷凍機を用い、例えば−20−80℃に冷却
するのが良い。この冷一温度は、後述の部分脱水工程を
経て得られるゲルの強度に影響する。特に強いゴム弾性
のゲルを望む場合は、−20℃以下、例えば−20−5
5℃が好ましく、−6−20℃では、ゲルの強度が若干
低下する。冷却・成型を省略するときは、水中において
剛直性を全く欠く、単なるポリビニルアルコールフィル
ム・ゲルが生成するにすぎず、本発明の弾性に富むゴム
状ヒドロゲルは得られない。 本発明における、成型時の冷却速度としては、0.1〜
b/−の緩慢冷却、あるいは7〜1ρ00℃/―の急速
冷却のいずれでも差支えない。 本発明においては、上述の冷却処理後、真空下に脱水す
る。 脱水率(冷却・固化ゲルの重量減少率)が高まるととも
に、ゲルの機械的強度も更に向上する臥被覆材としての
用途を考慮するならば、特に脱水率を高めて強固なゲル
を得ることは必要でなく、脱水率5〜95wt%、好ま
しくは10〜80wt1r 、さらに好ましくは15〜
7Dsat%とするのが、ゲルの柔軟性の観点から好ま
しい。ここで言う真空脱水鉱減圧で脱水することで、減
圧の度合は特に限定されないが、たとえば10■H1以
下、好ましぐは1smH9以下、さらには0.11HP
以下で行なうことができる。 この脱水工程を省略することはできない。すなわち、こ
れを実施しないかぎ広本発明の弾性に富む、しかも機械
的強度の優れたゲルは得られず、脱水が進行するととも
に、ゲル強度が著しく高まシ、しかも非粘着性、耐水性
などの諸性状が著しく改善されることから、この部分脱
水処理は本発明にとタネ可欠である。もつとも、本発明
においては、注射薬液の凍結乾燥あるいはコーヒー、ミ
ルク、果汁、めん類等の含水食品の凍結乾燥に見られる
十分なる脱水(乾燥)処理を行う必要はなく、上述のと
おりの部分脱水処理により、十分本発明の目的が達成さ
れ、上記のとおシ、脱水が進行するに伴いゲル強度が著
しく高まることから、所望のゲル強度に応じ、脱水量
【
選定することができる。 いずれにしても、この部分的脱水処理は、本発明に不可
欠で、きわめて重大な意義を有するため、これを省略す
るとき、本発明に述べる非流動性、非粘着性、かつ高含
水性で、しかも機械的強度に優れるヒドロゲルは決して
得られない。 この部分的脱水処理を施すことによシ、本発明のゲルが
生成するが、これは容易に、前述の突起配列板から取り
はずすことができ、これをそのまま直ちに創傷被覆に用
いることができるほか、例えば、ポリエチレン製袋に収
めて密封し、室温に放置するか、あるいは冷蔵庫(冷凍
庫)に保存したのち、創傷被覆材として用いることがで
きる。 本発明のゲルは、多量の水分および水溶性有機化合物を
含有するにもかかわらず、機械的強度の点で、ζんにや
く、寒天、アルギン酸、カラゲナン、グアール・ゴム、
ローカストビーン・ガム、アガロース等の多糖類のゲル
、豆腐、ゼリー勢の蛋白質ゲルを、はるかにしのぎ、む
しろ人間、動−〇筋肉質に類似し、堅く握りしめても、
一時的に変形するが、直ちに元の形状に復し、形くずれ
しない。 本発明のゲルに圧力を加えても、含有液の浸出はほとん
ど見られず、例えば2W4/−の圧縮応力を課しても浸
出(流出)液量は、含有液の1〜2−にすぎない。 本発明のゲルには、粘着性がない。すなわち、本発明の
ゲル(成型品)10tを50−の水中に浸し、10日間
かきまぜても、相互付着、形くずれ等の現象は全く認め
られない。 なお、水道水中に1年間浸漬したが溶解せず、弾性およ
び強度も変らない(これは、例えばこんにゃくを数日間
水道水に浸漬し九場合、漱しい形くずれが起るのと、き
わめて対照的である。)。 本発明においては、ポリビニルアルコール単一成分がゲ
ル素材(ゲル化成分)として用いられる。しかし、ポリ
ビニルアルコールのゲル化t−阻害しない他の無機物ま
たは有機物が 。 共存することは、本発明に差支えなく、その共存量とし
ては、例えば、ポリビニルアルコールのA重量以下とす
ることができる。 また、本発明のゲルの感触としては、人間、動物等の肉
、イカの刺身、魚肉、餅、ちくわ、はんぺん、シュウマ
イ、ソーセージに類似する。したがって、本発明のゲル
は、ゲル自体が、生体組織に似た感触を有することから
、弾性に富む、肌ざわりの良い、創傷患部に刺激を与え
ず、また患部に固着しないなどの利点を有する創傷被覆
材として利用できる。 本発明においては、創傷部の雑菌汚染(感染)防止ある
いは化膿側の化学療法の観点から、抗菌薬を、前1ポリ
ビニルアルコールと多価アルコールとの混合水溶液へ添
加することができる。この添加操作は、ポリビニルアル
コールと多価アルコールの混合水溶液を滅菌後に実施す
るのが至便であるが、耐熱注抗−薬については、上記、
混合水溶液へあらかじめ添加後、これを加圧水蒸気滅−
シ、シかる後、前述した本発明のゲル化手法(冷却・同
化・真空部分脱水)を同様に適用することによ広やは広
弾性に富む、肌ざわシの良い創面被覆材が得られる。こ
れらの場合に周込うる抗菌薬としては、例えば、サルフ
ァジアジン(rulfadituisa ) 、銀サル
ファジアジン(5ilver tulfadiαtiy
)、ベンザルコニウムクロリド(bnusalkoni
sm chloride )、セタルコニウムクロリド
(catalktpniwtn chloride )
、メチルベンゼトニウA (me−tlqtlhmma
thonism ) 、硫酸ネオマイシン(naoty
cyein t*dfa−t#)、ヘキサクロロ7エン
(hrxw、hlorophay )、エオシン(go
aiy )、ペニシリンG (penicillin
G ) 、セファロチン(ce−−1othix )、
セファロリジン(cephaloridina )−テ
トラサイクリン(tetracycline )、リン
コマイシン(1inco−惰ν^−)、ナイスクチン(
%ystatix ) %カナマイシン(ムーwtny
cin ) 、ペニシリナーゼ抵抗注ベニシリy (p
rnieilli−wag−デaaiattmt pe
nicillin )、硫酸フラジオマイシン(fra
diomycin ttulfate ) 、乳酸銀(
ailvttr laetatg )などの単独使用ま
たは併用が挙げられる。抗菌薬のうち、例えば、ナトリ
ウムスル7アジアジンの、水に対する溶解度tt釦wt
%にも及ぶが、スルファジアジンでは13.000−υ
水に1fが溶解するにすぎない。しかし、本発明におい
ては、抗医薬を、必ずしも水溶液として用いる必要はな
く、粉末ある(被覆材)内に包埋させることができる。 本発明におけるポリビニルアルコール・多価アルコール
混合水溶液への抗菌薬の添加量としては、多価アルコー
ルのA重量以下とすることができ、例えば、硫酸フラジ
オマイシン0.2〜4wt%、サルファジアジン1〜2
5wt%、ペニシリンGO12〜1wt%などとするこ
とができる。本発明のゲルに包埋された抗菌薬は、短時
間で流失するとどはなく、長時間にわたり包埋・徐放さ
れる。例えば、ポリビニルアルコールと多価アルコール
の混合水溶液へサルファジアジン・ナトリウムを3wt
%溶解後、本発明の処決を適用して得られるゲル5f會
、5−の生理食塩水に6に浸漬した場合のサルファジア
ジン・ナトリウムの流失(損失)#′i、約30%であ
シ、その稜、新たな生理食塩水5wtに3日間浸漬して
も、なおサルファジアジンの放出が持続し、当初包埋量
の15%は、なおも、ゲル内に残存する。したがって、
本発明においては、各種抗―薬それぞれの徐放速度を考
慮しつつ、更に、化膿側の重症度、治療経過、抗菌薬の
副作用、ならびに、本発明の被覆材と併用されうる他の
治療法(すなわち、創面または本発明被覆材への抗生物
質含有軟膏の塗布等の化学療法など>’を配属しつつ、
抗―薬の包埋量を選択するのが良い。 本発明においては、ヒドロゲルの合成過程に、有害化学
試薬、有害溶媒等を全く使用しないことから、単にポリ
ビニルアルコール・多価アルコール水溶液の加圧スチー
ム滅菌を入念に実施し、しかも、これを無菌的に冷却・
固化・真空部分脱水するかぎり、本発明のヒドロゲルへ
の有害物随伴を懸念する必要がない。また、本発明のゲ
ルに抗菌薬を包埋させる場合にも、抗菌薬の種別とその
包埋量に配慮するかぎり、有害物随伴の懸念はなく、む
しろ、これにより、化膿側の治癒促進効果が発揮される
。 本発明において、ポリビニルアルコール・多価アルコー
ル 7水溶液を、冷却・成型・部分脱水することにより
、従来公知のポリビニルアルコール系ゲルとは全く異な
る、機械的強度の優れた弾性に富む、肌ざわ夕の良いヒ
ドロゲルの得られる理由は明らかでない力ζ冷却・成型
ならびに、これに続く部分的脱水処理時に、ポリビニル
アルコールの分子内お工び分子間にきわめてi数の水素
結合が形成され、特に、部分脱水が 時に、ゲル組織の結晶化度が高tり、機械的強度と弾ン
筋1することに因ると推察される。 いずれにしても、この稲のポリビニルアルコール繊維却
・部分脱水ゲルおよびその製法は、本発明者が初めて見
いだしたものである。 本発明のポリビニルアルコール・ゲルに、ポリビニルア
ルコール繊維またはポリビニルアルコール・フィルムに
対スる公知の硬化処理管施すことによシ、更に若干、ゲ
ルの機械的強度が高まる。この公知の硬化(架橋)処理
として蝶、例えに、アルデヒド、ジアルデヒド、ジイソ
シアナート、フェノール頌するいは、チタニウム、クロ
ム、ジルコニウム等の金属化合物、さらにはホウ砂、ア
クリロニトリル、トリメチロールメラミン、エビクロロ
ヒドリン、ビス−(β−ヒドロキシエチル)スルホン、
ポリアクリル酸、ジメチロール尿素、無水マレイン酸等
による方法を挙げることができる。しかし本発明のゲル
は、既に述べたとおりの強度を有することから、これら
の2次的硬化処理t%に必要としない。 本発明の多孔板状ヒドロゲルは、既に述べたとおシ、生
体組織に接した場合の刺激性が無く、また、患部に固着
せず、しかも柔軟な肌ざわシと充分な機械的強度、弾力
性を有し患部滲出液の透過(通過)注が良好であること
から、外傷、熱傷など各種創傷患部の被覆材として有用
で、特に、化膿側の治療において、最も、その威力を発
揮する。 本発明において述べる創傷とは、外傷あるいは手術的操
作などにより生じた生体組織の損傷(wescm )の
うちの開放性創傷(6p#3wowvi ) %即ち、
生体組織の抵抗性を越えた外力に因り、皮膚または粘膜
でおおわれた体表の一部が離断し多少とも離開した状態
の創傷を指し手術用メス、ナイフなどによる切創、注射
針、縫針、短刀などによる判割、斧のような厚刃の刃物
による開側、強い鈍力によ広生体組織が挫滅、破綻した
挫創、生体組織が異常に索引、伸展されたための裂創、
咬創、銃弾などによる射創、硫酸、゛塩酸、カセイソー
ダなどの化学試薬に因る皮膚の損傷、熱傷、凍傷、高圧
電流による電撃傷、放射線による損傷などが挙げられる
。 また、本発明において述べる化膿側(10%ta惰1n
atad wawpJ )とは、既に細菌によシ著しく
汚染された、比較的多量の滲出液または膿童分泌する創
傷はもちろんのこと、2度深達性熱傷(damp da
rmnl bwn、 tLaep aactmd de
yraa barn )、3度熱傷(damp 1nL
1%、 third dagrea−bshts )、
3度深達性熱傷(damp third dgF*g
hbrn )などに代表されるところの、感染(すなわ
ち化膿)の危険性のきわめて高いと懸念される創傷をも
包括する。例えば、2度深達性熱傷は、当初たとえ感染
を受けていなくとも、通常3週間以上の治療が必要であ
るが、この間、感染阻止の意図に反して化膿上きたしこ
れに因ム更に重症の3度熱傷へ移行(悪化)する例が多
い(冨士森良輔他、ライオデルム研究会講演集、p、1
6. p、7゜55.3.8. 、大森清−1′形成外
科” 、 p、117 (1976)南江堂、榊原什、
”外科学″、 p−Fn8 (19′78) 、朝倉瞥
店)。このように、たとえ、当初は化膿していなくても
、細菌の急激に増殖しやすい病状にあると考えられる場
合は、当初から、感染創(化膿側)に準じ、感染創と同
様に扱うこと、すなわち、滲出液を充分に排除し必要に
応じ抗菌薬を塗布することが、早期治癒対策上ぜひとも
必要で、上述の、本発明における化膿側(感染創)の定
義は、治療の実際面から見て妥当である。 なお、上述の2度深達性熱傷とは、2度表在性熱傷(a
seperfi−ehd darmtzl bsbrn
) (すなわち、病変(1mg1on )が乳頭層(
eatpillary 1eqler、 attvgt
sm pspillare )から真皮(eori−鷺
)の浅層に及び、これらの組織が壊死管おこし良比較的
軽度の熱傷)とは異なり、更に真皮の深層にまで病変が
及び、・水泡も、はとんど破損した状態を指す。また、
上述の3度熱傷とは、患部表面が灰白色、黄褐色ないし
黒色を呈し、疼痛はほとんど無いものの、皮膚組織が完
全に破壊された状態を指す。前述の3度深違性熱傷とは
、真皮の下の皮下組織(維−bestaauosa t
istw、 tela ttdzestayua )か
ら更に、筋肉、骨に病変が及んだ状態を指す(宇津尾明
他、化学と工業、31゜636 (1978) 、八木
義弘、口外会誌、鎚、 (7)921 (1%υ、3−
dtsassa Ihglia五−Japtmsa M
edical Dictionary (198の)。 感染側(化膿創)の治療には、滲出液が患部に貯留する
のを回避すること(1#出液の排除・吸収ならびに、症
状に応じては、壊死組織(5ltnHh )の切除(d
gbridatynt ) )が不可欠である(冨士森
良輔、1ライオデルム研究会講演集”、1.2B、 7
.26 (1980)、東京田辺)。この場合、熱傷患
部に殺薗剤を塗布後、外気にさらす方式、すなわち開放
療@Cmo−5sra method ) (八木義弘
、口外会誌、68.929 (1%7))、を感染側に
適用しても、患部からの多量の滲出液(−1# )に1
mmが繁殖し化膿が促進される(冨士森良輔2 “ライ
オデルム研究会講演集”、p、15 (1980) )
。一方、患部にガーゼを当て、油紙などによル被覆する
方式、あるいは、合成系または天然系の高分子膜などに
より患部を被覆する方式(密閉閉鎖療法、occl賞i
v#惰−thtxi ) も、化層Iり患部から、滲
出液が充分に排除されないかぎp、病状は悪化しやすい
。このように、感染側に対しては、是非とも、前述の滲
出液迅速吸収・排除療法が望まれ、したがって、排液性
の良い被覆材が必要とされる。 本発明の創傷被覆材は、まだ感染を受けておらず、しか
も、治療中に感染を招く懸念のほとんど無いと推察され
る創傷(いわゆる浅く、シかも新鮮な創傷)を被覆する
ことができるほか、治療期間が長引き、この間絶えず患
部滲出液を排除し続けねばならない上述の化膿創の被覆
にも有用である。いずれの場合にも、本発明の被後材會
患部に当て、しかる後、これをガーゼ(および包帯)を
用いて包むことにより、患部滲出液が被覆材の網目を通
過してガーゼへ移行し、吸取られる。 この場合、必要に応じ、患部へ、抗菌薬含有軟膏を塗布
する化学療法も併用されうるが、滲出液の通過・排除に
留意し多量の軟膏塗布は避けるのが良い(冨士森良輔、
′ライオデルム研究会講演集″、p、18 (198G
) )。 本発明の被覆材を創傷患部に当てた場合、常に、肌ざわ
りが良好で、刺激は無く、王妃のとおり被覆材の網目を
通過して滲出液が排除され、しかも、被覆材が患部に固
着する現象をきたさない。化膿創、非化膿創のいかんt
問わず、創傷治療上、最も留意すべきは、感染防止であ
り、これには、前述のとおシ、患部に滲出液全貯留させ
ることなく、これを排除・吸収する必要がある。また、
患部を刺激せず、肌ざわQの良いことも望まれるうえ、
被覆材が患部に固着してはならない。従来提案されてき
たガーゼ、天然系高分子、合成系高分子などの多くは、
後に述べるとおり、患部に固着する傾向−6xあり、こ
れをはがす場合、患者に苦痛を与え、また患部の出血、
再損傷をきたすなどの難点があった。 本発明は、これら従来品と異なシ、機械的強度、滲出液
通過性、弾力性、柔軟性、肌ざわ広無刺激性、非固着性
の全ての要素音−挙に充足し しかも、必要に応じ包埋
抗菌薬の持続放出効果をも有する創傷治療用被覆材を提
供する。また、本発明の被覆材は、これ會あらかじめ冷
蔵庫(冷凍庫)などに保存しても硬直(氷結)せず、元
どおりの弾力性、柔軟性全保持することから、必要に応
じ患部を保冷する効果をも有するO 従来、既に各種の創傷被覆材が提出されていることは周
知である(桜井噴入、外科診療、17,121(197
5)、宇津尾明他、化学と工業、−几(8) 636
(1978) 、秋山太一部、1人工臓器資料集成”
445 (1976)、西重敬、臨整弧杢(6)葛7
(1970)八木義弘、1外、翌、 (1) 37 (
1978)、中林宣男、′医用高分子“、9.19 (
1978)、共立、塩谷信幸、医学めあゆみ、1凹、(
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al、、 Trans、 Jy+ur、 Soc、 A
rt、 rest、 0ryxtnse 21)m 1
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al 、 、 1bsd、 、 18.39 (197
2) 、I−RJc五−wholJux at al
、 e J−Biomad、 Jlfatgr、 Ba
g、 、 at 571 (1972) s C。 W、Ehll at al、、 Tratna、 74
jKttr、 SoC,Jyt、 Ixt、α1−4h
340 (1966) 、C,J、Bwkley at
al、、 1hit、、 17.416 (1971
)、J−B−Blsmberg at al、、 kb
n−Sgrg、、 151.409 (1960) )
。 これらのうち、代表的なブタ皮(1yophiliud
porciy akin。 凍結乾燥ブタ皮)は、侵襲が深く、治癒が遷嬌する創傷
に適用した場合、はぼ例外なく、感染を招くほか、既に
化膿した患部に対しては全く有害無益であることが、繰
り返し指摘されている(島崎修次、′ライオデルム研究
会講演集”、j)−9,P−7v p−11、冨士森良
輔、同、p、22. p、2s、 p、26. p、2
7$ j”29t p、&((1980)、塩谷信幸、
医学のあゆみ、105.(5)個(1978) 、八木
義弘、臨床外科、】シ(1)40 (1978) )。 また、非感染側に対する密着・密閉材として用いた場合
には、細菌侵入を阻止し疼痛を解消しうる特長があるも
のの、変質しやすいため、3日ごとに更新する必要があ
シ、この場合、患部との密着・固着に起因する出血全件
い、患者に苦痛を与える難点がある(冨士森良輔他、ラ
イオデルム研究会講演集、p、6.9.32 (198
0) )。 ポリビニルアルコール・ホルマリン架橋スポンジには、
感染防止能を有する利点がらるものの、この被覆材自体
が創(患部)内に取り込まれるため、表皮再生の期待で
きる症状の創面には用い難く、また、使用中に乾燥・硬
化する難点も指摘されている(桜井噴入、外科診療、1
7,123 (1975) 、宇津尾明他、化学と工業
、匹638 (1978) 、桜井噴入、化学#;説、
几245 (1978) 、J 、B、 Elsmba
rg at al 、 、 kn−Sscrg、 、
151゜a (1960) )。 フィブリン膜も排液性に劣り、滲出液の貯゛留、感染、
膜(被覆材)の融解を招きやすい(桜井噴入、化学総説
、21,246(197g) 、桜井屑入、高分子、2
2.655 (1973)、桜井屑入、外科診療、避互
、123.八木義弘、1外、杢1.37 (1978)
’)。 コラーゲン膜も、患部と接した場合に融解しやすく、滲
出液の多い創傷に用するには注意を要する(宇津屋明、
化学工業、瀞74,1249.八木義弘、1外、&l、
37 (197B) )。ポリウレタン、ポリアミノ
酸、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、シリコンなどのフ
ィルムも、滲出液の透過(通過)性または柔軟性、耐久
性に劣り(藤本康夫、′ポリアミノ酸1,2゜181
(1974)、講談社すイエンテイフイク、桜井屑入、
化学総説、互、 us (is7g)、桜井噴入、高分
子%3ら654 (1973)、M、5piaa at
’ tLl、、J、Eiomgd、Water、Rss
、、% 213 (1989)、桜井噴入、外科診療
、17.122 (1975)、C,J、Bsekmr
y ataL、、′I%raM、 j4ynar、 S
oC,Jkrt、 1st、 ()gang、 17.
a6(1971)、J−Kornberg at a
l、、 1bid、、 18.39 (1972) )
、ポリ−(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)は機
械的強度に劣り、しかも患部からはがすには、水または
湯に浸さねばならないなどの難点がある(中林宣男、′
医用高分子”p、19 (1978)共立、A−8,H
offmnn et al、、 Tratut、 Ay
yasr、 Soc、 ktif。 Int、 Organs、 18.10 (1972)
、S−D−Bruzk、 J、 Biotned。 Mater、 ha、、 6.180 (1971り
、ポリマーダイジェストCH。 5ivt4h at at、、打釘紀元訳)、1981
. (5) 27. P、 Ntthtm atal、
、′I%rcms−knar、 Boc、 Aytif
icial Int、 Orgass、 z441 (
1976) )。 このように、これらは、いずれも軽度の熱傷(化pa1
にきたしておらず、しか屯感染を招くことなく早期治癒
が期待できる場合)の被覆(密閉・密着被覆)に用いる
ことはできるものの、いかなる創傷の治療においても安
全に用いうるものではない。感染の有無を問わず、創傷
患部からの滲出液が多い場合、これを吸収する目的に、
ガーゼ及び包帯が用いられるが、しばしば、患部への乾
燥固着をきたし、ガーゼ交換(更新)“時の出血・再損
傷を招き、患者に苦痛を与える(桜井哨久、外科診療、
17.127 (1975)、冨士森良輔、“ライオデ
ルム研究会講演集” p、17 (1980) )。ま
た、被覆材としての肌ざわり及び弾性の点においても十
分でなく、異物感を与える。 この難点を克服する目的で、天然多糖類、すなゎ私カラ
ヤ・ガムなどが提案されているtζ患部において融解し
易く、汚泥状と化す難点があり、また寒天は肌ざわ力の
良い親水性゛ゲルであるが、もろくて形くずれし易く、
実用に耐えない。 ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ビスコース
−レーヨンなどの織布け、前記ガーゼの場合と同様の難
点を有しく桜井肩入、化学総説、2Lり14 (197
8) 、秋山太一部、”人工臓器資料集成″p、446
(1976) ) 、また、織布の網目が細かい喪め
、膿がこの網目をしばしば閉塞する(冨士森良輔、“ラ
イオデルム研究会講演集″pJ8 (1980) )。 また、これらは、しばしば患部に固着しこれをはがす場
合に、生体組織を再び損傷すると指摘されている(桜井
噴入、化学総説、21、244 (1978) 、秋山
太一部、1人」器資料集成”p、446(1976)
ライフサイエンス・センター)。 木綿糸または合成糸を用いた網目状被覆材も提出されて
いるが、材料は、弾性の乏しい糸であり、仮りに、この
感触上の難点を許容しうるにしても、患部に取り込まれ
、乾燥固着し、ひいては患部を損傷する傾向t−まぬが
れない(冨士森良輔、”ライオデルム研究会講演集″、
p、2s (1980) )。 これら多くの例に見るとおル、既知の創傷被覆材には、
患部における滲出液の通過(排液性)、被覆材自体の安
定!1.(効果の持続性)、湿潤強度、肌ざわり、しな
やかさ、弾性、創面への非固着性、必要に応じ要望され
る薬剤の持続放出などの全てを満足し しかも使用中に
乾燥・硬直・固着し難い製品は見当らない。これに反し
、本発明の被覆材は、既に述べたとおり、多量の多価ア
ルコール(または多価アルコールと水)を包埋すること
により乾燥・硬直を防止した肌ざわりの良い、弾性に富
むゲルでろ広 しかも多孔板状を呈することから1.f
#出液の通過を妨げず、また、被覆材としての十分な湿
潤強度金有し、さらに抗生物質等の医薬品の包埋・徐放
(持続放出)効果tも具備するうえ、患部を刺激せず、
患部に固着しないなど多くの利点を有し、ガーゼ・包帯
と併用することにより、非感染側はもとより、著明なる
汚染側の治療用被覆材として有用である。 以下、本発明の実施例を記載する。 実施例 1゜ けん化度99.5モルチ、粘度平均重合度2,600.
4%水溶液粘度(20C)676Pのポリビニルアルコ
ールの9.4wt%水溶液500tとプロピレングリコ
ール500fとを混合しプロピレングリコール50wt
%、ポリビニルアルコール4.7wtチの水溶液を得、
これに120℃x30−の加圧スチーム滅菌を施し無菌
室において放冷する。 この水溶液4.11’i、予めガス消毒を施したポリエ
テ、レン製の突起配列板(突起高さ1wl11.突起密
度74,000個/ff1″、突起形状;直径1.8■
の円柱、突起部合計面積占有率20%、突起配列板48
αX 17cm )に注ぎ、へらを用い、均一に塗布し
た(塗布厚さ0.’7m)。これに、−50℃X0.7
&の冷却(冷却・固化成型つを施した後、4&の真空脱
水を施した後、24.6f(脱水率すなわち冷却・同化
体の重量減少率=40wt%)の白色不透明ゲル(ネッ
ト)ヲ得た。このネットの見かけの引張シ強度は4に4
/−に達した。これは、こんにゃく類似の弾性と柔軟性
を有し、しかも、こんにゃくに勝る機械的強度を有し、
耐圧縮強度1OKf/a11以上トした。 このネット(多孔板ゲル)の孔径は1.8閣、開口率(
面積比)は20チ、厚みは約0.5−であった。これを
、あらかじめプロピレンオキシド・ガスを用いて滅菌し
たポリエチレン族の袋(50X20cM)に収め、密封
後、冷凍庫(−13℃)に1晩放置したが硬直(氷結)
せず、元のしなやかさとこんにゃく状の弾性および肌ざ
わりが保持された。また、とのポリエチレン族の袋から
取ル出したネットの一部を切取って得た1awX1mの
断片を、37℃の恒温室においてガラス製シャーレに採
広 4日間開放・放置したが、当初の重量(40++v
)がほぼそのまま維持され、水分の揮発損失は5wt5
(2”P)以下にすぎず、元どおりのしなやかさと弾性
および肌ざわシが保持された。 体重1,650〜1,800 fの家ウサギ8匹の背部
に電気バリカンを当てて毛を刈飢脱毛用クリームを用い
て完全に刺毛後、ネンプタール(tumhedal )
静脈麻酔のもとに、電気ごて(140℃)を10秒間接
触させ、熱傷(15X1051)¥r発生させ、しかも
、そのまま4時間放置した。この場合、症状としては、
2度深達性熱傷と診断され、その後の感染が懸念された
。なお、熱傷面積は家ウサギ体表面の約10−に相当し
た。 これらの家ウサギの任意の2匹の熱傷面に、本発明のネ
ット状被覆材裁断片(17X12a*)t”当て、更に
ガーゼを介し・包帯を巻き、8時間ごとにガーゼと包帯
を更新した結果、患部滲出液が順調にネットを通過し、
ガーゼ及び包帯に吸収されていることが確められた。ま
え、包帯交換時の、患部−ガーゼ間の固着に因る出血は
全く起きなかった。2週間を経ても、創面の感染は発生
せず、むしろ、15日後には創面周囲に上皮再生が明ら
かに見られ、潰瘍面は日ごとに縮小し、2匹とも、約2
0日で治癒した。 比較例 1゜ 実施例1の熱傷を受けた家ウサギの任意の2匹につき、
創傷被覆材として著名なLPS(ブタ皮、凍結乾燥品)
を患部に押し当て、ガーゼと包帯を用いて包み、雑菌侵
入を阻止するため密着・放置する療法を適用したが、い
ずれの場合も、早くも2日めにガーゼ及び包帯が湿潤し
たことから、密閉に失敗したことを知った。直ちにガー
ゼを除去したところ、ブタ皮の一部は既に融解し始めて
おり、患部の一部は化膿し滲出液の貯留を認めた。 すなわち、ブタ皮が圧倒的に感染に弱いこと、したがっ
て、感染の懸念される熱傷には不適当でおること(冨士
森良輔、島崎修次、”ライオデルム研究会講演集”、p
、9. p、11. p−14、p、16. p、17
. p−22’、 p、25〜27. p、33. p
、34 (1980)、 40(197g)ンが再確認
された。 比較例 2゜ 創傷被種材として著名なシリコーン・コーティングを施
したナイロン・ガーゼ(17mX 12511 ) f
、実施例1の熱傷を受けた家ウサギの任意の2匹の創面
に当て、木綿ガーゼと包帯により包んだ後、8時間ごと
に、ナイロン・ガーゼ、木綿ガーゼ及び包帯を全て更新
した。2日後には、ナイロン・ガーゼと創傷面の間に膿
の貯留が認められ、やはり感染を招いたことを知った。 この場合、ナイロン・ガーゼの微細な織目(網目)が膿
により、閉塞しており、患部滲出液の排除(通過)が妨
げられていた。すなわち、このような非吸湿性(非通i
!t、)ガーゼを、感染側に用いてはならないこと(富
士森良輔、“ライオデルム研究会講演集″、p、18
(1980) )が再確認された。 比較例 3゜ 実施例1の熱傷を受けた家ウサギ2匹につき、抗生物質
(硫酸7ラジオマイシン)含有軟膏を塗布した木綿ガー
ゼを創面に当て、包帯音用いて包み、8時間ごとに、軟
膏、ガーゼ、包帯の全てを更新する方式を試みた。当初
1週間は°、患部からの滲出液が見られたにかかわらず
、ガーゼ交換時に、患部へのガーゼの固着(部分的乾燥
固着)に因る出血を伴い、2週間にわたりこの出血が反
復された。そして、はぼ治癒するまでに28日1要した
。 実施例 2゜ けん化度97.5モルチ、粘度平均重合度2,200.
4チ水溶液の粘度(20℃)5しPのポリビニルアルコ
ール630t(含水率7snt%)f、水4,800t
に溶解LA11.4ut%溶液とした。 この水溶液4,536 Fとグリセリン2.443 f
とを混合し、ポリビニルアルコールl1kt’1.4w
t−、グリセリン濃度35wt%の水溶液を得、これに
120℃×30−の加圧スチーム滅1iif:施しJ無
菌室において放冷する。この水溶液17Off、予めス
チーム滅−したステンレス・スチール製の突起配列板(
突起高さ1.5■、突起密度74,000個/−1突起
形状;直径1.8簡の円柱、突起部合計面積占有率2o
−2突起部列板48国X 27 cmg )へ注ぎ、ア
ルミ板(27aIIX 43X 0.1m ) f用員
で、均一に掃き(1m!布し)、塗膜厚さ1.3■とじ
た。これに−釦UX0.7&の冷却(同化・成型)を施
した後、54の真空脱水を施1.,114f(脱水率3
3wt% )の白色不透明ゲルを得た。このネットの見
かけの引張り強度は211/jに達した。 このネット(多孔板ゲル)の孔径は1.8■、開口率(
面積比)ti20チ、厚みは1.2■であった。これを
、あらかじめプロピレンオキシド・ガスを用いて滅菌し
たポリエチレン製の岱(50X30薗)に収め、密封後
、これを冷凍庫(−100)に1晩放置したが硬直(氷
結)せず、元のしなやがさと弾性および肌ざわルが保持
された。 このポリエチレン製袋から取出したネットの一部を切取
って得た16IIX1mの断片を成人男子の健康な手の
甲に置き、軽く包帯を巻き、7日間放置した汎当初の裁
断片の重量(0,1F)が、はとんどそのまま維持さに
水分揮発損失は6sotS(6++v)以下にすぎず、
元どおりのしなやかさと弾性、肌ざわシが保持された。 なお、上述のポリビニルアルコールとグリセリンの混合
水溶液の冷却・同化・真空部分脱水操作を反復し同様の
ネット(被覆材)10枚を作成した。 体重8〜10−の成犬12匹につき、空腹時にイソゾー
ル(Iaotol )20 wg (体重に4)−”
’を静注i、犬(D腹1ifB’fr完全に刺毛し、電
気ごて(100〜120℃)を3秒間轟てることによ広
ここに2度深達性熱傷(45X45薗w)を発生させた
(この熱傷面積は、全身の約12−に相当する)。4時
間後に、これらの犬の任意の3匹の熱傷面に、それぞれ
、本発明の上記ネット状被覆材(48x17m)t3枚
づつ用いて被覆しさらにガーゼを介し包帯で包む。8時
間ごとにガーゼと包帯を更新し続けた結果、患部滲出液
が順調にネットを通過してガーゼ及び包帯に吸収されて
いることが確められ、また、包帯交換時の、患部・ガー
ゼ間の固着による出血は全く認められなかった。 2週間を経過しても、創面の感染は発生せず、むしろ、
2週間めには創面周囲に上皮再生が明らかに見ら江潰瘍
面が日ごとに縮小するとともに、約18日で、3匹とも
治癒した。 比較例 4゜ 実施例2の熱傷を受けた犬の任意の3匹につき、ポリエ
ステル製ガーゼ(48X48m)t−患部に当て、更に
木綿ガーゼと包帯を用いて包み、8時間ごとに、これら
の全てを更新し続けたが、いずれの場合にも、ポリエス
テル・ガーゼが吸湿性に劣シ、しかもその織目が細かい
ため、滲出液の通過性も充分ではなく、常に滲出液が創
面に貯留することを知った。 このような状況が1週間持続したが、5日めから、創面
の一部にポリエステル・ガーゼが固着し交換時にしばし
ば患部に損傷を与えた。 比較例 5゜ 実施例2の熱傷を受秒た犬3匹につき、コラーゲン膜(
48x48cI11)’を患部に押し当て、細菌の侵入
全阻止するため密着状態とし、更にガーゼを介して包帯
を巻く閉鎖療@を試みたが、いずれの場合にも、2日後
にガーゼを除いたところ、コラーゲン膜の一部は融解し
始めており、患部は一部化膿し/%滲出液の貯留t′認
めた。すなわち、コラーゲン膜が感染を招き易い傾向に
ある仁と(宇津尾明他、化学工業、1974,1249
)が再確認され7t。 実施例 3゜ ポリビニルアルコール(けん化度99.5モルチ、粘度
平均重合[2,600,4s水溶液)粘度(20℃)6
6cP) f)粉末30f。 ソルビトール158f、水292ft−混合し、90℃
X2A攪拌後、加圧スチーム滅iil!1(120℃X
3G−&)會施ム無菌室において゛放冷する。こζへ抗
菌薬としてのペニシリンGカリウム(po−tassi
um %n1cillin G )結晶粉末(無菌乾燥
品)20■(33,000単位)を溶解することにより
、抗菌薬50ppm、ポリビニルアルコール5.8wt
%、ソルビトール33wt%の水溶液を得た。その90
2を、あらかじめプロピレンオキシド・ガスを用いて滅
菌したポリウレタン・ゴム製の突起配列板(突起高さ1
+w+、突起密度74,000個/W?、突起形状;直
径1.8箇の円柱、突起部合計面積占有率20% 、突
起配列板1001:lllX17cI11)へ注ぎ、へ
らを用い、均一に塗布した(塗布厚さ0.7■)。これ
に−58℃X0,7hの冷却(同化・成型)を施した後
、4hの真空脱水を施し、631(脱水率30wt%
)の白色不透明ゲル(ネット)ヲ得た。このネットの見
かけの引張シ強度は3−/−に達した。このネットの孔
径は1.8■、開口率20%、厚みは約0.8 wmで
あった。これ倉、メらかじめプロピレンオキシド・ガス
を用いて滅菌したポリエチレン製の袋(100csX2
0cH1)に収め、密封後、冷凍庫(−10℃)に1晩
放置したが、硬直(氷結)せず、元のしなやかさと弾性
及び肌ざわ夛が保たれた。このポリエチレン製袋から取
や出したネットの一部を切取って得た1cIIl×1c
Mの細断片を、37℃の恒温室において、時計皿上に放
置したが、1力月後の重量減少率は、10wt1s(6
q)以下にすぎず、元どおりのしなやかさと弾性及び肌
ざわ夛が保たれ友。 頭部の交通外傷により、脳(brai= )のヘルニア
(五−rsia)を起した成犬(体重911)に、上記
のネットを適用した。すなわち、脳ヘルニア(hern
ia cergbrt )患部(6X8m)のすき間か
ら滲出液が漏れている状態にあった。この種の創面に抗
生物質含有軟膏を塗布すること、あるいはこの軟膏を塗
布したガーゼを当てることは、滲出液排除を妨げ、側表
面の感染を髄腔(講#ムElα1Cανtty )内に
拡散させると懸念され、まえ、ブタ皮などにより被覆し
ても、創面への密着は期待できず、すき間に膿の貯留(
absents eavity) t−生じ、ずい膜炎
(tntniη1tia )をひき起こす懸念もある(
冨士森良輔、9ライオデルム研究会講演集”、p、26
(1980) )。そ仁で、無菌室において、ポリエ
チレン製袋から上記本発明の抗菌薬包埋ネツ)f取り出
し、その裁断片(8X10a+w)の四隅にパンチを用
いて直径5−の穴を開け、それぞれの穴に、あらかじめ
プロピレンオキシドを用いて滅菌したパンツ用ゴムひも
(長さ20 x )t−結び付け、この裁断片を創面に
あてた後、ゴムひも全頭部周辺に巻き、結び目を作成す
ることにより固定した。さらに、ガーゼと包帯管用いて
包み、8時間ごとに、抗菌薬包埋ネット、ガーゼ、包帯
の全てを更新した結果、4日後には#出液量が激減し皮
。その後、毎日1回、ガーゼと包帯のみを更新し続けた
ところ、通算3週間めにも感染は起こらず、良性肉芽(
benign r嘗謁1atton )により創面が覆
われ、膚孔は閉鎖された。 すなわち、本発明の被覆材(ゲル)内には既に抗菌薬(
抗生物質)が包埋され、これが持続放出されるため、別
途、抗曹薬含有軟膏【創面に塗布しなくとも、抗菌作用
が期待され、しかも、被覆材の網目を通して、滲出液が
ガーゼ・包帯へ移行・排除されるため、交通外傷などの
重症例に対しても、治癒促進に有用と判断された。 なお、上記実施例3において作成した被覆材の細断片(
IXlaw)10枚を、生理食塩水20mに浸漬lA3
0時間後に固液分離し、水相につき、光学顕微鏡観察を
試みた力ζ細菌は認められず、培養試験結果においても
、やはり細菌は検出されなかった。 一方、単なる生理食塩水205g130時間放置した場
合、顕微鏡観察においてMAmはほとんど認められなか
ったものの、培養試験の結果は多数の細−集落が発生し
したがって、(資)時間放置した上記生理食塩水には
103個/sg程度の雑菌が存在していたことを知った
。 すなわち、本発明被覆材の抗菌薬包埋・徐放効果が認め
られた。 比較例 6゜ 実施例1において、プロピレングリコールを用いずに操
作する0 即ち、実施例1の濃度9.4wt%のポリビニルアルコ
ール水溶液414を、同様に突起配列板へ注ぎ、塗布後
、冷却(凍結)成型し引き続き、真空脱水を施し、網状
ゲル25ff得た。これを37℃において、実験室に開
放・放置・風乾させ九ところ、1日後21F、3目抜1
:l、5日後7tまで重量が減少するとともに、縦およ
び横方向に徐々に収縮をきたし、また21後以降、徐今
に硬度を増すとともに、柔軟性と弾力性が低下し、皮膚
(肌)に異物感がvi臓されるに至った。 すなわち、ポリビニルアルコールにプロピレングリコー
ル、グリセリンまたはソルビトールなどの多価アルコー
ルを併用する本発明が、ポリビニルアルコール・ヒドロ
ゲルネットの風乾による硬直を回避しうるのに反しこれ
ら多価アルコールを併用しない場合、元どおりのしなや
かさと肌ざわりを、2日以上にわたり充分に保持するの
に難がある。 また、この比較例の処決を反復して得られるゲル25F
を、冷蔵庫氷室に1晩放置したところ、ゲル全体が氷結
・硬直しこれを融解して硬直状at−解除するのに、室
温において約加分を要した。
選定することができる。 いずれにしても、この部分的脱水処理は、本発明に不可
欠で、きわめて重大な意義を有するため、これを省略す
るとき、本発明に述べる非流動性、非粘着性、かつ高含
水性で、しかも機械的強度に優れるヒドロゲルは決して
得られない。 この部分的脱水処理を施すことによシ、本発明のゲルが
生成するが、これは容易に、前述の突起配列板から取り
はずすことができ、これをそのまま直ちに創傷被覆に用
いることができるほか、例えば、ポリエチレン製袋に収
めて密封し、室温に放置するか、あるいは冷蔵庫(冷凍
庫)に保存したのち、創傷被覆材として用いることがで
きる。 本発明のゲルは、多量の水分および水溶性有機化合物を
含有するにもかかわらず、機械的強度の点で、ζんにや
く、寒天、アルギン酸、カラゲナン、グアール・ゴム、
ローカストビーン・ガム、アガロース等の多糖類のゲル
、豆腐、ゼリー勢の蛋白質ゲルを、はるかにしのぎ、む
しろ人間、動−〇筋肉質に類似し、堅く握りしめても、
一時的に変形するが、直ちに元の形状に復し、形くずれ
しない。 本発明のゲルに圧力を加えても、含有液の浸出はほとん
ど見られず、例えば2W4/−の圧縮応力を課しても浸
出(流出)液量は、含有液の1〜2−にすぎない。 本発明のゲルには、粘着性がない。すなわち、本発明の
ゲル(成型品)10tを50−の水中に浸し、10日間
かきまぜても、相互付着、形くずれ等の現象は全く認め
られない。 なお、水道水中に1年間浸漬したが溶解せず、弾性およ
び強度も変らない(これは、例えばこんにゃくを数日間
水道水に浸漬し九場合、漱しい形くずれが起るのと、き
わめて対照的である。)。 本発明においては、ポリビニルアルコール単一成分がゲ
ル素材(ゲル化成分)として用いられる。しかし、ポリ
ビニルアルコールのゲル化t−阻害しない他の無機物ま
たは有機物が 。 共存することは、本発明に差支えなく、その共存量とし
ては、例えば、ポリビニルアルコールのA重量以下とす
ることができる。 また、本発明のゲルの感触としては、人間、動物等の肉
、イカの刺身、魚肉、餅、ちくわ、はんぺん、シュウマ
イ、ソーセージに類似する。したがって、本発明のゲル
は、ゲル自体が、生体組織に似た感触を有することから
、弾性に富む、肌ざわりの良い、創傷患部に刺激を与え
ず、また患部に固着しないなどの利点を有する創傷被覆
材として利用できる。 本発明においては、創傷部の雑菌汚染(感染)防止ある
いは化膿側の化学療法の観点から、抗菌薬を、前1ポリ
ビニルアルコールと多価アルコールとの混合水溶液へ添
加することができる。この添加操作は、ポリビニルアル
コールと多価アルコールの混合水溶液を滅菌後に実施す
るのが至便であるが、耐熱注抗−薬については、上記、
混合水溶液へあらかじめ添加後、これを加圧水蒸気滅−
シ、シかる後、前述した本発明のゲル化手法(冷却・同
化・真空部分脱水)を同様に適用することによ広やは広
弾性に富む、肌ざわシの良い創面被覆材が得られる。こ
れらの場合に周込うる抗菌薬としては、例えば、サルフ
ァジアジン(rulfadituisa ) 、銀サル
ファジアジン(5ilver tulfadiαtiy
)、ベンザルコニウムクロリド(bnusalkoni
sm chloride )、セタルコニウムクロリド
(catalktpniwtn chloride )
、メチルベンゼトニウA (me−tlqtlhmma
thonism ) 、硫酸ネオマイシン(naoty
cyein t*dfa−t#)、ヘキサクロロ7エン
(hrxw、hlorophay )、エオシン(go
aiy )、ペニシリンG (penicillin
G ) 、セファロチン(ce−−1othix )、
セファロリジン(cephaloridina )−テ
トラサイクリン(tetracycline )、リン
コマイシン(1inco−惰ν^−)、ナイスクチン(
%ystatix ) %カナマイシン(ムーwtny
cin ) 、ペニシリナーゼ抵抗注ベニシリy (p
rnieilli−wag−デaaiattmt pe
nicillin )、硫酸フラジオマイシン(fra
diomycin ttulfate ) 、乳酸銀(
ailvttr laetatg )などの単独使用ま
たは併用が挙げられる。抗菌薬のうち、例えば、ナトリ
ウムスル7アジアジンの、水に対する溶解度tt釦wt
%にも及ぶが、スルファジアジンでは13.000−υ
水に1fが溶解するにすぎない。しかし、本発明におい
ては、抗医薬を、必ずしも水溶液として用いる必要はな
く、粉末ある(被覆材)内に包埋させることができる。 本発明におけるポリビニルアルコール・多価アルコール
混合水溶液への抗菌薬の添加量としては、多価アルコー
ルのA重量以下とすることができ、例えば、硫酸フラジ
オマイシン0.2〜4wt%、サルファジアジン1〜2
5wt%、ペニシリンGO12〜1wt%などとするこ
とができる。本発明のゲルに包埋された抗菌薬は、短時
間で流失するとどはなく、長時間にわたり包埋・徐放さ
れる。例えば、ポリビニルアルコールと多価アルコール
の混合水溶液へサルファジアジン・ナトリウムを3wt
%溶解後、本発明の処決を適用して得られるゲル5f會
、5−の生理食塩水に6に浸漬した場合のサルファジア
ジン・ナトリウムの流失(損失)#′i、約30%であ
シ、その稜、新たな生理食塩水5wtに3日間浸漬して
も、なおサルファジアジンの放出が持続し、当初包埋量
の15%は、なおも、ゲル内に残存する。したがって、
本発明においては、各種抗―薬それぞれの徐放速度を考
慮しつつ、更に、化膿側の重症度、治療経過、抗菌薬の
副作用、ならびに、本発明の被覆材と併用されうる他の
治療法(すなわち、創面または本発明被覆材への抗生物
質含有軟膏の塗布等の化学療法など>’を配属しつつ、
抗―薬の包埋量を選択するのが良い。 本発明においては、ヒドロゲルの合成過程に、有害化学
試薬、有害溶媒等を全く使用しないことから、単にポリ
ビニルアルコール・多価アルコール水溶液の加圧スチー
ム滅菌を入念に実施し、しかも、これを無菌的に冷却・
固化・真空部分脱水するかぎり、本発明のヒドロゲルへ
の有害物随伴を懸念する必要がない。また、本発明のゲ
ルに抗菌薬を包埋させる場合にも、抗菌薬の種別とその
包埋量に配慮するかぎり、有害物随伴の懸念はなく、む
しろ、これにより、化膿側の治癒促進効果が発揮される
。 本発明において、ポリビニルアルコール・多価アルコー
ル 7水溶液を、冷却・成型・部分脱水することにより
、従来公知のポリビニルアルコール系ゲルとは全く異な
る、機械的強度の優れた弾性に富む、肌ざわ夕の良いヒ
ドロゲルの得られる理由は明らかでない力ζ冷却・成型
ならびに、これに続く部分的脱水処理時に、ポリビニル
アルコールの分子内お工び分子間にきわめてi数の水素
結合が形成され、特に、部分脱水が 時に、ゲル組織の結晶化度が高tり、機械的強度と弾ン
筋1することに因ると推察される。 いずれにしても、この稲のポリビニルアルコール繊維却
・部分脱水ゲルおよびその製法は、本発明者が初めて見
いだしたものである。 本発明のポリビニルアルコール・ゲルに、ポリビニルア
ルコール繊維またはポリビニルアルコール・フィルムに
対スる公知の硬化処理管施すことによシ、更に若干、ゲ
ルの機械的強度が高まる。この公知の硬化(架橋)処理
として蝶、例えに、アルデヒド、ジアルデヒド、ジイソ
シアナート、フェノール頌するいは、チタニウム、クロ
ム、ジルコニウム等の金属化合物、さらにはホウ砂、ア
クリロニトリル、トリメチロールメラミン、エビクロロ
ヒドリン、ビス−(β−ヒドロキシエチル)スルホン、
ポリアクリル酸、ジメチロール尿素、無水マレイン酸等
による方法を挙げることができる。しかし本発明のゲル
は、既に述べたとおりの強度を有することから、これら
の2次的硬化処理t%に必要としない。 本発明の多孔板状ヒドロゲルは、既に述べたとおシ、生
体組織に接した場合の刺激性が無く、また、患部に固着
せず、しかも柔軟な肌ざわシと充分な機械的強度、弾力
性を有し患部滲出液の透過(通過)注が良好であること
から、外傷、熱傷など各種創傷患部の被覆材として有用
で、特に、化膿側の治療において、最も、その威力を発
揮する。 本発明において述べる創傷とは、外傷あるいは手術的操
作などにより生じた生体組織の損傷(wescm )の
うちの開放性創傷(6p#3wowvi ) %即ち、
生体組織の抵抗性を越えた外力に因り、皮膚または粘膜
でおおわれた体表の一部が離断し多少とも離開した状態
の創傷を指し手術用メス、ナイフなどによる切創、注射
針、縫針、短刀などによる判割、斧のような厚刃の刃物
による開側、強い鈍力によ広生体組織が挫滅、破綻した
挫創、生体組織が異常に索引、伸展されたための裂創、
咬創、銃弾などによる射創、硫酸、゛塩酸、カセイソー
ダなどの化学試薬に因る皮膚の損傷、熱傷、凍傷、高圧
電流による電撃傷、放射線による損傷などが挙げられる
。 また、本発明において述べる化膿側(10%ta惰1n
atad wawpJ )とは、既に細菌によシ著しく
汚染された、比較的多量の滲出液または膿童分泌する創
傷はもちろんのこと、2度深達性熱傷(damp da
rmnl bwn、 tLaep aactmd de
yraa barn )、3度熱傷(damp 1nL
1%、 third dagrea−bshts )、
3度深達性熱傷(damp third dgF*g
hbrn )などに代表されるところの、感染(すなわ
ち化膿)の危険性のきわめて高いと懸念される創傷をも
包括する。例えば、2度深達性熱傷は、当初たとえ感染
を受けていなくとも、通常3週間以上の治療が必要であ
るが、この間、感染阻止の意図に反して化膿上きたしこ
れに因ム更に重症の3度熱傷へ移行(悪化)する例が多
い(冨士森良輔他、ライオデルム研究会講演集、p、1
6. p、7゜55.3.8. 、大森清−1′形成外
科” 、 p、117 (1976)南江堂、榊原什、
”外科学″、 p−Fn8 (19′78) 、朝倉瞥
店)。このように、たとえ、当初は化膿していなくても
、細菌の急激に増殖しやすい病状にあると考えられる場
合は、当初から、感染創(化膿側)に準じ、感染創と同
様に扱うこと、すなわち、滲出液を充分に排除し必要に
応じ抗菌薬を塗布することが、早期治癒対策上ぜひとも
必要で、上述の、本発明における化膿側(感染創)の定
義は、治療の実際面から見て妥当である。 なお、上述の2度深達性熱傷とは、2度表在性熱傷(a
seperfi−ehd darmtzl bsbrn
) (すなわち、病変(1mg1on )が乳頭層(
eatpillary 1eqler、 attvgt
sm pspillare )から真皮(eori−鷺
)の浅層に及び、これらの組織が壊死管おこし良比較的
軽度の熱傷)とは異なり、更に真皮の深層にまで病変が
及び、・水泡も、はとんど破損した状態を指す。また、
上述の3度熱傷とは、患部表面が灰白色、黄褐色ないし
黒色を呈し、疼痛はほとんど無いものの、皮膚組織が完
全に破壊された状態を指す。前述の3度深違性熱傷とは
、真皮の下の皮下組織(維−bestaauosa t
istw、 tela ttdzestayua )か
ら更に、筋肉、骨に病変が及んだ状態を指す(宇津尾明
他、化学と工業、31゜636 (1978) 、八木
義弘、口外会誌、鎚、 (7)921 (1%υ、3−
dtsassa Ihglia五−Japtmsa M
edical Dictionary (198の)。 感染側(化膿創)の治療には、滲出液が患部に貯留する
のを回避すること(1#出液の排除・吸収ならびに、症
状に応じては、壊死組織(5ltnHh )の切除(d
gbridatynt ) )が不可欠である(冨士森
良輔、1ライオデルム研究会講演集”、1.2B、 7
.26 (1980)、東京田辺)。この場合、熱傷患
部に殺薗剤を塗布後、外気にさらす方式、すなわち開放
療@Cmo−5sra method ) (八木義弘
、口外会誌、68.929 (1%7))、を感染側に
適用しても、患部からの多量の滲出液(−1# )に1
mmが繁殖し化膿が促進される(冨士森良輔2 “ライ
オデルム研究会講演集”、p、15 (1980) )
。一方、患部にガーゼを当て、油紙などによル被覆する
方式、あるいは、合成系または天然系の高分子膜などに
より患部を被覆する方式(密閉閉鎖療法、occl賞i
v#惰−thtxi ) も、化層Iり患部から、滲
出液が充分に排除されないかぎp、病状は悪化しやすい
。このように、感染側に対しては、是非とも、前述の滲
出液迅速吸収・排除療法が望まれ、したがって、排液性
の良い被覆材が必要とされる。 本発明の創傷被覆材は、まだ感染を受けておらず、しか
も、治療中に感染を招く懸念のほとんど無いと推察され
る創傷(いわゆる浅く、シかも新鮮な創傷)を被覆する
ことができるほか、治療期間が長引き、この間絶えず患
部滲出液を排除し続けねばならない上述の化膿創の被覆
にも有用である。いずれの場合にも、本発明の被後材會
患部に当て、しかる後、これをガーゼ(および包帯)を
用いて包むことにより、患部滲出液が被覆材の網目を通
過してガーゼへ移行し、吸取られる。 この場合、必要に応じ、患部へ、抗菌薬含有軟膏を塗布
する化学療法も併用されうるが、滲出液の通過・排除に
留意し多量の軟膏塗布は避けるのが良い(冨士森良輔、
′ライオデルム研究会講演集″、p、18 (198G
) )。 本発明の被覆材を創傷患部に当てた場合、常に、肌ざわ
りが良好で、刺激は無く、王妃のとおり被覆材の網目を
通過して滲出液が排除され、しかも、被覆材が患部に固
着する現象をきたさない。化膿創、非化膿創のいかんt
問わず、創傷治療上、最も留意すべきは、感染防止であ
り、これには、前述のとおシ、患部に滲出液全貯留させ
ることなく、これを排除・吸収する必要がある。また、
患部を刺激せず、肌ざわQの良いことも望まれるうえ、
被覆材が患部に固着してはならない。従来提案されてき
たガーゼ、天然系高分子、合成系高分子などの多くは、
後に述べるとおり、患部に固着する傾向−6xあり、こ
れをはがす場合、患者に苦痛を与え、また患部の出血、
再損傷をきたすなどの難点があった。 本発明は、これら従来品と異なシ、機械的強度、滲出液
通過性、弾力性、柔軟性、肌ざわ広無刺激性、非固着性
の全ての要素音−挙に充足し しかも、必要に応じ包埋
抗菌薬の持続放出効果をも有する創傷治療用被覆材を提
供する。また、本発明の被覆材は、これ會あらかじめ冷
蔵庫(冷凍庫)などに保存しても硬直(氷結)せず、元
どおりの弾力性、柔軟性全保持することから、必要に応
じ患部を保冷する効果をも有するO 従来、既に各種の創傷被覆材が提出されていることは周
知である(桜井噴入、外科診療、17,121(197
5)、宇津尾明他、化学と工業、−几(8) 636
(1978) 、秋山太一部、1人工臓器資料集成”
445 (1976)、西重敬、臨整弧杢(6)葛7
(1970)八木義弘、1外、翌、 (1) 37 (
1978)、中林宣男、′医用高分子“、9.19 (
1978)、共立、塩谷信幸、医学めあゆみ、1凹、(
5)562 (197g)、八木義弘、臨床外科、l
37 (1978)、ルD、Sch−smpa at
al、、 Trans、 Jy+ur、 Soc、 A
rt、 rest、 0ryxtnse 21)m 1
03(1974) 、J 、KtWnharg at
al 、 、 1bsd、 、 18.39 (197
2) 、I−RJc五−wholJux at al
、 e J−Biomad、 Jlfatgr、 Ba
g、 、 at 571 (1972) s C。 W、Ehll at al、、 Tratna、 74
jKttr、 SoC,Jyt、 Ixt、α1−4h
340 (1966) 、C,J、Bwkley at
al、、 1hit、、 17.416 (1971
)、J−B−Blsmberg at al、、 kb
n−Sgrg、、 151.409 (1960) )
。 これらのうち、代表的なブタ皮(1yophiliud
porciy akin。 凍結乾燥ブタ皮)は、侵襲が深く、治癒が遷嬌する創傷
に適用した場合、はぼ例外なく、感染を招くほか、既に
化膿した患部に対しては全く有害無益であることが、繰
り返し指摘されている(島崎修次、′ライオデルム研究
会講演集”、j)−9,P−7v p−11、冨士森良
輔、同、p、22. p、2s、 p、26. p、2
7$ j”29t p、&((1980)、塩谷信幸、
医学のあゆみ、105.(5)個(1978) 、八木
義弘、臨床外科、】シ(1)40 (1978) )。 また、非感染側に対する密着・密閉材として用いた場合
には、細菌侵入を阻止し疼痛を解消しうる特長があるも
のの、変質しやすいため、3日ごとに更新する必要があ
シ、この場合、患部との密着・固着に起因する出血全件
い、患者に苦痛を与える難点がある(冨士森良輔他、ラ
イオデルム研究会講演集、p、6.9.32 (198
0) )。 ポリビニルアルコール・ホルマリン架橋スポンジには、
感染防止能を有する利点がらるものの、この被覆材自体
が創(患部)内に取り込まれるため、表皮再生の期待で
きる症状の創面には用い難く、また、使用中に乾燥・硬
化する難点も指摘されている(桜井噴入、外科診療、1
7,123 (1975) 、宇津尾明他、化学と工業
、匹638 (1978) 、桜井噴入、化学#;説、
几245 (1978) 、J 、B、 Elsmba
rg at al 、 、 kn−Sscrg、 、
151゜a (1960) )。 フィブリン膜も排液性に劣り、滲出液の貯゛留、感染、
膜(被覆材)の融解を招きやすい(桜井噴入、化学総説
、21,246(197g) 、桜井屑入、高分子、2
2.655 (1973)、桜井屑入、外科診療、避互
、123.八木義弘、1外、杢1.37 (1978)
’)。 コラーゲン膜も、患部と接した場合に融解しやすく、滲
出液の多い創傷に用するには注意を要する(宇津屋明、
化学工業、瀞74,1249.八木義弘、1外、&l、
37 (197B) )。ポリウレタン、ポリアミノ
酸、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、シリコンなどのフ
ィルムも、滲出液の透過(通過)性または柔軟性、耐久
性に劣り(藤本康夫、′ポリアミノ酸1,2゜181
(1974)、講談社すイエンテイフイク、桜井屑入、
化学総説、互、 us (is7g)、桜井噴入、高分
子%3ら654 (1973)、M、5piaa at
’ tLl、、J、Eiomgd、Water、Rss
、、% 213 (1989)、桜井噴入、外科診療
、17.122 (1975)、C,J、Bsekmr
y ataL、、′I%raM、 j4ynar、 S
oC,Jkrt、 1st、 ()gang、 17.
a6(1971)、J−Kornberg at a
l、、 1bid、、 18.39 (1972) )
、ポリ−(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)は機
械的強度に劣り、しかも患部からはがすには、水または
湯に浸さねばならないなどの難点がある(中林宣男、′
医用高分子”p、19 (1978)共立、A−8,H
offmnn et al、、 Tratut、 Ay
yasr、 Soc、 ktif。 Int、 Organs、 18.10 (1972)
、S−D−Bruzk、 J、 Biotned。 Mater、 ha、、 6.180 (1971り
、ポリマーダイジェストCH。 5ivt4h at at、、打釘紀元訳)、1981
. (5) 27. P、 Ntthtm atal、
、′I%rcms−knar、 Boc、 Aytif
icial Int、 Orgass、 z441 (
1976) )。 このように、これらは、いずれも軽度の熱傷(化pa1
にきたしておらず、しか屯感染を招くことなく早期治癒
が期待できる場合)の被覆(密閉・密着被覆)に用いる
ことはできるものの、いかなる創傷の治療においても安
全に用いうるものではない。感染の有無を問わず、創傷
患部からの滲出液が多い場合、これを吸収する目的に、
ガーゼ及び包帯が用いられるが、しばしば、患部への乾
燥固着をきたし、ガーゼ交換(更新)“時の出血・再損
傷を招き、患者に苦痛を与える(桜井哨久、外科診療、
17.127 (1975)、冨士森良輔、“ライオデ
ルム研究会講演集” p、17 (1980) )。ま
た、被覆材としての肌ざわり及び弾性の点においても十
分でなく、異物感を与える。 この難点を克服する目的で、天然多糖類、すなゎ私カラ
ヤ・ガムなどが提案されているtζ患部において融解し
易く、汚泥状と化す難点があり、また寒天は肌ざわ力の
良い親水性゛ゲルであるが、もろくて形くずれし易く、
実用に耐えない。 ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ビスコース
−レーヨンなどの織布け、前記ガーゼの場合と同様の難
点を有しく桜井肩入、化学総説、2Lり14 (197
8) 、秋山太一部、”人工臓器資料集成″p、446
(1976) ) 、また、織布の網目が細かい喪め
、膿がこの網目をしばしば閉塞する(冨士森良輔、“ラ
イオデルム研究会講演集″pJ8 (1980) )。 また、これらは、しばしば患部に固着しこれをはがす場
合に、生体組織を再び損傷すると指摘されている(桜井
噴入、化学総説、21、244 (1978) 、秋山
太一部、1人」器資料集成”p、446(1976)
ライフサイエンス・センター)。 木綿糸または合成糸を用いた網目状被覆材も提出されて
いるが、材料は、弾性の乏しい糸であり、仮りに、この
感触上の難点を許容しうるにしても、患部に取り込まれ
、乾燥固着し、ひいては患部を損傷する傾向t−まぬが
れない(冨士森良輔、”ライオデルム研究会講演集″、
p、2s (1980) )。 これら多くの例に見るとおル、既知の創傷被覆材には、
患部における滲出液の通過(排液性)、被覆材自体の安
定!1.(効果の持続性)、湿潤強度、肌ざわり、しな
やかさ、弾性、創面への非固着性、必要に応じ要望され
る薬剤の持続放出などの全てを満足し しかも使用中に
乾燥・硬直・固着し難い製品は見当らない。これに反し
、本発明の被覆材は、既に述べたとおり、多量の多価ア
ルコール(または多価アルコールと水)を包埋すること
により乾燥・硬直を防止した肌ざわりの良い、弾性に富
むゲルでろ広 しかも多孔板状を呈することから1.f
#出液の通過を妨げず、また、被覆材としての十分な湿
潤強度金有し、さらに抗生物質等の医薬品の包埋・徐放
(持続放出)効果tも具備するうえ、患部を刺激せず、
患部に固着しないなど多くの利点を有し、ガーゼ・包帯
と併用することにより、非感染側はもとより、著明なる
汚染側の治療用被覆材として有用である。 以下、本発明の実施例を記載する。 実施例 1゜ けん化度99.5モルチ、粘度平均重合度2,600.
4%水溶液粘度(20C)676Pのポリビニルアルコ
ールの9.4wt%水溶液500tとプロピレングリコ
ール500fとを混合しプロピレングリコール50wt
%、ポリビニルアルコール4.7wtチの水溶液を得、
これに120℃x30−の加圧スチーム滅菌を施し無菌
室において放冷する。 この水溶液4.11’i、予めガス消毒を施したポリエ
テ、レン製の突起配列板(突起高さ1wl11.突起密
度74,000個/ff1″、突起形状;直径1.8■
の円柱、突起部合計面積占有率20%、突起配列板48
αX 17cm )に注ぎ、へらを用い、均一に塗布し
た(塗布厚さ0.’7m)。これに、−50℃X0.7
&の冷却(冷却・固化成型つを施した後、4&の真空脱
水を施した後、24.6f(脱水率すなわち冷却・同化
体の重量減少率=40wt%)の白色不透明ゲル(ネッ
ト)ヲ得た。このネットの見かけの引張シ強度は4に4
/−に達した。これは、こんにゃく類似の弾性と柔軟性
を有し、しかも、こんにゃくに勝る機械的強度を有し、
耐圧縮強度1OKf/a11以上トした。 このネット(多孔板ゲル)の孔径は1.8閣、開口率(
面積比)は20チ、厚みは約0.5−であった。これを
、あらかじめプロピレンオキシド・ガスを用いて滅菌し
たポリエチレン族の袋(50X20cM)に収め、密封
後、冷凍庫(−13℃)に1晩放置したが硬直(氷結)
せず、元のしなやかさとこんにゃく状の弾性および肌ざ
わりが保持された。また、とのポリエチレン族の袋から
取ル出したネットの一部を切取って得た1awX1mの
断片を、37℃の恒温室においてガラス製シャーレに採
広 4日間開放・放置したが、当初の重量(40++v
)がほぼそのまま維持され、水分の揮発損失は5wt5
(2”P)以下にすぎず、元どおりのしなやかさと弾性
および肌ざわシが保持された。 体重1,650〜1,800 fの家ウサギ8匹の背部
に電気バリカンを当てて毛を刈飢脱毛用クリームを用い
て完全に刺毛後、ネンプタール(tumhedal )
静脈麻酔のもとに、電気ごて(140℃)を10秒間接
触させ、熱傷(15X1051)¥r発生させ、しかも
、そのまま4時間放置した。この場合、症状としては、
2度深達性熱傷と診断され、その後の感染が懸念された
。なお、熱傷面積は家ウサギ体表面の約10−に相当し
た。 これらの家ウサギの任意の2匹の熱傷面に、本発明のネ
ット状被覆材裁断片(17X12a*)t”当て、更に
ガーゼを介し・包帯を巻き、8時間ごとにガーゼと包帯
を更新した結果、患部滲出液が順調にネットを通過し、
ガーゼ及び包帯に吸収されていることが確められた。ま
え、包帯交換時の、患部−ガーゼ間の固着に因る出血は
全く起きなかった。2週間を経ても、創面の感染は発生
せず、むしろ、15日後には創面周囲に上皮再生が明ら
かに見られ、潰瘍面は日ごとに縮小し、2匹とも、約2
0日で治癒した。 比較例 1゜ 実施例1の熱傷を受けた家ウサギの任意の2匹につき、
創傷被覆材として著名なLPS(ブタ皮、凍結乾燥品)
を患部に押し当て、ガーゼと包帯を用いて包み、雑菌侵
入を阻止するため密着・放置する療法を適用したが、い
ずれの場合も、早くも2日めにガーゼ及び包帯が湿潤し
たことから、密閉に失敗したことを知った。直ちにガー
ゼを除去したところ、ブタ皮の一部は既に融解し始めて
おり、患部の一部は化膿し滲出液の貯留を認めた。 すなわち、ブタ皮が圧倒的に感染に弱いこと、したがっ
て、感染の懸念される熱傷には不適当でおること(冨士
森良輔、島崎修次、”ライオデルム研究会講演集”、p
、9. p、11. p−14、p、16. p、17
. p−22’、 p、25〜27. p、33. p
、34 (1980)、 40(197g)ンが再確認
された。 比較例 2゜ 創傷被種材として著名なシリコーン・コーティングを施
したナイロン・ガーゼ(17mX 12511 ) f
、実施例1の熱傷を受けた家ウサギの任意の2匹の創面
に当て、木綿ガーゼと包帯により包んだ後、8時間ごと
に、ナイロン・ガーゼ、木綿ガーゼ及び包帯を全て更新
した。2日後には、ナイロン・ガーゼと創傷面の間に膿
の貯留が認められ、やはり感染を招いたことを知った。 この場合、ナイロン・ガーゼの微細な織目(網目)が膿
により、閉塞しており、患部滲出液の排除(通過)が妨
げられていた。すなわち、このような非吸湿性(非通i
!t、)ガーゼを、感染側に用いてはならないこと(富
士森良輔、“ライオデルム研究会講演集″、p、18
(1980) )が再確認された。 比較例 3゜ 実施例1の熱傷を受けた家ウサギ2匹につき、抗生物質
(硫酸7ラジオマイシン)含有軟膏を塗布した木綿ガー
ゼを創面に当て、包帯音用いて包み、8時間ごとに、軟
膏、ガーゼ、包帯の全てを更新する方式を試みた。当初
1週間は°、患部からの滲出液が見られたにかかわらず
、ガーゼ交換時に、患部へのガーゼの固着(部分的乾燥
固着)に因る出血を伴い、2週間にわたりこの出血が反
復された。そして、はぼ治癒するまでに28日1要した
。 実施例 2゜ けん化度97.5モルチ、粘度平均重合度2,200.
4チ水溶液の粘度(20℃)5しPのポリビニルアルコ
ール630t(含水率7snt%)f、水4,800t
に溶解LA11.4ut%溶液とした。 この水溶液4,536 Fとグリセリン2.443 f
とを混合し、ポリビニルアルコールl1kt’1.4w
t−、グリセリン濃度35wt%の水溶液を得、これに
120℃×30−の加圧スチーム滅1iif:施しJ無
菌室において放冷する。この水溶液17Off、予めス
チーム滅−したステンレス・スチール製の突起配列板(
突起高さ1.5■、突起密度74,000個/−1突起
形状;直径1.8簡の円柱、突起部合計面積占有率2o
−2突起部列板48国X 27 cmg )へ注ぎ、ア
ルミ板(27aIIX 43X 0.1m ) f用員
で、均一に掃き(1m!布し)、塗膜厚さ1.3■とじ
た。これに−釦UX0.7&の冷却(同化・成型)を施
した後、54の真空脱水を施1.,114f(脱水率3
3wt% )の白色不透明ゲルを得た。このネットの見
かけの引張り強度は211/jに達した。 このネット(多孔板ゲル)の孔径は1.8■、開口率(
面積比)ti20チ、厚みは1.2■であった。これを
、あらかじめプロピレンオキシド・ガスを用いて滅菌し
たポリエチレン製の岱(50X30薗)に収め、密封後
、これを冷凍庫(−100)に1晩放置したが硬直(氷
結)せず、元のしなやがさと弾性および肌ざわルが保持
された。 このポリエチレン製袋から取出したネットの一部を切取
って得た16IIX1mの断片を成人男子の健康な手の
甲に置き、軽く包帯を巻き、7日間放置した汎当初の裁
断片の重量(0,1F)が、はとんどそのまま維持さに
水分揮発損失は6sotS(6++v)以下にすぎず、
元どおりのしなやかさと弾性、肌ざわシが保持された。 なお、上述のポリビニルアルコールとグリセリンの混合
水溶液の冷却・同化・真空部分脱水操作を反復し同様の
ネット(被覆材)10枚を作成した。 体重8〜10−の成犬12匹につき、空腹時にイソゾー
ル(Iaotol )20 wg (体重に4)−”
’を静注i、犬(D腹1ifB’fr完全に刺毛し、電
気ごて(100〜120℃)を3秒間轟てることによ広
ここに2度深達性熱傷(45X45薗w)を発生させた
(この熱傷面積は、全身の約12−に相当する)。4時
間後に、これらの犬の任意の3匹の熱傷面に、それぞれ
、本発明の上記ネット状被覆材(48x17m)t3枚
づつ用いて被覆しさらにガーゼを介し包帯で包む。8時
間ごとにガーゼと包帯を更新し続けた結果、患部滲出液
が順調にネットを通過してガーゼ及び包帯に吸収されて
いることが確められ、また、包帯交換時の、患部・ガー
ゼ間の固着による出血は全く認められなかった。 2週間を経過しても、創面の感染は発生せず、むしろ、
2週間めには創面周囲に上皮再生が明らかに見ら江潰瘍
面が日ごとに縮小するとともに、約18日で、3匹とも
治癒した。 比較例 4゜ 実施例2の熱傷を受けた犬の任意の3匹につき、ポリエ
ステル製ガーゼ(48X48m)t−患部に当て、更に
木綿ガーゼと包帯を用いて包み、8時間ごとに、これら
の全てを更新し続けたが、いずれの場合にも、ポリエス
テル・ガーゼが吸湿性に劣シ、しかもその織目が細かい
ため、滲出液の通過性も充分ではなく、常に滲出液が創
面に貯留することを知った。 このような状況が1週間持続したが、5日めから、創面
の一部にポリエステル・ガーゼが固着し交換時にしばし
ば患部に損傷を与えた。 比較例 5゜ 実施例2の熱傷を受秒た犬3匹につき、コラーゲン膜(
48x48cI11)’を患部に押し当て、細菌の侵入
全阻止するため密着状態とし、更にガーゼを介して包帯
を巻く閉鎖療@を試みたが、いずれの場合にも、2日後
にガーゼを除いたところ、コラーゲン膜の一部は融解し
始めており、患部は一部化膿し/%滲出液の貯留t′認
めた。すなわち、コラーゲン膜が感染を招き易い傾向に
ある仁と(宇津尾明他、化学工業、1974,1249
)が再確認され7t。 実施例 3゜ ポリビニルアルコール(けん化度99.5モルチ、粘度
平均重合[2,600,4s水溶液)粘度(20℃)6
6cP) f)粉末30f。 ソルビトール158f、水292ft−混合し、90℃
X2A攪拌後、加圧スチーム滅iil!1(120℃X
3G−&)會施ム無菌室において゛放冷する。こζへ抗
菌薬としてのペニシリンGカリウム(po−tassi
um %n1cillin G )結晶粉末(無菌乾燥
品)20■(33,000単位)を溶解することにより
、抗菌薬50ppm、ポリビニルアルコール5.8wt
%、ソルビトール33wt%の水溶液を得た。その90
2を、あらかじめプロピレンオキシド・ガスを用いて滅
菌したポリウレタン・ゴム製の突起配列板(突起高さ1
+w+、突起密度74,000個/W?、突起形状;直
径1.8箇の円柱、突起部合計面積占有率20% 、突
起配列板1001:lllX17cI11)へ注ぎ、へ
らを用い、均一に塗布した(塗布厚さ0.7■)。これ
に−58℃X0,7hの冷却(同化・成型)を施した後
、4hの真空脱水を施し、631(脱水率30wt%
)の白色不透明ゲル(ネット)ヲ得た。このネットの見
かけの引張シ強度は3−/−に達した。このネットの孔
径は1.8■、開口率20%、厚みは約0.8 wmで
あった。これ倉、メらかじめプロピレンオキシド・ガス
を用いて滅菌したポリエチレン製の袋(100csX2
0cH1)に収め、密封後、冷凍庫(−10℃)に1晩
放置したが、硬直(氷結)せず、元のしなやかさと弾性
及び肌ざわ夛が保たれた。このポリエチレン製袋から取
や出したネットの一部を切取って得た1cIIl×1c
Mの細断片を、37℃の恒温室において、時計皿上に放
置したが、1力月後の重量減少率は、10wt1s(6
q)以下にすぎず、元どおりのしなやかさと弾性及び肌
ざわ夛が保たれ友。 頭部の交通外傷により、脳(brai= )のヘルニア
(五−rsia)を起した成犬(体重911)に、上記
のネットを適用した。すなわち、脳ヘルニア(hern
ia cergbrt )患部(6X8m)のすき間か
ら滲出液が漏れている状態にあった。この種の創面に抗
生物質含有軟膏を塗布すること、あるいはこの軟膏を塗
布したガーゼを当てることは、滲出液排除を妨げ、側表
面の感染を髄腔(講#ムElα1Cανtty )内に
拡散させると懸念され、まえ、ブタ皮などにより被覆し
ても、創面への密着は期待できず、すき間に膿の貯留(
absents eavity) t−生じ、ずい膜炎
(tntniη1tia )をひき起こす懸念もある(
冨士森良輔、9ライオデルム研究会講演集”、p、26
(1980) )。そ仁で、無菌室において、ポリエ
チレン製袋から上記本発明の抗菌薬包埋ネツ)f取り出
し、その裁断片(8X10a+w)の四隅にパンチを用
いて直径5−の穴を開け、それぞれの穴に、あらかじめ
プロピレンオキシドを用いて滅菌したパンツ用ゴムひも
(長さ20 x )t−結び付け、この裁断片を創面に
あてた後、ゴムひも全頭部周辺に巻き、結び目を作成す
ることにより固定した。さらに、ガーゼと包帯管用いて
包み、8時間ごとに、抗菌薬包埋ネット、ガーゼ、包帯
の全てを更新した結果、4日後には#出液量が激減し皮
。その後、毎日1回、ガーゼと包帯のみを更新し続けた
ところ、通算3週間めにも感染は起こらず、良性肉芽(
benign r嘗謁1atton )により創面が覆
われ、膚孔は閉鎖された。 すなわち、本発明の被覆材(ゲル)内には既に抗菌薬(
抗生物質)が包埋され、これが持続放出されるため、別
途、抗曹薬含有軟膏【創面に塗布しなくとも、抗菌作用
が期待され、しかも、被覆材の網目を通して、滲出液が
ガーゼ・包帯へ移行・排除されるため、交通外傷などの
重症例に対しても、治癒促進に有用と判断された。 なお、上記実施例3において作成した被覆材の細断片(
IXlaw)10枚を、生理食塩水20mに浸漬lA3
0時間後に固液分離し、水相につき、光学顕微鏡観察を
試みた力ζ細菌は認められず、培養試験結果においても
、やはり細菌は検出されなかった。 一方、単なる生理食塩水205g130時間放置した場
合、顕微鏡観察においてMAmはほとんど認められなか
ったものの、培養試験の結果は多数の細−集落が発生し
したがって、(資)時間放置した上記生理食塩水には
103個/sg程度の雑菌が存在していたことを知った
。 すなわち、本発明被覆材の抗菌薬包埋・徐放効果が認め
られた。 比較例 6゜ 実施例1において、プロピレングリコールを用いずに操
作する0 即ち、実施例1の濃度9.4wt%のポリビニルアルコ
ール水溶液414を、同様に突起配列板へ注ぎ、塗布後
、冷却(凍結)成型し引き続き、真空脱水を施し、網状
ゲル25ff得た。これを37℃において、実験室に開
放・放置・風乾させ九ところ、1日後21F、3目抜1
:l、5日後7tまで重量が減少するとともに、縦およ
び横方向に徐々に収縮をきたし、また21後以降、徐今
に硬度を増すとともに、柔軟性と弾力性が低下し、皮膚
(肌)に異物感がvi臓されるに至った。 すなわち、ポリビニルアルコールにプロピレングリコー
ル、グリセリンまたはソルビトールなどの多価アルコー
ルを併用する本発明が、ポリビニルアルコール・ヒドロ
ゲルネットの風乾による硬直を回避しうるのに反しこれ
ら多価アルコールを併用しない場合、元どおりのしなや
かさと肌ざわりを、2日以上にわたり充分に保持するの
に難がある。 また、この比較例の処決を反復して得られるゲル25F
を、冷蔵庫氷室に1晩放置したところ、ゲル全体が氷結
・硬直しこれを融解して硬直状at−解除するのに、室
温において約加分を要した。
Claims (2)
- (1) けん化&95モルチ以上、粘度平均重合度1
.soo以上のポリビニルアルコールと、分子中に2〜
8個の水酸基を有する水溶性有機化合物とを含み、且つ
、該ポリビニルアルコールと該有機化合物の濃rtt−
1それぞれ1〜10wt % および5〜60wt
%に調整した水溶液を、1−あた93万〜20万個の突
起を有し しかも突起部分の占める合計面積を10〜7
0sKM整した平板または曲板上へ0.5〜5 wmの
厚さに塗布後、これt−−6℃より低い温度に冷却・固
化し しかる後、これに脱水率5wt1k以上、95w
t−以下の真空脱水を施すことにより得られる創傷被覆
材。 - (2)轄ん化度95モル−1粘度平均重合1!1,50
0以上のポリビニルアルコールと、分子中に2〜8個の
水酸基を有する水溶性有機化合物及び抗菌薬を含み、且
つ、該ポリビニルアルコールと該有機化合物の濃度を、
それぞれ1〜10wt%および5〜60wt%に調整し
た水溶液t41−あたり3万〜20万個の突起を有し、
しかも突起部分の占める合計面積を10〜70チに調整
した平板また鉱曲板上へ、0.5〜5mの厚さに塗布後
、これを−6℃より低い温度に冷却・固化し、しかる後
、これに脱水率5wt%以上、95耐1以下の真空脱水
を施すことにより得られる創傷被覆材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56189226A JPS5892359A (ja) | 1981-11-27 | 1981-11-27 | 創傷被覆材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56189226A JPS5892359A (ja) | 1981-11-27 | 1981-11-27 | 創傷被覆材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5892359A true JPS5892359A (ja) | 1983-06-01 |
Family
ID=16237687
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56189226A Pending JPS5892359A (ja) | 1981-11-27 | 1981-11-27 | 創傷被覆材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5892359A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04115723U (ja) * | 1991-03-25 | 1992-10-14 | 株式会社共立 | 携帯式作業機 |
JPH09267453A (ja) * | 1996-03-29 | 1997-10-14 | Japan Atom Energy Res Inst | Pvaハイドロゲル積層体およびその製造方法 |
US5880216A (en) * | 1995-12-22 | 1999-03-09 | Kuraray Co., Ltd. | Polyvinyl alcohol and gel containing the same |
-
1981
- 1981-11-27 JP JP56189226A patent/JPS5892359A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04115723U (ja) * | 1991-03-25 | 1992-10-14 | 株式会社共立 | 携帯式作業機 |
US5880216A (en) * | 1995-12-22 | 1999-03-09 | Kuraray Co., Ltd. | Polyvinyl alcohol and gel containing the same |
JPH09267453A (ja) * | 1996-03-29 | 1997-10-14 | Japan Atom Energy Res Inst | Pvaハイドロゲル積層体およびその製造方法 |
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