JPS589195Y2 - 焼成炉の炊き口密閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は焼成炉の炊き口密閉装置に関するものである。

従来、焼成炉の炊き口を閉塞する密閉蓋は、炊き口の周
部に設けた螺子杆に密閉蓋の取付孔を挿入して、ナツト
等の締付具によって着脱自在に螺着するか、板状又はキ
ャップ状の密閉蓋を被冠してビス等により着脱自在に押
圧装着する方法が行われていたが、焼成後炉内の温度を
保持する場合や、燻瓦の製造の如く焼成（バーナーで加
熱する）と燻焼（バーナーによる加熱を止め、炊き口を
密閉蓋で閉塞し、炉内に燻焼用ガスを送気する）を交互
に行う場合等においては、炉内はもとより、炉の外周壁
も非常に高温であるから、密閉蓋の取付時に火傷をする
等の危険があると共に密閉蓋の取付、取外し操作を迅速
かつ確実に行うことは非常に困難であった。

本考案はこれ等の欠点を解消するもので、その構成を図
に示す実施例によって説明すると、焼成炉Ｗ（以下炉と
いう）の内側空洞部１が炉Ｗの燃焼室に連通ずる如く、
炉壁２の外面に円筒状の炊き日周壁体３を固設する。

円形状の着盤４は、背面５に炊き日周壁体３の前端周縁
部６が嵌入する環状凹溝部７を凹設し、前面中心に円形
状の凹陥部８を設け、その局部を若干浅い凹溝部９とし
、該凹溝部９の外周内縁部にスプリング端縁挿嵌座１０
を凹設する。

凹陥部８に嵌合する外径を有するパイプ状の外側筒体１
１は、周壁の上下部の対向する位置に、夫々後端部をＬ
形に屈曲して係止孔部１２，１２とした軸方向の長孔１
３，１３を、係止孔部１２，１２が正面より視て反対方
向に向く如く穿設し、該外側筒体１１の後端外周部を着
盤４の凹陥部８に挿嵌して溶着固定する。

外側筒体１１の内周面に摺動自在に挿嵌する内側筒体１
４は、周壁後部に上下対向してピン挿入孔１５．１５を
設け、該筒体１４の前端外周縁に、背面にスプリング受
は座１６を凹設した前面板１７を、フランジ状に溶着し
、前面板１７の背面の上方周縁部に逆Ｕ字形の取手杆１
８を、又下方周縁部にストッパー杆１９を固設すると共
に、前面板１７の前面の左右周縁部に夫々外方に向は横
方向のハンドル杆２０．２０を固設する。

外側筒体１１の周壁外方周部を捲回するコイルスプリン
グ２１を着盤４のスプリング端縁挿嵌座１０と、前面板
１７のスプリング受は座１６間に保持する如く、外側筒
体１１内に内側筒体１４を摺動自在に挿嵌し、長孔１３
，１３内を摺動し、ピン挿入孔１５．１５に嵌着するピ
ン２２を挿嵌して密閉蓋２３を構成する。

炉Ｗの炉壁２に固設した炊き日周壁体３の下方には、該
周壁体３に着盤４を被蓋する時、着盤４の下部周面が接
して所定の位置に保持する屈折部適所に前後方向のスト
ッパー杆挿通用長孔２４を穿設したＶ形の着盤位置決め
材２５を炉壁２に固設して本考案を構成する。

次に本考案の作用について説明すると、炉Ｗの炊き口を
閉蓋する場合は、着盤４の背面５を適宜台上又は床上に
当て、ハンドル杆２０．２０を持って、コイルスプリン
グ２１を圧縮し乍ら、内側筒体１４を着盤４方向に押圧
して、ピン２４の両端部が外側筒体１１の長孔１３，１
３の係止孔部１２．１２迄移動した時、ハンドル杆２０
、２０を回転してピン２２の両端部を該係止孔部１２
．１２内に嵌入させて、内側筒体１４を外側筒体１１の
後部に係止した密閉蓋２３を、取手杆１８を持って炊き
日周壁体３とバーナー２６の火口先端周縁間に上方より
、ストッパー杆１９が着盤位置決め材２５のストッパー
杆挿通用長孔２４内を挿通し着盤４の下部側周面が着盤
位置決め材２５に接触保持させて、着盤４の環状凹溝部
７を炊き日周壁体３の前端周縁部６に挿嵌し、ハンドル
杆２０．２０を前記と逆方向に回転して、ピン２２を係
止孔部１２．１２より抜き出せば、コイルスプリング２
１の反撥力によって、内側筒体１４は前方に戻り、前面
板１７はバーナー２６の火口先端周縁に圧接し、密閉蓋
２３は、コイルスプリング２１の反撥力により、炊き日
周壁体３とバーナー２６間に圧接挾持され、炉Ｗの炊き
口は密閉される。

尚、密閉蓋２３を炊き口より取り外すときは、閉蓋時と
逆の操作を行えばよい。

叙述の構成並びに作用より成る本考案は、炉の炊き印こ
対する密閉蓋の着脱が簡単な操作によって迅速かつ確実
に行うことが出来ると共に、作業者が高温の炉壁に触れ
ることがないので、火傷等をする危険は皆無であり、燻
瓦の製造の如く焼成と燻焼を交互に行う焼成炉等に於て
、その実用的効果は甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は密閉蓋の不使用時における中央縦断面図、第２
図は密閉蓋を焼成炉の炊き日周壁体前面とバーナー間に
挿入するため前面板を押圧して後方に係止した状態を示
す中央縦断面図、第３図は本考案の使用状態（密閉蓋に
て炊き口を閉蓋した状態）を示す中央縦断面図、第４図
は本考案の正面図、第５図は密閉蓋の外側筒体の平面図
、第６図は第５図のＡ−Ａ断面図である。 ３・・・・・・炊き日周壁体、４・・・・・・着盤、５
・・・・・・背面、６・・・・・・前端周縁部、７・・
・・・・・環状凹溝部、１１・・・・・・外側筒体、１
２・・・・・・係止孔部、１３・・・・・・長孔、１４
・・・・・・内側筒体、１７・・・・・・前面板、１８
・・・・・・取手杆、２０・・・・・・ハンドル杆、２
１・・・・・・コイルスプリング、２２・・・・・・ピ
ン、２３・・・・・・密閉蓋、２６・・・・・・バーナ
ー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背面５に炊き日周壁体３の前端周縁部６が嵌入する環状
   凹溝部７を設けた着盤４の前面に、後端部がＬ形に屈曲
   した係止孔部１２をなす軸方向の長孔１３を周壁上下に
   対向して穿設した外側筒体１１を固着し、該外側筒体１
   １内に前端縁に外向フランジ状で左右側にハンドル杆２
   ０．２０と、上部に取手杆１８を設けた前面板１７を固
   設した内側筒体１４を摺動自在に挿嵌して、該内側筒体
   １４に、両端部が長孔１３，１３内に摺動自在に挿通す
   るピン２２を嵌着すると共に、外側筒体１１の外方周部
   に捲回する如くコイルスプリング２１を着盤４と前面板
   １７間に挟設した密閉蓋２３を、炊き日周壁体３の前端
   と、バーナー２６の火口前端間に着脱自在に圧接挾持す
   ることを特徴とした焼成炉の炊き口密閉装置。