JPS58900Y2 - 真空スイッチ管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は真空スイッチの小型化を目的とした真空スイッ
チ管に関するものである。

真空状態は極めて優れた電気絶縁性を有している点で、
短間隔で高耐電圧であることから開閉器、しゃ断器等の
スイッチの絶縁に採用されている。

特に近年の著しい真空技術の進歩により封じ切りの真空
スイッチ管が多量に製作されるようになってきた。

しかしこの真空スイッチは極間の開閉スイッチ部と電極
を移動せしめるための操作機構部とより戊っているが、
この操作機構部がかなり大きなスペースをとるため、ス
イッチ管全体として大きくなる欠点がある。

例えば第１図に示すものは従来の真空スイッチ管の代表
的例であるが、この図例のもので、１は固定電極、２は
この固定電極と対向せしめた可動電極で、この両電極の
対向面に夫々接触部１ａ、２ａを一体に形成する。

５はこの両電極の接触部外周を覆う絶縁外筒で、この絶
縁外筒５の両端面に金属製の気密蓋３，４を一体に設け
る。

６は固定電極１の接触部外周を覆うようになしたシール
ド、７は可動電極２と気密蓋４間に固着したベローズ、
８は絶縁外筒内を真空にするために気密蓋３（又は４）
に突設した真空排気口である。

従ってこの真空スイッチ管の操作にはまず固定電極を固
定しておき、次に可動電極２に引き離し力を与えて両電
極の接触部１ａ、２ａ間に於て電流をしゃ断するように
なしている。

この真空スイッチ管内部は十分に排気され真空となって
おり、両電極１，２の接触、引き離し時に生ずる放出ガ
スによっても絶縁耐力が落ちないよう対処されているの
で数ｍｍの絶縁間隔でも数千ボルトの使用電圧に耐えら
れる。

しかし内部が真空であるため可動電極を固定電極より引
き離すにはベローズ部の面積Ａｃｍ２に対してほぼＡｋ
ｇの大気圧に逆ってそれ以−Ｌの引き離し力Ｂｋｇを加
えなければならない。

又通常のスイッチは無電圧時は常時開路としであるから
スイッチ閉路時はＢｋｇよりさらに大きな力Ｃｋｇを接
触力として与えなければならないので、電極の接触引き
離しの真空スイッチの操作にあっては強力な操作マグネ
ットを用いなければならず、又これを低減せんとしてス
プリングを用いればそれだけ装置そのものが大型化する
等の欠点がある。

本考案はこれに鑑みて真空のための大気外圧を削減し、
電極間の接触・引き離し力を低減せしめ、定位性をもた
せ且操作マグネットを小型どし、全体として小型化せん
とするものである。

第２図は本考案による真空スイッチ管の断面を示す実施
例図で、護国に於て符号１〜８は第１図の実施例と同一
である。

９はドーナツ形のベローズ゛で、このベローズ９を気密
蓋３の内面側に溶着等にて一体に設け、この気密蓋３に
多数の小孔１３を穿孔してドーナツ形ベローズの内部を
大気に導通するようにして内部に大気圧力を加えるよう
になす。

又このベローズ９の頂面即ち第２図に於てベローズ９の
屈曲した下部に金属板１０を溶着し、７この金属板の他
端をシールドと絶縁外筒５との間に挿入した絶縁内筒１
２の一端に結合し、さらにこの絶縁内筒の他端に金属板
１１を設け、この金属板１１の他端を可動電極に設けた
ベローズ゛７に溶着して一体とし、しかもこの両金属板
１０．１１に１乃至２以上の小孔１４．１５を夫々穿設
するものである。

上述の如く構成したる真空スイッチ管に於てはベローズ
９の大気圧が加わるドーナツ部の面積Ａｃｍ２は可動電
極２に固着されたベローズ７の大気圧が加わる円の面積
Ａｃｍ２と等しくし、しかもベローズ９とベローズ７と
は金属板１０．１１と絶縁内筒１２とによって連結され
ているため可動電極２を上下に移動させるとベローズ７
と９とは一方は大気圧に逆に他方は大気圧と同じ方向に
圧縮又は伸長されて、大気圧による抵抗力を消滅させら
れている。

従って可動電極の移動には可動電極に連結された金属板
１０．１１と絶縁内筒の慣性力とベローズ７．９の圧縮
力、伸長力の和の力を必要とするだけでよいために非常
に小さな力を加えるだけで十分である。

この上にスイッチとして必要な接触力、引き離し力を与
えて真空スイッチの主機能を満たすが、この力は真空の
ために生ずる大気圧程度と考えて良いため操作マグネッ
トは士以下に小形化される。

更に電極１と２との接触直前及び引き離し直後の移動速
度は一般に高速であることが望ましいが、本考案では従
来の÷以下の操作マグネット寸法で十分その性能をもつ
ことができて、小形でしかも高性能の真空スイッチを提
供することができる。

金属板１０ｊｌに設けられた小孔１４．１５は真空スイ
ッチ管内の真空度を均一にするためのものである。

本考案の真空スイッチ管は真空管内部に今一つの真空管
部を備えた形状になっているために製作に当っては従来
の真空スイッチ等よりもはるかに多くの工数を要するが
、内部の真空管部は所謂真空容器でなくてよいから見か
け通りの工数よりも少くてすむ。

又真空スイッチとして組上げられた場合は上述のように
小形化される主操作マグネツ１−が小形であり、力も小
さいから操作マグネットによって消費される電気エネル
ギーも従来のものに比し少くなり使用上有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知の断面図、第２図は本考案の縦断面図であ
る。 １・・・・・・固定電極、２・・・・・・可動電極、３
，４・・・・・・気密蓋、５・・・・・・絶縁外筒、６
・・・・・・シ下ルド、７・・・・・・ベローズ、８・
・・・・・真空排気口、９・・・・・・ドーナツ形のベ
ローズ、１０．１１・・・・・・金属板、１２・・・・
・・絶縁内筒、１３．１４．１５・・・・・・小孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁外筒内に真空状態で固定電極と可動電極とを対設し
   、可動電極は同じ対向面積をもった２個のベローズに連
   結固着され、一方のベローズは気密蓋に、他方のベロー
   ズは絶縁内筒を介して今一方の気密蓋に固定され小孔に
   よって外気圧が加わるようになした真空スイッチ管。