JPS589007Y2 - コイルスプリング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコイルスプリング、就中各種軸やピンなどの軸
状物に対するバネ反力伝達用の取付座をｔｔたコイルス
プリングに関する。

各種の軸やピン、その他類似の軸状物にバネ反力を伝え
る場合、従来ではコイルスプリングとその止め輪（サー
クリップなど）という少なくとも２点の部品が必要であ
り、しかも通常そのコイルスプリングをバネ反力に抗し
つつ、別部品の止め輪と一挙同時に軸状物へ組み付けね
ばならず、その煩雑さの故に組み付は作業上、熟練と専
用治具の使用とが不可欠となっている。

又、安価な規格品の止め輪は、コイルスプリングのバネ
反力を軸状物の軸線方向に伝えるための固定機能しか持
たず、そのコイルスプリングの調芯には何等役立つもの
ではないため、その組み付は上の調芯には別製の部品も
必要となっている。

本考案はこのような問題点の解決に有効な汎用性に富む
コイルスプリングの提供を目的としており、その具体的
構成を図示の実施態様に基いて説明すれば、次の通りで
ある。

即ち、図は輪状物として自動車用のホイールナラ）Ｎを
例示し、これに装着使用した本考案の用途→ｌを表わし
ており、そのコイルスプリングＣを抽出拡大は第１〜３
図において、１は円形な螺旋主体であり、その線径や有
効巻き数、巻き方向、高さ、外径などは軸状物の大小や
用途などに応じて適当に定められる。

２はその螺旋主体１の端部を約１螺旋長さ分だけ連続的
に屈曲変形させることにより、螺旋主体１の円形と異ｉ
る輪郭形状の正三角形を基本とした実質上正多角形（図
では略６角形）に一体形成されたバネ反力伝達用の取付
座であって、第２，３図から明白なように、その略正三
角形を形作る如き３個の長い直線辺縁部３ａが、螺旋主
体１の円形よりも予じめ内側へ張り出すものとして、該
円形輪郭との交叉状に設定されている。

その場合、同じく主体１の円形輪郭と平行する如き３個
の短かい直線辺縁部３ｂが、螺旋主体１よシも外側へ若
干張り出していること、両図から示唆される通りであり
、これによって約１螺旋分の長さをその１咬維持しつつ
、取付座２が屈曲変形されることとなっている。

そして、このようなコイルスプリングＣは第４゜５図の
装着状態から明白な通り、軸状物の代表−例に係るホイ
ールナツトＮの軸杆部４上へ、これを囲む如く遊挿セッ
トされ、その円形外周面の任意個所に対応形成された連
続環状の凹溝５内へ、その取付座２にかける内側への張
り出し直線辺縁部３ａが弾圧喰い付き状に挿入係止され
るのであり、これによってバネの圧縮又は伸張反力をナ
ツトＮへ伝達するようになっている。

つ１す、本考案のコイルスプリングＣにあっては、その
取付座２が螺旋主体１に一体として自己保持された言わ
ば機能的止め輪に相当し、併せ螺旋主体１自身は軸状物
を囲む円形として、これに遊挿セットされるものである
ため、その取付座２を軸状物の外周面に沿って滑らせる
如く、拡開強制的に押し込みさえすれば、その復元力に
よって取付座２が自動弾圧的に軸状物の凹溝５内へ係止
することになり、従いコイルスプリングＣを極めて簡易
な操作のもとに、輪状物へ装着できることとなる。

しかも、その取付座２は実質的に正多角形の輪郭形状を
なしているため、軸状物の中心軸線に対し螺旋主体１が
自ずと正しい同芯状態に保たれ、該取付座２によってコ
イルスプリングＣ自身に調芯性能が与えられることにな
る。

この調芯機能により、凹溝５内への係止状態が著しく安
定し、延いてはバネ反力をロスなく伝達できると共に、
上記した軸状物への装着操作も頗る円滑に行なえること
となる。

螺旋主体１の円形輪郭より外側へ若干張り出す直線辺縁
部３ｂは、コイルスプリングＣの交換などに際会して、
その取付座２を軸状物から取りはずす必要がある場合、
これに工具先端などを容易・確実に挿入係止して、取付
座２を言わば巻き戻す如く押し開く操作の円滑化に役立
つものと言える。

伺、図例の場合取付座２の輪郭形状を、正三角形を基体
とした略６角形に定め、且つ螺旋主体１の一端部へその
約１螺旋長さ分として屈曲連成すると共に、その内側へ
の張９出し直線辺縁部３ａの３個を、軸状物の就中凹溝
５に対し接線をなす形態として係止させているけれども
、軸状物を囲んでその凹溝５内へ自動弾圧的に係止され
る実質上正多角形の取付座２である限り、図示以外のも
のを採用しても良い。

又、その凹溝５も連続環状に開口する１個に限らず、軸
状物の外周面へ放射対称型配置として点在する複数個設
けても良い。

更に、上記ホイールナラ）Ｎばあく１でも輪状物の一例
であり、これに限らず各種の軸やピン、その他これと類
似の物に対しても、同様に本考案を装着使用することが
できる。

因みに、図示の実施態様では第４〜６図から明白なよう
に、ホイールナツトＮの角形頭部６へ合成樹脂製のスラ
イドリング７を被着させると共にそのリング７を、上記
取付座２により一端部がナツトＮへ固定支持されたコイ
ルスプリングＣの他端部によって、ナツト軸線方向に沿
い常時押圧している。

そのため１．リング７のスライドに伴なうバネの圧縮又
は伸張反力が、コイルスプリングＣの取付座２によって
ホイールナラ）Ｎへ確実に伝えられるのであり、換言す
れば取付座２によるナラ）Ｎへの安定な固定支持機能と
、同じく調芯機能とによって、上記リング７が円滑にス
ライドされることになるわけで、従い本考案のコイルス
プリングＣはこのようなスライドリング７を押動する如
き用途に用いて、特に有益と言って良い。

尚、上記スライドリング７はホイールナツトＮと、ホイ
ールディスクＤのナツト受は入れ凹穴Ｓとの相互遊隙を
施蓋するダストカバーとして働くものであり、そのナラ
）Ｎが車輪のスタッドポル）Ｂへ着脱自在に締結される
こと言う１でもない。

８は軸杆部４の先端に形成されたテーパー面部で、ブツ
シュ９と密接する。

１０はリング７のストッパーフランジである。

以上のように、本考案のコイルスプリングＣでは上記ホ
イールナラ）Ｎで代表される如き、輪状物上に遊挿セッ
トされるべき円形な螺旋主体１の端部を連続的に屈曲さ
せて、その輪状物の外周面に開口する凹溝５内へ自動弾
圧的に係止し得る実質上正多角形な輪郭のバネ反力伝達
用取付座２を形成したものであるため、冒頭に述べた従
来例と異なり、別部品の止め輪やその組み付は用の専用
治具などが一切不要となり、コストダウンを図れる０ 特ニ、コイルスプリングＣに一体具備された取付座２は
、実質上正多角形をなして軸状物の凹溝５内へ自動弾圧
的に係止するよう定められているため、その螺旋主体１
が軸状物を囲み、これに遊挿セットされる円形を呈して
いることとも相俟つて、その取付座２を軸状物の外周面
に沿い滑らせる如く、拡開強制的に押し込みさえすれば
、その復元力によって取付座２が自動弾圧的に凹溝５内
へ係止ロックすることになり、従ってコイルスプリング
Ｃを誰もが確実に、且つ瞬間的に軸状物へ装着できるの
であって、その操作性に著しく優れる。

しかも、その取付座２は実質上正多角形をなしているの
で、軸状物への装着状態に卦いてその中心軸線とコイル
スプリングＣとの調芯効果が自ずと達成されるのであり
、従いバネ反力の伝達にロスを生ずることがなく、弾圧
力とも相俟って凹溝５から決して脱落しない安定・正確
な装着状態を得られ、その操作上の熟練や調芯のための
別部品を要することもない。

その螺旋主体１に対する取付座２の加工や、これを受は
入れるべき凹溝５の加工なども比較的簡単に行なえるの
で、輪状物一般に広く適用しやすい考案として実用的な
ものと言える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の外観正面図、第２図は同じく平面図、
第３図は底面図、第４図は取付伸張状態の断面図、第５
図は第４図のＡ−Ａ線断面図、第６図は使用圧縮状態の
部分断面図である。 １・・・螺旋主体、２・・・取付座、３・・・直線辺縁
、５・・・凹溝、Ｃ・・・コイルスプリング、Ｎ・・・
ホイールナツト（軸状物）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 軸状物上に遊挿セットされるべき円形な螺旋主体１
   の端部を連続的に屈曲させて、その軸状物の外周面に開
   口する凹溝５内へ自動弾圧的に係止し得る実質上正多角
   形な輪郭のバネ反力伝達用取付座２を形成したことを特
   徴とするコイルスプリング。 ２ 螺旋主体１における端部の約１螺旋長さ分を全体的
   に屈曲させて、その取付座２を螺旋主体１の円形よりも
   内側へ張り出す直線辺縁部３ａと、同じく外側へ張り出
   す直線辺縁部３ｂとから成る実質上正多角形の輪郭に形
   作り、その前者の直線辺縁部３ａを軸状物の凹溝５内へ
   係止させるよう定めたことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲・第１項記載のコイルスプリング。