JPS588997Y2 - 電磁クラッチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、緩衝機能をダンパゴムによって得るように
した電磁クラッチに関するものである。

従来のこの種電磁クラッチには一例として第１図に縦断
側面図で示される冷凍用圧縮機用電磁クラッチがある。

この電磁クラッチは、コイル１を内蔵したフィールドコ
ア２を、■溝プーリ状のロータ３の背側の環状溝３入内
に臨ませである。

方、前記コイル１への通電により磁束が発生したとき、
ロータ３の前面に磁気吸着されるアーマチュア４は、圧
縮機のフレーム５にベアリング６を介して取付けた前記
ロータ３の軸線と軸線が合致する圧縮機の入力軸７側の
部材であって、この入力軸７にキー８で固定されたアー
マチュアハブ９ニ、タンパゴムｉｉ ｏ、ストツバフレ
ー）１１、戻しばね１２等を介して取付けられている。

ダンパゴム環１０は剛性に富む環状のストッパプレート
１１内に焼付げにより固定され、戻しばね１２はストッ
パプレート１１の外縁の数箇所に形成されたブラケット
１３にリベット１４で取付けられている。

ストッパプレート１１に取付けられた戻しばね１２はア
ーマチュア４に対しても数箇所においてリベット１５に
より取付けられている。

なお、圧縮機のフレーム５にビス１６によって固着され
た取付フランジ１７に背面が固着されている前記フィー
ルドコア２は、ロータ３と完全な同心配置となるように
位置決めされてかり、ロータ３には円弧状の磁束迂回用
窓孔１８が所要数穿設されている。

さらに、前記ダンパゴム環１０には、戻しはね１２によ
って急激に復帰されたアーマチュア４の衝撃力を緩和す
るストッパ隆起部１９が設けられている。

このような構成からなる電磁クラッチに釦いては、ロー
タ３が外部駆動源（例えば電動機）からの回転力の伝達
（図示しないベルトによる）により回転している状態で
、コイル１に通電されると、発生した磁束がフィールド
コア２、ロータ３、アーマチュア４に通って、アーマチ
ュア４を励磁するので、アーマチュア４はロータ３に磁
気吸着され、以後アーマチュア４はロータ３と一体に回
転することになる。

ロータ３と一体に回転するアーマチュア４は、とのアー
マチュアを取付けているアーマチュアハブ９を一体回転
させ、入力軸７を回転させる。

このとき、ダンパゴム環１０が撓みを生じ、急激なトル
クの立上りを回避する上で有効に作用する。

しかし、大形のダンパゴム環１０は、かなり重く、電磁
クラッチの重量軽減を困難にするし、材料費も高くなり
、特に、大形のストッパリング１１への焼付費用は高価
となる。

この考案は、上述のような観点に基き、トルク伝達時の
衝撃を緩和する能力が高く、かつ従来の同種電磁クラッ
チに較べ著しく安価に得ることができ、さらに軽量化が
可能な電磁クラッチを提供するもので、アーマチュア・
・ブに固着したストッパプレートの複数位置に所定径の
孔を設け、この合孔の穿設位置に、底部中心部に孔を有
する筒状のダンパカバーを固着しておき、各ダンパカバ
ー内に、ダンパゴム片を埋込み、このダンパゴム片の外
端面にフランジが当接した状態で、フランジ付カラーを
中心部に挿通し、各カラーの先端を、前記ストッパプレ
ートに密接した状態にあるアーマチュアに当接させると
ともに、カラーとアーマチュアを、カラーに挿通したリ
ベット等により一体に結合させた構造とした点に特徴が
ある。

ついで、この考案の電磁クラッチを実施例により図面を
参照しながら説明する。

第２図にはこの考案の電磁クラッチの第１実施例が縦断
側面図で示されている。

又、第３図には第１実施例の電磁クラッチが第２図Ｘ矢
視正面図で示されている。

な釦説明に際しては、第１図の従来の電磁クラッチに釦
ける部材と等位の部材には同じ符号を付し、対比を容易
にする。

図面に示されるように、コイル１を内蔵したフィールド
コア２ば、ロータ３の背面に形成しである環状の溝３Ａ
内に収納しである。

前記ロータ３をベアリング６を介して空転自在に支持し
ている圧縮機のフレーム５の軸孔５Ａから突出された圧
縮機の入力軸７には、キー８によリアーマチュアハプ９
が固定され、さらに、とのアーマチュアハブ９には平円
盤状のストッパプレート１１が溶着されている。

ストッパプレート１１には３箇所に孔２０が設けられ、
孔２０を設けた位置の外面には、筒状のダンパカバー２
１がそれぞれ溶着されている。

ダンパカバー２１は底部２１Ａの中心位置に、前記孔２
０と同径の孔２２を有する。

各ダンパカバー２１内には中心部にフランジ付カラー２
３を挿通したダンパゴム片２４を埋込んである。

ダンパゴム片２４は孔あきの小片であって、外端面には
前記カラー２３のフランジ２３Ａが当接されている。

又、各カラー２３は、孔２２．２１を通って先端がアー
マチュア４に当接されている。

各カラー２３の長さは、ダンパカバー２１内に埋込まれ
たダンパゴム片２４の弾性によってカラー２３が外方に
最大に引戻されたとき、アーマチュア４がストッパプレ
ート１１に密接している状態となるように定められてい
る。

さらに、先端をアーマチュア４に当接したカラー２３は
、カラーに挿通ずるリベット２５によってアーマチュア
４に固定されている。

なお、前記フィールドコア２がフレーム５に取付フラン
ジ１７にビス１６によって固着され、■溝プーリ状のロ
ータ３に磁束迂回用の窓孔１８が設けられている点など
従来の電磁クラッチと同様である。

上述の構成からなるこの考案の電磁クラッチは、コイル
１に通電されると、フィールドコア２、ロータ３、アー
マチュア４を通る磁束が発生し、アーマチュア４はロー
タ３に磁気吸着され、ロータと一体に回転するようにな
る。

ロータ３方向に引かれたアーマチュア４は、体に固定し
であるリベット２５を介してカラー２３をもロータ３方
向に引くことになり、このカラー２３の変位によって、
カラーのフランジ２３Ａが外端面に当接しているダンパ
ゴム片２４は圧縮されることになる。

又、アーマチュア４がロータ３に吸着された瞬間に生じ
る衝撃は、各ダンパカバー２１内にあるダンパゴム片２
４が、カラー２３の横方向移動により撓ませられること
によって吸収される。

コイル１への通電がしゃ断されると、解磁された瞬間に
、ダンパカバー２１内にあって圧縮されていたダンパゴ
ム片２４が一斉に復元し、カラー２３を外方に引戻すの
で、アーマチュア４はストッパプレート１１に密接する
位置まで復帰移動される。

第４図にはこの考案の電磁クラッチの第２実施例が縦断
側面図で示されている。

この第２実施例は、前記第１実施例が、ダンパカバー２
１をストッパプレート１１の表側に溶着したものである
のに対し、ストッパプレート１１の裏側に溶着した点に
訃いてのみ異る。

このように、この第２実施例にかいてはダンパカバー２
１をストッパプレート１１の裏側に溶着しであるため、
ストッパプレート１１に穿設する孔２０は単ニカラー２
３が横方向に移動できる程度の径ではすく、タンパゴム
片２４をダンパカバー２１に埋込めるだけの大きな孔と
しである。

孔２０を大径とすれば、その分だけ軽量化にも役立ち、
又、ストッパプレート１１の表側にほとんど突出物がな
くなるこの第２実施例の電磁クラッチは外観も簡潔とな
る利点がある。

なお、復帰したアーマチュア４がストッパプレート１１
に密接した第１実施例に対し、この第２実施例では復帰
したアーマチュア４は、ストッパプレート１１の裏側に
あるダンパカバー２１の底部２１Ａに当接することにな
る。

以上の説明から明らかなように、この考案の電磁クラッ
チは、予め成形しである小さなダンパゴム片をダンパカ
バー内に埋込み、カラーに挿通ずるリベットによってア
ーマチュアと結合しただけの簡単な構造であるが、確実
な衝撃吸収機能を具備する上に、戻しばねが不要である
などの優れた利点を有し、特に大形で重いダンパゴム環
を使用しないので、軽量化が可能であり、又、費用のか
かる焼付加工も必要としないから安価に得られる利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁クラッチの一例を示す縦断側面図、
第２図はこの考案の電磁クラッチの第１実施例を示す縦
断側面図、第３図は第２図Ｘ矢視正面図、第４図は第２
実施例を示す縦断側面図である。 図面に釦いて、１・・・コイル、２・・・フィールドコ
ア、３・・・ロータ、４°“・アーマチュア、９・・・
アーマチュアハフ、１１・・・ストッパプレート、２０
，２２・・・孔、２１・・・ダンパカバー ２１Ａ・・
・底部、２３・・・カラー、２３Ａ・・・フランジ、２
４・・・ダンパゴム片、２５・・・リベット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロータに磁気吸着自在のアーマチュアを、ロータと同心
   配置のアーマチュアハブに取付けたストッパプレート方
   向に弾性復帰自在としてなる電磁クラッチにおいて、ア
   ーマチュアハブに固着したストッパプレートの複数位置
   に所定径の孔を設け、これらの孔の穿設位置に、底部中
   心部に孔を設けた筒状のダンパカバーを固着し、各ダン
   パカバー内ニ、ダンパゴム片を埋込み、このダンパゴム
   片の外端面にフランジが当接する状態で、フランジ付カ
   ラーを中心部に挿通する一方、復帰位置にあるアーマチ
   ュアに先端を当接させた前記カラーをアーマチュアと結
   合した構造を有することを特徴とする電磁クラッチ。