JPS588941Y2 - キカンテンカヨウハイデンキノハイデンキヤツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は絶縁耐力を向上させる機関点火用配電器の配電
キャップの構造に関する。

最近、石油資源の先行不安から低燃費の自動車が要望さ
れ排気ガス浄化と共に対処せねばならない重要な問題で
あり両者を両立させるために、空燃比を太きくし、点火
プラグのギャップを拡大させ、高エネルギーの点火装置
にて着火させる方式が採用されつつある。

しかるに点火プラグのキャップを拡大することにより、
点火プラグの着火必要電圧が上昇し、点火プラグへ配電
する配電キャップの絶縁耐圧を太きくシナいと他気筒又
は接地へ放電してしまう恐れがある。

このため、配電キャップの径を大きくし、絶縁距離を大
きくとって絶縁耐圧を向上させる方式が一般に採られて
いるが、機関の取付スペースに制約を受けるばかりでな
く、長期使用において配電キャップの内周に、カーボン
やごみ等の汚損物が堆積付着し、多湿時絶縁抵抗が低下
して、機関所要点火プラグへ配電されず、他気筒、又は
接地に放電し、多量の排気ガスが放出されると共に、高
燃費となる等の欠陥を持っていた。

本考案はかかる欠点を解消する実用上有利な効果を有す
る配電キャップを提供しようとするものである。

以下、図面に従がい説明すると、図に示す本考案の一実
施例において、１は機関の駆動軸と連結する駆動部、２
はアルミから成るハウジング、３はこのハウジング２に
支承される回転軸で前記駆動部１と共に回転する。

４は前記ハウジング２に固着された合板、５はこの合板
に装着された断続器、６は前記可転軸３の一部に設けら
れたカムで機関気筒数だけのカム山を有する。

７は前記回転軸３の先端に設けられたロータ嵌合部、８
はこのロータ嵌合部７に嵌合するロータ、９はこのロー
タ８に固着した電極、１０はこの電極９の下部に前記ロ
ータ８と一体に設けられた絶縁部で、電極９と接地間の
絶縁耐圧を高める作用をする。

１１は前記ハウジング２にその開口端を閉塞する如く嵌
合するキャップで合成樹脂から構成される。

１２はこのキャップ１１に内蔵され図示しない点火コイ
ルの２次側端子と接続される中央電極、１３．１４は図
示しない各点火プラグに接続される周囲電極、１５は前
記中央電極１２とバネを介して接続されるカーボン接触
子で前記電極９と接触している。

１６は前記椀状の配電キャップ１１の内側底面の周囲に
軸方向に突設された前記周囲電極１３，１４と、該周囲
電極の径方向外側に対向する前記配電キャップ１１の内
側周壁面との間に該両者に対してそれぞれ空間を介して
対向する様に前記配電キャップ１１と一体成形により該
配電キャップの底面部から前記周囲電極の突出部の軸方
向寸法より長い寸法で軸方向に突設され環状に構成され
た板状のリブ、１７はこのリブ１６により断面凹状に形
成され内部汚損を避けた非汚損部である。

次にこのように構成された実施例の作動を説明すると、
機関の回転と共に、回転軸３が回転しカム６によりその
１回転につき断続器５が機関の気筒数だけ開閉作動し、
図示しない点火コイルの一次側電流を断続する。

この結果、点火コイルの二次側に高電圧が誘起し、中央
電極１２から、接触子１５、電極９、周囲電極１３を経
て機関所要点火栓に火花放電する。

この様に、機関の回転と共に、機関所要時期に断続器５
が開離し、高電圧が中央電極１２からロータ３を介して
機関所要点火栓に接続された周囲電極例えば１３に印加
される。

こ＼で機関点火栓は上述の如く排気公害と低燃費の点よ
り大きなギャップ例えば１．５關と拡大され、点火コイ
ルは高エネルギー高電圧を発生する。

この結果、中央電極１２には例えば４０ｋＶ１００ｍｊ
の高電圧が印加される。

キャップ１１の内周は接触子１５と電極９との接触回転
によりカーボンの 粒粉が飛ひ散り、付着堆積すると共
に、ゴミ、油等の汚損物が付着堆積する。

この様な状況下にあっては周囲電極１３゜１４とハウジ
ング２（接地電位）間の絶縁抵抗が低下し、１０Ｍ＃程
度まで下がる。

更に湿度が加わると、汚損物と水滴により絶縁抵抗が極
端に低下する。

１端柱度の絶縁抵抗が、走行２万ｋＷ程度の車に装着さ
れるキャップに見受けられる。

この様な低い絶縁抵抗下のキャップにおいては、電極９
に印加された高電圧はハウジング２側にリークし、周囲
電極１３又は１４に対する配電が低下し機関馬力を低下
させ、排気ガスの増大と高燃費をもたらすばかりでなく
キャップ１１の絶縁破壊が生じ機関が停止する場合があ
る。

しかるに図の様に、リブ１６により、接触子１５の 粒
粉はリブ１６の内周側だけに付着し、非汚損部１７は常
時清浄な状態に保持される。

この結果、周囲電極１３．１４とハウジング２間の絶縁
抵抗は２０００騙以上の高抵抗が保持される。

リブ１６の先端からハウジング２間の火花放電は空中放
電のため放電々圧が高く、絶縁破壊のしにくい安定した
絶縁が保たれる。

尚、上記本考案−実施例においてはリブ１６を環状とし
て全周に設置したが、周囲電極１３゜１４のある場所の
みに限定しても同等の効果を有することは勿論である。

以上の様に本考案においては、配電キャップの周囲電極
からハウジングに至る配電キャップ内面のうち前記電極
近傍の内面と前記電極との間に、該両者に対してそれぞ
れ空間を介して対向する様に前記配電キャンプと一体成
形により突設されたリブを設け、該リブによりカーボン
等の付着による汚損を避ける非汚損部を構成したので、
極めて簡単な構成で、絶縁抵抗の低下が著しい周囲電極
とハウジングとの間の絶縁耐圧を向上させ、機関所要点
火栓への配電の確実性を計ることができ、更には前記リ
ブは、周囲電極とも空間を持って対向する如く構成した
ので、ロータ電極と周囲電極との火花放電によって周囲
電極の放電部が加熱されても該熱によってリブが熱損す
ることもなく充分長期に亘って絶縁耐圧を向上させ得る
効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す断面図を示す。 図中、１は駆動部、２はハウジング、３は回転軸、５は
断続器、６はカム、８はロータ、９は電極、１１はキャ
ップ、１２は中央電極、１３゜１４は周囲電極、１５は
接触子、１６はリブ、１７は非汚損部を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 点火コイルに発生した高電圧をロータ電極を介して機関
   の各気筒に配電する椀状の配電キャップにおいて、該配
   電キャップの内側底面の周囲に軸方向に突設された周囲
   電極と、該周囲電極の径方向外側に対向する上記配電キ
   ャップの内側周壁面との間に該両者に対してそれぞれ空
   間を介して対向する様に該配電キャップと一体成形によ
   り該配電キャップの底面部から上記周囲電極の突出部の
   軸方向寸法より長い寸法で軸方向に突設され上記周囲電
   極の周方向寸法より充分大きく周方向に延びて構成され
   た板状のリブを設け、該リブと上記配電キャップの周壁
   面との対向部によってカーボン等の付着による汚損を避
   ける非汚損部を構成した機関点火用配電器の配電キャッ
   プ。