JPS58878Y2 - 気体廃棄物処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は原子カプラントの気体廃棄物処理装置の改良に
関する。

従来の原子カプラントの排ガス中に含まれる放射性汚染
物質を除去する廃棄物処理装置は第１図に示すように、
図示してない原子炉から主復水器１、エゼクタ２を通っ
て流入する排ガスを排ガス予熱室３で加熱し、再結合器
４で触媒反応によって排ガス中の水素ガスが静的に酸化
されて水蒸気となり、排ガス復水器５で排ガス中の水分
は熱交換によって凝縮して除去され、排ガス予冷器６に
よって冷却されて湿分が除かれる。

さらに排ガス乾燥器７によって乾燥された排ガスは活性
炭塔８に送り込まれ放射性不活性ガス等の汚染物質は吸
着除去され、粒子フィルタ９、真空ポンプ１０を経て放
射能を完全に除去された後にスタック１１より大気中に
放出される。

この気体廃棄物処理装置において最も重要な役を果たす
機器は放射性気体を取除く活性炭塔８と系統を完全に運
転する真空ポンプ１０である。

このため活性炭塔８の出口側に放射線モニタ１２を装着
し、放射線レベルが上昇した場合は出口側の隔離弁１３
を閉止して排ガスがスタック１１から排出するのを防止
している。

また排ガスの流量は４〜４０ｍ３／ｈの範囲で変動する
ために、排ガス乾燥器７の入口側の圧力を圧力モニタ１
４で検出し、圧力が低くなると圧力コントロール弁１５
を開いて真空ポンプ１０の入口側１０ ａが高真空にな
らないようにして負荷を一定にしている。

１６は真空ポンプ１０の入口側１０ ａの常時開いてい
る止弁である。

しかして、圧力コントロール弁１５や止弁１６の調整不
良や誤操作の場合に弁が閉止したよ・の場合には、系統
内の圧力が変動し本装置の機能が乱れる。

また真空ポンプ１０の入口側１０ ａが高真空となりポ
ンプ負荷が増大して故障する欠点があった。

本考案は高い安全性と信頼性を要求される原子カプラン
トの気体廃棄物処理装置において、系統内の圧力を一定
にし、かつ起動時の圧力の安定を高め、真空ポンプの入
口側が高真空となるのを防止して安定して運転するよう
にした気体廃棄物処理装置を提供することを目的とする
。

以下本考案を図面に示す一実施例について説明する。

第２図において第１図と同じ作用をする部品は同一符号
としたので説明を省略する。

粒子フィルタ９の出口側と真空ポンプ１０の出口側とを
圧力コントロール弁１５を介して接続する従来の第１の
バイパスの他に、真空ポンプ１０の入口側と出口側とを
真空安全装置を介して接続する第２のバイパスを設けて
系統内の圧力の安定を計ったものである。

１７は真空安全装置の一例である真空安全弁であって、
真空ポンプ１０の出口側１０ ｂより入口側１０ ａへ
配管で接続し第２のバイパスを形成している。

真空安全弁１７は真空ポンプ１０の人口側の止弁１６等
が閉止などして入口側の圧力が高真空となった場合に開
いて、出口側１０ｂから人口側１０ ａに送気してポン
プ負荷を減少させ安定した真空ポンプ１０の運転を行な
うものである。

次に作用について説明する。

本気体廃棄物処理装置の系統圧力のコントロールは次の
ように行なう。

系統内の流量の約１０倍の容量を有する真空ポンプ１０
で系統を吸引し、系統流量より多い流量は真空ポンプ１
０の出口側より第１のバイパスで排ガス乾燥器７の入口
側の圧力モニタ１４により圧力コントロール弁１５で流
量をコントロールして真空ポンプ１０の入口側に戻して
いる。

しかし、圧力コントロール弁１５が動作不良を起すと系
統内の圧力が乱れ、真空ポンプ１０の入口側が高真空と
なり真空ポンプ１０の負荷が大となる。

そこで第２のバイパスの真空安全弁１７が作動して真空
ポンプ１０の出口側より入口側に流して真空ポンプ１０
の安定した運転を行う。

真空安全弁１７の動作を第３図に示す。

横軸は真空ポンプ１０の入口側１０ ａの真空度、縦軸
は真空安全弁１７を通って出口側１０ｂがら入口側１０
ａに流れる流量であって、入口側１０ ａの真空度が
Ｐｌになった時に真空安全弁１７が開き始め真空ポンプ
１０の出口側１０ ｂから入口側１０ ａへ排ガスが曲
線１８に沿って流れ始める。

さらに真空度が上昇しＰ２になった時には真空安全弁１
７が全開し流量Ｑ１が流れる。

この流量Ｑ工は真空ポンプ１７の最小安定流量にしてあ
れば真空ポンプ１７は安全に運転する。

真空ポンプ１０の入口側の圧力が上昇し真空度がＰ３に
なると真空安全弁１７は閉止し系統が元へ戻り安全運転
となる。

このように真空ポンプ］７は負荷が増大することがなく
安定して運転される。

他の実施例として真空安全弁１７の代りにオリフィスを
用いて、真空ポンプ１０の入口側１０ ａの止弁１６の
閉止における最小安定流量を流すようにしてもよい。

以上の様に本考案によれば気体廃棄物処理装置において
、第１のバイパスと共に排ガスを吸引する真空ポンプの
入口側の真空度が大になると作動して出口側から人口側
に連通ずる真空安全装置を接続した第２のバイパスを設
けたので、第１のバイパスの圧力コントロール弁が万一
故障し、また上流側が事故により流量がなくなっても第
２のバイパスが作動して系統内の最小限の圧力を保持で
き、真空ポンプ自身の運転上の最小圧力が保持される。

従って真空ポンプは高真空のために過負荷になることが
なく安定した運転することができ、故障により運転停止
することがなく安全性と信頼度が高い。

また真空安全装置は外部より空気を導入しないで閉ルー
プを形成しているので外部に排ガスが漏れでることはな
いなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の気体廃棄物処理装置を示す系統図、第２
図は本考案の気体廃棄物処理装置の一実施例を示す系統
図、第３図は第２図の要部の真空安全弁の動作特性を示
す曲線図である。 １・・・・・・主復水器、２・・・・・・エゼクタ、３
・・・・・・排ガス予熱器、４・・・・・・再結合器、
５・・・・・・排ガス復水器、６・・・・・・排ガス予
冷器、７・・・・・・排ガス乾燥器、８・・・・・・活
性炭吸着塔、９・・・・・・粒子フィルタ、１０・・・
・・・真空ポンプ、１１・・・・・・スタック、１７・
・・・・・真空安全弁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 主復水器と排ガス復水器と活性炭塔と粒子フィルタ
   と止弁と真空ポンプとを順次接続された気体廃棄物処理
   装置において、前記粒子フィルタと前記止弁との間と前
   記真空ポンプの出口側との間に圧力コントロール弁を接
   続した第１のバイパスと、前記止弁と前記真空ポンプと
   の間と前記真空ポンプの出口側との間に真空安全装置を
   接続した第２のバイパスとを設けたことを特徴とする気
   体廃棄物処理装置。 ２ 真空安全装置を真空安全弁にしたことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の気体廃棄物処理装
   置。 ３ 真空安全装置を真空ポンプの最小流量を連通ずるオ
   リフィスにしたことを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の気体廃棄物処理装置。