JPS587300B2 - 体外人工腎臓用等の透析カ−トリツジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特に体外人工腎臓に用いる透析カートリッジに
関するものである。

現在用いられている透析カートリッジは、管状透析薄膜
が一つの渦巻状に巻きついている中央中空管状体からな
り、薄膜の端部は患者の動脈から届いた透析すべき血液
が湾曲半径のだんだん広がる渦巻状の渦巻通路を通って
流れるよう連結具によって血液の流入管及び流出管に連
結されている。

上記薄膜はやはり一つの渦巻状に巻き付いている支持部
材の中に入っており、浄化すべき血液を小さな湾曲半径
の所から大きな湾曲半径の所へ送り出す。

すなわち、薄膜内の血圧は薄膜内の血液の移動距離を大
きくする機能を有し、最高圧は入口の所で最低圧は出口
の所である。

従って血液透析の条件は薄膜の全長に亘って極めて種々
多様であり、例えば透析能力が他の所より優れる特恵場
所が存在する。

前記の不利点を除くために、薄膜が中央コアを２種渦巻
状に取り巻いて薄膜内の血液がまず湾曲半径のせすい通
路を通過した後に湾曲半径の広い薄膜部分を通過するよ
うにした透析カートリッジが生れた。

この解決法は前記の状態を改善させたが，透析に関する
諸問題を完全に解決するまでには至らなかった。

事実、この型の透析カートリッジでも透析液の受ける抵
抗が他より小さいため，カートリッジの中を通る透析液
の流れが容易になり、薄膜に接することなくして所要の
透析機能を果さずに通過しでしまう場所が特にカートリ
ッジの周辺部に残っている。

本発明の目的は、透析液を均一に流すためカートリッジ
の渦巻ターンを均等に分布し得るとともに容易かつ迅速
に組立て得る体外人工腎臓用等の透析カートリッジを提
供することにより前記の諸不利点を除去することにある
。

本発明の他の目的は、透析液が流れやすい場所を徹底的
に除去して透析効果をより大きくすることにある。

本発明の他の目的は、通常販売されている材料を用いて
入手しやすく、しかも純経済的観点からみても高い競争
能力を有する透析カートリッジを提供することにある。

以下の記載よりさらに明らかになるであろうこれらの目
的及びその他の目的は、一端に新鮮な透析液を供給する
手段を、他端に使用済透析液を排出する手段を設けた外
側ケーシングと、該外側ケーシング内を縦方向に延びる
中央コアと、該中央コアの中にある縦通路にその中央部
で連結し該中央コアのまわりに二重渦巻状に巻き付きそ
の両端をカートリッジ組立体の外周で終えている二重支
持層と，該二重支持層を構成する二つの層の間に位置し
その全長に亘って延びる平坦な管状透析薄膜とを備え、
前記外側ケーシングに前記薄膜を外部に取り出すための
通路となる二つの縦みぞ穴を設け、さらに前記外側ケー
シングの内壁面の形状を、前記二つの縦みぞ穴のいずれ
か一方から延び他方の縦みぞ穴で終る二つの渦巻部分と
して形成し，前記二重支持層を均一に分布させるように
構成した体外人工腎臓用の透析カートリッジによって達
成される。

以上の特徴及び利点は、添付の図面に非限定的例として
示した透析カートリッジの好ましい非排他的実施例に関
する以下の詳細な説明より明らかになろう。

本発明の透析カートリッジは、図示しない二つのカバ一
部材によってその両端部が閉鎖されているほぼ円筒状の
箱型をした外側ケーシングを備え、該カバ一部材の各々
は該ケーシング１に関して軸、方向に延びる入口及び出
口管を有する。

該管によって新鮮な透析液をカートリッジの一端で供給
し使用済の透析液をその逆側端で排出することができる
。

該ケーシング１の中にはケーシング１と軸を共有しケー
シング１の全長に亘って軸方向に延びる中央コア２があ
る。

該中央コア２は互に離すことのできる無毒性プラスチッ
ク材料又は他の適当な材料でできた二つの半身部材２
ａ 、 ２ ｂよりなる。

半身部材２ａ及び２ｂはそれらの間にほぼＳ字型をした
縦通路３を形成し、半身部材２ａ，２ｂの外周部形状は
渦巻の部分を形成している。

互に向き合っている第一層４ａと第二層４ｂとからなり
、例えばポリエチレンのような伸縮自在の材料でできて
いる二重支持層４はその中央部で縦通路３に連結し、該
中央コア２の周りを二重渦巻状に取り巻き、その端をカ
ートリッジ組立体の外周で終えている。

第一層４ａと第二層４ｂとの間には二重支持層４の全長
に亘って延び、それと共に渦巻いている扁平な管状透析
薄膜５が存在する。

層４ａと４ｂの向い合う各面には一方から他方べ傾斜し
た複数の平行リブ６があって，二つの平行リブ６，６の
間には透析液の通路が形成され、平行リブ６によるみぞ
効果によって透析液は上方へら線運動を伴って流れるこ
とを余儀なくされる。

各平行リブ６の上には互に平行な複数のみぞ８が水平方
向すなわち二重支持層４自体の長手方向に平行に存在す
る。

二つの隣接リブ６のみぞ８は互に平行でそれらの目的は
層４ａ及び４ｂの間に支持されている薄膜５の内の血液
の分布をよくし、同持に管状薄膜５によって形成された
血液室の圧力低下を減少することにある。

該みぞ８は等間隔に配置され、その深さはリブ６の厚さ
の約半分に等しい。

前記外側ケーシング１は二つの相向い合う縦みぞ穴９を
有し、その目的は上記薄膜５を外部に引き出すことにあ
る。

すでに示したように、中央コア２のまわりを渦巻状に取
り巻いている二重支持層４は該みぞ穴９の近くにその端
部を有し、該二重支持層４の間にあってそれと共に巻い
ている薄膜５は該みぞ穴９を通ってカートリッジ組立体
から外に出る。

外側ケーシング１の内壁面は、一方のみぞ穴９からのび
他方のみぞ穴９で終る二つの渦巻部分１０ａ及び１０ｂ
の形状を有する。

さらに正確にいえば、渦巻部分１０ａ及び１０ｂはケー
シング１がみぞ穴９を含む場所で最犬の厚味を有するよ
うな形状をしている。

従って、みぞ穴９によって形成される開口の上下部分に
は段状突出部１１がある。

ケージング１の内側が渦巻部分１０ａ及び１０ｂの形状
を有するという事実によって、中央コア２のまわりを巻
いている二重支持層４の均一分布が得られる。

実際、もしそれらが前記したような形状を有しなかった
とすれば、ケーシング１の内側表面には二重支持層４に
接触しない周辺部が生れ、必然的に透析液にとって気ま
まに通過する部分を生じ、透析液の不均一な分布ができ
てしまうであろう。

さらに、二重支持層４の末端部は上、下部の段状突出部
１１の間に収容され、二重支持層４が中断して不連続を
生じても透析液の分布に影響を与えないようになってい
る。

透析カートリッジは、上記みぞ穴９の近くで二重支持層
４の自由端部の収容部を構成するような形状を有する二
つのカバ一部材１２を包含する。

該カバ一部材１２は該みぞ穴９内に収容され、縦付属部
材１３を有する。

該縦付属部材１３は外側ケーシング１の内側表面上を縦
方向に延びる対応ノツチ１４と係合させることにより該
カバ一部材１２を取りはずし可能に該ケーシング１に固
定させることができる。

該部材１２はケーシング１に固定するため該付属部材１
３とは逆側の端に止めねじ３１がかみ合っている一組の
貫通孔３０を有し、それによって該部材１２はケーシン
グ１にしっかりと固定する。

カバ一部材１２は、付属部材１３とは逆側の端に密閉部
材１６を収容する縦空所１５と、後述する連結部材１８
を収容するための曲面状の台座１７とを有し、みぞ穴９
は、ノツチ１４とは逆側の端に上記台座１７と対をなす
台座１７ａを有している。

連結部材１８は、第６図および第７図に示すごとく一端
に図示しない血液の供給管，または排出管に接続するた
めの小管３４を、他端に薄膜５の端部に接続するための
扁平円錐部１９を、中央部に縦空所１５に係合するクラ
ンプ部材３５を有しており、クランプ部材３５は、二つ
の翼部材３ ６３６を介して扁平円錐部１９に連結して
いる。

すなわち薄膜５の端部は、扁平円錐部１９および翼部材
３６，３６の外側に嵌入し、且つ台座１７，１７ａによ
って外側から締め付けられるようになっている。

以上の記載より、本発明の透析カートリッジは提案され
た全ての目的を達成し、特に内側表面の特殊な形状によ
り中央コア２を取り巻く二重支持層４の完全な均一分布
を得ていることがわかる。

さらに、カートリッジを通ってその長手力向を横切る方
向に流れる透析液が常に均一な分布で各場所にぶつかる
ので気ままな通路を通ることはなく、しかも第一層４ａ
と第二層４ｂのそれぞれの上にある平行リブ６の傾斜が
透析液と薄膜５との接触を改善しさらに延長させている
ことがわかる。

また，平行リブ６上に設けたみぞ８は、血液の分布をよ
くし、薄膜５の表面の完全な使用を可能にしている。

連結部材１８によってなされる薄膜５の端とカートリッ
ジの外側との連結方法は，連結部付近で管の広さを狭め
る薄膜５が折り重なる可能性を避けていることにも注目
すべきである。

もし折れ重さなりがあれば、取り除くことの難しい血液
の停滞部分が生じ、その結果血液の凝固と大きな停滞が
生れるであろう。

よって、本発明のカートリッジに於いては、二重支持層
及び薄膜の渦巻システムによって提供されるすべての利
点が実現され、同時に今日までこの種のカートリッジの
普及を相当おさえていた不利点を徹底的に取り除いてい
る。

以上述べた本発明はその発明の要旨の範囲内であれば種
々の修正が可能である。

さらに、諸部材は技術的に均等であれば他の部材と置き
換えが可能である。

実際には必要に応じて使用する材料及び大きさを選択し
得る。

本発明の実施の態様を要約すれば次の通りである
。

（１）中央コアが互に分離できる二つの半身部材からな
り、両者の間に二重支持層のための長手方向の通路を形
成し、上記両者の外周は渦巻部分としての形状を有する
特許請求の範囲に記載の体外人工腎臓用等の透析カート
リッジ。

（２）二重支持層の各層は互に向い合う表面上に該二重
支持層の長手方向に傾斜している複数の平行リブを有し
、該平行リブのそれぞれの上に該二重支持層の長手方向
に平行に延びる複数の平行みぞを有し、且つ上記各千行
リブ上の二つの隣接するみセが互に一列に並ぶよう構成
した特許請求の範囲に記載の体外人工腎臓用等の透析カ
ートリッジ。

（３）外側ケーシングがみぞ穴を包む場所で最大の厚み
を有するような形状を渦巻部分が有し、該みぞ穴によっ
て得られる開口の上下部分に段状突出部を形成せしめ、
かつ中央コアの周りを二重渦巻状に取り巻いている二重
支持層の端部が上記段状突出部間に位置するよう構成し
た特許請求の範囲に記載の体外人工腎臓用等の透析カー
トリッジ。

（４）みぞ穴の中に入ることができ二重支持層の自由端
部のための台座を構成するようになっている湾曲形のカ
バ一部材を包含する特許請求の範囲に記載の体外人工腎
臓用等の透析カートリツジ。

（５）扁平円錐部を備え薄膜の内部に連結する連結部材
をカバ一部材上の有形台座及びみぞ穴の端に形成された
対の台座に収容可能に包含し、かつカートリッジを密閉
する密閉手段を備えた前記第（４）項に記載の体外人工
腎臓用等の透析カートリッジ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による透析カートリッジの断面図、第２
図は該透析カートリッジを構成する部材の解体斜視図、
第３図は透析薄膜を中に納めた二重支持層の拡大図、第
４図は該二重支持層の層の表面拡大図、第５図は第４図
の■一■線に於ける断面図、第６図および第７図は第２
図に示す連結部材の詳細図で，第６図は平面図、第７図
は第６図における■一■方向からの矢視図である。 １・・・・・・ケーシング、２・・・・・・中央コア、
２ａ，２ｂ・・・・・・半身部材、３・・・・・・縦通
路、４・・・・・・．二重支持層、５・・・・・・透析
薄膜、６・・・・・・平行リブ，８・・・・・・みぞ、
９・・・・・・みぞ穴、１．．Ｏａ，１０ｂ・・・・・
・渦巻部分、１１・・・・・・段状突出部，１２・・・
・・・カバ一部材、１３・・・・・・付属部材、１５・
・・・・・縦空所、１６・・・・・・密閉部材、１７，
１７ａ・・・・・・台座，１８・・・・・・連結部材、
１９・・・・・・扁平円錐部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端に新鮮な透析液を供給する手段を、他端に使用
   済透析液を排出する手段を設けた外側ケーシングと、該
   外側ケーシング内を縦方向に延びる中央コアと、該中央
   コアの中にある縦通路にその中央部で連結し該中央コア
   のまわりに二重渦巻状に巻き付きその両端をカートリツ
   ジ組立体の外側で終えている二重支持層と、該二重支持
   層が構成する二つの層の間に位置しその全長に亘って延
   びる扁平管状透析薄膜とを備え、前記外側ケーシングに
   前記薄膜を外部に取り出すための通路となる二つの縦み
   ぞ穴を設け、さらに前記外側ケーシングの内壁面の形状
   を，前記二つの縦みぞ穴のいずれか一方から延び他方の
   縦みぞ穴で終る二つの渦巻部分として形成し、前記二重
   支持層を均一に分布させるように構成したことを特徴と
   する体外人工腎臓用等の透析カートリツツジ。