JPS587258Y2 - 熱交換器用投液器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は空気調和機等に用いられる凝縮器あるいは放熱
器等の熱交換器の性能を向上させるために使用される投
波器の構造に関するもので簡単かつ低コストで、上記熱
交換器の全面に対して均一に投液することのできる熱交
換器用役波器を提供するものである。

熱交換器の伝熱性能を高める一手段として、気流と共に
微小液滴を伝熱面に散布することにより液滴の蒸発潜熱
を利用するものがあり、通常、蒸発式熱交換器と呼ばれ
ている。

従来、この種の蒸発式熱交換器に対して、液滴を散布す
る手段としては熱交換器下部に配置された水タンクより
電動ポンプ等でくみ上げた水を熱交換器の上方から散水
するものがあった。

しかしながら、この手段では散水される水滴が過大であ
り、熱交換器の全面に対して均一に散水することができ
ず、散水された部分も液膜が厚くなり過ぎて、蒸発が抑
制されるなどの欠点があった。

また他の手段としては、回転円板の一部を液に浸して液
滴を跳ねかせて熱交換器に当てることも考えられている
が、これでは回転円板の遠心力を利用する装置の性質上
、円板から飛ばされる液滴は円板の接線方向にしか飛ば
ないため、熱交換器全面に均一に投液することはできな
かった。

本考案は以上のような従来の欠点を解消するもので、以
下本考案をその一実施例を示す図面を参考に詳細に説明
する。

第１図は本考案を用いてなる熱交換器用役波器の一実施
例の正面図であり、第２図は同熱交換器用役波器の側面
図である。

図において１は熱交換器で熱交換器１とほぼ平行に、モ
ータ２により駆動される回転軸３が配設され、この回転
軸３とある角度α°をなして、投波部材となる円板４が
軸方向に複数枚取付けられている。

上記円板４の下部は液溜器５内の液中に浸されている。

なお、６は熱交換器１に対して設けられた送風機である
。

また図中の破線矢印は液滴の飛ぶ方向を示している。

以上のような構成において、次にその作用について説明
する。

モータ２を始動させれば回転軸３および円板４が回転を
始める。

この時、円板４の下部は液溜器５内の液中に浸されてい
るため、ここで液体の表面張力により円板４に少量の液
体が付着する。

この付着した液体には、円板４の回転に伴う遠心力が作
用し、ついには、円板４の外周からその外周の回転円の
接線方向（図中の破線矢印方向）に飛び出して行く。

従って、図に示したように熱交換器１のほぼ全面に均一
に投液することができる。

すなわち、本考案は回転軸３に対して、円板４をα°傾
けて取り付けであるため回転した場合には円板４の半径
をＲとすれば円板４の外周に描く軌跡は、軸方向に２×
ＲＣＯ８α°の巾を持つため、比較的少ない枚数の円板
４で、熱交換器１の金山に亙って投波することができる
のである。

なお、上記の実施例においては投波部材として円板を用
いたがこれを回転軸の中心から投波部材の外周までの距
離が全て等しくなるような楕円板とすることにより、液
滴に働く遠心力が全て等しくなり、より一層、熱交換器
の全面に均一に投波できるようになるものである。

以上の説明で明らかなように本考案の熱交換器用役波器
は熱交換器とほぼ平行に配設された回転軸と、上記回転
軸とある角度をなして取付けられた円板状の投波部材と
、上記投波部材の下部が液中に浸る液溜器を設けたこと
を特徴とするもので、構造が簡単であり、投波部材の数
も少なく低コストであるにも拘わらず、熱交換器の全面
に対して微小液滴を投波することができるものであり、
伝熱面にも蒸発しやすい薄い液膜を形成することができ
、熱交換器の伝熱性能を著しく高めることができるなど
、実用上多大な効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す熱交換器用役波器の正
面図０、第２図は同役波器の側面図である。 １・・・・・・熱交換器、３・・・・・・回転軸、４・
・・・・・円板（投波部材）、５・・・・・・液溜器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱交換器とほぼ平行に配設された回転軸と、上記回転軸
   とある角度をなして取付けられた円板状の投波部材と、
   上記投波部材の下部が液中に浸る液溜器を設けたことを
   特徴とする熱交換器用役波器。