JPS587014Y2 - リッド遠隔開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車の燃料性入口扉等のリッドの遠隔開閉
装置の改良にかかり、特に、開き操作力の作用方向とロ
ック部材の作用方向が異なるリッド遠隔開閉装置に関す
る。

例えば自動車の燃料性入口扉１は第６図に示されるよう
に自動車２の後部側面に設けられこれを遠隔開操作する
オープナレバー３は第６図において鎖線により示される
位置に設けられるのが通常である。

また、前記燃料性入口扉１のヒンジは扉開状態での安全
性の問題から自動車の前側に設けられ、従ってこの燃料
性入口扉１をロックするためのロック部材は必然的に扉
の車の後側から前方に突出するように配置されることに
なり、このためオープナレバー３からロック部材に操作
力を伝達する場合は途中に第７図あるいは第８図に示さ
れるような操作力をほぼ１８０°方向変換させる機構が
必要になる。

第７図に示される機構は前記オープナレバー３に操作さ
れるワイヤ４をベルクランク５の一端に連結させ、この
ベルクランク５の他端にロックロッド６を介してロック
装置７を連結させベルクランク５をばね８に抗してワイ
ヤ４により引っばることによって、ロック装置７のロッ
ク部材９を引込ませロックを解除するようにしたもので
ある。

また、第８図に示されるものは、アウタチューブ１０を
Ｕ字型に１８０°方向転換して湾曲させロック装置７に
連結したものである。

前記第７図に示される機構は、ロック装置７においてロ
ック部材９を突出方向に付勢するための圧縮ばねをさら
に必要とする等の点から部品点数が多く、さらにこれら
が別体であることから自動車への組付けおよび相互位置
関係の調整が非常にめんどうでありコストが高い等の欠
点がある。

また第８図に示されるものはアウタチューブ１０を１８
０°湾曲させるためにアウタチューブ内に案内されるワ
イヤ４の摺動抵抗が多く開き操作力の伝達に無駄が多い
などの欠点がある。

この考案は上記従来の欠点を解消すべくなされたもので
あって、部品点数が少なく各組付時における相互調整が
不要であると共に自動車に簡単な作業によって取付ける
ことができ、また、開き操作力の伝達にロスの少ないリ
ッド遠隔開閉装置を提供することを目的とする。

この考案は、リッドをロックするロック部材をアンロッ
ク方向に操作する力が方向転換してロック部材に伝達さ
れるリッド遠隔開閉装置において、基板のロック部材支
持片に軸方向出没自在に設けられたロック部材と、前記
基板上に設けられた軸に揺動自在に支持されるとともに
一端に設けられた保合片が前記ロック部材の内端側の保
合孔と係合され、かつ他端に設けられたワイヤ係止部が
開き操作力を伝達するケーブルの端部に連結される方向
転換レバーと、一端が基板に掛止されると共に他端が前
記係合片に掛止され、前記方向転換レバーを前記ロック
部材突出方向に付勢するばねと、前記基板に設けられ前
記ロック部材の動作方向と異なる方向に操作されるよう
配置された前記ワイヤのアウタチューブを支持するアウ
タチューブ取付は部とを設け、これにより部品点数を減
少させ、かつ、自動車への組立てが容易であってがつ相
互位置調整の煩雑さを解消したものである。

以下、本考案の実施例を第１図ないし第５図を参照して
説明する。

図に示されるように平面形状が略長方形の基板１１には
そのほぼ中央部において、軸１２により方向転換レバー
１３が揺動自在に支持されている。

この方向転換レバー１３は基板１１の底面とほぼ平行に
形成され、その一端は上方に折り曲げられた後にさらに
基板１１と同じ方向に折り曲げられていて軸１２から放
射方向に延びる保合片１４を形成している。

この保合片１４はロック部材１５の内端側に横方向に貫
通して形成された係合孔１６を貫通して係合されている
。

前記ロック部材１５は基板１１から立上って形成された
ロック部材支持片１７により支持されるロックガイド１
８によって前記方向転換レバー１３の揺動面と平行でか
つ保合片１４と略直交する軸線上を往復動可能にガイド
され、その外端がロックガイド１８から外方に突出ある
いは引込まれるようにされている。

前記係合片１４の係合孔１６と係合する部分の平面形状
は第５図に拡大して示されるように、保合（Ｌ１６の平
面における図形中心１９を中心とする円弧２０をロック
部材１５に接触する部分に有し、これにより係合片１４
とロック部材１５の接触点がロック部材１５のほぼ中心
軸線上にあるようにされている。

前記方向転換レバー１３は、軸１２に組付けられその一
端が基板１１の立上がり部に形成されたばね受け２１に
掛止され、また、他端が前記係合片１４にかけられたね
じりコイルばね２２によりロック部材１５を外方に突出
させる方向に付勢されている。

前記ロックガイド１８は、内端側に前記ロック部材支持
片１７の内側面に当接する大径部１８Ａを有するととも
に、外端側にはロック部材支持片１７を貫通して外方に
突出するねじ部１８Ｂを備えている。

従ってロックガイド１８はねじ部１８Ｂに螺合されるナ
ツト２３によりワッシャ２４とともに取付は基盤２５を
はさみこむようにして締めつけ固定されるようになって
いる。

前記方向転換レバー１３の係合片１４と反対側には軸１
２から前記保合片１４とほぼ反対方向に突出し、先端に
おいて曲げ起こされたワイヤ係止部２６が形成されてい
る。

このワイヤ係止部２６は、垂直立上り部２７と、この垂
直立上り部２７の上端から第２図において、軸１２を中
心として反時計方向に折曲げられた横曲げ部２８とから
なっている。

また、ワイヤ係止部２６には横曲げ部２８の外端から軸
１２方向に入りさらに垂直立上り部２７方向に折曲がっ
て、ここから垂直立上り部２７の中央部まで到達するワ
イヤガイド溝２９が形成されている。

このワイヤガイド溝２９の横方向位置、すなわち、前記
ロック部材１５の軸線と平行方向に第２図において右側
に延長した位置には、基板１１から立上ったアウタチュ
ーブ取付部３０が形成されている。

このアウタチューブ取付部３０は第１図に示されるよう
に横方向に切込まれたアウタチューブ取付溝３１を有し
、アウタチューブ１０をその軸線がほぼ前記ワイヤガイ
ド溝２９を通る位置に取付けることができるようにされ
ている。

前記アウタチューブ取付部３０とワイヤ係止部２６との
間には基板１１の底面を切起こして形成されたストッパ
３２が配置されている。

前記基板１１はナツト２３により取付基板２５に固定さ
れる時、そのロック部材１５が外方に突出する時に扉３
３に設けられたロック片３４に係合し、かつ引込み時に
このロック片３４からはずれるようにされている。

図の符号３５はロック片３４をロックするためのキーシ
リンダを示す。

また符号３６はこのキーシリンダ３５に連結されるキー
シリンダレバーを示す。

前記方向転換レバー１３にワイヤ４を連結する時は、ワ
イヤ先端の正味３７をワイヤ４をワイヤガイド溝２９に
挿入することによりワイヤ係止部２６に係止させ、その
後アウタチューブ１０をアウタチューブ取付部３０のア
ウタチューブ取付溝３１に嵌合して固定させる。

次に作用を説明する。

第２図、第３図および第５図の状態はロック部材１５が
突出し、扉３３がロックされた状態を示す。

この状態からオープナレバー３を開操作するとワイヤ４
が引っばられて、これにより方向転換レバー１３が図に
おいて時計方向に揺動され、この揺動がさらに係合孔１
６を介してロック部材１５に伝達され、ロック部材１５
は第４図に示されるように内方に引込まれて扉３３との
係合がはずれ、扉は図示されないばねによって開かれる
ことになる。

オープナレバー３をゆるめると、ねじりコイルばね２２
により方向転換レバー１３が図において反時計方向に付
勢されているために第２図、第３図および第５図の状態
にもどることになる。

もちろん扉３３は押しこまなければロックされない。

なお、上記実施例は、リッドを燃料性入口扉としたもの
であるが、本考案は開操作力がロック部材に至る間で方
向転換されるすべてのリッドに適用されるものである。

上記のようにこの考案は、リッドをロックするロック部
材をアンロック方向に操作する力が方向転換してロック
部材に伝達されるリッド遠隔開閉装置において、基板の
ロック部材支持片に軸方向出没自在に設けられたロック
部材と、前記基板上に設けられた軸に揺動自在、に支持
されるとともに一端に設けられた係合片が前記ロック部
材の内端側の係合孔と係合され、かつ他端に設けられた
ワイヤ係止部が開き操作力を伝達するケーブルの端部に
連結される方向転換レバーと、一端が基板に掛止される
ど共に他端が前記係合片に掛止され、前記方向転換レバ
ーを前記ロック部材突出方向に付勢するばねと、前記基
板に設けられ前記ロック部材の動作方向と異なる方向に
操作されるよう配置された前記ワイヤのアウタチューブ
を支持するアウタチューブ取付は部とを設けたので、操
作力・の方向転換機構がロック部材と一体的にされ、こ
れにより部品点数の減少をはかることができ、自動車へ
の組付けが簡単になるとともに各部材間の位置調整の作
業も減少され、また各部材が一つの基板上に設けられて
いるので構造上の強度が増加されるという種々の優れた
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るリッド遠隔開閉装置の実施例を示
す斜視図、第２図は同平面図、第３図は第２図のＩＩＩ
−ＩＩＩ線に沿う断面図、第４図は同実施例の動作を
示す第２図と同様の平面図、第５図は同実施例における
方向転換レバーとロック部材の位置関係を示す説明図で
ある。 第６図ないし第８図は従来の燃料注入口オープナの配置
、構成を示す斜視図である。 符号の説明 ３・・・・・・オープナレバー、１０・・
・・・・アウタチューブ、１１・・・・・・基板、１３
・・・・・・方向転換レバー１４・・・・・・係合片、
１５・・・・・・ロック部材、１６・・・・・・係合孔
、１８・・・・・・ロックガイド、２２・・・・・・ね
じりコイルばね、２６・・・・・・ワイヤ係止部、３３
・・・・・・扉、３７・・・・・・正味。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リッドをロックするロック部材をアンロック方向に操作
   する力が方向変換してロック部材に伝達されるリッド遠
   隔開閉装置において、基板のロック部材支持片に軸方向
   出没自在に設けられたロック部材と、前記基板上に設け
   られた軸に揺動自在に支持されるとともに一端に設けら
   れた保合片が前記ロック部材の内端側の係合孔と係合さ
   れ、かつ他端に設けられたワイヤ係止部が開き操作力を
   伝達するケーブルの端部に連結される方向転換レバーと
   、一端が基板に掛止されると共に他端が前記係合片に掛
   止され、前記方向転換レバーを前記ロック部材突出方向
   に付勢するばねと、前記基板に設けられ前記ロック部材
   の動作方向と異なる方向に操作されるよう配置された前
   記ワイヤのアウタチューブを支持するアウタチューブ取
   付は部と、を設けたリッド遠隔開閉装置。