JPS586240Y2 - 熱風吹出管を備える製茶機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主として、蒸機で蒸熱処理された茶菓を、熱
風によって冷却する工程、あるいは葉打ちする工程に使
用される製茶機に関するものである。

従来、上記工程に使用される製茶機は、回転主軸に装着
した葉ざらいなどの茶菓を攪拌しつつ、茶菓収容胴背面
に設けた熱風吹出口がら半円筒形の収容胴底面に沿って
熱風を供給することによって、茶菓に付着した蒸露の除
去あるいは茶菓の乾燥を行なっている。

しかし、蒸熱処理されたばかりの茶菓は、葉肉が軟化し
表面に蒸露が付着するなど、粘着性が強く固り易いので
、上記の方法（背面通風）だけでは熱風の通気が悪く、
葉ぎらい先や収容胴底面に粘り着いてしまう傾向がある
。

これは、茶菓の葉肉を潰したり、葉切れさせたりして茶
の品質を著しく悪化させるばかりでなく、乾燥効率を悪
くする、後の清掃が大変など、著しい損失となる。

この考案の目的とするところは、多量の蒸露が付着し軟
化した茶菓塊に対して、有効で十分な熱風あるいは冷風
を供給することによって、上記の傾向をなくシ、茶の品
質を高め、乾燥の効率を良くすることを目的とする。

図面に基づいて、この考案の実施例を説明すると、１は
製茶機の機枠、２は上部を前型、下部を半円筒形とした
茶菓収容胴である。

３は、一方に伝導軸４を備え、他方には連通ダクト１９
を遊嵌し、収容胴２内に貫装されている給熱中空軸であ
り、その内側は中空軸３の中心線りを通る面によって４
室ａ、ｌ）、ｃ、ｄに分割され、外周には先端に葉ぎら
い６を固着した葉ざらい杆５が放射状に装着され、また
これら葉がらい杆５等に対応して熱風吹出管７が同様に
装着されている。

熱風吹出管７は、中空軸３の各室ａ、ｌ）、ｃ、ｄのう
ち一室と連通し、その吹出ロア′は対応する葉ぎらい６
に向けられている。

中空軸３の回転中、各室ａ、ｌ）、ｃ、ｄそれぞれが下
部に位置するときだけ、通風が行なわれるように、連通
ダクト１９を中空軸３に対して、中空軸３の下部とだけ
連通させ、遊嵌させている。

８は、熱風発生機１０から供給される熱風を受ける背面
ダクトであり、供給された熱風は収容胴２背面の熱風吹
出口１１から収容胴２底面に沿って、収容胴２内を回流
する。

９は、熱風発生機１０と熱風ダクトを結ぶ連結ダクトで
ある。

１２は収容胴２一端上部に設けた茶菓投入口、１３は収
容胴２他端下部に設けた茶菓取出口、１５．１６はスプ
ロケット、１７はスプロケット１５．１６を結ぶチェー
ン、１８は中空軸３駆動モーターである。

２０は、ガスバーナー２１の炎を吸わせるときには熱風
を、炎を吸わせないときには冷風を連通ダクト１９へ吹
き込ませる送風機である。

蒸し工程で蒸熱処理を終えた茶菓は、種々のコンベヤに
よって搬送され、収容胴２一端上部の茶菓投入口１２か
ら収容胴２内に投入される。

次々に投入される茶葉は、葉ざらい６によって掬い上げ
られ、茶菓取出口１３に向って次第に流れ始め、先に投
入されたものから順序良く取出口１３に達し、取出され
る。

茶菓が収容胴２中に投入されてから取出される間に、従
来のように収容胴２背面の熱風吹出口１１から背面通風
された熱風と、この考案による熱風吹出管７から供給さ
れる比較的風圧の強い熱風あるいは冷風とによって、蒸
熱茶葉に十分な風を送り、茶菓表面の蒸露を除去し、茶
菓を冷却（茶菓から蒸露を除去する際に多少の蒸発熱を
奪うので、茶菓は幾分冷却される）すると共に、幾らか
乾燥も行なう。

実施例では、この考案による熱風吹出管７と、背面通風
を行なう従来の熱風吹出口１１との両者を備えたものと
し、より強力で有効な熱風を供給し、蒸露の除去と幾分
かの乾燥を行なわせることによって、茶菓の葉切れ・潰
れ、葉ざらいや収容胴底面への粘着などを防止して茶の
品質を向上させ、粗揉工程以後の茶菓に対する乾燥効率
を上げ、製茶時間を短縮させている。

ここで両者を個別に比較すると、背面通風を行なう後者
は収容胴２底面に沿って端から端までほぼ均等な熱風を
供給することができるが、熱風が茶菓塊の表面を撫でて
行くにとどまり、茶菓間に潜む蒸露をなかなか除去でき
ない。

他方、この考案による前者は、葉ざらい６が茶菓を掬い
上げるところに集中して熱風あるいは冷風を供給するの
で、特に茶菓間に潜む蒸露を除去するのに有効であり、
葉ぎらい６先や収容胴２底面への茶菓の粘着を防ぎ、葉
切れを少なくするなど、茶の品質を著しく向上させる。

さらに茶菓間の蒸露の除去を主としている為、通風の方
法とは逆に、却って茶葉塊からより均等に蒸露を除去す
ることができ、粗揉工程以後において揉乾斑のない茶菓
を得ることができる。

また、収容胴２内中央に貫装した比較的大径の中空軸３
が壁となり、背面から収容胴２底面に沿って吹き出す熱
風が途中で拡がり拡散することがなく、該底面上を回流
し、茶菓への熱風供給をきわめて有効に行なわせる。

さらに、中空軸３の回転とともに、各室ａ、ｌ）。

ｃ、ｄそれぞれには下側に回って来るときだけ、送風機
２０からの熱風あるいは冷風が供給されるので、各室ａ
、ｌ）、ｃ、ｄに連通させた熱風吹出管７は、対応する
葉ぎらい６が収容胴２底面の茶菓を掬い上げたときだけ
、熱風を供給することができ、きわめて効率的であるば
かりでなく、各室ａ、ｌ）。

ｃ、ｄ別に熱風あるいは冷風が供給されるので、強い風
圧が維持され、熱風吹出管７がら風圧の強い熱風あるい
は冷風を供給することができる。

これは、茶葉塊中の蒸露を除去するのに特に有効である
。

以上、この考案は、蒸熱処理により付着した蒸露を効率
よく除去し、茶の品質を著しく高めるものであり、さら
に茶菓の乾燥を早め、製茶時間の短縮を行ない得るもの
であり、きわめて有効なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による製茶機の正面切欠図、第２図は
、第１図のＡ−Ａ線断面図である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）茶菓収容胴２内の中央部に、一方に伝動軸４を具
   え、他方には連通ダクト１９を連絡した給熱中空軸３を
   貫装し、該中空軸３には、葉ざらい６を固定した葉ざら
   い杆５と、茶菓を掬い上げる葉ぎらい６に向き、該中空
   軸３と連通し、かつ葉がらい６が茶葉収容胴２底面を通
   過するときだけ熱風を噴出するようにした熱風吹出管７
   とを放射状に装着してなる熱風吹出管を備える製茶機。
2. （２）上記の各熱風吹出管７は、給熱中空軸３の複数に
   分割された室のうちの一部の室と連通ずるとともに、連
   通ダクト１９を該中空軸３の下半部、あるいは下半部の
   一部に連通させ、遊嵌させた実用新案登録請求の範囲第
   一項記載の熱風吹出管を備える製茶機。