JPS5858558B2 - 型締機の安全装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ダイカスト機、プラスチック成形機、液圧プ
レス装置などの液圧で型の開閉を行う型締機の安全装置
に関する。

従来、ダイカスト機等の型締機には、作業の安全を確保
するため種々の安全装置が取付けられている。

この安全装置には、例えば安全ドア一式安全装置、光電
管式安全装置、両手押釦式安全装置がある。

安全ドア一式安全装置は、固定型を取付けた固定ダイプ
レートに移動型を取付けた移動ダイプレートが突合わさ
れて型閉めが行われている際には、安全ドアーが閉じて
型の近傍【人身が近よれないようにすることにより作業
の安全を確保するものである。

この安全装置は、型が完全に開いているときに安全ドア
ーが開いて所望の作業を行うようになっているため、電
気系統などの故障で突然移動タイプレートが型閉め方向
に動き出したり、或は、型閉めが終了して移動ダイプレ
ートが型開き方向に戻る際に事故が発生して型閉め方向
に逆戻りすると、人身事故を起こし易く作業の安全を確
保することができない問題があった。

光電管式安全装置は、型が開いた状態で移動ダイプレー
トと固定ダイプレートとの間に人間がいて作業している
場合には、移動クイプレートと固定ダイプレートとの間
に流通させた赤外線等の光線を人身が遮断するたとによ
り、その遮断信号によって型閉方向に移動ダイプレート
が動き出さないようにして安全を確保するものである。

この安全装置においても遮断信号を受信する光電管等の
電気系統に故障が起きると、作業中に移動ダイプレート
が型閉め方向に移動して人身事故等を発生する問題があ
った。

また、両手押釦式安全装置は、移動ダイプレートの移動
開始スイッチを２つ以上のスイッチに分けて設けたもの
であり、移動開始の際は必ず作業者が両手でスイッチ操
作をしなければ移動ダイプレートを移動できないように
することにより安全を確保するものである。

この安全装置においても作業中に誤って別の作業者がス
イッチを入れたりすると、移動ダイプレートが型閉め方
向に移動して人身事故を起こす問題があった。

このように従来の安全装置は、何れのものも突発的な事
故によって移動ダイプレートが一旦型閉め方向に移動す
るともはやその移動を止めて事故を防止することはでき
ず、言うならば事故が起きないようにするための安全装
置にすぎなかった。

本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであリ、事故
や誤動作で型閉め方向に移動し始めた移動タイプレート
の移動を止めて作業の安全を確保することができる型締
機の安全装置を提供するものである。

以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する
。

第１図は、本発明の一実施例の側面図であり、第２図は
、同実施例の要部拡大図である。

図中１は、移動ダイプレート２を固定ダイプレート３に
押出して型締めを行う型締シリンダー４のロッド４ａを
案内するガイド棒からなる移動部材である。

固定グイプレート３には固定型３ａが設けられており、
移動ダイプレート２には移動型２ａが設けられている。

移動部材１の先端部は、移動ダイプレート２の背面に固
定されており、ロッド４ａの先端部は移動ダイプレート
２を押し出すクロスヘッド５に固定されている。

型締シリンダー４は、移動ダイプレート２の背面に対向
してその後方に設けられたリンクハウジング６の背面に
取付けられている。

型締シリンダー４のロッド４ａと移動部材１はこのリン
クハウジング６を貫挿して型の開閉方向に沿って前後進
するようになっている。

移動部材１の周面にはその長手方向に沿って複数個の切
欠き１ａが波形状に形成されている。

切欠き１ａの上方には切欠き１ａに係合する爪７がプラ
ンジ六・−８を介してソレノイド９に取付けられている
。

ソレノイド９は型締シリンダ−４０型締操作と連動して
おり、移動部材１が型締方向に前進する際にはプランジ
ャー８を引き上げて切欠き１ａ部から爪７を離間せしめ
、逆に移動部材１が型開方向に後進する際にはプランジ
ャー８を押し出して切欠き１ａ内に爪７が嵌入するよう
になっている。

切欠き１ａの形状は、爪７が切欠き１ａ内に嵌入してい
る際に、移動部材１が型締方向に前進すると爪７の係止
面７ａに切欠き１ａの立設面１ｂが当接して切欠き１ａ
と爪７とが係合して移動部材１の前進が止められるよう
に略Ｖ字形をなしている。

つ１す、移動部材１が型開方向に後進している際には、
爪７は切欠き１ａの傾斜面１ｃに擦れ当るだけで移動部
材１の後進移動は妨げられないようになっている。

爪７の１端部はカム付スライドブロック１０に支持され
ており、カム付スライ ドブロック１０はばね部材１１
を介して型の開閉方向に沿って移動自在にリンクハウジ
ング６に取付けられている。

カム付スライドブロック１０は、その上辺にカム１０ａ
部を有している。

また、カム付スライドフロック１０は、リンクハウジン
グ６に取付けられたスライドブロック１２の溝１２ａに
その上部を係合してネ・す、爪７が移動部材１の切欠き
１ａに係合して移動部材１の前進力を受けた際にその前
進力によって型閉方向に移動するようになっている。

一方、スライドブロック１２には油圧カムバルブ１３が
内蔵されており、油圧カムバルブ１３は、作動子１３ａ
を介してカム付スライドブロック１０のカム１０ａ部か
ら前記移動部材１の前進力に伴う押上げ力を受けて押上
げ信号を発信するようになっている。

油圧カムバルブ１３は型閉油圧ライン（図示せず）を介
して型締シリンダ４に接続された型開閉ソレノイドバル
ブ１４に接続されており、その押上げ信号によって型開
閉ソレノイドバルブ１４を作動するようになっている。

なオ・、移動部材１は、リンクツ・シリンダ６に取付け
られた防塵カバー１５内に収納されている。

而して、このように構成された型締機の安全装置１６で
は、型閉が行われている際には型開閉ソレノイドバルブ
１４の三方弁は、型締シリンダー４に型締圧か加わるよ
うに弁を開いている。

型閉力終了すると、移動部材１及び型締シリンダー４の
ロッド４ａは型開方向に後退する。

移動部材１とロッド４ａか後退すると型締シリンダー４
と連動するソレノイド９が作動してプシンジャー８を押
出し、爪７を移動部材１の切欠き１ａ部に嵌入せしめる
。

その結果、移動部材１はその切欠き１ａの傾斜面１ｃに
爪７の先端部を擦れさせなから型開方向に移動する。

この時、電気系統などで事故が発生シフ、移動ダイプレ
ート２を型閉方向に移動すべく型締シリンダー４が作動
して移動部材１及びロッド４ａを押出限移動ダイプレー
ト２を型閉方向に移動し始めると、爪７が移動部材１の
切欠き１ａに係合する位置１で押出されているので、爪
７が切欠き１ａに係合して移動部材１の前進を阻止しよ
うとする。

これに伴って爪７は移動部材１の前進力をカム付スライ
ドブロック１０に伝達し、カム付スライドブロック１０
を型閉方向に押出す。

カム付スライドブロック１０が前進するとそのカム１０
ａによって作動子１３ａを押上げ油圧カムバルブ１３は
押上げ信号（パイロット圧）を発信する。

油圧カムバルブ１３の押上げ信号を受けて型開閉ソレノ
イドバルブ１４が作動し、型締シリンダー４に接続され
た型閉油圧ラインの三方弁を第３図に示す如く、型締、
型開きの油圧ラインの油圧をタンクポートに連結して型
締圧を解除する。

その結果、型締シリンダー４０型締圧が解除されて移動
ダイプレート２の型閉方向の移動が停止され、事故の発
生を防止することができる。

このようにしてこの型締機の安全装置によれば、移動部
材１に形成した切欠き１ａに係合する爪７等の機械的構
成によって、移動ダイプレート２が電気系統、油圧回路
等の故障で突然型閉方向に移動し始めても直ちにその動
きを停止せしめて、作業の安全を図ることができる。

また、との型締機の安全装置によれば、機械的構成によ
って移動ダイプレート２の突発的な動きを停止するよう
になっているので、インターロック電気回路やり□ット
スイッチ回路等が不要で装置を簡略化して保守が容易で
あるとともに、コストを低減させることができる。

尚、実施例では、カム付スライドブロック１０及び油圧
カムバルブ１３等を介して爪７と切欠き１ａとが係合し
た際の押上げ信号を型開閉ソレノイドバルブ１４に供給
せしめて型締シリンダー４の型閉圧を解除するものにつ
いて説明したが、本発明はこの他にも型締圧が小さい場
合には、爪７から直接押上げ信号を型開閉ソレノイドバ
ルブ１４に伝達せしめて型締シリンダー４の型締圧を解
除するようにしたもの等を包含するものである。

以上説明した如く、本発明に係る型締機の安全装置によ
れば、移動ダイプレートの移動に伴って移動する移動部
材に波形状の切欠きを形成し、この切欠きに係合する爪
の押上げ信号によって型締シリンダーの型締圧をこれら
の機械的作用によって解除せしめるようにしたので、突
発的な事故や誤動作によって移動ダイプレートが型締方
向に移動し始めても、直ちにその移動を止めて人身事故
等の発生を防止し、作業の安全を確保することができる
等顕著な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の側面図、第２図は、第１
図に示す型締機の安全装置の要部拡大図、第３図は、同
安全装置に適用された型開閉ソレノイドバルブの三方弁
の型締圧が解除された状態を示す説明図である。 １・・・移動部材、１ａ・・・切欠き、７・・・爪、１
０・・・カム付スライドブロック、１３・・・油圧カム
バルブ、１４・・・型開閉ソレノイドバルブ、１６・・
・型締機の安全装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 型締機の型の開閉に伴って前後進する移動部材と、
   該移動部材が型閉方向に前進する際には該移動部材に形
   成された切欠きから離１間しており、該移動部材が型開
   方向に後進する際には前記切欠きに係合する位置１で移
   動する爪と、該爪を保持するカム付スライドブロックと
   、前記移動部材の前進に伴って該カム付スライドブロッ
   クのカムに押し上けられるカムバルブの押上信号を受け
   て型閉圧を解除する型開閉ソレノイドバルブとを具備す
   ることを特徴とする型締機の安全装置。