JPS5857602B2 - 弾性流体装置用ロ−タ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はディスクを軸にキー止めずための装置に関し、
特に、蒸気タービンにおいて羽根ディスクをタービン軸
にキー止めするための装置に関する。

大型蒸気タービンにおいては、直径約１．２メートルの
主軸から複数の羽根が伸び、その長さが大体１．２メー
トル位になるため、タービンの最終段は極端に大きくな
る。

従って、比較的小径の軸を利用しこの軸にディスクを収
縮締結して主軸を組立てるのが望ましい。

ディスクは締りばめで軸に収縮締結されているとはいえ
、ディスクと軸との間の加熱差やそれらの間に伝達され
るトルクが太きいため、ディスクを軸にキー止めするこ
とが慣行となっている。

キーは比較的とがった角を有する矩形の横断面を有し、
これにより角に非常に高い応力集中が生じ、長時間の運
転後には、キー溝の角から割れ目ができ始めた。

キー溝における応力集中を減少するために、ディスクと
軸の接合部には円形のキーが用いられ且つ円形の孔があ
けられ、これにより矩形のキー溝におけるとがった角を
なくし応力集中を減少させていた。

しかし、ディスクの穴に隣接した区域は非常に大きな応
力を有し、円形のキーも依然としてより小さな応力集中
を起こし、これにより円形のキー溝から割れ目が生じて
いた。

従って、本発明の主な目的はタービンロータのディスク
の穴におけるどんな種類の応力集中をもなくシ、且つ加
熱差がある又は超過速度で運転が行なわれている間羽根
ディスクとタービン軸との間の相対運動を阻止すること
にある。

この目的を考慮して本発明は弾性流体装置用のロータに
あり、該ロータは、少なくとも一端から高くなってゆく
複数の円周段を有するタービン軸と、個々の円周段に嵌
合する穴を夫々が有する複数の羽根ディスクと、個々の
円周段に嵌合する穴を夫々が有する複数の正面ディスク
と、正面ディスクの外周に隣接し該正面ディスクへ締着
される複数の第１キーとから構成され、各羽根ディスク
は複数の第１キーを受は入れるため複数の切欠きを有し
、また各正面ディスクはこれの穴に設けられ且つタービ
ン軸にある複数の溝と整合する複数の溝を有し、さらに
前記ロータは、タービン軸に関する羽根ディスクの回転
を積極的に阻止するため、正面ディスクの穴及びタービ
ン軸にある整合した溝に挿入される複数の第２キーを備
えていることを特徴とする。

本発明は添付図面に、例示のためのみに示された以下の
好適な実施例の説明からさらに明らかとなろう。

図面、特に第１図について説明すると、低圧蒸気タービ
ン即ち弾性流体装置１が示されており、該タービンは周
囲をハウジング又はケーシング３で構成しケーシング内
にはロータ５が配設されている。

ケーシング３の両端にはロータ５を回転自在に支持する
ためジャーナル軸受７が配設されている。

ケーシングの中央部分には蒸気入口ノズル９が配設され
、ケーシング３及びロータ５に夫々取付けられた固定羽
根１３及び回転羽根１５の円形列へ蒸気を供給するよう
にしている。

固定羽根は羽根リング又はダイヤフラム１７に配設され
、該羽根リングはケーシングに取付けられ、蒸気がター
ビン１内で膨張するにつれて複数段の圧力差を発生する
。

ケーシング３、ジャーナル軸受７及び羽根リング１７は
水平方向に区分されているため、ケーシングの上半分が
取りはずされロータ５の取りはずしが可能となる。

ロータ５は複数の円周段２３を有するタービン軸２１か
ら構成され、これらの円周段はその各端部から段々に高
くなっている。

円周段２３の上には羽根ディスク２５が配設されており
、該羽根ディスクはそれらの外周に取付けられた１つあ
るいはそれ以上の円形列の回転羽根１５及び中央のバブ
２７を有している。

バブ２７の夫々は中央の穴２９を有し、該中央穴は軸２
１上の個々の円周段２３に嵌合する寸法を有している。

穴２９はこれと組み合う段の径より通常わずかに小さく
、被設に沿って穴が滑動しそれらの間に締りばめ即ち焼
きばめを完成する。

第２〜５図に示されているように、羽根ディスク２５の
バブ２７は、その一端、即ち、次のより小径の段に隣接
する端部に、端ぐり穴３１及び半径方向に伸びるリム又
はフランジ３３を有している。

正面ディスク３５はバブ２７に隣接して配設されている
。

また、正面ディスク３５は段２３と組み合って嵌合する
穴３７を有している。

ボス３８は穴３７と隣接して配設され端ぐり穴３１内に
嵌合しており、正面ディスク３５は羽根ディスク上のフ
ランジ３３の外周よりも半径方向外方に伸びている。

複数のフィンガキー（第１キー）４１は複数の固定ボル
ト４３のような締着手段により正面ディスク３５に締着
されていて、該ボルトは正面ディスク３５にあるリーマ
仕上げされた穴内に堅固に嵌合する。

キー４１は４個のボルトを夫々収容できるよう細長くな
っていて、フィンガ部４７を形成するフライス加工され
た部分４５を有しており、該フィンガ部は羽根ディスク
２５のフランジ３３にある切欠き４９と整合して嵌合す
る。

フィンガ部４７の半径方向内側の端部は面取りされてお
り、切欠き４９は応力集中を減するため角では大きな半
径を有している。

タービン軸２１及び各正面ディスク３５の穴３７は夫々
整合又は整列した溝５３及び５５を有しており、これら
の溝は正面ディスク３５をタービン軸２１ヘキー止めす
るためのドエルピン又は第２キー５７を受ける開口を形
成し、そしてキー４１及び切欠き４９と協働して、熱勾
配がある間でも、あるいはロータが羽根ディスクとター
ビン軸との間の締りばめがゆるむ程の超過速度で回転さ
せられるときでも、タービン軸２１に関する羽根ディス
ク２５の回転を積極的に阻止する。

ボタン６１は正面ディスク３５に設けられた孔６３に配
設されている。

各ボタン６１は、羽根ディスク組体に軸方向の隙間をつ
くるため、正面ディスク３５の厚みより厚い所定の厚み
を有している。

ボタン６１はこれに機械加工された周縁舌状部６２を有
しているため、正面ディスク３５に強い応力を誘引せず
に孔６３内に圧入されることができしかも該孔内にきち
んと保持される。

前述の正面ディスク３５は、羽根ディスク２５の穴にお
ける応力集中をなくするために羽根ディスク２５をター
ビン軸２１にキー止めするための中間部材を好適に提供
する。

キー４１を受は入れる羽根ディスク２５の切欠き４９は
縦方向の応力が穴の応力より十分に小さい領域に設けら
れており、こうして切欠きから生ずる応力による割れ目
の可能性を減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を一体化したタービン及びロータの部分
断面図、第２図は第３図の線■−■で取られた部分断面
図、第３図は第２図の線１１’１−ＩＩＩで取られた部
分断面図、第４図は第３図の線ＴＶ−ＩＶで取られた拡
大部分断面図、第５図は第４図の線■−■で取られた部
分断面図である。 １・・・・・・弾性流体装置（低圧蒸気タービン）、５
・・・・・・ロータ、２１・・・・・・タービン軸、２
３・・・・・・円周段、２５・・・・・・羽根ディスク
、２９・・・・・・穴、３５・・・・・・正面ディスク
、３７・・・・・・穴、４１・・・・・・フィンガキー
（第１キー）、４９・・・・・・切欠き、５３，５５・
・・・・・溝、５７・・・・・・第２キー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 弾性流体装置用のロータであって、該ロータは、少
   なくとも一端から高くなってゆく複数の円周段を有する
   タービン軸２１と、個々の円周段に嵌合する穴を夫々が
   有する複数の羽根ディスク２５と、個々の円周段に嵌合
   する穴３７を夫々が有する複数の正面ディスク３５と、
   正面ディスクの外周に隣接し該正面ディスクへ締着され
   る複数の第１キー４１とから構成され、各羽根ディスク
   は複数の第１キーを受は入れるため複数の切欠き４９を
   有し、また各正面ディスクはこれの穴に設けられ且つタ
   ービン軸にある複数の溝５３と整合する複数の溝５５を
   有し、さらに前記ロータは、タービン軸に関する羽根デ
   ィスク２５の回転を積極的に阻止するため、正面ディス
   クの穴３７及びタービン軸２１にある整合した溝５３，
   ５５に挿入される複数の第２キー５７を備えていること
   を特徴とする弾性流体装置用ロータ。