JPS585581B2 - カイテンデンキマキセンノゼツエンホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は回転電機乱巻きイル方式における対地絶縁対力
の向上を図った回転電機巻線の絶縁方法に関する。

回転電機例えば、高圧電動機等の電機子巻線としては、
一般に、鉄心スロット内の占積率を高め鉄心スロット内
空間を有効に利用でき、また素線導体を整列させるので
巻線し易くＡＶかも所望の電流容量及び絶縁度を自在に
得ることができる等の理由によシ主に平角被覆導体を予
め型によってループ状のコイル形状に形成し、必要に応
じ各素線間に絶縁材を介挿して巻線組立てを行なう型巻
きコイルが採用されている。

しかし乍ら、この型巻きコイルによる電機子においては
前記した如く、平角導体を用いるので電流容量に応しか
なシの電線サイズを用意せねばならず、又巻線の絶縁処
理、溝納めまでコイル一本ずつ行うので多数の製作工程
が必要となり、その作業も複雑なので、製作日数やコス
トの面で乱巻きに比べて格段に不利であり、特に機器の
小型化に関して、被覆絶縁された九線をそのまま不規則
に巻き進めてゆく乱巻きは前記型巻きに比べ非常に有効
的である。

この乱巻き方式による従来の例えば低圧電動機の巻線絶
縁構成は第１図に示すように、異相コイルを同一スロッ
ト内に納める場合には回転電機の鉄心１のスロット２内
周面に沿って、例えば、フイルム及び集成マイカを貼合
わせた耐熱性及び含浸性の優れたシート状スロット絶縁
物３を収納し、このスロット絶縁物３内に下コイル４を
納める。

次に上、下コイル４，６間の絶縁として前記スロット絶
縁物３と同じ素材の上、下コイル間絶縁物５を介して上
コイル６を適当な厚さの有機フイルム（例えば、商品名
ノーメツクス、カプトン、Ｑフイルム、ルミラー等）の
絶縁物である上コイル絶縁物７に包んで前記スロット絶
縁物３内に収納する。

ここで上下コイル４，６に用いる巻線は被覆絶縁された
九線導体を乱巻きしたものである。

上、下コイル４，６をスロット絶縁物３に収納後、次に
コイル絶縁物７の開口端部を折り重ね、更にその上に前
記スロット絶縁物３開口端も同様に折り重ね合わせる。

しかる後、このスロット絶縁物３の折り重ねた上に、耐
熱性成形絶縁物である僕下絶縁物８を重ねて、スロット
２の開口端を僕９で閉塞し固定する。

又鉄心１の端部近傍及びコイルエンド部においては異相
コイルグループ毎に集成マイ力と裏打材（例えばポリエ
ステル、カプトン、アラミツド紙、ガラスクロス等）を
接着剤で貼合わせた絶縁テープにてテーピングを行ない
、更に保護としてガラステープ、ポリエステル繊維テー
プ、ノーメックス繊維テープ等によってテーピングを行
ない絶縁層を形成するような絶縁構成としている。

しかし、このような絶縁構成においては、対地絶縁耐力
の点ではなはだ不安である。

即ち、鉄心１の端部近傍は電界強度が強い上コイル間が
隣接し、かつ巻線を鉄心１に挿入した上でテーピングを
行なうだめ、綿密にテーピング作業を行なうことが困難
である。

従ってかなシ作業工数を要すると共に均一な絶縁層を得
ることは非常に難かしい。

以上の如く、このような絶縁構成のものを、例えば３Ｋ
Ｖ級の高圧回転電機の巻線構成に採用するには、絶縁耐
力の向上が望まれる。

特に鉄心端部の電界集中による絶縁破壊を防止する必要
がある。

本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的は従
来の低圧用回転電機巻線の乱巻き方式において絶縁耐力
の向上を図った絶縁構成を提供し、もって作業性の向上
、機器の小形化、経費の削減及び高圧用回転電機への適
用を可能とすることにある。

以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明す
る。

第２図において、第１図と同一部分には同一符号を符し
てその説明を省略する。

第２図ａ，ｂにおいて用いる巻線は第３図に示す如く、
導体４１を絶縁性及び含浸性に優れたテープ状絶縁物４
２で被覆されたエナメル皮膜４３の九線である。

而して、第４図に示す様な熱収縮性のチューブ状絶縁物
（例えばエチレンプロピレンラバー、シリコーン、ポリ
エステルフイルム等）１０を鉄心端部からコイルエンド
部にかけて第２図ｂのように、スロット絶縁物３及び僕
９の上に包みこむようにかぶせる。

その上で前記シート状絶縁物１０の重ね部を、例えば、
エポキシ系接着剤又は高周波ミシンで閉じてあたかもチ
ューブを通した状態にする。

さらにその上をマイカテープ等の含浸性の良いテープ材
１１によってテービングを行なう。

しかる後、エボキシ系無溶剤レジンを真空加圧含浸して
加熱乾燥処理を行うような絶縁方法としている。

このような絶縁方法においては、チューブ状にしだ熱収
縮性のチューブ状絶縁物１０は加熱することにより熱収
縮を生じ（例えばポ９エチレゴムの場合１３℃×１０分
で５０％収縮）、このチューブ絶縁物１０が包囲してい
る下コイル４、上コイル６及びスロット絶縁物３等に完
全に密着するため硬化前に含浸レジンが流出する作用を
防止するばか如でなく、前記無溶剤エポキシレジ等の真
空加圧含浸により熱収縮性のチューブ状絶縁物１０及び
下コイル４、上コイル６、スロット絶縁物３等は一本化
するため、電気的、機械的強度は更に向上する。

特に従来のように鉄心１の端部における絶縁作業性を低
下させることがなく作業能率を向上させ、しかも絶縁耐
力の向上が図れる。

ちなみに、前記収縮性絶縁物自体の絶縁耐力は１０ＫＶ
／ｍｍあることが明らかになっておシ、コイル自身の絶
縁をも考慮すれば十分に１０〜２０ＫＶの絶縁耐力を向
上することができる。

したがって高圧用回転電機にも十分適用し得るものであ
る。

以上の如く、本発明によれば、従来の乱巻き絶縁方法に
おいて熱収縮性のチューブ状絶縁物で鉄心端部から突出
したスロット絶縁物を包み更にテーピングを施した後巻
線全体を真空加圧含浸後、加熱硬化処理を行ない、作業
性の向上、機器の小形、経費の削減及び高圧用回転電機
への適用を可能とする対地絶縁対力の向上を図った回転
電機乱巻き巻線の絶縁方法を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の巻線絶縁構成断面図、第２図ａ，ｂは本
発明の一実施例を示し、ａはｂのＢ−Ｂ線に沿う矢印断
面図、ｂはａ図のＡ−Ａ線に沿う矢印断面図、第３図は
同実施例の巻線断面図、第４図は同実施例のチューブ状
絶縁物の斜視図である。 １・・・鉄心、２・・・スロット、３・・・スロット絶
縁物、４・・・下コイル、５・・・上，下コイル間絶縁
物、６・・・上コイル、７・・・上コイル絶縁物、８・
・・僕下絶縁物、９・・・僕、１０・・・チューブ状絶
縁物、１１・・・テープ材、４１・・・丸線導体、４２
・・・テープ状絶縁物、４３・・・エナメル皮膜。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鉄心スロット内にスロット絶縁物を収納し、更に、
   この絶縁物内に被覆絶縁を施した巻線を乱巻きに収納し
   て前記スロット絶縁物開口端を折り重ねスロット開口端
   を僕下絶縁物を介して僕で閉塞する構成の回転電機回線
   の乱巻き絶縁において，チューブ状にしだ熱収縮性の絶
   縁物でスロット外に突出したコイルエンド部と前記スロ
   ット絶縁物及び僕を包み、かつ絶縁テープでテーピング
   を施こした後、巻線全体を含浸材にて真空加圧倉響後、
   加熱硬化処理を行う回転電機巻線の絶縁方法。