JPS5854943Y2 - 麺塊延展機に於ける押圧装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はロール圧延機の押圧力調節装置、特に製麺時に
使用する麺塊延展機のロール押圧力調節装置に関するも
のである。

従来手打うどん等の製法は、小麦粉に適量の水及び食塩
を加えて攪拌、混練して後、得られた輪生地塊を所定時
間熟成せしめ、布または畳表等の包容部材にて包容し、
該包容部材の外方より人が脚にて踏圧して充分に圧延混
練せしめ、次いでこの麺塊を板上に置き麺棒と呼称され
る木の丸棒にて押しつけるように回転圧延し、適宜の厚
みになった錘板を麺棒に巻き取り、更に人力により板上
へ軽く打ちつける状態に回転せしめながら押し延し作業
をしていた。

一見単純に見えるこの作業も、手打うどんの風味を生み
出すグルテン繊維組織を無方向にして密な網目状態とな
すべく、一方向から巻き取り押し延し作業をして後、こ
れをいったん板上に拡げ、更に異った方向より巻き取っ
て押し延すという同し作業を繰返し行なっていたのが実
状である。

然るにこのような手作業を機械作業に移行したロール型
圧延機は既に知られているが、繊細なグルテン繊維組織
をもつ錘板を、既知のロール型圧延機においては供給時
より強圧をもって圧延するので挿入直前部分が供給口で
団子状に膨出し、この団子状になったものを順次ねしり
取る状態でロール間に引き込むのでグルテン繊維組織は
潰滅し、手打うどん独特の風味は失なわれていた。

而して本考案にあっては係る問題に鑑み、ロール間に麺
塊を供給する際にもロール間隔が当初設定されている間
隔までは押圧力が作用することなく、設定間隔以上に錘
板により拡げられた時点で初めてロールに設定押圧力が
作用すべくなし、輪板中のグルテン繊維組織を保護育成
せしめるばかりか供給時の喰込み作用を容易とし、且つ
麺塊供給時における無負荷ロール間隔及びロール押圧力
を個別に設定し得る麺塊延展機に於けるロール押圧装置
を提供せんとするものである。

以下本考案に係る一実施例の態様を図面に基づいて詳述
すれば、１は本装置の機台。

２は主ロールで、上方に押圧力調節装置３を具備した延
展ロール４を配し、該延展ロール４を歯車４２口、／Ｘ
。

二を介在せしめて前記主ロール２とは反対方向に回転せ
しめるべく構成し、更に該両ロール間に案内板５を設け
て供給口６を形成する。

７は主ロール２下方に配設した下部ロールである。

次に８は軸架した前記主ロール２を中心に上方に延展ロ
ール４、その上方に押圧力調節装置３、主ロール２下方
位置に下部ロール７を夫々配した枠体で、前述の如く主
ロール２は該枠体８に回転自在に軸架せしめると共に、
延展ロール４と下部ロール７は枠体８内にあって上下位
置移動自在に各々滑り子９をもって軸支せしめる。

一方押圧力調節装置３は前記枠体８内に滑り子体からな
る小枠体１０を配設し、該小枠体１０内に上下方向に位
置変更自在の弾機受１１を設けると共に、該弾機受１１
の下面に突設形成した接当体１２を小枠体１０の下枠１
３より適宜長突出せしめて設け、同じく弾機受１１の上
面より立設した案内軸１４は小枠体１０の上枠１５より
上方位置まで適宜突出せしめる長さとする。

１６は中心部に前記案内軸１４を貫押通せしめる案内孔
１７を穿設した調節螺子で、案内軸１４に被嵌せしめて
前記上枠１５に螺挿１８すると共に、該調節螺子１６の
下面を弾機押え１９に当接せしめ内方に配置した圧縮弾
機２０の弾発力を加減せしめるべく構成する。

この際小枠体１０の上下位置は位置設定具２１で固定さ
れ、延展ロール４を軸支せしめる滑り子９の上面と押圧
力調節装置３の接当体１２間に適宜の間隔２２を有せし
めて位置設定するので、延展ロール４と主ロール２間に
材料を供給した際にも、該間隔長２２だけは延展ロール
４に押圧力は作用しないよう構成している。

本機の説明に戻ると、２３は従ロールで前記主ロール２
近傍に一端を係着せしめた腕杆２４の他端に軸架し、該
従ロール２３と主ロール２に広幅無端ベル）Ａを懸回せ
しめて上部ベルトコンベヤ２５を構成する。

前述の下部ロール７は主ロール２より歯車イ、ホを介在
せしめて該主ロール２と相反した方向へ回転せしめ、こ
の下部ロール７と腕杆２６の先端部、即ち前記従ロール
２３略斜下方に軸架した下部従ロール２７間に広幅無端
ベル）Ｂを懸回し下部ベルトコンベヤ２Ｂを構成する。

２９は出口案内板で゛下部ロール近傍より斜下方に向け
て配設する。

尚、３０は電動機、３１は仕上板である。

次に本案押圧力調節装置を装備した麺塊延展機の作用を
説明すれば、押圧力調節装置３の調節螺子１６をもって
弾機２０長を加減し適宜の押圧力を設定する。

次いで供給される麺塊に対応して滑り子９の上面と接当
体１２の間隔２２を設定すべく、位置設定具２１をいっ
たん弛めて小枠体１０を上下方向の適位置に配し、再度
位置設定具２１を締めて枠体８に固定せしめる。

電動機３０を起動して本装置を稼動せしめ供給口６より
麺塊を挿入すれば、延展ロール４と主ロール２間で一次
延展された輪板は上部ベルトコンベヤ２５上を移送され
る。

この供給に際して延展ロール４を軸支する滑り子９の上
面と、押圧力調節装置３の接当体１２間に前述の如く形
成している適宜の間隔２２長だけは、延展ロール４は弾
機２０の押圧作用を受けずに上方へ移動し、輪板による
ロール間への負荷が増大した時初めて設定されている押
圧力が延展ロール４に作用する。

移送された輪板は上部ベルトコンベヤ２５の端部より下
部ベルトコンベヤ２８上へ順次裏返しに落下し、該下部
ベルトコンベヤ２８上を移送されて主ロール２と下部ロ
ール７間で二次延展され、仕上板３１上に排出される。

排出された輪板は一方向のみの延展作用により長円形と
なっているので、該輪板を長さ方向で二つ折りにし、円
形にすべく１８０度方向を異なえて再び供給口６へ挿入
し、三次、四次の延展作用後仕上板３１で拡げれば略円
形の輪板となっている□ものである。

以上のように本考案は、複数のロールから構成された麺
塊延展機において、ロール４を滑り子９を介して軸支せ
しめる枠体８内に上下方向に位置変更固定自在に小枠体
１０を配設し、該小枠体１゜の下枠１３より弾機受１１
の下面に固着せしめた接当体１２を摺動自在に突出せし
め、前記弾機受１１上に配置する弾機２旧よ、小枠体１
０の上枠１５に螺挿１Ｂシた調節螺子１６により弾機押
え１９を介してその弾発力を調節すべくなして押圧力調
節装置３を構成すると共に、前記滑り子９の上面と接当
体１２間に所定間隔２２を有せしめて、該押圧力調節装
置３′を枠体８に装着し、ロール間隔が設定長以上にな
った時点において前記ロール４に押圧力が作用すべくな
したることを特徴とする麺塊延展機に於ける押圧装置で
あるから、麺塊供給時においては延展ロール４の重量圧
のみしが麺塊にががらないので、ロール間への麺塊の喰
込みを容易とするばかりか、従来のロール圧延機におい
ては供給口近傍で強圧のロール押圧作用により挿入直前
の麺塊が団子状に膨出し、更にそれを強引にロール間に
引き込むことによりグルテン繊維組織をも寸断してしま
うという欠点を有していたが、本案においては全くその
憂いは解消されるものである。

しかも、供給される麺塊によりロール間の負荷が増大す
れば滑り子９は接当体１２に当接し弾機２０を押圧する
ので延展ロール４は所定の押圧力を受け、錘板は一定厚
に無理なく延展されるものである。

その上無負荷ロール間隔、ロール押圧力共にその作業状
態に応じて当初に設定し得るばかりか、例えば小枠体１
０の下面と滑り子９の上面間隔を所定長に設定すること
により延展される錘板は所定厚にし得る効果をも合せ持
つ等、誠に顕著なる種々の諸効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具備した装置の一部断面した側面図。 第２図は一部断面した要部の拡大側面図である。 ３・・・・・・押圧力調節装置、４・・・・・・延展ロ
ール、８・・・・・・枠体、９・・・・・・滑り子、１
０・・・・・・小枠体、１１・・・・・・弾機受、１２
・・・・・・接当体、１３・・・・・・下枠、１５・・
・・・・上枠、１６・・・・・・調節螺子、１８・・・
・・・調節螺子螺挿部位、２０・・・・・・弾機、２２
・・・・・・遊び間隔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のロールから構成された麺塊延展機において、ロー
   ル４を滑り子９を介して軸支せしめる枠体８内に上下方
   向に位置変更固定自在に小枠体１０を配設し、該小枠体
   １０の下枠１３より弾機受１１の下面に固着せしめた接
   当体１２を摺動自在に突出せしめ、前記弾機受１１上に
   配置する弾機２０は、小枠体１０の上枠１５に螺挿１Ｂ
   シた調節螺子１６により弾機押え１９を介してその弾発
   力を調節すべくなして押圧力調節装置３を構成すると共
   に、前記滑り子９の上面と接当体１２間に所定間隔２２
   を有せしめて、該押圧力調節装置３を枠体８に装着し、
   ロール間隔が設定長以上になった時点において前記ロー
   ル４に押圧力が作用すべくなしたることを特徴とする麺
   塊延展機に於ける押圧装置。