JPS5854862Y2 - 速度発電機付モ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転速度を検出するための速度発電機を取付け
たモータに関するものである。

直流モータの回転速度を一定に制御するために、直流モ
ータの回転速度をいわゆるタコジェネレータと称する速
度発電機で検出し、これを入力として電子回路等を動作
させる方式は既に知られている。

第１図は速度発電機をモータのケース内部に設けた従来
の速度発電機付モータの要部断面図である。

１は回転軸で、これに固定された電機子２．整流子３お
よび電機子２に巻かれたコイル４とともにロータを構成
している。

５は第１のケースとしてのケースＡで、これに回転軸１
を支軸する軸受６および界磁石７が設けられている。

８はケースＡに嵌合して組立てられる第２のケースとし
てのケースＢで合成樹脂を成形して作られる。

ケースＢ８には、整流子３に摺動接触する刷子９、この
刷子９に接続されケースＢ８を貫通して外部に突出した
接続端子１０および回転軸１を支軸する軸受１１が設け
られている。

回転軸１の整流子３と軸受１１の間の位置にはブツシュ
１２を介してフェライトからなり周辺に複数の磁極が着
磁された発電磁石１３が固定されている。

その磁極片部分が発電磁石１３に対向するように配置さ
れた磁極１４がケースＢの内面に取付けられ、この磁極
１４には発電コイル１５を巻いたボビン１６が収納され
ている。

ロータが回転し発電磁石１３が回転すると、磁極１４が
流れる磁束が変化して発電コイル１５に交流の速度信号
が発生する。

この速度信号はロータの回転速度に比例した周波数を有
するので、これを入力として電子回路等を動作させモー
タへの供給電力を変化して回転速度を一定に制御するこ
とができる。

しかしながら、この形式の速度発電機付モータは、軸受
１１．接続端子１０等によってスペースを制約されてい
るので、発電コイル１５に十分な巻数をとることができ
ないため速度信号の発電電圧に限界があり大きな値がと
れない。

また発電コイル１５がケースＢの内部にあるため発電磁
石１３の直径が小さくなってしまいこれにともない周辺
速度が小さくなり、また着磁できる磁極数も少なくなる
ため発電周波数が小さくなり、発電コイルの発電電圧が
大きくとれなくなる。

さらに、整流子と刷子９の摩耗粉が発電コイル１５の端
子に付着して絶縁耐圧特性が劣化する。

これを防ぐのにはカバーが必要となりコストがあがって
しまう。

また、発電コイル１５をケースＢ８の内部に組込むため
作業性が悪い等各種の欠点があった。

第２図は速度発電機をモータのケース外部に設けた従来
の速度発電機付モータの要部断面図である。

第１図と同一部品には同番号を付しである。ケースＢ８
ａの内部にはモータ部品のみ収容されており、回転軸１
がケースＢ８ａを貫通して外部に突出している。

この回転軸］の突出部分には発電磁石１３が固定され、
磁極片部分がこの発電磁石１３に対向するようにして磁
極１４ａがケースＢ８ａの外面に取付けられている。

磁石１４ ａの内には発電コイル１５ａを巻いたボビン
１６ ａが収納されている。

しかしながら、この形成の速度発電機付モータは、モー
タの軸方向の形状が大きくなってしまい、モータの大き
さに制限があるような場合には使用できない。

また、発電磁石１３を回転軸１に固定する場合、モータ
を組立てた後でなければできないのでロータの動バラン
スがくずれ易く、また動バランスがくずれてもこれを修
正するべくバランスとりをすることができない。

また発電磁石１３の回転軸１に対する固定位置を正確に
出すことが難しいため、磁極１４ａとの位置関係が各モ
ータで変化し発電コイル１５ａの発電電圧がばらついて
しまう等の欠点があった。

本考案はこのような従来の欠点を解消するためになされ
たもので、その目的とするところは、発電電圧が大きく
とれ、ロータのバランスも良く、シかも構造が簡単で組
立作業性が向上するような速度発電機付モーたを提供す
ることにある。

この目的を達成するために、本考案は速度発電機の発電
磁石をケース内部に発電コイルをケース外部に各々取付
けるようにしたものである。

第３図は本考案による速度発電機付モータの一実施例の
要部断面図である。

第１図と同一部品には同番号を付しである。

ケースＢ８ｂは軸方向に外方に突出した保持部８ｂ、を
有し、この保持部８ｂ１は軸受１１を保持し、回転軸１
の整流子３と軸受１１の間に位置ブツシュ１２を介して
発電磁石１３が固定されている。

したがって、発電磁石１３は保持部８ｂ、の内面に対向
して配置される。

そして、ケースＢ８ｂには外側から磁極１９が取付けら
れている。

この磁極１９は、第４図に示すようにカップ状に形成さ
れ、平面部を切起こして円状に配列された複数の磁極片
１８を有し、外周は筒状に形成されてヨーク部１７にな
っている。

そして、磁極１９はヨーク部１７の開口端がケースＢ８
ｂの外周辺に嵌合されている。

発電コイル１５ｂが巻かれたボビン１６ ｂは磁極片１
８の外周とヨーク部１７の内周の間に保持されて磁極１
９内に設けられる。

磁極片１８は、磁極１９をケースＢ８ｂに取付けた状態
でケースＢ８ｂの保持部８ｂ＋を貫通して保持部８ｂ、
の内周面に配置され、発電磁石１３の磁極が着磁された
外周面に間隙をおいて対向するようになっている。

なお、２０は速度発電機の磁路が形成されやすくなるた
めにケースＢ８ｂの内面に設けられた補助ヨークである
。

この補助ヨーク２０は第５図に示すように、円板の平面
から切起こした磁極片１８と同数の磁極片２０ ａを有
し、第６図に示すように磁極片１８の間に交互に配置さ
れる。

なお、磁極片１８と２０ Ｈの間隔は発電磁石１３の磁
極のピッチと同しになっている。

補助ヨーク２０の外周端と磁極１９のヨーク部１７の開
口端の間は磁性材がないのでやや磁気抵抗が増すが、そ
れでも補助ヨーク２０がない場合よりもはるかに磁路の
磁気抵抗は小さくなる。

回転軸１が回転し発電磁石１３が回転すると、磁極１９
を含む磁気回路に交番磁束が発生し、発電コイル１５ｂ
に回転軸１の回転速度に比例した周波数の速度信号が発
電される。

なお、磁束が十分に得られれば磁路の磁気抵抗は大きく
なるが補助ヨーク２０は省略することができる。

このように本考案による速度発電機付モータによると、
部品点数は従来と殆んど変らず構造が簡単になり、部品
配置が合理的なので性能劣化を起すことなく組立作業性
が著しく向上する。

即ち、発電磁石がケース内部に配置されているためにロ
ータの動バランスが発電磁石も含めて完全にとれるので
振動が少なく電流消費量も少ない。

またケース内部に発電コイルがないのでケース内部にス
ペースが十分とれるため発電磁石は必要に応じて径を大
きくすることができる。

例えば第７図のように、ケースＢ８ｂの保持部８ｂ、の
径を大きくし、磁極片１８の円配列の内径を大きくする
こともできる。

また、第８図に示すように、保持部８ｂ１の径を大きく
シ、磁極片１８は先端をカギ字形に曲げて先端部の円配
列の内径を大きくすることもできる。

この結果、発電磁石１３の外径は大きくできる。これに
より発電磁石の周辺速度を大きくでき、また磁極も多数
着磁できるので周波数をあげると同時に発電電圧を大き
くすることができる。

また発電コイルはケース外部に配置されるので、組立易
くなるとともに、整流子、刷子の摩耗粉が耐着して絶縁
性能を劣化させることがない。

このように本考案によるとロータ動のバランスが良くと
れ、発電電圧を大きくすることが可能になり、しかも、
構造が簡単で組立が容易になるという数多くの優れた効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の速度発電機付モータの要部
断面図、第３図は本考案による速度発電機付モータの一
実施例の要部断面図、第４図は磁極の部分破断斜視図、
第５図は補助ヨークの部分破断斜視図、第６図は磁極と
補助ヨークの各磁極片の関係を示す説明図、第７図、第
８図はそれぞれ他の実施例の要部断面図である。 １・・・・・・回転軸、５・・・・・・ケースＡ、６．
１１・・・・・・軸受、８ｂ・・・・・・ケースＢ、１
２・・・・・・ブツシュ、１３・・・・・・発電磁石、
１５ｂ・・・・・・発電コイル、１６ｂ・・・・・・ボ
ビン、１７・・・・・・ヨーク部、１８・・・・・・磁
極片、１９・・・・・・磁極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロータの回転軸を支軸する一方の軸受を備えたカップ状
   の第１のケースと、前記回転軸を支軸する他方の軸受を
   保持する軸方向に外方に突き出た保持部を有し、外周辺
   が前記第１のケースの開口端に組込まれた非磁性材から
   なる第２のケースと、カップ状に形式された底部平面部
   を切起こして円状に配列された複数の磁極片を有する磁
   性材からなる磁極と、前記磁極片の外周に配置されて磁
   極内に設けられた発電コイルと、前記回転軸上で前記第
   ２のケースの保持部の内面に対向した位置に固定された
   発電磁石とを備え、前記磁石はその開口端が前記第２の
   ケースの外周辺に組込まれて第２のケースの外側に配置
   されるとともに、磁極片が第２のケースの保持部を貫通
   して保持部の内周面に配列され前記発電磁石の磁極に対
   向するように構成したことを特徴とする速度発電機付モ
   ータ。