JPS5854231B2 - 二段式駐輪装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は人力のみにより駐車を行なう二段式駐輪装置に
関するものである。

近時、駅またはスーパー等の付近における自転車の放置
に対し自転車用駐車装置が種々考案されている。

しかし乍ら、利用可能の駐車空間状態、設備投資力の限
度、利用者層の種類等諸種の条件によって適正な設備の
あり方としての相違が生ずるものであり、本発明はこの
うち安価且つ安全度に富み、動力を一切用いない効率的
な駐輪装置を提供することを目的とした簡易駐輪装置に
関するものである。

即ち、架台により上下２段の駐車空間を形成して下段は
通常の平面駐車を可能とし、該それぞれの下段駐車部の
上段へ駐車し得るごとく駐車用部材上に自転車を載置し
たまＸ地上との間に入力のみにより昇降可能とせるもの
であって、はね力の利用による昇降時の補助、緩衝室に
よる衝撃緩和、複滑車機構利用による操作容易性等を特
徴とするものである。

図面の実施例に基き詳述すれば、１は架台で、左右・前
後に適宜離間して複数本の前柱２および後柱２′を地上
床３に立設し、前記前柱２上端間および後柱２′上端間
には互いに並行して梁４・４′を架設し、鉄梁４・４′
により下部駐車空間りと上部駐車空間Ｕを区画しである
。

５は前記梁４・４′の延びる方向に対してほぼ４５度の
角度をもって前記梁４・４′上に等間隔長つ水平に並列
して固設した複数の中空筒体で、該各中空筒体５は内面
に密嵌して滑動自在に滑動体６を内蔵し、該滑動体６に
より前・後に緩衝室５ａと大気開放室５ｂを分割しであ
る。

前記緩衝室５ａは中空筒体５の前端板５ｃに穿設したＬ
字形の連通孔５ｄにより外部と連通し、調整ねじ７によ
り前記連通孔５ｄを適宜絞り調整可能としている。

また前記大気開放室５ｂは中空筒体５の後端部下面に穿
設した大きな穴５ｅにより常時大気に開放しである。

８は前記緩衝室５ａ内に内蔵した引張りばねで、一端を
前記滑動体６の前面に係着し、他端を前記前端板５ｃ外
部より位置調整自在に螺挿し先端部をフリー状とした調
整ボルト９先端に係着して、適宜ばね力により前記滑動
体６を常時緩衝室５ａ圧縮方向に付勢せしめている。

１０は支持案内部材で、適宜長さの底板１１の両側部に
固定した断面矩形の側枠１２・１２′と、該側枠１２・
１２′の前後部内側に突出軸支した前後１対の支持ロー
ラ１３・１３′とから成り、前記側枠１２・１２′の前
端下面に固定した揺動ブラケット１４・１４′を前記中
空筒体５の大気開放室５ｂ側端部に設けた固定ブラケッ
ト１５の左右側板１５ａ・１５ｂに支持ピン１６・１６
′により上下揺動自在に取付け、前記底板１１裏面中央
付近と固定ブラケット１５間に張設した比較的はね力の
弱い引張りはね１７により、支持案内部材１０を支持ピ
ン１６・１６′を支点として常時下方に回動させる方向
に付勢している。

１８は自転車Ｊを前記上部駐車空間Ｕに駐車させるため
の駐車用部材で、細長く延びる適宜長さの底板１９土の
両側部においてそれぞれ外側面に開口部を有するごとく
適宜対向離間して設けた１対のコ字形レール２０・２０
′と、それぞれ自転車Ｊの前車輪Ｊ１および後車輪Ｊ２
の嵌入により倒れ止め兼ストッパの役を行なうごとく、
前端部および後端部に一体的に固定した前車輪用係止部
材２１および後車輪用係止部材２１′とを備え、前記両
レール２０・２０′間前部において下部周面が底板１９
に削設した適宜切欠部（図示せず）を越えて下方に突出
するごとくガイドローラ２２を転勤自在に軸支しである
。

しかして前記駐車用部材１８は、前記レール２０・２０
′内に支持ローラ１３・１３′が嵌入するごとく前記支
持案内部材１０上に係合させて、該支持案内部材１０上
における長手方向への摺動と、前記支持ピン１６・１６
′を中心とする案内部材１０と共の上下揺動を可能とし
てあり、水平状態での移動に際しては前記ガイドローラ
２２が中空筒体５上を転動するごとくなっている。

尚、前記駐車用部材１８は第６図に示すごとく最大傾倒
角をはソロ０°とするべく、前記固定ブラケットの左右
側板１５ａ・１５ｂにストッパ１５ｃを突設して、支持
案内部材の両側枠１２・１２′下面と衝接するごとくし
である。

２３は駐車用部材１８の昇降用ロープで、一端を前記滑
動体６の後面に設けたブラケット２４先端に固定し、前
記大気開放室５ｂ内の前記固定ブラケット１５の前面に
軸支した固定滑車２５、前記ブラケット２４に軸支した
動滑車２６、および固定ブラケット１５後面に軸支した
大滑車２７を経て他端を駐車用部材の底板１９後端下面
に固定してあり、通常の状態では前記引張りはね８の張
力により駐車用部材１８を前方に引付けており、固定・
動滑車２５・２６をもって複滑車を構成している。

２８は中空筒体５前端に固定した前部ストッパで、駐車
用部材１８のこれ以上の前進を阻止している。

２９は底板１１の後端下面より上向きに突出させた衝接
部材、３０は駐車用部材の底板１９下面に突設した保持
用突起で、駐車用部材１８の引降し状態において前記衝
接部材２９との係合により駐車用部材１８の最大引降し
状態を保持するものである。

尚、前記衝接部材２９と突起３０との係合解除に際して
は、駐車用部材１８を一端引降し方向に若干引張ると同
時に上方へ回動させることにより（この回動力向へのス
トロークはローラ１３・１３′とレール２０・２０′内
部とのガタ分に相酒、またこのとき支持案内部材１０は
引張りはね１７によって固定ブラケット１５側へ引寄せ
られている）、突起３０が衝接部材２９より離れ、ばね
８の張力でロープ２３を介し駐車用部材１８が前方へ引
戻され（上昇）るごとくしである。

３１は前端板５ｃの内側に設けた吸気弁で、緩衝室５ａ
が圧縮を受ける際は閉となり、滑動体６の後退時は開と
なって前端板５ｃに削設した通孔５ｆより外気を吸入可
能としである。

３２・３２′は下部駐車空間りの地上床３に直接自転車
Ｊを駐車させるための高・低二種の前車輪Ｊｌ用係止部
材で、各々前記中空筒体５の真下に且つこれに平行に延
びるように交互に前輪を高くして等ピッチで地上床３に
固定しである。

使用に際し、先ず、第３図に示すごとく自転車Ｊを塔載
していない駐車用部材１８が中空筒体５上に水平に載置
された状態から、利用者が後車輪用係止部材２１′の一
部、例えは該係止部材２１′の側部に形成した取手２１
′ａを把持し、引張りはね８のばね力に抗し前記駐車用
部材１８を後方に（利用者にとっては手前に）引き出す
と、駐車用部材１８はガイドローラ２２および支持ロー
ラ１３・１３′等を介して中空筒体５上を支持案内部材
１０によって案内されながら後退移動する。

この場合の引出し力は複滑車作用によって１／２に低減
される。

駐車用部材１８を第３図の一点鎖線で示すごとく若干後
方に移動させたところで下方に引き下げると、駐車用部
材１８は支持案内部材１０と一体的に支持ピン１６・１
６′を支点に回動し、ガイドローラ２２は中空筒体５か
ら上方に離脱する。

それ以後は駐車用部材１８の自重が大きく作用して利用
者が軽く力を加えるだけで駐車用部材１８は支持案内部
材１０と共に下方に回動しながら後退し、駐車用部材１
８をほぼ一杯に引き出したところで突起３０と衝接部材
２９とが係合し、オリ用者が取手２１′ａから手を離し
ても駐車用部材１８は引張りはね８のはね力によって上
方に戻ることはない。

利用者はかくして駐車用部材１８後端部を地上床３に接
地させた状態（第６図）で自転車Ｊを駐車用部材１８に
搭載し、次いで取手２１ａ′を把持して上方に若干持ち
上げる。

この際、１駐車用部材１８は引張りはね１７による支持
案内部材１０の引付力により該案内部材に対し若干上方
に浮き上がり、突起３０と衝接部材２９との係合が外れ
、それ以後は引張りはね８のはね力によって滑動体６、
ロープ２３等を介して駐車用部材１８および支持案内部
材１０は一体的に上方に回動するとともに、駐車用部材
１８は支持案内部材１０に案内されながら前方に引き戻
される。

駐車部材１８が前方に引き戻される際滑動体６も中空筒
体５内を前方に移動し、緩衝室５ａ内を圧縮して内部圧
力が上昇しようとするのが、連通孔５ｄの存在により逐
次低下するその時のばね力板下の圧力をもった反力で緩
衝される。

したがって、連通孔５ｄの絞り量に応じた速度で駐車用
部材１８は中空筒体５上を徐々に前進し、前部ストッパ
２８に衝接した位置で停止し、上部駐車空間Ｕへの移動
を完了する。

前述説明では駐車空間を複数列としたが、中空筒体、支
持案内部材、および駐車用部材等を１ユニツトとして上
下２台のみの駐車用−とじても本発明の目的は達し得る
ものであり、また駐車用部材引降し時の保持は、駐車用
部材後端と係合可能に地面側適所に設けた係止フックに
よっても実施可能である。

さらに複滑車機構部は２列または３列滑車を用いること
により駐車用部材引降しに要する力ははね力の１／４・
１／６と減少するのみならず、滑動体移動ストロークも
減少するため、はね力の最大値が減少する。

したがってばね力を若干強くしても最大値と最小値の差
が減少するため操作性は一層向上するものである。

この場合は空気抜孔の開度をさらに絞っておくことによ
り、上昇速度を安全速度内に制御し得る。

また、中空筒体は下部駐車空間と同様に交互に前端を若
干高くしてバンドル交叉を回避することにより車間距離
を短縮しても、ばね力が作用しているため駐車用部材が
自重で後退する様な不都合は生じないものである。

以上詳述せるごとく本発明によるときは、簡単なる設備
で上下２段駐車可能となし、上段への入庫に際してはは
ね力と緩衝室により安全に入力を補助し、また出庫に際
して′は複滑車機構によって前記引揚げ用ばね力に抗す
るにも拘らず僅かの操作力によって駐車用部材の引降し
を可能とするとともに、前記はね力が駐車用部材の急激
な降下を防止して安全に出庫を可能とするもので、中空
筒体、支持案内部材および駐車用部材をもって１ユニツ
トとなし、該ユニットの増加によって簡単に駐車台数を
増加し得、操作力として何らの原動機を必要としない全
くの人力操作のみによるため極めて安価な装置となし得
るのみならず、操作力が僅かですむ為女子・子供にも安
全に取扱え、故障の恐れは全く生じないものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は平面図
、第２図は第１図のＡ−Ａ矢視図、第３図は要部のみ示
し一部を断面した第１図におけるＢ−Ｂ矢視拡大図、第
４図は第３図におけるＣ〜Ｃ矢視拡犬図、第５図は第３
図におけるＤ−Ｄ矢祝拡犬断面図、第６図は作用説明図
である。 図中、５は中空筒体、１０は支持案内部材、１８は駐車
用部材である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上下２段の駐車空間を区画するごとく設けた架台上
   に水平に中空筒体を固定し、該中空筒体は内部に密嵌し
   滑動自在とした滑動体により筒体前部に空気抜付緩衝室
   を形成するとともに適宜ばね力により前記滑動体を常時
   緩衝室圧縮方向に付勢せしめ、これとは別に前記中空筒
   体後部外端において上下揺動可能に且つ適宜ばね力によ
   り常時下方側へ付勢するごとく支持案内部材を枢支し、
   該案内部材に係合して長手方向のみ摺動可能に上段側自
   転車駐車用部材を設け、該駐車用部材後端部は前記中空
   筒体後端と前記滑動体後端間に配置した複滑車機構およ
   び中継滑車を経て前記滑動体とロープ連結し、さらに前
   記駐車用部材は前記中空筒体内ばね力に抗する最大引出
   位置付近において適宜保持部材により該引出位置を保持
   し得るごとくなすとともに、前後部に車輪係止部材を設
   けて該係止部材の押上げまたは引降し操作により上段駐
   車空間への人力入出庫を可能としたことを特徴とする二
   段式駐輪装置。 ２ 前記駐車用部材は、外側面に開口部を有するごとく
   適宜対向離間する１対のコ字形レールを底板上に固定し
   て、前記支持案内部材に左右１対から成り複数組設けた
   支持ローラを内嵌可能とした特許請求の範囲第１項記載
   の二段式駐輪装置。 ３ 前記駐車用部材は、前端付近に少くとも１個のガイ
   ドローラを設けて、前記中空筒体上面における水平移動
   時の案内および前端部支持を行ない得るごとくした特許
   請求の範囲第１項記載の二段式駐輪装置。 ４ 前記中空筒体および駐車用部材は、架台上において
   斜め状態で複数列配置するごとくした特許請求の範囲第
   １項記載の二段式駐輪装置。 ５ 前記滑動体による緩衝室圧縮はね力は、中空筒体外
   に突出させた調整ボルトにより可調整とした特許請求の
   範囲第１項記載の二段式駐輪装置。 ６ 前記緩衝室空気抜は、適宜ねじ式弁棒により絞り量
   を可調整とした特許請求の範囲第１項記載の二段式駐輪
   装置。 ７ 前記駐車用部材保持部材は、支持案内部材後端と保
   合可能に駐車用部材裏面に設けた突起とした特許請求の
   範囲第１項記載の二段式駐輪装置。 ８ 前記駐車用部材保持部材は、駐車用部材後端と係合
   可能に地面適所に設けた係止フックとした特許請求の範
   囲第１項記載の二段式駐輪装置。