JPS5853034B2 - スケ−ル防止剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ボイラや冷却循環系などにおいて水に起因す
るスケール、スラッジなどの付着を抑制する方法に関す
る。

ボイラや冷却循環水系などにおいては、その伝達面での
スケール、スラッジの生成が最大の問題であり、その原
因はカルシウム、マグネシウム、鉄、シリカなど水中の
不純物質によるものである。

例えば、ボイラの場合、水中の不純物質を除去するため
、イオン交換樹脂による処理がおこなわれるが、さらに
、微量物質が濃縮付着するため、ボイラ内に薬剤を注入
している。

ボイラ内の薬剤処理は、一般にオルンリン酸ナトリウム
やトリポリリン酸ナトリウムなどの無機リン酸塩あるい
は、タンニン、リグニン、ポリアクリル酸ナトリウムな
どが使用されている。

しかしながら、リン酸塩の使用はボイラからの排水によ
り、内海、湖沼などの富栄養化問題をおこすことになり
、環境破壊の要因にもなりうる。

また、タンニン、リグニン、アクリル酸などの処理では
、十分に満足のいく結果が得られないのが現状である。

本発明は、ボイラ等の伝熱面その他スケールの生成する
系において従来よりも低濃度のリン濃度で、スケールの
付着を抑制することができる薬剤組成に関するものであ
る。

この発明による組成物とは、ポリアクリル酸、ポリメタ
アクリル酸およびそれらの水溶性塩と、ホスホノカルボ
ン酸およびそれらの水溶性塩からなるものである。

本発明において、ポリアクリル酸（ポリメタクリル酸を
含む）としては分子量１０００〜５００００、好ましく
は５０００〜２００００程度のものを使用するのがよく
、これらの水溶性塩としてはナトリウム、カリウムなど
のアルカリ金属塩が好ましい。

ホスホノカルボン酸は一般式 （式中、Ｒは水素原子、炭素数ｌ〜４のアルキル基また
はカルボキシル基、Ｒ１は水素原子またはメチル基を表
わす）で示されるホスホノカルボン酸が適している。

このホスホノカルボン酸の例としては、２−ホスホノ−
ブタン−トリカルボン酸−（１・２・４）、２−ホスホ
ノ−ブタン−テトラカルボン酸−（１・２・３・４）な
どをあげることができる。

またホスホノカルギン酸の水溶性塩としてはアルカリ金
属塩、アミン塩、アルカノールアミン塩などが使用でき
る。

ポリアクリル酸またはその水溶性塩とホスホノカルボン
酸またはその水溶性塩との配合比（重量）は約９：１〜
１：９の範囲にわたって有効であり、特に約２：１〜ｌ
：２の配合比が好ましい。

本発明の薬剤は使用するに際し、予めポリアクリル酸と
ホスホノカルボン酸を上記割合に配合し述ておく方が望
ましいが、使用する系に個別に添加して系内で共存する
ようにしてもよい。

薬剤をボイラ給水、循環冷却水等に約１〜１０００ｐｐ
ｍ好ましくは約５〜５０ｐｐｍ添加することにより、伝
熱面等におけるスケールの生成を効果的に抑制する。

スケールの生成する系としてはこの他に海水蒸発装置、
廃液濃縮装置、石炭、石油燃焼廃ガス、パルプ廃液燃焼
廃ガス等Ｑ然焼廃ガス集塵水系、製鉄工場等の廃ガス集
塵水系、高温鉄鋼材の冷却水系などがある。

本発明の薬剤は通常使用されているボイラ薬剤、冷却水
系薬剤などと併用することができる。

例えば水酸化ナトリウム、モルホリン、モノインプロパ
ツールアミンなどのアルカリ剤、ヒドラジン、トリエタ
ノールアミン、オフタテシルアミン、有機酸塩などの防
食剤、次亜塩素酸塩などの殺菌剤と共に使用してもよい
。

以上のとおり、本発明によれば懸濁物の沈殿、堆積、溶
存塩類の析出を抑制してスケールの生成を防止し、また
低リン濃度であるので２次公害の発生を防止することが
できる。

実施例 蒸気取出口、補給水口および電気加熱器管を備えた内部
加熱型オートクレーブを使用し、横浜市水を供給しなが
ら濃縮率１０倍、圧力ｉ５に！ｇ／ｉで１０日間運転し
た。

薬剤は表−１に記載したものを使用し、加熱器管に付着
したスケールをかき取り秤量してスケール防止効果を判
定した。

その結果は表−１の通りであった。

この結果から明らかなように、ポリアクリル酸とホスホ
ノカルボン酸との２：ｌあるいは１：２混合物を５ｐｐ
ｍ添加により、リン酸ナトリウム、リグニン、タンニン
、ポリアクリル酸、ホスホノカルボン酸の単独添加の場
合、ホスホノカルボン酸とポリアクリルアミド併用の場
合ならびにポリアクリル酸とアミノホスホン酸併用の場
合に比べて極めて良好な結果が得られた。

また、熱交換器内で給水が１０倍に濃縮された場合の排
水中のリンの量は給水にリン酸ナトリウム１０ｐｐｍを
添加すると、１８．９ ｐｐｍ ａｓ Ｐであるが、ポ
リアクリル酸と２−ホスホノ−ブタン−トリカルボン酸
２：ｌ混合物５ｐｐｍを給水に添加すると、１．９ｐｐ
ｍ ａｓ Ｐ、ｌ ： ２混合物５ｐｐｍを給水に添加
すると、３．８ ｐｐｍ ａｓ Ｐまで低減できた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸またはそれらの
   水溶性塩とホスホノカルボン酸またはその水溶性塩とを
   含むことを特徴とするスケール防止剤。 ２ ホスホノカルボン酸は一般式 （ただし、Ｒは水素原子、炭素数１〜４のアルキル基、
   またはカルボキシル基、Ｒ１は水素原子またはメチル基
   を表わす）で示される特許請求の範囲第１項記載のスケ
   ール防止剤。 ３ ホスホノカルボン酸は、２−ホスホノ−ブタン−ト
   リカルボン酸−（１・２・４）である特許請求の範囲第
   ２項記載のスケール防止剤。