JPS5852751Y2 - 水平偏向発振器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電源電圧が低下しても安定な動作を確保でき
る電源回路を具備したテレビジョン受像機の水平偏向用
発振器に関する。

テレビジョン受像機用の水平偏向用発振器は、環境条件
の変化に伴っである程度供給電源の電圧が変動しても、
発振を持続することが必要不可欠である。

これは、周知のように、水平偏向発振器による発振出力
を、フライバックトランスを介してテレビジョン受像機
の各所へ電源電圧として供給しているため、上記受像機
への電源印加後直ちに水平発振器が発振を開始しなけれ
ば上記受像の機能が全うされないからである。

ところで、従来、半導体集積回路を用いて構成されたレ
ベルスイッチ型ＣＲ発振器と呼ばれる水平偏向発振器は
、第１図に示すように、電源回路６、充放電切換回路７
、充放電回路８、レベル検出回路９、フリップフロップ
回路１０、および出力回路１１より構成されており、充
放電切換回路７からフリップフロップ回路１０に至る回
路系への供給電源が電源回路６内にあるトランジスタ５
の工□ツタから摩りだされている。

第１図に示したこの発振器では、先ず、充放電回路８の
抵抗１２によって決められた電流でコンデンサ１３を充
電する。

充放電回路８の端子電圧はコンデンサ１３の充電が進む
につれて上昇し、所定の電圧に達するとレベル検出回路
９が動作してフリップフロップ回路１０を動作させる。

このときのフリップフロップ回路１０の出力は充放電切
換回路７に導かれ、同回路７の出力が充放電回路８を放
電させるように変化する。

したがって、充放電回路８のコンデンサ１３は抵抗１２
によって決定される電流で放電し、充放電回路８の端子
電圧は減少し始める。

そして、コンデンサ１３の放電が進み、その端子電圧が
所定の電圧オで低下すると、レベル検出回路９によりフ
リップフロップ回路１０が反転し この出力によって充
放電切換回路７の出力が変化し充放電回路８がコンデン
サ１３を充電するように動作する。

このような動作を繰返して発振が持続する。

なか、抵抗３、ツェナーダイオード４、トランジスタ５
は、充放電切換回路γ、充放電回路８、レベル検出回路
９、フリップフロップ回路１０へ電力を供給する定電圧
源を構成している。

ところで、第１図に示すような発振器においては、フリ
ップフロップ回路１０が反転する時に、フリップフロッ
プ回路１０の反転が完了した後に比べて大きな電流が流
れる。

それは、第２図にフリップフロップ回路１０の構成を具
体的に示したように、この回路の入力端子１９および２
０への入カハルスに対し、トランジスタ１３および１４
の遮断が、トランジスタのホール蓄積効果により遅れ、
フリップフロップ回路１０の反転時に、両トランジスタ
が共に導通する期間があるためである。

反転完了時には、両トランジスタのうちいずれか一方の
みが導通する。

以上のように動作する第１図に示した発振器において、
たとえば電源端子１に印加される電圧がツェナーダイオ
ード４が動作しなくなるような値まで低下したトランジ
スタ５のエミッタ側での出力インピーダンスはツェナー
ダイオード４が導通しているときに比べて高くなる。

このような状態の下でフリップフロップ回路１０が反転
する時の前記電流の増加はトランジスタ５のエミッタ電
位に変化をもたらし、このためトランジスタ５のエミッ
タ電位はフリップフロップ回路１０の反転のたびごとに
変動することになり、この電位の変動がこれを電圧供給
源としている充放電切換回路７、充放電回路８、レベル
検出回路９の動作を乱す。

すなわち、環境条件の変化によって、電源電圧が低下し
、ツェナーダイオード４が動作しなくなる電圧になった
時に発振が停止する欠点があった。

本考案は、上記のような従来の欠点を除去することので
きる安定した電圧を供給しつる電源回路を具備した水平
偏向発振器の提供を目的としたもので、その骨子とする
ところは、充放電切換回路の動作を支配するフリップフ
ロップ回路の電源電圧を電源回路の構成要素であるトラ
ンジスタの工□ツタ電圧に求めることを排し、電源回路
のトランジスタの工□ツタにベースが接続され、コレク
タが電源回路のトランジスタのコレクタへ電源電圧を供
給する電源端子に接続されたトランジスタを設け、この
トランジスタのエミッタからフリップフロップ回路へ電
源電圧を供給する構成としたところにある。

以下に第３図を参照して本考案の水平偏向発振器につい
て詳しく説明する。

図示するように本考案の水平偏向発振器ではフリップフ
ロップ回路１０がエミッタフォロワとして使用されるト
ランジスタ２１のエミッタから電圧を供給されるように
構成され、さらにトランジスタ２１のコレクタおよびベ
ースは、それぞれ電源端子１およびトランジスタ５のエ
ミッタに結合されている。

そして、本考案の電源回路を用いた発振器の動作機構は
第１図に示したそれと全く同じである。

ところで、本考案の水平偏向発振器においてトランジス
タ２１のエミッタ接地電流増扁率をβ、フリップフロッ
プ回路１０の等価インピーダンスをＺｆとすると、トラ
ンジスタ２１のベース側から見た入力インピーダンスＺ
ｉは、Ｚｉ共Ｚｆ／βで表わされ、フリップフロップ回
路１０の等価インピーダンスが、トランジスタ２１のな
い場合の等価インピーダンスのｌ／βとなる。

因に通常の半導体集積回路では、作り込まれるトランジ
スタのエミッタ接地電流増幅率βの値は５０〜２００の
間にあるので、第３図の回路を半導体集積回路化した場
合には、フリップフロップ回路１０が反転する時の電流
の増大、すなわち、フリップフロップ回路１００等価イ
ンピーダンスＺｆの変化は、トランジスタ２１が配設さ
れていない場合のｔ、６から１／２００になる。

フリップフロップ回路１００転位時に、その等価インピ
ーダンスＺｆがトランジスタ５のエミッタ電位に与える
影響も同様に１１５ｉ、ら１／２００と小さくなり、エ
ミッタ電位の変動が抑制され、したがって従来の電源回
路と異なり、充放電切換回路１、充放電回路８、および
レベル検出回路９への影響が大巾に改善され、発振停止
現象はもはや生じない。

以上の説明から明らかｉように、本考案の水平偏向発振
器を具備するテレビジョン受像機では電源電圧変動に影
響されることのない安定した水平発振周波数が得られ、
その結果安定したテレビジョン画像が得られ産業上にお
ける利用効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の水平偏向発振器を示す図、第２図はフリ
ップフロップ回路を示す図、第３図は本考案水平偏向発
振器を示す図である。 １・・・・・・電源端子、２・・・・・・接地、３・・
・・・・抵抗、４・・・・・・ツェナーダイオード、５
．２１・・・・・・トランジスタ、γ・・・・・・充放
電切換回路、８・・・・・・充放電回路、９・・・・・
・レベル検出回路、１０・・・・・・フリップフロップ
回路、１１・・・・・・出力回路、１２・・・・・・抵
抗、１３・・・・・・コンアンサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アノードが接地された定電圧ダイオード、同定電圧ダイ
   オードのカンードと電源端子との間に接続された抵抗卦
   よび前記定電圧ダイオードと前記抵抗との接続点にベー
   スが接続され、コレクタが前記電源端子に接続される第
   １のトランジスタよりなる第１の電圧供給回路部と、同
   回路部中の前記第１のトランジスタのエミッタより動作
   電源電圧汐哄給される充放電切換回路、充放電回路なら
   びにレベル検出回路と、前記第１のトランジスタのエミ
   ッタにベースが接読され、コレクタが前記電源端子に接
   続された第２のトランジスタよりなる第２の電圧供給回
   路部と、同回路部構成用の第２のトランジスタのエミッ
   タよう動作電源電圧が供給され、出力が前記充放電切換
   回路へ結合される充放電制御用のフリップフロップ回路
   を具備することを特徴とする水平偏向発振器。