JPS58524Y2 - 積層ポリエステル透明成型物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は表面強度に富み、なおかつ耐衝撃性に秀れた透
明ポリエステル成型物に係るものである。

ポリエステル樹脂はかなり硬質の素材ではあるが表面強
度、すなわち表面におけるキズの付き易さの点で満足の
ゆくものではなかった。

また、ポリエステル樹脂は、それ自体硬くもろいため耐
衝撃性が極めて悪く、通常はグラスファイバーを混入し
、ポリエステルＦＲＰの形で強度を高めるとともに耐衝
撃性の改良を図っている。

しかしながら有効な耐衝撃性を得るためにはグラスファ
イバーを多量に添加しなげればならず（樹脂に対するグ
ラスファイバーの添加量が４０多以上）、そのため耐衝
撃性に優れたポリエステルＦＲＰ戒型物は不透明になっ
てしｌい、透明な成型物を得ることはできなかった。

透明なポリエステルＦＲＰ成型物を得るためにはグラス
ファイバーの添加量を樹脂に対して３０％以下に押えな
げればならず、したがって耐衝撃性が向上せず、透明で
かつ耐衝撃性に優れたポリエステルＦＲＰ戊型物を得る
ことはできなかった。

本考案は従来の欠点を改善し、透明でかつ表向強度に富
み、なおかつ耐衝撃性に優れたポリエステルＦＲＰ成型
物を提供せんとするものである。

すなわち本考案の積層ポリエステル成型物はポリエステ
ルＦＲＰ１の少なくとも片面にビニルエステル樹脂層２
を介してエポキシ樹脂層３を積層してなるものである。

ポリエステルＦＲＰは、透明性を損なわない程度（ポリ
エステル樹脂に対するグラスファイバーの添加量が３０
多１で）にグラスファイバーを混入した硬化物である。

ビニルエステル樹脂層はポリエステルＦＲＰとエポキシ
樹脂層とを結合する層であり、かつ、本考案に係る成型
物の外部から加えられた衝撃に対して緩衝層として作用
するものである。

この緩衝層としての機能はビニルエステル樹脂が軟質で
あることに起因すると推定される。

エポキシ樹脂層は本考案成型物の表面強度を向上させ、
かつこの層目体が耐衝撃性にも優れたものである。

本考案の積層ポリエステル透明成型物はポリエステルＦ
ＲＰとエポキシ樹脂層との間にビニルエステル樹脂層を
介在させたので、各層間の接着が良好で層間剥れが生じ
に（い。

またビニルエステル樹脂層の衝撃緩和効果によって耐衝
撃性が飛躍的に向上すると共に積層ポリエステル成型物
の透明性は良好なものとなった。

また最外層にエポキシ樹脂層を設けているので開放モー
ルドを使用して成型することができ、更にエポキシ樹脂
層表面は空気と接触した部分においては鏡面仕上げ状態
とすることができ外観美麗な積層ポリエステル透明成型
物を得ることができるものである。

また本考案の成型物は要求される性能を満たすのみなら
ず、耐衝撃性、表面強度に優れる価格的に高価なエポキ
シ樹脂を、所望の面の最外層にのみ存在させているので
廉価に供給できるという経済的メリットも有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は各々本考案の１例品を示す説明図で、
図中１はポリエステルＦＲＰ、２はビニルエステル樹脂
層、３はエポキシ樹脂層を各々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポリエステルＦＲＰの少なくとも片面にビニルエステル
   樹脂層を介してエポキシ樹脂層を積層してなる積層ポリ
   エステル透明成型物。