JPS5852003Y2 - 工作機械におけるタ−レツトヘツド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、工作機械におけるターレットヘッド装置に関
し、特に水平面内でターレットヘッドとマガジンとの間
で工具ヘッドの交換を行なうようにしたワーク送り加工
型専用工作機械におけるターレットヘッド装置に関する
ものである。

本考案によるターレットヘッドはベースフレームの４ダ
傾斜支持面に割出し回転可能に装着され、その等分割位
置例えば４分割位置にそれぞれ多軸工具ヘッドを緊締保
持し、各工具ヘッドは、加工位置においてターレットヘ
ッドの垂直面に緊締保持された状態におかれ、これに対
してワークに送りをかけて加工すると共に、交換位置に
おいてターレットヘッドの水平面に緊締保持された状態
におかれ、この緊締を解除してマガジンとの間で水平回
転による工具ヘッド交換を行なうことができるタイプの
ものである。

このタイプのターレットヘッドを備えた工作機械は、加
工位置にある工具ヘッドで加工を行なっている間に交換
位置にある工具ヘッドを交換することができるので、加
工におけるロスタイムがターレットヘッドの割出しに要
する時間だけとなって工作機械の生産性を高め得ること
、また工具ヘッドの交換を水平面内で行なうものである
ため工具ヘッド交換装置およびマガジンなどの付属装置
の設計が容易となることなどの利点が得られる。

ところで上記のようなターレットヘッドに対する工具ヘ
ッドの緊締保持は確実かつ強固でなければならないが、
割出し回転するターレットヘッド側に油圧による緊締装
置を設けることは機構がきわめて複雑化するばかりでな
く、不測の油圧喪失がおこると重大な事故につながると
いう問題がある。

しかしながら、本考案のターレットヘッド装置における
工具ヘッドクランプ機構は、強力なばねでもって常に緊
締保持側に弾発付勢力を働らかせ、上記工作機械のター
レットヘッドに工具ヘッドを確実かつ強固に緊締保持す
ると共に水平の交換位置においてのみターレットヘッド
外側の定位置にある油圧ピストンを含むクランプ解除機
構により前記弾発付勢力に抗して多軸工具ヘッドの緊締
保持を解除できるように構成されているので上記の問題
は完全に解消されるに至った。

本考案のターレットヘッド装置を備えた工作機械と組合
わされた工具ヘッド交換装置およびマガジンの全体装置
は、第１図に示される如くであり、同図中１はワーク送
り加工型専用工作機械、２は工具ヘッド交換装置、３は
交換すべき複数個の工具ヘッド５を搭載している水平回
転型マガジンである。

工作機械１のターレットヘッド４上には図示のものでは
４個の工具ヘッド５１乃至５４が緊締保持され、各工具
ヘッドはターレットヘッド４０割出し回転により加工位
置および交換位置につくことができる。

図は工具ヘッド５１がターレットヘッド４の水平面をな
す交換位置に緊締保持され、工具ヘッド５３がターレッ
トヘッド４の垂直面をなす加工位置に緊締保持されてい
る状態を示している。

ワーク６は送りユニット７上のインデックステーブル８
上にクランプされ、加工位置にある工具ヘッド５３に対
して前進後退して加工が行なわれる。

マガジン３は割出し回転するテーブル９上の４等分割位
置に工具ヘッド５５乃至５８を搭載しており、工具ヘッ
ド５５が交換位置についている。

工具ヘッド交換装置２はその構造の詳細な説明はこれを
省略するが、Ｘ字状に交叉する一対のアーム部材を有し
、アーム部材の閉動作で交換すべき工具ヘッドを挾持し
、そのまま上昇し、次いで１８Ｃｆ′旋回、下降アーム
部材の開動作を行なって水平面内でターレットヘッド上
の工具ヘッドとマガジンテーブル上の工具ヘッドとを交
換するものである。

本考案によるターレットヘッド装置は、ベースフレーム
の４５°傾斜支持面にヘッド緊締用シリンダを備える支
持軸を固定立設し、該支持軸に割出し回転可能にかつ前
記ヘッド緊締用シリンダにより前記支持面に押圧緊締可
能にターレットヘッドを装着し、該ターレットヘッドに
はその等分割位置に加工位置においては垂直となり、交
換位置においては水平となる載置面を有する工具ヘッド
載置台を設け、各工具ヘッド載置台には、ばねを介して
半径方向外方と内方とに弾発付勢された一対の摺動杆と
、各摺動杆の係合孔に遊隙を存して端部を係合せしめた
回動可能な連動杆と、下端を各摺動杆に連結され載置す
る工具ヘッドのクランプ溝に係止すべき爪部を有する揺
動可能な一対のクランプレバ−とからなる工具ヘッドク
ランプ機構、工具ヘッドのロケート孔に嵌入すべき工具
へラドロケートピンおよび工具ヘッドのスピンドルに駆
動連結すべき工具駆動中間軸を設け、前記ベースフレー
ムにはターレットヘッド割出し機構、ターレットヘッド
位置決め機構、前記水平交換位置にある工具ヘッド載置
台の隣接外側位置にむいて半径方向外方に付勢された前
記摺動杆の端部を押圧してクランプ解除するようになさ
れた油圧ピストンを含む工具ヘッドのクランプ解除機構
および前記中間軸に駆動連結自在な工具−ラド駆動機構
を配設してなるものである。

以下、本考案のターレットヘッド装置につき第２図乃至
第６図を参照して詳細に説明する。

ターレットヘッド４は、ベースフレーム１０の４ｆ傾斜
支持面１０ａ上で割出し回転されると共に、加工時には
該支持面１０ａに対して緊定保持される。

すなわちベースフレーム１０の４ダ傾斜支持面１０ａに
対して直交して固定支持軸１１が設けられ、該支持軸１
１の上端にピストン１２ａ、シリンダ１２ｂおよび蓋１
２ｃからなるヘッド緊締用シリンダ１２が装備される。

ターレットヘッド４はスラストベアリング１３を介しシ
リンダ１２ｂに関して回転自在に、又ローラベアリング
１４を介し支持軸１１に関して回転自在かつ軸方向摺動
自在に装着されている。

ヘッド緊締用シリンダ１２の上下油室に対して支持軸１
１中の油路を経て圧油が供給或は排除されるように構成
され、ターレットヘッド４をベースフレームの支持面に
押圧緊締し或はその緊締を解除することができる。

ターレットヘッド４の上面４等分割位置には工具ヘッド
５の載置面４ｂを有する工具ヘッド載置台４ａが設けら
れるが、各載置面４ｂはターレットヘッド４が割出しさ
れて加工位置につく時は垂直面となり交換位置につく時
には水平面となるように構成されている。

工具ヘッド５が載置面４ｂ上に正確に位置づけされるよ
うに載置台４ａに設けたロケートピン１５が工具ヘッド
５に設けたロケート孔１６に嵌合され、また工具ヘッド
５を載置面４ｂ上に緊締保持するためのクランプ機構１
７が設けられる。

前記クランプ機構１７は、ばね１８を介してターレット
ヘッドの半径方向外方と内方とに弾発付勢された一対の
摺動杆１９１ ｔ １９２と、各摺動杆１９１ ｔ １
９２の係合孔に遊隙を存して端部を係合せしめた回動可
能な連動杆２０と、下端を各摺動杆１９ｔ、１９ｚに連
結され載置する工具ヘッド５のクランプ溝５ａ 、５ａ
に係止すべき爪部を有する摺動可能な一対のクランプレ
バ−２１１゜２１２とからなり、摺動杆１９１を後記す
るクランプ解除機構３８の作動により半径方向内方に押
圧することにより工具ヘッドのクランプが解除されるよ
うに構成されている。

ターレットヘッドの工具ヘッド載置台４ａ毎に工具ヘッ
ドクランプ機構１７のほかに割出しカムフォロア２２お
よび工具駆動中間軸２３が設けられ、各カムフォロア２
２は割出し回転時に割出し円筒カム２４のカム溝２４ａ
に係合されるように構成され、また各中間軸２３は加工
位置においてベースフレーム１０に設けた工具ヘッド駆
動機構２５に接続可能に構成されている。

な卦２６は割出し円筒カム２４を駆動するための油圧モ
ータである。

前記駆動機構２５はベースフレーム１０の内部に配設さ
れた主軸モータ２７釦よび歯車を介して主軸モータ２７
により駆動されると共にシフターレバー２８により前記
中間軸２３に係脱自在に設けられた連結軸２９からなり
、加工位置において載置台１４の中間軸２３はシフター
レバー２８の作動により連結軸２９と駆動連結されるも
のである。

ターレットヘッド４を正確に位置決めするため位置決め
機構３０および工具ヘッド５の駆動連結および解除のた
めの駆動連結解機構３１が設けられている。

位置決め機構３０は、第３図に示されるように割出し円
筒カム２４と一体に回転する面板カム３２のカム溝３２
ａにベルクランクレバー３３の一端に設けたカムフォロ
アー３３ａが係合シ、該レバー３３の他端はベースフレ
ーム１０に突出自在に設けた位置決め軸３４に係合して
いて、ターレットヘッド４が割出し回転を完了した時位
置決め軸３４がターレットヘッド４の位置決め孔３５に
嵌入してターレットヘッド４の位置決めを行なうように
構成されている。

また前記面板カム３２のカム面３２ｂにはレバー３６の
カムフォロア３６ａが係合しており、レバー３６はばね
３７によって付勢され、これらによって前記シフターレ
バー２８を介し前記連結軸２９と中間軸２３および工具
ヘッドのスピンドル５ｂとの駆動連結耘よび解除を行な
うように構成されている。

ターレットヘッド４上の工具ヘッド載置台４ａが工具ヘ
ッドの交換位置にきたとき、工具ヘッド交換に備えてク
ランプ機構１７による工具ヘッド５のクランプを解除す
る必要があり、そのためクランプ解除機構３８が設けら
れる。

クランプ解除機構３８は、水平交換位置にある工具ヘッ
ド載置台４ａの隣接外側位置において半径方向外方に付
勢された前記クランプ機構１７の摺動杆１９１の端部を
押圧してクランプ解除するようにベースフレーム１０側
に配置された油圧ピストン３９およびクランプ状態検知
用のリミットスイッチ（図示せず）に係合するドッグ４
０からなり、該油圧ピストン３９の前進後退によりクラ
ンプの解除或はクランプを行ない、かつその状態を検知
するものである。

本考案によるターレットヘッド装置は以上に説明した構
成を備えており、以下加工、工具ヘッド交換を含む工作
機械の稼動に際してターレットヘッド装置の動作シーケ
ンスを詳細に説明する。

工具ヘッド５３による加工動作が終り交換された工具ヘ
ッド５５が工具ヘッド載置台４ａにクランプされると割
出し指令に基いてターレットヘッド４０割出し動作が開
始される。

割出し指令は油圧モータ２６を駆動しウオーム減速機構
を介して割出し円筒カム２４、面板カム３２を回転する
。

これと同時に支持軸１１中の油路を通してヘッド緊締用
シリンダ１２のシリンダ室に圧油が供給され、蓋１２ｃ
と一体のシリンダ１２ｂ、スラストベアリング１３を介
してターレットヘッド４をベースフレーム１０の支持面
１０ａから僅かに持ちあげターレットヘッド４と支持面
１０ａとの間に僅かな隙間をつくる。

前記面板カム３２の回転によりそのカム溝３２ａに沿っ
て変位するカムフォロア３３ａによってベルクランクレ
バー３３は図示の反時計方向に回動しこれによって位置
決め軸３４はターレットヘッド４の下面の位置決め孔３
５から抜き出される。

これと同時にカム面３２ｂに沿って変位するカムフォロ
ア３６ａによりレバー３６およびシフターレバー２８を
介して連結軸２９を後退させ、クラッチ連結の噛合を離
脱させる。

一方このとき割出し円筒カム２４は回転しているのであ
るが、まだカム溝２４ａはドラムに対した直交する部分
なのでカムフォロア２２を介してターレットヘッド４に
回転を与えることはない。

ターレットヘッド４の下面とベースフレーム１０の支持
面１０ａとの間にわずかなすきまができ、位置決め軸３
４が位置決め孔３５から抜は出し、また載置台４ａの中
間軸２３連結軸２９とのクラッチ連結が解かれた後、割
出し円筒カム２４の継続的な回転はそのカム溝２４ａに
沿うカムフォロア２２の動きによってターレットヘッド
４は９０°割出し回転せしめられる。

ターレットヘッド４のｃ＋ｃｆ’の割出し回転が終って
も割出し円筒カム２４は回転を継続するが、この間カム
フォロア２２はカム溝２４ａの不作動部分内にあってタ
ーレットヘッド４をそれ以上回転させることはない。

一方面板カム３２およびベルクランクレバー３３の作動
により位置決め軸３４はターレットヘラ１４０９００回
転後の次の位置決め孔３５に嵌入され、ターレットヘッ
ド４の正確な位置決めがなされる。

同時にばね３７はレバー３６を介して連結軸２９を中間
軸２１および工具ヘッド５のスピンドル５ａと駆動連結
する方向に付勢し、主軸モータ２７が駆動を開始すれば
工具ヘッドのスピンドル５ａは直ちに駆動連結される態
勢にある。

このときリミットスイッチ等により油圧モータ２６の駆
動を停止するとともに、支持軸１１中の油路を介してヘ
ッド緊締用シリンダ１２の下部油室へ圧油が供給され、
ターレットヘッド４はベースフレーム１０の支持面１０
ａに対して押圧緊締される。

以上諸動作が完結した段階で主軸モータ２７の駆動が開
始され、連結軸２９、工具ヘッド載置台４ａの中間軸２
３を介して工具ヘッド５４のスピンドル５ａが駆動され
る。

この加工動作中において交換位置にある工具ヘッド５２
と、マガジンテーブル９上の工具ヘッド５６とを水平回
転型工具ヘッド交換装置２によって交換することができ
る。

本考案のターレットヘッド装置は、ワーク送り加工型専
用工作機械に装備して、その諸動作が確実であり、特に
工具ヘッドのクランプ機構は、ターレットヘッド側に油
圧による緊締装置を設けるものとは異なり、構造がきわ
めて簡単であるにも拘わらず、水平の交換位置を除いて
は緊締保持の解除ができないので工具ヘッドは常に確実
かつ強固に緊締保持される。

加うるに、工具ヘッドの交換は工作機械の加工中にむい
てなすことができるので専用工作機械の能率向上に寄与
するところが大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるターレットヘッド装置を備えたワ
ーク送り加工型専用工作機械全体の側面図、第２図はタ
ーレットヘッド装置の主側断面図、第３図はターレット
ヘッドの割出し機構、位置決め機構および駆動連結機構
の要部を示す一部破断した要部側断面図、第４図は本考
案によるターレットヘッド装置に含まれる諸機構の作動
説明図、第５図および第６図はそれぞれ第４図のＡ矢視
固転よびＢ矢視図である。 １・・・・・・工作機械、２・・・・・・工具ヘッド交
換装置、３・・・・・・水平回転型マガジン、４・・・
・・・ターレットヘッド１．５・・・・・・工具ヘッド
、６・・・・・・ワーク、７・・・・・・送りユニット
、８・・・・・・インデックステーブル、９・・・・・
・マカシンテーブル、１０・・・・・・ベースフレーム
、１１・・・・・・固定支持軸、１２・・・・・・ヘッ
ド緊締用シリンダ、１３・・・・・・スラストベアリン
グ、１４・・・・・・ローラベアリング、１５・・・・
・・ロケートピン、１６・・・・・・ロケート孔、１７
・・・・・・クランプ機構、１８・・・・・・ばね、１
９・・・・・・摺動杆、２０・・・・・・連動レバー、
２１・・・・・・クランプ爪、２２・・・・・・割出し
カムフォロア、２３・・・・・・工具駆動中間軸、２４
・・・・・・割出し円筒カム、２５・・・・・・工具ヘ
ッド駆動機構、２６・・・・・・油圧モータ、２７・・
・・・・主軸モータ、２８・・・・・・シフターレバー
２９・・・・・・連結軸、３０・・・・・・位置決め
機構、３１・・・・・・駆動連結解除機構、３２・・・
・・・面板カム、３３・・・・・・ベルクランクレバー
、３４・・・・・・位置決め軸、３５・・・・・・位置
決め孔、３６・・・・・・レバー３７・・・・・・ばね
、３８・・・・・・クランプ解除機構、３９・・・・・
・油圧ピストン、 ４０・・・・・・ドッグ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースフレームの４ ｆｔｐ斜支持面にヘッド緊締用シ
   リンダを備える支持軸を固定立設し、該支持軸に割出し
   回転可能にかつ前記ヘッド緊締用シリンダにより前記支
   持面に押圧緊締可能にターレットヘッドを装着し、該タ
   ーレットヘッドにはその等分割位置に加工位置において
   は垂直となり交換位置においては水平となる載置面を有
   する工具ヘッド載置台を設け、各工具ヘッド載置台には
   、ばねを介して半径方向外方と内方とに弾発付勢された
   一対の摺動杆と、各摺動杆の係合孔に遊隙を存して端部
   を係合せしめた回動可能な連動杆と、下端を各摺動杆に
   連結され載置する工具ヘッドのクランプ溝に係止すべき
   爪部を有する揺動可能な一対のクランプレバ−とからな
   る工具ヘッドクランプ機構、工具ヘッドのロケート孔に
   嵌入すべき工具へラドロケートピンおよび工具ヘッドの
   スピンドルに駆動連結すべき工具駆動中間軸を設け、前
   記ベースフレームにはターレットヘッド割出し機構、タ
   ーレットヘッド位置決め機構、前記水平交換位置にある
   工具ヘッド載置台の隣接外側位置にかいて半径方向外方
   に付勢された前記摺動杆の端部を押圧してクランプ解除
   するようになされた油圧ピストンを含む工具ヘッドのク
   ランプ解除機構および前記中間軸に駆動連結自在な工具
   駆動機構を配設してなる工作機械におけるターレットヘ
   ッド装置。