JPS5851766Y2 - 滑り止め用底材

Info

【考案の詳細な説明】本考案は防水靴等に装着される滑り止め用の布製底材に
関するものである。

タイルばりの浴室やトイレの清掃においては各種の洗剤
を利用するが、非常に滑り易く、特に足腰の弱い婦人の
転倒事故は新聞記事として紹介されることも多い。

その為最近汎用されている防水靴の靴底には種々の滑り
止め用凹凸模様が施こされており、スリップによる転倒
事故を未然に防水する様に工夫している。

ところがタイル等の内装材で形成された床面ば極めて滑
りやすく、これらの凹凸模様だけでは充分な滑り止め効
果を発揮せず、相変らず色々の事故が報ぜられており、
これらの防水靴についての苦情が多く寄せられている。

本考案は以上の様な事情に着目してなされたものであっ
て、その目的は防水靴を履いて浴室内等を清掃する主婦
等のスリップによる転倒事故を防止する為の効果的な滑
り止め用靴カバーを提供することにある。

かかる目的を達成し得た本考案の構成とは、防水靴に装
着される滑り止め用布製底材であって、該布製底材の底
を天然又は合成繊維からなる布で構成すると共に、該布
材滑り止め剤を吸着乾燥させてなることを要旨とするも
のである。

以下実施例なる図面に基づいて本考案の構成及び作用効
果を具体的に説明するが、下記実施例は一具体例にすぎ
ず、もとより前・後記の趣旨に徴して、種々設計を変更
することはいずれも本考案の技術的範囲に含まれるもの
である。

第１図は本考案の滑り止め用底材を靴カバーの底部に設
けたものを例示する斜視図で、滑り止めカバー１は、底
布２と側布３とから構成されると共に、側布３の周縁４
にゴム等を縫い込んで、周縁４の伸縮を自在にしている
。

そして滑り止めカバー１の底は天然又は合成繊維からな
る布（好ましくは綿布や麻°等）で構成すると共に、こ
の底面に滑り止め剤を吸着乾燥させている。

第２図は公知の防水靴５に本考案の布製カバーを装着し
たところを示す斜視図で、布製カバー１が防水靴５の底
側を覆う様に装着される。

尚滑り止め剤としては公知の合成樹脂或は天然樹脂を適
当な有機溶媒に溶解したものが用いられ、本考案者の実
験によれば、ロジンが効果的であり、ロジンを有機溶媒
で溶解したものを用いると防水性が得られ且つ丈夫であ
る。

尚従来の合成樹脂型又はゴム製防水靴では、靴底とタイ
ル表面との間に水膜が形成されるので、靴底に形成する
凹凸を如何に鋭いものにしようとも、水膜自体を破壊す
る機能がない以上滑り止め機能が発揮されるべくもなか
った。

これに対し本考案の構成によれば水膜を繊維組織で分断
することになるので、底布とタイルとの間にすぐれた磨
擦抵抗が形成され、石鹸水等の介在によって滑りやすく
なっているタイル面上であっても前記転倒事故は九分通
り回避されることになった。

尚側布３や底布２の構成は図示したものに限定されるも
のではなく、例えば側布３を靴下の様に伸縮自在な編み
方で形成してもよい。

又底布２の形状も通常の靴と同様に左右対称にしたり、
左右同一にしてもよい。

更に底布２並びに側布３に防水加工を施こして滑り止め
効果を高めることもできる。

又上記実施例では底布を滑り止め用カバーの裏面に設け
ているが、例えば底布を第３図に示した防水靴５の底６
に直接或はスポンジ材等を介して間接的に添着して防水
性滑り止め靴としてもよい。

本考案は以上の様に構成されているので、浴室等で水を
使用する家事労働者の転倒事故解消に資するところは極
めて大きい。

しかも極めて簡単な構成からなり、簡単に製造できるの
で、広く利用することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の滑り止め用布製底材を設けた靴を例示
する斜視図、第２図は本考案の使用状態を示す斜視図、
第３図は本考案の他の実施例を示す側面図である。１・・・・・・滑り止めカバー、２・・・・・・底布、
３・・・・・・側布、４・・・・・・周縁、５・・・・
・・防水靴。

【実用新案登録請求の範囲】

防水靴の下面に装着する滑り止め用布製底材であって、
該底材を天然又は合成繊維からなる布材で構成すると共
に、該布材に滑り止め剤を吸着乾燥させてなることを特
徴とする滑り止め用底材。