JPS5851745Y2 - 魚礁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は人工魚礁に関するものである。

近年魚類の増殖を目的として、人工魚礁が設置されるよ
うになり、種々の構造からなる人工魚礁が提供されてい
るなかで２も、コンクリートブロックで構築された魚礁
は、極めて大規模に用いられている。

しかしながら、コンクリートブロックによる魚礁の構築
は、他の人工魚礁材料に比べ、重いこともあって、その
加工性５作業性が容易でなく、シかも耐久性に欠けるな
どの欠点がある。

すなわち、魚礁用コンクリートブロックの連結、組立構
造は、従来、ボルト締め構造またはインロウ式組立が採
用されている。

しかるに、前者のボルト締め構造は、ボルト自体が腐食
するため耐久性がないことやボルト穴の製作精度が要求
されること、さらに組立が繁雑であることなど、種々の
問題点がある。

また、後者のインロウ式組立は、組立が繁雑で、しかも
確実な固定が困難である。

本考案の目的は、か・る従来の欠点を除去し、構築が極
めて簡便で、確実かつ、耐久性のあるコンクリート筒体
の集合魚礁を提供するものである。

本考案の特徴は、筒体の周面に、周囲方向に４個以上、
長さ方向に２個以上の開口部を有するコンクリート中空
筒体が、複数個集合し、かつ、隣接する筒体を開口部間
に通した熱硬化性樹脂含浸繊維の輪により、連結してな
るコンクリート筒体の集合構造魚礁である。

以下本考案の構成、実施態様および作用効果について図
面により述べる。

第１図は、本考案に係る人工魚礁の構成上その基本単位
をなすコンクリート筒体の構造を例示するものであり、
第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図である。

図示するように、本考案魚礁に用いる構造体は、コンク
リート材質の筒体１とし、その形状は断面円形（円筒体
）、三角〜八角形（角筒体）、その他種々の変形が採用
されるが、いずれも中空筒体であることを必須とする。

第１図は最も汎用される円筒体の例を示す。

この筒体にはその周囲に複数個の開口部２が設けである
。

この開口部２は魚類の出入に便ならしめ、適度の採光に
有用であるほか、本考案においては、複数個の該筒体を
連結するための構造として必須のものである。

開口部２の形状および大きさ並びにその数は該筒体の形
状、大きさ、ならびにその個数に応じて、また当該魚礁
の目的に応じて適当に選べばよいが、通常長方形９円形
等の形状が用いられ、その大きさは出入する魚類に対し
て適度であり、本考案の複数個筒体連結が可能の程度と
する。

開口部の数も上記要素を考慮して各ケース毎に決定する
。

いよその具体的例を示せば次の通りである。

沿岸用魚礁として筒体の外径７０ｃｍ、内径５４ ｃｍ
。

長さ１５０ ｃｍとし、開口部は長方形で縦１５ ｃｒ
ｎ、横５２．５ｃｎｎを筒体の長さ方向、すなわち筒方
向に、２個、筒体の周囲方向、すなわち円周方向に６個
形成したもの、または、筒体の外径４５ｃｍ、内径３３
ｃｍ、長さ１５０ｃｍとし、開口部は長方形で縦１５
ｃｍ、横５２．５ｃｍを筒体の長さ方向、すなわち筒方
向に、２個、筒体の周囲方向、すなわち円周方向に４個
形成した筒体を用いた。

第３図は、コンクリート筒体１の開口部２間を樹脂含浸
ガラス繊維３で連結したときの断面図である。

第４図は、第３図の平面図である。コンクリート筒体の
連結方法は、あらがしめ、ガラス繊維（２４５０ｇ ／
ｋｍ）を硬化剤を添加したエポキシ樹脂未硬化物に含浸
したのち、１４本合せ（ロービング）の束とした。

一方、コンクリート筒体を隣接させ、最も近接せしめた
開口部間を、上記樹脂含浸ガラス繊維束で２０回通して
帯状に連結した。

その後、熱硬化を行った。

第５図は、コンクリート筒体を平面に並べ構築した魚礁
例である。

第６図は、コンクリート筒体を俵積みに構築した魚礁例
である。

本考案の魚礁は、上記構成になるものであるから次の如
き顕著な効果を奏する。

即ちコンクリート筒体の周面の開口部を利用して筒体を
連結するため、筒体を特別に加工する必要がない。

連結材として樹脂含浸繊維を使用しているので、著しい
耐久性がある。

また樹脂含浸繊維の断面を容易に変形できるから、筒体
の連結強度を任意に設定できる。

さらに、多数の開口部を有する中空筒体の多数を熱硬化
性樹脂含浸繊維の輪により開口部を介して連結する構造
となっているので、樹脂含浸繊維を未硬化の状態で用い
て多数の中空筒体を連結した後、熱硬化処理ができ、組
立作業が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案魚礁に用いるコンクリート筒体、第２
図は、第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は、コンクリー
ト筒体を連結した断面図、第４図は、第３図の平面図、
第５図および第６図はコンクリート筒体の集合構造魚礁
である。 １・・・・・・筒体、２・・・・・・開口部、３・・・
・・・樹脂含浸繊維。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．筒体の周面に、周囲方向に４個以上、長さ方向に２
   個以上の開口部を有するコンクリート中空筒体複数個を
   、周面の開口部を介して熱硬化性樹脂含浸繊維の輪によ
   り連結してなるコンクリート筒体の集合構造魚礁。 ２、繊維が、ガラス繊維ロービングの束である実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の魚礁。 ３、筒体を全体として、平面に並べて集合した実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の魚礁。 ４゜筒体を俵積みにした実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載の魚礁。 ５、開口部の長さ方向の長さが少なくとも１５ｃｍであ
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の魚礁・ ６、円筒内径が少なくとも３０ｃｍの筒体である実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の魚礁。