JPS5851034B2 - コ−クス粒子の流動床を用いる重質油の熱分解方法 - Google Patents

コ−クス粒子の流動床を用いる重質油の熱分解方法

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JPS5851034B2
JPS5851034B2 JP14792881A JP14792881A JPS5851034B2 JP S5851034 B2 JPS5851034 B2 JP S5851034B2 JP 14792881 A JP14792881 A JP 14792881A JP 14792881 A JP14792881 A JP 14792881A JP S5851034 B2 JPS5851034 B2 JP S5851034B2
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coke particles
fluidized bed
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利治 種本
一明 小池
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はコークス粒子を熱媒体とする流動床反応装置に
重質油を原料として供給して700℃乃至850℃の温
度において水蒸気の共存下で熱分解することによりエチ
レン等のオレフィン類を得る重質油の熱分解方法に関す
るものであり、更に詳細には反応生成物処理装置に侵入
するコークス粒子及び重質油の熱分解によって生成する
固体状の炭素質粒子と分解副生油とからなる懸濁液から
コークス粒子と固体状炭素質粒子を分離し、該分離粒子
を原料である重質油と混合して流動床反応装置に戻すこ
とを特徴とする重質油の熱分解方法に関するものである
コークス粒子の流動床を用いて原油、各種残渣油等を熱
分解してオレフィン類を製造する方法としては特許出願
公告昭45−36289で既に知られており、反応装置
は原料油を熱分解する為の流動床反応塔と熱分解反応に
必要な熱量を供給する流動床加熱塔及び両塔間の熱媒体
コークス循環の為の連絡管を基本的構成とするものであ
る。
このような反応装置においては反応塔出口流体及び加熱
塔出口流体に流動床を形成するコークス粒子が同伴して
飛出すことによるコークス粒子の損失を防止する為に、
通常反応塔出口及び加熱塔出口にサイクロンを設置して
、コークス粒子の大部分はサイクロンで捕集されて反応
装置に戻される。
しかしサイクロンの集塵効率はコークスの粒子径が小さ
いほど低下して、20μ以下のコークス粒子の大部分は
サイクロンで捕集することが出来ない。
また重質油の熱分解において生成する炭素質の大部分は
流動床を形成するコークス粒子に付着するが、コークス
粒子に付着しない炭素質の一部は反応塔出口ライン及び
特にサイクロンの内壁に付着していわゆるコーキング現
象が起こり、サイクロンの集塵効率の低下をきたす。
反応装置の運転時間の経過とともにサイクロンの内壁の
コーキング物質が徐々に増加することにより、サイクロ
ン内部での正常な流体の流れが乱されることに原因する
サイクロンの集塵効率の低下によって、サイクロンで捕
集されにくいコークス粒子の粒子径の範囲がO乃至20
μからO乃至100μ以上にも拡大されると同時に、本
来サイクロンで捕集されるはずの粒子径の範囲にある十
分大粒径のコークス粒子の未捕集量も無視しえないほど
に増加する。
この為に反応生成物処理装置へ侵入するコークス粒子の
量が増加して、重質油の熱分解において生成する炭素質
が流動床を形成する粒子へ付着する量を上回り、新たに
コークス粒子を反応装置へ補給しなげればならない事態
が発生したり、流動床を形成するコークス粒子の内比較
的小粒径のものが選択的に失なわれる結果、コークス粒
子の平均径が大きくなり、もはや流動床を安定な状態で
維持することが困難な事態に到る。
更には、反応生成物処理装置に侵入するコークス粒子量
が増加する為に、該装置の蒸留塔々底、熱交換器、配管
内等に堆積し、ついには閉塞に到らしめて運転継続を不
可能とする。
これらの問題を解決する為の方法として特開昭51−1
05307あるいは特開昭51−103105が既に知
られている。
すなわち前者は反応生成物処理装置に侵入するコークス
粒子の内比較的粒子径の大きい粗粒子を、該粗粒子を含
有する分解重質油から分離洗浄して反応装置にもどすこ
とにより上記の問題を解決しようとするものであり、後
者は反応生成物処理装置に侵入するコークス粒子の内比
較的大粒径の部分を分解副生油中に沈降させて、該コー
クス粒子を濃厚に懸濁する分解副生油として反応装置に
戻すことにより上記の問題を解決しようとするものであ
る。
本発明は、コークス粒子を熱媒体とする流動床反応装置
において、重質油を熱分解してオレフィン類を製造する
際に発生する諸問題を、経済性及び安定運転性の面で上
述の先行技術よりはるかに有利な手段で解決する方法を
提供するものである。
重質油をスチームの共存下で700℃乃至850℃で熱
分解する時、反応生成物の反応装置内での滞留時間を極
力短かくすることは、効率的にエチレン等のオレフィン
類を製造する為に極めて重要なことである。
この為反応塔内の反応帯域から反応生成物を冷却して分
解反応を停止させてしまう急冷帯域までのガス線速度を
極力大きくする必要があり、反応塔には所定のガス線速
度を達成させる為に水蒸気と重質油が大量に供給される
更に吸熱反応である熱分解反応の反応帯域を所定の温度
に維持する為に、加熱塔内で反応帯域より高い所定の温
度に加熱されたコークス粒子を熱媒体として大量に循環
させる。
この熱媒体コークス粒子を循環させる為の動力は、反応
装置の適切な部位より装置内に吹き込まれる水蒸気であ
る。
かくして流動床反応装置内は通常の流動床に比較して、
極めて激しいコークス粒子の流動状態を維持している。
この為に反応塔と加熱塔間を循環しているコークス粒子
は流動床内で摩耗及び粉化し、微小な粒子径のコークス
粒子を発生させる。
一方、反応塔に供給される重質油の大部分は熱分解して
ガス状生成物となるが、残部分は炭素質として流動床コ
ークス粒子に付着し、また反応塔から急冷器に到る配管
特にサイクロンの内壁に付着してコーキングを起し、あ
るいは微小な炭素質粒子となる。
以下、流動床内で摩耗及び粉化によって発生する微小な
コークス粒子、及び重質油より生成する微小な炭素質粒
子の内サイクロンの捕集限界粒子径より小さくサイクロ
ンによってほとんど捕集されることなく反応生成物処理
装置に侵入するものを、「微粉コークス」と呼ぶことに
する。
従って微粉コークスの発生量は、主として重質油中の残
留炭素分に支配される炭素質粒子の生成量乃至流動床の
激しさによつ′〔変化しうる摩耗及び粉化による微小な
コークス粒子発生量に影響されるが、これらは運転条件
が一定な状態では大きく変動するものではなく、むしろ
反応塔サイクロンのコーキング進行によって引起される
捕集効率の低下の為サイクロンの捕集限界粒子径が徐々
に大きくなることにより、経時的に微粉コークスの発生
量が増加する傾向を有するものである。
サイクロンの捕集限界粒子径は、反応装置の運転初期で
は約20μであるが、サイクロンにコーキングが進行し
た運転後半では100μにも及ぶことがある。
他方反応塔サイクロンのコーキング進行によって、上述
の微粉コークスの増加とともに、サイクロンの捕集限界
粒子径より大きい流動床コークス粉子の内比較的小粒子
径のコークス粒子が、サイクロンで完全に捕集されるこ
となく反応生成物処理装置に侵入しはじめる。
これはサイクロンの内壁に付着する不規則なコーキング
物表面にコークス粒子が衝突し、正常な流線を乱された
一部のコークス粒子がサイクロンから流出するガス流れ
に同伴されて反応生成物処理装置に入るものと考えられ
る。
このコークス粒子を「粗粒コークス」と呼ぶこととする
が、その粒子径はサイクロン捕集限界粒子径から流動床
コークス粒子の平均径程度の範囲のものであり、経時的
に粗粒コークス量は増加する傾向にある。
従来これらの微粉コークス乃至粗ねコークスの内生とし
て粗粒コークスに着目し、これを分解副生油の懸濁液か
ら分離・洗浄して反応装置に戻すか、あるいは、これを
沈降させることにより濃厚に含有する分解副生油の懸濁
液を反応装置に戻すことによって、反応装置内のコーク
ス粒子の量及び好適なコークス粒径分布を安定に推持し
ようとする方法は前記の先行技術によって知られている
が、微粉コークスの量が粗粒コークスの量に比較して多
い場合には、安定な運転を阻害するいくつかの問題が発
生する。
すなわち反応装置の運転開始後、比較的早い段階では、
コーキングの進行によるサイクロンの捕集効率の低下が
あまりなく、微粉コークスの内でも20μ以下の比較的
少量のコークス粒子と炭素質粒子が反応生成物処理装置
に侵し、反応装置内には粉化等によって発生する20μ
以上の微小な粒子径のコークス粒子が蓄積され、流動床
コークス粒子の平均径を徐々に低下せしめる。
この段階では反応生成物処理装置から粗粒コークスを分
離・洗浄乃至分解副生油懸濁液として反応装置に戻す必
要はないが、一方反応装置内のコークス粒子の平均径が
小さくなる為に、望ましい所定のガス線速度をそのまま
維持すると、反応塔出口流体に同伴するコークス粒子量
が増加して、反応塔とサイクロンの間の圧力損失の増大
をまねく結果、ガス線速度を低下せざるを得なくなる場
合がある。
また反応装置運転開始後ある時間が経過し、コーキング
の進行によるサイクロンの捕集効率の低下が見られるよ
うになる段階では、反応生成物処理装置に侵入する微粉
コークス及び粗ねコークスの量が増加する為、反応生成
物処理装置で粗粒コークスを分離・洗浄乃至分解副生油
懸濁液として反応装置に戻すことにより、反応装置内の
コークス量を不足させることなく、コークス粒子径を適
切な範囲に維持し且つ反応生成物処理装置内に滞留する
コークス粒子濃度を該装置内に堆積して閉塞を起こさな
い程度に低減することは意義あることである。
しかし微粉コークス量が粗粒コークス量に比較して多い
場合、分離した粗粒コークス側に相当量の微粉コークス
が混入することは、通常の動沈降分離乃至簡便な機械的
分離の手段においては避は得ないことであり、また粗粒
コークスと微粉コークスを複雑な手段によって分離する
ことも実際的ではない。
従って、例えば微粉コークスを相当量含む粗粒コークス
の分解副生油懸濁液を反応装置に戻す場合、粗粒コーク
スは所要の目的を満足するものであるが、微粉コークス
のほとんどは反応装置内に長くとどまることなく、反応
装置内でほぼ定常的に発生している微小なコークス粒子
等と共に再び反応生成物処理装置に侵入する為、徐々に
分離装置の処理能力の限度を超える事態に到る。
すなわち分解副生油懸濁液中のコークス粒子濃度が徐々
に高くなり、ポンプ乃至配管の一部にエロージョンを起
したり、流量制御の為の計装品として特殊な流量計乃至
調節弁を必要としたり、容器の底部乃至配管の一部で堆
積、閉塞のようなトラブルが発生したり、また懸濁液の
性状変化の為ポンプや攪拌機の動力が不足したりする。
一方粗ねコークス側に混入しない微粉コークスは、分解
副生油に懸濁した状態で急冷油として循環使用され、そ
の一部が後続する分解副生油処理装置に送られ、例えば
灯油・軽油相当留分の回収、燃料油としての回収、その
他有効利用の為の処理が行なわれるが、ここでも微粉コ
ークス濃度が上述の粗粒コークス分離装置の分解副生油
懸濁液中のコークス粒子濃度の上昇とほぼ同一傾向で高
くなる為に、同様の装置上の問題があり、更には有効利
用する際にも製品中に微粉コークスを含む為に、所要の
製品性状の向上が期待できない場合がある。
このように反応生成物処理装置に侵入するコークス粒子
特に微粉コークスが多い場合様々の問題が発生するわけ
であり、これらを分離して装置外に抜出し別途処理しよ
うとする場合は、該処理装置でやはり同様な問題の発生
が避けられないこと及び反応装置にもどすことにより流
動床コークス粒子の不足を避ける必要性からも実際的で
はない。
本発明者らは、この微粉コークスの挙動に着目して種々
検討を重ねた結果、反応生成物処理装置で分離した微粉
コークス及び粗粒コークスの全量を原料である重質油と
混合して反応装置に戻すことにより、該微粉コークスを
重質油より生成する炭素質と共に流動床コークス粒子に
効率よく付着させ乃至反応塔サイクロンの捕集限界粒子
径より大きいコークス粒子を形成させ、再び反応生成物
処理装置に侵入する微粉コークスの量を大巾に低減する
ことにより、流動床コークス粒子を不足させることなく
、該コークス粒子の粒子径の分布を適切な範囲に維持し
、更には反応生成物処理装置内で形成される分解副生油
懸濁液中のコークス粒子濃度を大巾に低減しうろことを
見出した。
すなわち従来のように反応生成物処理装置内の分解副生
油中のコークス粒子を分離・洗浄して反応装置に戻して
も、該コークス粒子中に含有される微粉コークスを流動
床コークス粒子に付着させ乃至反応塔サイクロンの捕集
限界粒子径より大きいコークス粒子を形成させる為の媒
体物質が存在しない為に、微粉コークスはそのまま再び
反応生成物処理装置に侵入し、また粗粒コークスを濃厚
に含む分解副生油懸濁液を反応装置に戻しても、分解副
生油は既に反応装置で700℃乃至850℃の高温熱履
歴を受けている為、再熱分解過程で該油中に懸濁してい
る微粉コークスを流動床コークス粒子に効率よく付着さ
せ乃至反応塔サイクロンの捕集限界粒子径より大きいコ
ークス粒子を形成させる為に必要な粘結性が高温熱履歴
を受けていない原料である重質油に比較して著しく劣る
結果、微粉コークスの大半は再び反応生成物処理装置に
侵入するものと考えられる。
次に図面により本発明の詳細な説明する。
第1図は本発明の実施態様を説明する為のフローシート
であるが、本図によって本発明の範囲が限定されるもの
ではない。
流動床反応塔1と流動床加熱塔2は連結管3で連絡され
ており、両塔の間を高温の熱媒体コークス粒子が循環す
る。
コークス粒子を循環流動させる為の動力となるスチーム
24が両塔の下部より通人されており、反応塔において
はこのスチーム乃至重質油21を供給することにより発
生するガス状分解生成物流体によってコークス粒子は流
動床を形成し、加熱塔においてはこのスチーム24乃至
熱源である高温熱焼ガス25を通人することにより流動
床を形成する。
コークス粒子を大量に循環流動させ激しい流動床を形成
させる為に、循環流動床内でのコークス粒子の摩耗及び
粉化による微小コークス粒子の発生は避は得ないもので
ある。
加熱塔に通人した燃焼ガス25は流動床コークス粒子と
熱交換した後、加熱塔下部に通人したスチーム24と共
に加熱塔サイクロン4に導びかれ、同伴するコークス粒
子の大部分を分離除去された後に、加熱塔排ガス26と
して別の処理装置へ送られる。
加熱塔サイクロンは加熱塔内蔵あるいは加熱塔対置いず
れでもかまわないが、このサイクロンのコークス粒子捕
集性能は運転期間を通じて大きく変動することはなく十
分満足しうるものである。
他方反応塔内で重質油と高温の熱媒体コークスの接触に
よって発生する700℃乃至850℃の分解生成物は、
反応塔下部に通人したスチーム24及び同伴する大量の
コークス粒子と共に反応塔出口流体27となり、反応塔
サイクロン5に導びかれ、同伴コークス粒子のほとんど
がサイクロン捕集コークス28として反応塔へ戻され、
未捕集コークス粒子を含むサイクロン出口流体29は急
冷器6へ送られる。
反応塔出口流体輸送管、サイクロン、サイクロン出口流
体輸送管の内壁には、運転時間の推移と共にコーキング
物の付着が進行し、管路を狭める為に圧力損失が増加す
ること、乃至反応塔サイクロンのコークス粒子捕集効率
が低下することにより、所定の運転期間後には反応装置
を停止し、コーキング物を除去しなげればならない。
またサイクロンの捕集効率の低下のような装置特性の経
時変化が引起こす流動床コークス粒子量の収支及び粒径
分布の変化、乃至反応生成物処理装置に侵入するコーク
ス粒子量の変化等から発生する諸問題に十分対処しうる
ものでなげればならない。
急冷器へ導びかれたサイクロン出口流体は、150℃乃
至300℃の急冷油30と接触することにより、200
℃乃至350℃の急冷分解生成物31として分留塔7に
流入する。
分留塔々頂からは、スチーム200℃乃至230℃以下
の留分の分解副生油を含む分解ガス生成物32が、次の
処理装置へ送られる。
分留塔々底部には、200℃乃至230℃以上の留分の
分解副生油と反応塔サイクロン未捕集のコークス粒子が
流入し、コークス粒子の内粗粒コークスの大部分を重力
沈降分離で取除いた微粉コークスを含む分解副生油が、
熱交換器8で冷却された後、急冷油として急冷器に供給
される。
分留塔々底からは、重力沈降分離された粗ねコークスと
微粉コークスを含む分解副生油スラリー33が抜出され
、スラリー受槽9を経由してコークス分離機10に供給
されて、油分5WT%乃至20WT%以下を含有する分
離コークス36とコークス粉子IWT%乃至5WT%以
下を含有するコークス分離副生油34に分けられる。
スラリー受槽は分解副生油スラリーを均一に攪拌混合す
る為のものであるが、省略することも可能である。
またコークス分離機は通常の機誠力による固液分離装置
で十分であり、例えばデカンター型の遠心分離機でコー
クス分離副生油中のコークス粒子濃度をIWT%以下に
することもできる。
分離コークス中に油分が若干量含まれることは特に問題
となるものではないが、適切な洗浄装置と組合せること
により、更に油分を低減することも可能である。
分離コークス36は混合槽11に送られ、重質油の一部
と完全に混合されて、コークス含有重質油22として反
応塔に戻される。
分離コークスと混合する重質油の割合は反応塔へ供給す
る全重質油の10%乃至50%であり、コークス含有重
質油中のコークス粒子濃度を25WT%以下とすること
が望ましいが、例えば重質油の全量と分離コークスを混
合してコークス粒子濃度を更に低くすることは、混合槽
の処理能力を大きくとる必要があるものの何ら本発明の
目的に支障を与えるものではない。
コークス分離副生油34の一部は、反応生成物処理装置
に流入する該当留分に見合う量だけ分解副生油35とし
て後続する分解副生油処理装置に送られ、残部は分留塔
に戻される。
従って分解副生油処理装置に送られる分解副生油中に含
まれるコークス粒子濃度は極めて低いものとなり、しか
も微粉コークスのみであることにより、回収油の性状に
与える影響はほぼ皆無であり、且つ装置に対してもエロ
ージョン防止対策、堆積防止対策等の特別な配慮も不要
である。
また分留塔にもどされる低コークス粒子濃度のコークス
分離副生油の希釈効果により、急冷油及び分解副生油ス
ラリー中のコークス粒子濃度を十分低く保つことができ
る為、反応生成物処理装置に侵入する微粉コークスの存
在によって発生する諸問題もなくなる。
上記のように本発明を実施することにより以下のような
利点が得られる。
すなわち反応生成物処理装置に侵入する微粉コークス及
び粗粒コークスのほぼ全量を、原料である重質油に混入
して反応装置に戻し、微粉コークスの大部分を重質油か
ら生成する炭素質とともに流動床コークス粒子に付着さ
せ及び微粉コークス同志の合体を促進することにより、
反応塔サイクロンのコーキング進行によりコークス粒子
捕集性能が低下する段階においても、 (1)反応装置内の流動床コークス粒子量が不足して、
新規のコークス粒子の補充が必要となる事態を招かず、 (2)反応装置内のコークス粒子の粒径分布を好適な範
囲に維持して、過大乃至過小な平均粒径とすることなく
、あるいはコークス粒子径を調整する為の粉砕分級のよ
うな複雑な操作を必要とせず、 (3)濃厚なコークス粒子を含む分解副生油懸濁液を反
応装置に戻す必要のないことより、分解副生油を再分解
させる為に要する余分な反応塔内容量及び熱量の授受を
必要とすることなく、(4)また有用な生成物の得率の
低い分解副生油の再分解が必要ないことより、余分なコ
ーキング進行を助長せず、あるいは分解副生油中の価値
の高い留分である軽質留分の重質化を招くことなく、 経済性及び安定運転性の面で有利な運転状態を達成でき
る。
またこれらの利点と同時に、反応生成物処理装置におい
ても、分解副生油スラリー中のコークス粒子を効率よく
分離できる為、(5)急冷油乃至分解副生油スラリー中
のコークス粒子濃度を低い水準に維持することにより、
ポンプあるいは配管にエロージョンが発生せず、特殊な
流量計乃至調節弁を必要とせず、容器の底部あるいは配
管の一部で堆積、閉塞のようなトラブルが発生せず、ま
たスラリーの性状変化によるポンプや攪拌機の動力不足
といった事態が発生せず、 (6)後続する処理装置に送出する分解副生油中のコー
クス粒子濃度が、更に無視できるほどの低い水準に維持
されることにより、急冷油乃至分解副生油スラリーの場
合以上に装置上のトラブルは解消され、また製品として
回収される分解副生油の性状が大巾に向上するので、有
効利用の範囲を広げ乃至利用価値を高めるものである。
更には、反応生成物処理装置に侵入するコークス粒子を
反応装置に戻す手段として、もともと反応装置に供給し
なければならない原料である重質油の一部を使うことよ
り、 (7)コークス含有重質油中のコークス濃度を比較的巾
広い範囲で任意に調整できる為に、一時的な反応装置乃
至反応生成物処理装置における運転条件の変動にも柔軟
な対応が可能である、といった利点もある。
次に実施例及び比較例について説明する。
実施例において使用した装置は第1図に示すものと同じ
であるが、比較例において使用した装置ではコークス分
離機及び混合槽はなく、分解副生油は分留塔から熱交換
器に到る管より分岐した管にて後続する分解副生油処理
装置へ送られ、分解副生油スラリーはスラリー受槽かも
直接反応塔へもどした。
比較例 使用した原料油の性状は中東系の常圧残油でその代表性
状は次の通りである。
比重 0.890 @100℃ 粘度 23cp @ioo℃ 残留炭素 8.6WT% 蒸留性状 1.BP 240℃ ※ 50% 362℃ EP 380℃(83%留出) 反応塔への原料油の供給量は4500 kg/Hであり
、150℃に予熱したものを分散用スチームとともに通
人した。
反応塔へのスチームの合計通人量は4500kg/Hで
あった。
分解温度750℃、圧力0.7 kg/crrf Gの
条件下で、原料油から220ONm′/Hの分解ガス、
820 kg/HのC5乃至220℃の留分の分解副生
油、1150kg/Hの220℃以上の留分の分解副生
油及び380 kg/Hのコークスが得られた。
第1表は比較例における運転状況の特徴を経時的に示し
たものである。
流動床循環コークス粒子の平均径は運転開始時0.66
mmのものを用いたが、摩耗及び粉化による減径の為に
第10日日以降は0.35 mm乃至0.40關の間に
あって比較的安定していた。
反応塔サイクロンの未捕集コークス量は通油第1日日に
150kg/Hであったものが、第10日日には190
kg/Hとなった。
これは反応塔サイクロンのコーキング進行によるコーク
ス粒子捕集効率の低下によるところが太きい。
この為運転当初流動床コークスの水性ガス及び加熱塔サ
イクロン未捕集コークス量210kg/Hをさしひき2
0kg/Hで増加傾向にあった流動床コークス粒子の量
が、第10日日には30kg/Hで減少するに到った。
流動床コークス粒子が増加傾向にある時は500kg乃
至1000kgの単位で反応装置より抜出し、逆に減少
傾向にある時は同様の単位で補充を行なった。
反応生成物処理系には運転開始に先立ち、はとんどコー
クス粒子を含まない油を張込んでいたが、反応塔サイク
ロン未捕集コークスが徐々に蓄積され、第10日日の分
解副生油スラリー中のコークス粒子濃度は23WT%に
なり、特に0.1關以上の粒子径のコークス粒子の蓄積
が相当の割合になった為、分解副生油スラリーを直接反
応塔へ500ky/Hでもどし始めた。
この結果、反応塔サイクロン未捕集コークス量が280
kg/Hまで増加したものの、一時的に流動床コークス
粒子量を増加傾向に転じさせ、かつ分解副生油スラリー
中の0.1 in以上のコークス粒子の割合を大巾に減
少させることが出来た。
しかし第20白目まで運転を続げたところ、更なる反応
塔サイクロンの捕集効率の低下の為、反応塔サイクロン
の未捕集コークス量は増加して、途中で流動床コークス
粒子量は減少傾向に転じてしまった。
また分解副生油スラリー中の微粉コークス粉子が効率よ
く流動床コークス粒子に付着しない為に再び反応生成物
処理装置に侵入して分解副生油中のコークス粒子濃度を
徐々に上昇させ、第20白目には分解副生油スラリー中
の該濃度が30WT%を超えた為、反応塔にもどす分解
副生油スラリー量を1000kg/Hに増加させた。
この結果流動床コークス粒子量の減少傾向は止まり、分
解副生油スラリー中のコークス粒子濃度も若干低減でき
たものの、反応塔サイクロン未捕集コークス量は更に増
加した。
しかしその後も流動床コークス粒子は減少傾向を**示
すようになり、第35白目では1日当り1乃至2回の補
充を必要とし、また分解副生油スラリー中のコークス粒
子濃度も38WT%まで上昇した。
運転期間中の大半は分解副生油中の微粉コークス濃度は
分解副生油スラリー中のそれの1/2乃至1 / 2.
5で推移した。
分解副生油スラリーを直接反応塔へもどすことによって
、配管の一部乃至容器の底部に特に堆積しやすい0.1
mm以上のコークス粒子の割合はほぼ10WT%以下で
あった。
運転終了後の装置の開放点検により、反応塔サイクロン
内部にはコーキングの進行が見られ、水平配管の底面の
一部及び熱交換器の底部にコークス粒子の堆積が観察さ
れた。
また分解副生油スラリーを送出するポンプのインペラー
の一部に1朋程度のエロージョンがあった。
実施例 使用した原料油の性状は比較例と同様であり、原料油の
供給量、反応塔へのスチーム合計通人量、分解温度・圧
力も同様である。
本実施例の場合、原料油の供給開始の直後より、分解副
生油スラリーを6000kg/Hでコークス分離機に供
給し、分離コークスを150℃に予熱した原料油の一部
2000に9/Hと完全に混合して反応塔にもどした。
分離コークス中の油分は5WT%乃至1゜WT%であっ
た。
第2表は本例における運転状況の特徴を経時的に示した
ものである。
流動床コークス粒子の平均径は運転開始時0.62mw
tであったものが、第10日日以降50日目においても
0.60mm乃至0.70mと極めて安定しており、反
応装置は順調な運転に終始した。
反応塔サイクロン未捕集コークス量は190に9/Hか
ら480 kg/Hまで増加したが、これは主としてサ
イクロンのコーキング進行による捕集効率の低下にもと
づくものである。
原料油の一部に混入されて反応塔にもどされた微粉及び
粗粒コークスは、十分反応装置内にとどまり、特に微粉
コークスは効率よく流動床コークス粒子に付着してその
平均径をほぼ一定に維持し、かつ反応生成物処理系へ再
侵入する割合が抑制されている。
流動床コークス量は140kg/H乃至170kg/H
で常に増加傾向にあった。
分解副生油スラリー中のコークス濃度は第35日日まで
3WT%乃至7WT%で徐々に上昇傾向にあるが、比較
例とくらべると115以下である。
コークス分離機で処理された後の分解副生油中のコーク
ス濃度も徐々に上昇するが、この場合は比較例とくらべ
ると更に低下の度合が高く、約1/14にもなっている
第35日日以降コークス含有原料油中のコークス粒子濃
度が20WT%を超えることが予測された為、遠心分離
機の回転数を調整することにより、コークス粒子の分離
度を若干低減する操作を実施した。
この結果、第50日日において分解副生油中のコークス
濃度が若干上昇したものの、コークス含有原料油中のコ
ークス濃度は20WT%以下を保ち、混合槽での攪拌乃
至反応塔への供給は安定して継続された。
反応塔へもどされるコークス粒子の内0.1 mrtt
以上の粒径な有するコークス粒子の割合は、第10白目
以降はぼ10%前後であった。
運転終了後の装置の開放点検では、反応塔サイクロンの
コーキングは比較例の場合よりかなり進行していたが、
分解副生油スラリーの配管乃至熱交換器の底部へのコー
クス粒子の堆積は目立って少なく、分解副生油スラリー
用ポンプの内部にもエロージョンは全く観察されなかっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施の一態様を示す工程図である。 1・・・・・・流動床反応塔、2・・・・・・流動床加
熱塔、3・・・・・・連結管、4・・・・・・加熱塔サ
イクロン、5・・−・・・反応塔サイクロン、6・・・
・・・急冷器、7・・・・・・分留塔、8・・・・・・
熱交換器、9・・・・・・スラリー受槽、10・・・・
・・コークス分離機、11・・・・・・混合槽、21・
・・・・・重質油、22・・・・・・コークス含有重質
油、23・・・・・・コークス不含重質油、24・・・
・・・スチーム、25・・・・・・燃焼ガス、26・・
・・・・加熱塔排ガス、27・・・・・・反応塔出口流
体、28・・・・・・サイクロン捕集コークス、29・
・・・・・サイクロン出口流体、30・・・・・・、@
、冷油、31・・・・・・急冷分解生成物、32・・・
・・・分解ガス生成物、33・・・・・・分解副生油ス
ラリー、34・・・・・・コークス分離副性油、35・
・・・・・分解副生油、36・・・・・・分離コークス

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 コークス粒子を熱媒体とする流動床反応装置を用い
    て700℃乃至850℃で水蒸気の存在下で重質油を熱
    分解する方法において、反応生成物流体に同伴して反応
    生成物処理装置に侵入するコークス粒子及び固体状の炭
    素質粒子と分解副生油からなる懸濁液からコークス粒子
    と固体状炭素質粒子を分離し、該分離粒子を原料である
    重質油と混合して流動床反応装置に戻すことを特徴とす
    る重質油の熱分解方法。
JP14792881A 1981-09-21 1981-09-21 コ−クス粒子の流動床を用いる重質油の熱分解方法 Expired JPS5851034B2 (ja)

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